平成3121日目

平成9年7月25日(金)

1997/07/25

【酒鬼薔薇聖斗事件】家裁に送致

神戸の連続児童殺傷事件で神戸地検は、殺人などの容疑で再逮捕された中学3年の少年(15)の拘體期限が切れる25日、5月の小6男児殺害、3月の連続通り魔、2月の女児殴打の3事件を一括して神戸家裁に送致した。少年事件としては異例の1カ月近くにわたる拘置を経て、捜査はすべて終結した。

神戸家裁は今後、非公開の調査や審判を通じて、動機や少年の環境、精神状態を調べ最終的な処分を決める。少年法の規定で16歳未満は刑事罰を受けないため、地検は「少年院送致相当」の意見書を付けたもようだ。5人が襲われ、うち2人が死亡した被害の重大性、犯罪史上例のない残虐な手口で社会に衝撃を与えた事件は、捜査段階で十分な究明に至らなかった動機面など中心に家裁に解明の場を移す。

捜査段階では、3事件の凶器が現場近くの池から見つかっており、兵庫県警須磨署捜査本部は容疑はほぼ裏付けられたとしている。しかし、直接の動機は明らかになっていない。少年の自宅から押収した「犯行ノート」には、自分が創造した神への信奉が記されており、少年の内面の特異性が浮かび上がっている。

家裁は、非行事実や家庭環境、心身の状況などを調査した上で少年審判を開き、少年院送致や保護観察などの保護処分を4週間以内に決める。精神面でさらに調査する必要があると認めれば、精神医学の専門家などに鑑定を依頼する場合もある。

調べでは、少年は5月24日、市立多井畑小6年、A君(1I)の首を絞めて殺害、遺体を切断し中学校正門前などに遺棄。また3月16日、市立竜が台小4年のBちゃん=当時(10)=の頭を金づちで殴り死亡させ、別の女児(9つ)をナイフで刺し重傷を負わせたほか、2月10日には小学6年の女児2人をハンマーで殴り、うち1人を負傷させたとされる。《共同通信》

神戸市須磨区の小学生連続殺傷事件で、神戸地検の山本恒己次席検事は25日午後、記者会見を行い、容疑者の中学3年の少年(15)が一連の犯行に至った動機について、「祖母の病死をきっかけに『死』に強い関心を抱き、人を殺してみたいという欲望を持つようになった」と、初めて公式に言及した。非公開を原則とする少年事件で、検察側が捜査結果について触れるのは極めて異例のことで、「事件が社会に与えた影響を考慮した」としている。

一方、同地裁は神戸家庭裁判所に書類を一括送致したのに続き、午後には少年の身柄を家裁に送った。これを受けて家裁は同日、2週間の観護措置を決め、身柄を神戸少年鑑別所に移管。通常より多い4人の調査官を選任して調査を開始した。《読売新聞》

神戸の連続児童殺傷事件で、神戸地検は25日、中学3年の少年(15)の動機形成の原点として「大事に思っていた祖母の死がきっかけ」と指摘した。当時を知る人によると、祖母の死に、少年はふさぎ込むほどの衝撃を受けていたという。これを機に、歯車が逆転したかのように孤立を深め、変ぼうしていく少年の姿が浮かぶ。

祖母が亡くなったのは4年ほど前。少年が小学校5年の時だった。近所の住民は、祖母と少年が仲良く連れ立つ光景をよく覚えている。祖母は、小学校1年のころから少年を毎朝、公園でのラジオ体操に連れて行ったり、おやつを渡したりしていた。その祖母の死に少年はふさぎ込む。心配した母親は当時、学校に「ショックを受けている」と相談に行っている。

祖母を追い掛けるように、間もなく愛犬「サスケ」が死んだ。サスケを連れ、父親と一緒に夕方のニュータウンを散歩していた「犬好きの少年」の姿も消えた。友人らによると、6年生になった少年は一人で遊ぶことが多くなった。学校でサバイバルナイフを持ち、ノートなどにホラー映画の主人公の絵をかくなど死への異様な関心を見せ始めた。動物虐待もこのころから始まった。

