平成3227日目

1997/11/08

この日のできごと(何の日)

【中国・三峡ダム】せき止め完了

中国政府が治水と発電を目的に「世紀のプロジェクト」として建設を進める世界最大級の三峡ダムのせき止め工事が8日終了した。長江(揚子江)の本流が遮断され、これで工事は第二期のダム本体建設に入る。

古くは革命家孫文の提唱に始まり、毛沢東、鄧小平と歴代指導者が世界第3位の大河に建設を夢見て果たせなかった巨大ダム計画は、根強い反対論をなお抱えながらも5年間に及んだ第一期の基礎工事を終え、青写真からダム本体を形づくる構想実現の段階に入った。

建設現場の湖北省宜昌市三斗坪で行われたせき止め式典には、江沢民国家主席と李鵬首相の最高指導者2人がそろって出席。工事の模様も中国中央テレビが14時間の生中継で全国に放映し国家の威信をかけたプロジェクトの意義を内外にアピール。

せき止め工事は同日午後3時(日本時間同4時)すぎ、ダム本体建設予定地のすぐ上流に設けた堤防のすき間をふさいで終了。これで本流の水が流れ込まなくなり、たまった河水を抜いた後、来年から発電設備を含めたダム本体建設が始まる。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【日本人妻】初の里帰り

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に渡った日本人妻ら日本人配偶者の里帰り第一陣15人が8日夜、経由地の北京から成田空港に到着し、日本から北朝鮮への帰還事業が1959年に始まって以来、初の里帰りが実現した。日本人妻のうち一部は同空港で待ち構えていた親族と再会を果たした。また4人が空港内で記者会見し、「夢のなかで一度でも会いたいと思った親兄弟との面会が今すぐ実現する。感激しています」などと故郷の土を踏んだ感想を語った。

一行は14日まで日本に滞在し、出身地などを訪問して親族との面会や墓参などを行う。《読売新聞》

【サッカーW杯予選】日本5-1カザフスタン

悲願のワールドカップ(W杯)初出場へ、日本が一歩前進した。サッカーの1998(平成10)年W杯フランス大会アジア最終予選B組の日本―カザフスタンは8日、5万6000人の観客で埋まった東京・国立競技場で行われ、日本が5ー1で快勝、通算3勝4分け1敗で勝ち点を13に伸ばし、同組2位を決めた。日本は16日にジョホールバル(マレーシア)で、A組の2位とアジア第3代表の座を争う。

この試合に勝つと、日本は54年に予選に参加して以来、初めて本大会出場権を獲得する。敗れた場合は、22、29の両日、オセアニア地区代表の豪州とのプレーオフ(ホームアンドアウエー方式)に回り、最後の出場切符を懸けて対戦する。

日本は前半、秋田(鹿島アントラーズ)中田(ベルマーレ平塚)がゴール。代表に復帰した中山(ジュビロ磐田)も頭で得点し、後半、カザフスタンの反撃を1点に抑えた。《共同通信》

【竹下登元首相】橋本首相を激励

竹下登元首相は8日午後、地元の島根県斐川町で講演し、度々電話をかけてくるという橋本龍太郎首相に対し「内閣改造以来、行革の中間報告などに対する批判で支持率が下がっている。しかし竹下内閣(の最も低い時)は9%だった。30%以上あるから心配することはないと言っている」と激励していることを紹介した。その上で「首相の電話は報告だけで何かをどうしてくれという話は一つもない」と付け加えた。

首相夫人の久美子さんからも電話で「男の長電話をしているが、主人も人の子でいらいらしてだれかに今の心境を打ち明けたいんです。勘弁してください」と言われたことを明かし首相の後見役としての存在をさりげなくアピールして見せた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】サウジアラビアに到着

橋本首相は8日午後、サウジアラビアのリヤドに到着した。この後、同市内の王宮で同日夜、ファハド国王と会談し、「石油に限定した経済だけの関係を、他の分野にも広げ、新たな関係を築きたい」との意欲を表明する。そのうえで両首脳は(1)教育・職業訓練(2)環境(3)医療・科学技術(4)文化・スポーツ–の4分野での関係強化を図る「包括的パートナーシップ」の構築で合意する見通しだ。《読売新聞》

【台湾・李登輝総統】「台湾は独立した主権国家」

8日付の米紙ワシントン・ポストによると、台湾の李登輝総統は同紙との会見で「台湾は独立した主権国家だ」と述べ、中国に対し挑戦的な姿勢を示した。会見は6日に台北で行われた。

同紙は、これまで台湾の地位について慎重な言い回しをしていた総統が「独立国家」と発言した真意は明確でないとしつつ、現時点では中国との対話に関心がないことを示している、との専門家の分析を紹介。背景には、先月末の江沢民・中国国家主席の訪米で米中間の関係改善が進展、台湾への対話圧力が増している事情があるとも指摘した。

総統は「中国が自由で民主的で、社会正義が存在する国になるまで統一は急がない。譲歩するつもりもない」と述べた。さらに台湾の大部分の住民は現状を好ましく思っており、台湾を中国の一省とは見ていないと語った。

昨年5月、総統直接選挙後の就任演説で中国を訪問、最高指導者と会う用意があると提案したことについては「一般市民と台湾の経験した民主主義について語り合えるなら」と前提条件を付けた。《共同通信》

台湾の中央通信社電によると、台湾の胡志強外交部長(外相)は、8日付の米紙ワシントンポストが李登輝総統との会見記事の中で「台湾は独立した主権国家だ」などとする同総統の発言を紹介したことについて、ポスト紙が「独立」をことさら強調して伝えたとして、同紙に訂正を申し入れたことを明らかにした。胡外交部長は「(李総統は)従来の立場を繰り返しただけで、われわれは今さら『独立』を宣言する必要はない」と指摘した。(9日)《共同通信》

【米・クリントン大統領】同性愛集会に出席

クリントン米大統領は8日夜、米国最大の同性愛者団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」が主催し、約1500人が集まったパーティーに出席、同性愛者に対する雇用差別を禁止する法案を議会で可決することなどを求めるあいさつをした。大統領として同性愛者の大規模集会に参加するのは歴代で初めてで、キリスト教関係団体など保守派は反発、来年秋に予定される中間選挙への影響を心配する民主党議員の一部からも疑問の声が上がっている。

ワシントン市内のホテルで開かれたパーティーの券は250ドル(約3万円)。この日のパーティーだけで38万ドル(約4600万円)近くが集まり、かなりの金額が民主党に献金されるとみられている。大統領は「米国の想像力を広げなければならない」などと抽象的な表現で同性愛者への理解を強調した。《共同通信》



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