平成3475日目
1998/07/14
この日のできごと(何の日)
【自民党】ポスト橋本選出へ
自民党の後継総裁選びは、14日の総務会で選出手続きが了承され、本格的に動き出した。党内では小渕恵三外相、梶山静六前官房長官(以上小渕派)、小泉純一郎厚相(三塚派)らが取りざたされ、「指導力」「政策本位」「言語明瞭、意味明瞭」など、それぞれの思惑を込めた選考基準が飛び交った。
しかし、参院選惨敗後の後遺症に悩む党内は、新体制で衆院解散・総選挙に臨むかどうかの見極めもつかず、新たな「顔」はまだ見えてこない。《共同通信》
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自民党の森喜朗総務会長、小泉純一郎厚相ら旧三塚派幹部は14日夜、都内の料理屋で会合を開き、橋本龍太郎首相の後継総裁選びをめぐり意見交換した。会合の後、小泉氏は記者団に対し、自身の出馬問題について「橋本路線にも、引き継ぐべきではないものと、継承すべきものがある。小渕恵三外相が、これまでの行政改革は生ぬるい、自民党政治を変えていくと言えるかどうかを見守る。言えなければ、総裁選には勝っても(次期)総選挙では負ける」と述べ、小渕氏が党改革や行革に徹底して取り組む姿勢を見せない場合には自ら出馬に踏み切る意欲を示した。
また、小泉氏は「私に出ろという人たちが、どこまで真剣に考えているかを見極める。21日(の新総裁選出)まで、時間はないようで、ある」と述べた。
この日の会合は、森氏の誕生日祝いの名目で開かれた。会合では、新総裁は話し合いではなく、あくまで両院議員総会での投票で決めるべきだとして、森、小泉両氏のいずれかを擁立すべきだとの意見が大勢を占めたという。
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自民党の加藤紘一幹事長は14日夕、橋本龍太郎総裁(首相)の後継問題について「あまり強引にまとめるのは良くない」と述べ、複数が立候補した場合は無理に一本せず、21日の両院議員総会での投票にゆだねるべきだとの認識を表明した。党本部で記者団に述べた。
総裁を含めた新役員人事に関連して「私は(参院)選挙担当であり、責任を感じる」として、新役員には就かない意向を表明した。《共同通信》
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【民主党】非共産で野党共闘
民主党は14日、橋本龍太郎首相の退陣表明による今後の政局に向け、「非目民・非共産」を軸にした野党共闘を進める方針を固めた。しかし、新党平和や公明、自由党は民主党主導の野党共闘には慎重な姿勢を見せており、民主党の描く野党共闘が直ちに実現するのは難しい情勢だ。
同日開かれた民主党の拡大常任幹事会では、今後の野党共闘に関して「共産党とは一線を画すべきだ」(同党幹部)との意見が大勢を占めた。既に羽田孜幹事長らは新党平和や公明、自由党などを回り、首相指名選挙での菅直人代表への投票を水面下で呼び掛けるなどの動きを始めている。
これに対し、自民党でも民主党でもない「第三極」路線に傾く新党平和と公明は、民主との共闘では党が埋没しかねないとして、「完全中立だ。民主党に軸足なんか置かない」(新党平和幹部)と冷ややか。「保・保」も視野に入れる自由党も「非自民の枠組みでと、民主から話があるが、数合わせが先行すべきものではない」(野田毅幹事長)と慎重だ。
一方、共産党は前国会で民主党との共闘で成果を上げたことから「首相指名選挙で、菅代表への投票もあり得る」(不破哲三委員長)と積極的だ。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は14日、退陣を表明して気が抜けたのか記者団とのやり取りは上の空。閣議でどんな発言をするのかと聞かれても「昨日(の陳謝)と同じだよ」とポツリ。総会での参院選惨敗の弁も「今までと同じことだよ」−。クリントン米大統領との電話会談に臨む心境を問われた際には「フー、気持ちか…」とだけ。首相は就任以来、追い掛け回す記者団に皮肉を浴びせ、時にはたばこをくゆらせながら外交や行革で熱弁を振るったが、退陣が秒読み段階に入って無念さと寂しさはひとしおのようだ。
