平成3358日目

1998/03/19

この日のできごと(何の日)

【ヤクルト】巨額損失

乳酸菌飲料販売最大手の「ヤクルト本社」(本社東京、堀澄也社長)が、外国為替中心とするデリバティブ(金融派生商品)取引で多額の損失を出し、桑原潤会長と、管理本部長の熊谷直樹副社長が引責辞任する方針であることが19日、関係者の話で分かった。同社は20日に取締役会を開き正式決定する。堀社長の去就は流動的だが留任の見通し。

関係者の話では損失額は1000億円との見方も出ており、財テクの失敗は経営の根幹に重大な影響を与えそうだ。本業の低迷を財テクで乗り切ろうと「スワップ」「オプション」など投機性の高いデリバティブ取引に手を出した結果、アジア通貨の下落など外国為替相場の激変により逆に損失が膨らんだという。

昨年末には同社が保有する有価証券を米国の投資会社系列のペーパー会社が発行する私募債と交換していた行為が、有価証券などの含み損を隠す目的だったのではないかと報道された。

関係者の話によると、ヤクルト本社は本業の「ヤクルト」「ジョア」など乳酸菌飲料の売り上げが伸び悩んでいるため、1980年代後半から熊谷副社長のリードで積極的に財テクを進めた。

特にここ数年は、外資系の銀行や証券会社と組んで、投機性が高く、かつ決算時の損益勘定書に計上しないで済むオフバランスのデリバティブ取引に力を注いだ。

例えば「通貨スワップ」と呼ばれる取引では、円建てで借り入れた資金をドル建て、フラン建て、タイ・バーツなどアジア通貨建てに分ける形で為替差益を狙った、とされる。しかし、こうした取引が裏目に出て、含み損が雪だるま式に拡大した。

さらに、ことし3月期決算から、スワップとオプション取引の時価情報を公開する会計上の基準もできたため、損失を確定させ、デリバティブ取引から撤退することにした。《共同通信》

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【大相撲春場所】12日目

大相撲春場所12日目(19日・大阪府立体育会館)単独首位の大関若乃花が平幕の旭鷲山を送り出し、12戦全勝とした。ただ一人2差で追う横綱曙も栃乃和歌を突き出し10勝目を挙げた。が、両者は13日目に対戦、若乃花が勝つと7場所ぶり4度目の優勝が決まる。大関同士の一番は武蔵丸が貴ノ浪を一方的に押し出した。武蔵丸は通算場所連続勝ち越しとなり、貴ノ浪戦の連敗を8で止めた。関脇武双山は琴竜を寄り切り、3場所続けて勝ち越した。若乃花、曙に続く3敗は平幕の蒼樹山一人になった。十両は2敗の闘牙が依然単独トップ。《共同通信》

【町村信孝文相】ヘアヌードを批判

町村信孝文相は19日、雑誌のヘアヌード、新聞販売の拡張の在り方などを強く批判し「著作物の再販売価格維持制度(再販制度)の意義は認めているが、今のような事態が続けば再販は存続できない」とけん制した。

日本新聞協会、日本雑誌協会、日本書籍出版協会、日本レコード協会の4団体が同日、再販制度の堅持を要望した際に述べた。

この中で町村文相は「主要な週刊誌の冒頭からヘアヌードが出ている。みなさん恥ずかしくないんですか。こんな国は世界にない」と指摘。これに対し田中健五日本雑誌協会理事長(文芸春秋社最高顧問)が「裸はアートです」と切り返すと、文相は「とてもアートではない。出版倫理協議会で抜本的に考え直すべきだ」と反論した。《共同通信》

【NPO法】成立

ボランティア活動などを行っている民間の非営利団体(NPO)に、法人格を与えることを目的とした特定非営利活動促進法(NPO法)が19日午後、衆院本会議で全会一致で可決され、成立した。

