平成3104日目
1997/07/08
この日のできごと(何の日)
【酒鬼薔薇聖斗事件】
金づちも池で発見
神戸市須磨区のA君(11)殺害事件で、兵庫県警須磨署捜査本部は8日、殺人などの疑いで逮捕した少年(15)の供述に基づき、現場近くの「向畑ノ池」(約2200平方メートル)を捜索、3月の連続通り魔事件で犯行に使われたとみられる金づち1本を発見、押収した。
少年は連続通り魔について「金づちで殴った」と犯行を認めている。捜査本部は同一の金づちとみて鑑定を急ぐとともに、供述の信ぴょう性は高いと判断、A君殺害事件の捜査を終え次第、全容解明を急ぐ。《共同通信》
「家族は優しく幸せだった」
神戸市須磨区の小学校6年、A君(11)殺害事件で、殺人などの疑いで逮捕された市立友が丘中3年の少年(15)が、兵庫県警須磨署捜査本部の調べに対し「家族は優しく幸せだった」「(学校に)恨みはない」と供述していることが8日、分かった。少年が学校への復しゅうを口にしていたとの証言もあり、学校への恨みが事件の引き金とみられているが、学校にも家族にも不満を漏らしていないことから、捜査本部は、学校や家族以外に動機につながる背景があったのではないかとみて調べている。
関係者によると、少年は、今年5月初旬、同級生を殴ったとして教諭から体罰を受けた上、「卒業まで来なくていい」と言われて学校を休んでいたとされる。事件当日の5月24日には同級生に「学校に復しゅうしてやる」と話していたという。学校側は、体罰の事実を否定しているが、学校での何らかのトラブルが犯行動機につながった可能性があるとみられていた。
しかし、捜査本部が家族や学校について聴いたところ、少年は「家族は優しく、学校へも恨みはない」と供述した。友人らの話では、少年は、小学校低学年からの遊び仲間のリーダー格だったが、中学入学後はグループの結束力が徐々に落ち始め、孤立しがちだった。
今年5月初めには、友人に「自分がやったと分かるように猫の死がいに目印を付けて中学正門前に置いたのに無視された」と話していたという。
神戸の小6男児殺害事件で、神戸地裁は8日、逮捕された中学3年の少年(15)について10日間の拘置延長を認める決定をした。《共同通信》
フォーカス、経過を説明
9日発売の写真週刊誌「フォーカス」(新潮社発行)で、同誌の田島一昌編集長が神戸市の小6男児殺害事件で逮捕された容疑者の少年(15)の顔写真を前号に掲載した経過を説明した上で「このような方法で表現しななければならなかったことを実に遺憾に思う」と記載していることが8日、明らかになった。
また、同誌は作家灰谷健次郎氏が「フォーカスが犯した罪」と題して、新潮社に送付した抗議文も併せて掲載。田島編集長はこの抗議文について「真摯に受け止めたい」としている。
経過説明は計4ページ。「禁じられた写真の呪縛」との題で、少年が逮捕された6月28日から法務省が同誌の回収を勧告した今月4日までの取材メモを掲載した。
取材メモによると、少年の顔写真は29日午前に入手。掲載をめぐり、編集部内に強い反対意見があり、30日未明まで議論が続いた。しかし「少年のやったことは少年法の枠を超えている」と判断し、締め切り間際の同日昼すぎに掲載を決めた。
2日の発売後は「フォーカスがどこにもない。どこで買えるか」などの電話が殺到。「恥知らず」「少年の未来をどう思うのか」と批判する電話もあった。法務省には「私たちの問題提起は間違っていない」と回答した。
田島編集長は最後に「少年法を犯した私たちの方法について、胸を張っているわけではない。法務省の勧告には柔直に耳を傾け、検討していきたい」と述べている。
一方、灰谷氏の抗議文は見開き2ページ。「一出版社が一法の枠を超えていると判断する権利も権限もあるはずはない」と批判した上で、「我が子が罪を犯したと想像してみて、真っ先に、罰する重さを考えるという親がいるだろうか。あれこれ考える人が増えていくことで社会は浄化される」と書いている。《共同通信》
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【大相撲名古屋場所】3日目
大相撲名古屋場所3日目(8日・愛知県体育館)2横綱と2大関が敗れる波乱の土俵となった。これは平成3年春場所2日目以来のこと。横綱貴乃花は蒼樹山の押し倒しに不覚を取り、曙は貴闘力の引き落としに敗れ、ともに初黒星。蒼樹山は初金星、貴闘力は7個目の金星を挙げた。大関貴ノ浪は武双山の寄りに完敗、かど番の若乃花は新小結栃東の押しに土俵を割り、いずれも2敗目を喫した。大関武蔵丸は落ち着いて琴稲妻を下し、関脇土佐ノ海も小城錦に勝ち、ともに3連勝とした。《共同通信》
【民主党】確執が表面化
民主党の幹事会が8日開かれ、議席が伸び悩んだ東京都議選結果を受け、今後の路線問題をめぐる確執が表面化した。