○・・・参院選で躍進した民主党の石井一国対委員長は脱線気味。この日の拡大常任幹事会で宮城、茨城、東京の同党公認がトップ当選を果たしたことを挙げて「皆さんは本当に当選すると思っていたのか」と冗談を飛ばし、次期衆院選で政権を奪還するには「いかに良いタマをそろえるかだ」と総選挙対策にまで言及した。この後、政権戦略に関連して記者団に「(菅直人代表が提唱する)『オリーブの木』では実を結ばない。グレープフルーツの木はどうや」との冗談も、参院選後、民主党は「おごらない」との態度を確認したが、はしゃぐ石井氏は早くもルール違反。《共同通信》
【大相撲名古屋場所】10日目
大相撲名古屋場所10日目(14日・愛知県体育館)横綱曙が出島の突き落としに敗れ2敗に後退した。出島は6日目の若乃花戦に続く金星で7勝3敗。横綱貴乃花は小結魁皇を無難に寄り切り、10戦全勝で単独トップをキープ。栃乃和歌を押し出した大関武蔵丸と、旭豊に勝った平幕琴の若の2人が9勝1敗で追っている。新横綱若乃花と大関貴ノ浪はそれぞれ栃東、濱ノ嶋を下して勝ち越し決定。曙を加えた三人が8勝2敗で並んだ。十両は8勝2敗の安芸ノ州が依然単独首位。《共同通信》
【名古屋市熱田区】線路上にコンクリ板
14日午後9時45分ごろ、名古屋市熱田区新宮坂町のJR東海道線で豊橋発大垣行き下り快速電車(4両編成)の運転士が異常音を聞き停車。車両点検で異常がなかったため電車は6分後に運転を再開したが、巡回した保線係員が同日午後11時半ごろ、線路わきの側溝からコンクリート製の板16枚が外され、一部が電車の通過で破損しているのを見つけた。
コンクリート製板は長さ50センチ、幅20センチ、厚さ6センチで重さ13.5キロ。配線などを入れるボックスのふたとして使われていた。愛知県警熱田署は何者かが線路に入り込み、ふたを外しレールに置くなどした列車妨害事件とみて捜査している。
調べでは、ふたが外されていたのは姥子踏切近く。線路上で4枚が破損して見つかり、現場近くでも1枚が見つかった。
JR東海によると、下り線の現場付近を約5分前に別の列車が通過したが、異常は感知していなかったという。快速電車の乗客270人にけがはなく、後続の普通電車が7分遅れた。
JR東海の営業路線では、4月末、岐阜県関ケ原町の東海道新幹線でレールのボルトが抜き取られたほか、名古屋市中川区のJR関西線で5月と6月に自転車が線路内に放置されるなどした。《共同通信》
【この日の民主党】
民主党の枝野幸男・政調筆頭副会長(党薬害エイズ真相究明特別本部長)が6月18日に提出した薬害エイズ問題に関する質問主意書に対して、橋本総理名の答弁書が14日、送付された。
枝野議員は質問主意書で東京・大阪両HIV訴訟原告団と小泉厚相が協議した「薬害根絶誓いの碑」建立について、「1997年10月9日の議事確認書では『薬害根絶誓いの碑』との明確な文言があるのに、厚生官僚が『根絶』の文字を刻まないなどの提案を繰り返していることについて、和解合意に携わった小泉厚相はどう考えるのか」と追及していた。
これに対して答弁書では「議事確認書は有効である」としながら、「医薬品による健康被害は、いかに薬事行政が適正に実施されたとしても、医薬品本来の性質等から不可避的に生じ得るものであり、また、医薬品製造業者や医療機関等の過失等によっても生じ得るものである。したがって、碑に『薬害根絶』の文言を使用することは適当ではない」との詭弁を弄している。
また、6月17日の松村元生物製剤課長の公判で厚生省エイズ研究班の録音テープの存在が明らかになったことについて、検察庁はテープをどこから押収したのか、厚生省はテープの存在を認識していたかなどの点も質問していたが、答弁書では「証拠物の押収の有無などは答弁を差し控えたい」「厚生省内調査ではテープの存在を確認していない」とした。
薬務官僚の製薬業界への天下りについては、枝野議員の質問に答えて平成9年7月に退職した本省課長が平成10年4月に大阪医薬品協会理事長になっている例など12件を挙げ、「国家公務員法、厚生省の自粛措置に反しているとは考えない」と、改善の姿勢を示していない。
枝野議員は14日、「一読したところ、いまだ十分な答弁とはいえず、今後の国会審議や再質問の提出などを通してさらに追及していく」とコメントし、特に公判での「新証拠問題」については郡司元生物製剤課長らの参考人招致なども含め、徹底的に審議したいとしている。《民主党ニュース》