神戸地検は、小動物の殺害について、良心の葛藤に揺れながらエスカーレートしていった、と説明している。中学校で少年は猫の殺害を自慢するように。一方で、友人に「家族は優しかったが、ほんまの気持ちは分かってくれない」と疎外感を打ち明けていたという。《共同通信》



【北陸新幹線】名称は「長野行新幹線」

JR東日本は25日、10月1日開業予定の北陸新幹線のダイヤ編成と、時刻表や駅などで使う路線名を「長野行新幹線」にすると発表した。路線名については、整備新幹線としての正式名称の北陸新幹線だと、北陸方面に向かう乗客が誤って乗る恐れがあることを理由に挙げている。

ダイヤによると、東京−長野間はノンストップの最も早い列車1往復を含め一日24往復(計48本)。東京発のノンストップ下りの所要時間は1時間19分。最も遅い各駅停車は1時間56分かかる。途中の軽井沢駅には上下30本が停車、小海線と接続する佐久平駅には上下32本が停車する。これとは別に東京−軽井沢間に一日4往復し、途中各駅に停車す東京発長野行きの下り始発は午前6時20分、最終は午後10時6分。長野発の上り始発は午前6時2分、最終は午後9時42分。

路線名は時刻表の目次などで「長野行新幹線(北陸新幹線)」と表示、新規に開業する安中榛名−長野間の各駅での改札口などの案内掲示は乗り間違えの恐れがないため単に「新幹線」とし、東京駅などでは「長野行新幹線」と表示する。車内、駅での案内放送は「長野新幹線」とし、外国人客向けのローマ字表記は「Nagano Shinkansen」とする。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】シュワちゃんと対談

橋本首相は25日、自民党本部で米国の人気映画俳優アーノルド・シュワルツェネッガー氏と対談した。新作の「バットマン&ロビン」のキャンペーンのため来日した同氏の希望で実現したもので、冒頭、同氏が演じる「Mr.フリーズ」をプリントしたジャンパーを贈られた首相は、「自分より背が高くてハンサムな人と座るのは好きじゃない」と、ユーモアで切り出すなど上機嫌。

さらに、同氏から「首相は大変ハンサムなので、政界を引退したらぜひハリウッドスターに」などと水を向けられると、「日本のチャンバラをする映画を撮るなら私を使って」と売り込むなどすっかりその気に。

映画を鑑賞した後、首相は記者団に、「(彼は)本当に鍛えているぞ。紳士だし頭も良い。戦ったら本当に強いぞ」と、同氏のファンになっていた。《読売新聞》

【政界談話室】

○・・・中曽根康弘元首相は25日、都内の講演で「新聞やテレビは、私が紅白歌合戦のように片方の旗を持っているみたいに言う」とマスコミを批判しつつ、「保保連合」派との見方を否定した。首相時代に自ら手掛けた国鉄改革を、旧同盟系労組が支持してくれたことを披露し「労組は重要だ」と持ち上げたり、「社民党はよく協力してくれる」と度量の広さもアピール。だが、反「保保」の新進、民主、太陽各党の有志議員が設立準備を進める「改革会議」について「中身がなく、スローガンだけ」と手厳しく批判するあたり、本音はやっぱり保保志向?

○・・・太陽党の羽田孜党首はこの日、宇都宮市内の講演で、地元出身の故渡辺美智雄元外相に触れ「細川護煕元首相の辞任後、ぜひ首相をやってもらうようお願いした」と思い出話。「率直で、分かりやすくしゃべることができた」と人柄をしのんだ後、結局は渡辺氏が自民離党を決断できず、自分が引き受けさるを得なかったことを強調したが、「あの腕力でやってくれたら、旧社会党、さきがけを追い出すことはなかった」と思わずぽつり。わずか64日で終わった自らの短命政権に思いをはせるかのよう。《共同通信》



7月25日のできごと