席上、社民党出身の横路孝弘副代表が「政界再編より、今は理念、政策をつめ、党の体力をつけることが大事だ」と指摘し、新進党の反小沢(党首)グループや太陽党などとの連携に積極的な鳩山代表らの姿勢に疑問を示した。また、他の社民党出身議員から、労組ともっと連携を深めるべきだとの考えが示された。
これに対し、鳩山代表は「他党にも理念、政策を同じくする人はおり、連携は大事だ」などと反論。さきがけ出身の枝野幸男衆院議員らが同調した。
同党では、党運営をめぐり社民党出身議員の不満が強まっており、今後路線問題をめぐり、さきがけ出身議員との間で亀裂が深まる可能性が出ている。《読売新聞》
【新進党】役員会は「お通夜」状態
新進党は8日開かれた役員会で、西岡幹事長と田村秀昭・東京都連会長が都議選の結果について「公認候補が全滅し、大変申し訳なかった」と陳謝した。小沢党首が前日の講演で「(公明などを含めれば)25議席獲得した。現状ではまあまあだ」と強弁したことから、この日の役員会では小沢氏への批判も予想されたが、同氏に批判的な議員も『大変申し訳ない』と言われたら、それ以上言えない」と“沈黙”。まるで「お通夜のような重い雰囲気」(出席者の一人)に終始した。
「参院の公明が新進党に合流する方針に変わりはないのか」との質問が出たのに対し、石田幸四郎・元総務庁長官は「合流方針に変更はない」としながらも、「ゼロのショックは大きい。一呼吸おいて冷静になり、夏休み後に話し合いたい」と述べたため、党内に不安が広がっている。《読売新聞》
【福岡県警】「朝日ソーラー」を強制捜査
福岡県警生活経済課と南、大牟田署は8日までに、脅しまがいのセールスを繰り返していたとして訪問販売法違反の疑いで太陽熱温水器などの販売会社「朝日ソーラー」(本社・大分市)の元博多支店営業部課長補佐A容疑者(25)を逮捕、大分本社と博多支店(福岡市)東京本社(東京都渋谷区)など5ヶ所を家宅捜索した。同社への強制捜査は初めて。
A容疑者は容疑を認めており、県警は会社ぐるみで強引な訪問販売を続けていた疑いが強いとみて、社長らからも事情を聴く方針。《共同通信》
【北朝鮮】服喪明けを宣言
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮中央放送などによると、金日成主席死去3周年中央追悼大会が8日朝、平壌の錦繍山記念宮殿で開かれ、金永南労働党政治局員(副首相兼外相)が金正日書記の委任で追悼の辞を述べ、同大会をもって故金主席の3年の服喪期間が終了することを宣言した。
公式の場で服喪期間の終了を宣言したことで、国家主席を選出する最高人民会議や党総書記を選出する党大会を召集する“傷害”はなくなったといえ、北朝鮮が今後、金書記の権力公式継承に向けた準備を本格化させる可能性がある。
大会には金書記も出席したが、肩書は「国防委員会委員長・朝鮮人民軍最高司令官である党と人民の偉大な指導者」で、これまでと変わりはなかった。《共同通信》
【カンボジア】第一首相「交渉の用意」
フランス滞在中のカンボジアのラナリット第一首相は8日、パリ市内のホテルで記者会見し、フン・セン第二首相派の部隊によるプノンペン制圧は「明確なクーデター」だと強く非難した。
しかし事態収拾のため、条件付きながらフン・セン第二首相と交渉に応ずる用意を初めて明らかにしたが、交渉による解決が失敗すれば「悲惨なわが国に再び内戦が起こるだろう」と警告した。
ラナリット首相は、国際社会の支援を呼び掛けるため、9日に米国に向かい、アナン国連事務総長らと会談。さらに、日本など近隣諸国も訪問する意向という。
ラナリット首相は「交渉は1993年の総選挙で樹立された(1政府2首相という)政府の枠組みの中で行われることが条件だ」と強調。北京に滞在中のシアヌーク国王に交渉の仲介を要請する意向を明らかにした。第一首相はまた、国際社会がフン・セン第二首相の「クーデター」を非難し、新政権を承認しないよう訴えた。
第一首相は米国で、アナン国連事務総長、イスマイル国連総会議長と会談する予定だが、「できれば国連安全保障理事会で演説し、ゴア米副大統領、オルプライト米国務長官とも会談したい」と語った。《共同通信》
【米政府】フン・セン氏を非難
米国務省は8日、カンボジア情勢に関する声明を発表、この中で、人民党のフン・セン第二首相派の軍事行動を、「選挙結果を武力で覆すもの」と非難、国外追放状態にあるフンシンペック党のラナリット第一首相と米政府高官が近く会うことを明らかにした。
米政府がフン・セン氏を明確に非難したのはカンボジア情勢悪化以来初めて。声明は同時にポル・ポト派の政治関与は認められないとし、同派の抱き込みを図ったラナリット氏とも一定の距離を置いている。《読売新聞》