対象となる市民団体は、国際協力や災害救助、子供の健全育成など12分野。法人格付与で、寄付金管理や物品購入など財産管理や運営面で便宜が図られることになる。

ただ、NPOへの寄付金非課税などの優遇税制導入が盛り込まれなかったことや対象団体の条件に関して、市民団体側の不満も強く、今後の制度見直しで焦点となりそうだ。

橋本龍太郎首相は19日午後、特定非営利活動促進法(NPO法)が成立したことについて「この法律を生かすには行政側の対応はもちろん、非営利組織の方々がどこまで胸襟を開いて話をして(行政と)役割分担するかにかかっている」と述べ、NPOが行政と強調して問題に取り組むことに期待感を示した。

また「地球環境、その中の日本の環境問題にお互いに対応し、チームプレーをしないといけない時代が目の前にきている」とも述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】インドネシア・ハビビ副大統領と会談

橋本龍太郎首相は19日午後、来日しているインドネシアのハビビ副大統領と首相官邸で会談し、同国の経済構造改革をめぐる国際通貨基金(IMF)との協議について「弾力的に臨んでいることを歓迎するし、早急に妥結することを期待する」と表明した。

これに対し副大統領はIMF側も柔軟な姿勢を示しているとし「インドネシアも早期妥結が得られるよう弾力的に対応したい」と述べ、IMFとの協議に積極的に取り組む考えを表明したが、IMFとの具体的協義の内容については言及しなかった。

また副大統領は国内の民間債務処理とともに、経営危機に陥っている中小企業についても「何らかの救済策を考えてもらえないか」と要請。さらに日本以外の主要国からも支援を受けるため、日本の働き掛けに期待を示した。

首相は「民間債務の問題は主要各国の政府も精力的に話し合いを進めており、早く(解決策が)まとまることを期待する」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は19日、糖尿病患者が全国で690万人に達するとの厚生省発表に関連、記者団が「気を付けていることは」と質問したが「気を付けようがないんだよ」と苦笑。しかし、「(60歳だから)年齢的には『予備軍』の可能性はあるが、今のところおかげさまで心配ない」とキッパリ。糖尿病の予防策は適度な運動、バランス良い食事。国会に縛られ、酒好きも自認する首相だけに立派な「予備軍」の一員とみられるが、負けん気の強さで、健康ぶりを盛んにアピール。

○・・・民政党の羽田孜代表はこの日の記者会見で、新「民主党」の初代党首人事について聞かれると「今、統一準備会で組織をどうするか話している最中だ。党代表が(ペラペラ)しゃべったら準備会などいらなくなる」と珍しく貝に変身。菅直人民主党代表が党首就任との報道に関しても「新聞にはいろいろ出ているが、何をもとに書いているのか。しゃべる人がいれば(その人の)願望だろうが、打ち砕れていく」と不機嫌そのもの。この原因、党首に意欲満々な自身の「願望」が打ち砕かれそうなため?《共同通信》

【中国・朱鎔基首相】初会見

中国の朱鎔基首相は19日の就任後初の記者会見で、当面の内外諸情勢について見解を表明、中央と地方の政府機構改革を年内に終える方針を示し、国有企業改革についても「3年あれば十分」と自信を表明した。

アジア金融危機の発生で注目されている金融改革については「問題が大きく、性急に実施できないため三年をかけるが、銀行改革など主要部分は年内に完成する」と述べた。経済問題には詳しい一方、外交については「かかわりが少なかった」とし、首相としては外交が課題となっていることを示した。

朱首相は厳しい性格が強調されているが、この日の約1時間半の会見ではふんだんなユーモアで会場の笑いを誘い、従来の指導者と異なる印象を与えることに成功したようだ。

行革は3年間で成し遂げるとされていたが、朱首相は「これは半減された公務員の再就職を含めてであり、機構改革自体は年内に終える」と断言。国有企業改革についても「外国では国有企業の困難を大きく見過ぎている。赤字企業の大半は小企業であり(経済を支える大企業の)赤字からの脱却は3年で十分」と胸を張った。

しかし、現在でも問題となっている失業は、行革と国有企業改革の同時進行でさらに深刻化する危険性がある。行革に3年間を要する理由について「職業訓練や適した職場に配置する必要があるため」と説明したが、具体的な雇用創出策への言及はなく、先行きは不透明だ。《共同通信》



3月19日 その日のできごと(何の日)