平成3293日目

1998/01/13

この日のできごと(何の日)

【東京証券取引所】短銃男がろう城

東京都中央区の東京証券取引所で短銃を持った男が13日午後、人質を取って立てこもった事件で、警視庁公安部と中央署は同日午後6時36分、人質の大蔵省関東財務局の東京証券取引所副監理官、Aさん(50)を約5時間半後に無事保護。逮捕監禁、銃刀法違反などの現行犯で元右翼団体メンバーのB容疑者(41)を逮捕し、短銃を押収した。Aさんにけがはなかった。

B容疑者は調べに「日本版ビッグバンの阻止を訴えたかった」などと供述、経済政策への不満を抱いていたとみられ、主張を記した声明文を所持していた。同容疑者は米国製コルト38口径短銃に弾丸5発を装填し、事前に公園で試し撃ちし、立てこもりの際、一発を発射したことも供述している。公安部は動機や短銃の入手先などについて追及する。

調べでは、B容疑者は同日午後1時ごろ、東京証券取引所の受付で名刺を出し「監理官に会わせろ」と面会を求めたが、監理官が不在だったため14階のAさんの部屋に案内された。B容疑者は部屋で天井に向け短銃一発を発射、Aさんを人質にドアのかぎを内側から掛けて立てこもった。

同容疑者は東証の午後の取引中止や三塚博蔵相との面会などを要求したが、午後6時すぎになって親しい右翼団体幹部に「これから投降する」と電話。同6時半すぎ、Aさんを解放し、説得していた捜査員が間もなく取り押さえた。

B容疑者は右翼団体の幹部だった昭和60年6月、米軍住宅建設に反対して防衛庁施設に火炎瓶を投げた事件で逮捕されるなど「反米」の立場での活動を続けていた。

Aさんは立てこもり直後、ドア越しに話し掛けた東証職員に「大丈夫だ」などと話したほか、捜査員がかけた内線電話に「(男は)紳士的に対応してくれている」などと答えていた。

同取引所は午後3時までの取引業務を通常通り行った。現場は地下鉄東西線茅場町駅の北約100メートルで、証券会社のビルなどが立ち並ぶオフィス街の一角。

「なぜ東証を狙うのか」。13日午後の取引が始まったばかりの東京証券取引所。右翼団体元メンバーの男が東証副監理官のAさんに短銃を突き付け立てこもったが、何も要求を実現できないまま逮捕された。日本版ビッグバン(金融制度改革)を控えたこの時期、意図が理解できない粗末な犯行に、証券関係者は怒りを募らせた。

男は午後1時すぎ、受付を通り14階へ管理官室でお茶を出した女子職員は、直後に部屋で乾いた発砲音が響くのを聞いた。

東証は事件発生後、エレベーターを停止し、14階には防弾チョッキやヘルメット姿の警察官が集結した。午後の立ち会いは通常どおり午後3時に終了。東証職員らがぽつぽつ帰り始めた夕方、男は内線電話での再三の説得に応じて人質を解放した。男は「(A)さんを)傷つけるつもりはなかった」と話したという。

東証調査部統計室の男性職員(30)は「理不尽だ。東証を狙ってどうするつもりだったのか。関係者が資料を取りに来られず、電話で問い合わせが殺到して迷惑した。こんなことで立ち会いを中止したら、同じような右翼の人間が押し寄せるだろう」と怒りを見せた。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【フジ系連続ドラマ・きらきらひかる】放送開始

【大相撲初場所】3日目

大相撲初場所3日目(13日・両国国技館)横綱昇進を狙う大関貴ノ浪は玉春日を落ち着いて引き落とし3連勝。大関武蔵丸も貴闘力を寄り切って全勝をキープした。初日につまずいた両横綱は、貴乃花が栃乃洋を寄り切り、曙は琴の若をはたき込んで白星を重ねた。しかし大関若乃花は小結魁皇に寄り切られて1勝2敗となった。連勝スタートを切った武双山、栃東の両関脇は初黒星を喫した。幕内の3連勝は貴ノ浪、武蔵丸、新入幕の旭天鵬ら5人。《共同通信》

【世界水泳シンクロ・ソロ】立花美哉選手、銅メダル獲得

水泳の世界選手権第7日は13日、パース(豪州)のチャレンジスタジアムでシンクロナイズドスイミングのソロ決勝などが行われ、立花美哉(井村シンクロク)が合計97.530点で3位に食い込んだ。今大会の日本選手2つ目のメダルで、日本のソロでのメダル獲得は3大会連続。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】景気回復を最優先

橋本龍太郎首相の金融・経済演説などに対する代表質問は13日午後の衆院本会議で始まり、2兆円特別減税を含む1997年度補正予算案や政府の経済運営をめぐり本格的な論戦を展開した。

2兆円の特別減税について首相は「99年度以降も必要な状況にならないよう全力を尽くしたい」と述べ、景気対策を最優先に取り組む考えを強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は13日、首相官邸で、記者団から経団連次期会長に今井敬新日鉄社長が決まったことへの感想を求められると「その前に退任される豊田章一郎会長に本当にご苦労さまだったと言いたい。行革会議や経済審議会で重責を担われて本当に大変だった」と豊田会長をねぎらう言葉を優先。今井氏については「これから重責を担われることになった。心からおめでとうと言いたい」と続けたが、豊田氏への言葉に比べるとそっけない印象。政権の3月危機もうわさされる中で「去りゆく者」への感傷の方が強かった?

○・・・自民党の梶山静六前官房長官はこの日の総務会で、加藤紘一幹事長が赤字国債と建設国債の区分廃止を主張していることを取り上げ「区分は安易に国債を出さないためのものだ。軽率ではないか」と批判した。加藤氏は「私見で言ったが、大きく扱われた。党内でも1、2年かかる大きな議論が必要なことは分かっている」などと懸命に釈明したが、梶山氏は「ブレーキのかからない車は危険だ」と追撃。執行部と反執行部派のつばぜり合いの場となっている総務会だが、このやりとりにはベテラン総務たちもちょっと緊張。《共同通信》

【魏京生氏】西側を批判

中国の民主化運動指導者、魏京生氏は13日、訪問先のパリで記者会見し、西側諸国は中国への市場参入に強い関心を示す半面、人権問題を軽視していると批判した。

魏京生氏は「中国共産党は市場をえさにしている。しかし仮想の市場と現実の市場を見分けることが重要だ。中国経済は政府によって統制された人工的なもので、政府は市場ルールを尊重しない」と述べた。

中国で釈放された後、米国に滞在している魏京生氏は同日、フランス国民議会(下院)外交委員会の招きでパリに到着した。6日間の滞在中、下院外交委員会で演説するほか、人権団体の会合などに出席する。

しかし、シラク大統領、ジョスパン首相は中国政府の反発を考慮して魏京生氏との会談を拒否しており、閣僚で会うのはジョスラン協力担当相だけ。また、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のマヨール事務局長も、会う予定はないという。《共同通信》



1月13日 その日のできごと(何の日)