平成3099日目

平成9年7月3日(木)

1997/07/03

【台湾・李登輝総統】「台湾は香港と違う」

台湾の李登輝総統は3日、内外の記者団約350人を前に演説し、「台湾は香港ではない。大陸側は、香港での一国二制度を(中国の)分裂の解決に用いようと考えているが、一方的な思い込みだ」と、台湾の立場をあらためて訴えた。連戦・副総統兼行政院長(首相)が同日午後、台北市内の迎賓館「台北賽館」で開催した茶会で演説した。

返還当日の1日、中国は江沢民国家主席らが台湾統一について「(一国二制度を)香港、マカオでも実現できるなら台湾でも可能」と述べたが、李登輝総統は初めて、公式の場で中国側首脳の発言に対し反論した。《共同通信》

演説で李総統は「中華民国(台湾)は徹底的に民主化しており、絶対多数の国民が中共(中国)の主張する統一モデルには賛成していない」と強調した。また1995年に中国の江主席が中台双方の相互訪問などを呼び掛けた8項目提案と、これに応じて李総統が「武力不行使を宣言すれば協議に応じる」などとした6項目提案の中にコンセンサスを見いだすべきだとして、引き続き中国側に台湾海峡での武力放棄を求めることを表明した。

連院長は、中国側が求める三通(通信、通商、通航の直接的開放)について、「両岸関係を改善するためのものだが、互恵のためには三通だけでなく、平等な地位も必要」と述べた。《共同通信》



【天皇陛下】ペルー・フジモリ大統領と会見

天皇陛下は3日午前、皇居・宮殿の「竹の間」で、フジモリ・ペルー大統領と会見、リマの日本大使公邸人質事件について「大統領とペルー政府に深く感謝します」と表明された。

宮内庁によると、陛下は会見の冒頭「事件が私の誕生日のレセプションで発生したことで心を痛めていた」とし「3人の犠牲者が出たのは残念で、心から哀悼の意を表したい」と述べた。

大統領は「発生当初から慎重に、最大限の努力をしてきたつもりです。ぎりぎりの状況で1人犠牲者も出さぬよう随分練習を繰り返したが、すべてがリハーサル通りにいかないものですね」と答えた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】ペルー・フジモリ大統領と会談

橋本龍太郎首相は3日午前、首相官邸でペルーのフジモリ大統領と会談、今年4月に決着した日本大使公邸人質事件を契機に、両国関係を一層、緊密化させる方針を確認するとともに、テロ対策に関し国際協力を積極的に促進するとの認識で一致した。

首相は、人質事件での大統領の陣頭指揮に対する謝意と、強行突入時の犠牲者らへの弔慰を重ねて表明。事件の再発防止には、貧困撲滅や経済発展など大統領が推進する改革が不可欠との判断から、中長期的な経済支援のための「経済協力総合調査団」を10月にペルーに派遣する方針や、1997年度分として総額426億1700万円の円借款を約束、支援を強化する考えを示した。

首相は、大統領に対して外務省がまとめたペルー事件調査報告書の英文を渡し、主要国首脳会議(デンバー・サミット)ではテロ対策の情報ネットワークづくりを推進することになった点を報告。「これまでのテロは要人テロが中心だったが、最近は計画的に人質を取ったテロ対策が必要だ」と述べ「人質テロ」に対する国際協力の必要性を指摘した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】「福田元首相を偲ぶ会」であいさつ

5日に3回忌を迎える故福田赳夫・元首相の「偲ぶ会」が3日午後、都内のホテルで開かれ、橋本首相や中曽根、竹下、宮沢の各元首相ら、政財界関係者ら約800人が参列した。

首相はあいさつの中で、福田氏について「飄々としたおじさんで、独特の言い回し、造語の上手な方だったが、リトルボーイと呼ばれて大変困った。途中で変わったが、今度はヤングボーイと言われ、どこが違うんだと思った」などとエピソードを披露した。

また、三塚蔵相は「こよなくこの国の行方を案じた大指導者だった。この国の政治の安定をはかることを、福田先生が泉下から命令されているように思える」と語った。《読売新聞》

【政界談話室】

○・・・新進党の小沢一郎党首は3日午前、都内で同党の都議選公認候補の応援演説に立ち、神戸の小6男児殺害事件について「日本社会の荒廃の最たるものだ」。さらに事件を引き合いに自社さ政権に触れ「今の政権では改革ができない」とこき下ろし、日本社会の構造改革の必要性を強調した。最後には「マスコミは私がだれと会ったとか、会わなかったとか、そういう報道ばかりするが、そんなことはどうでもいい」とマスコミにも八つ当たり。都議選での新進党の苦戦ぶりが伝えられる中、矛先は全方位へ。

○・・・中曽根康弘元首相はこの日、都内で行われた故倉成正・元外相をしのぶ会であいさつ。「私はこのように陽性で、踊るのが好きだが、倉成さんは後ろに潜んで『純粋理性批判』をするのが好きな方で、私は『おまえは出過ぎだぞ』と常に忠告をいただいていた間柄だった」。手品の名手だった倉成氏を振り返り「外相時代、国際会議で外国の外務大臣を手品でけむに巻いていた」とエピソードを披露した。自民党内で中曽根氏ら「保保」派が「自社さ」派に押されがちな昨今、倉成氏が存命だったら自社さ派をあっと言わせる手品の種を聞きたかった?《共同通信》

【酒鬼薔薇聖斗事件】猫の放置「無視された」

神戸市須磨区のA君(11) =市立多井畑小6年=殺害事件で、殺人、死体遺棄容疑で逮捕された市立友が丘中3年の少年(14)が、事件前の5月初め、友人に「僕の仕業と分かるように猫の死がいに目印を付けて学校に置いたのに騒ぎにならなかった。無視された」と漏らしていたことが3日、関係者の証言で分かった。

友が丘中正門前では、A君の遺体の頭部が発見された1、2日前にも猫の死がいが見つかっている。犯行声明文では、自分を「透明な存在」とし「実在の人間として認めていただきたい」など記していることから、兵庫県警須磨署捜査本部は、学校に対する恨みと同時に、自分の存在を誇示しようとしたことも犯行の背景にあったとみて調べている。

関係者によると、少年は5月初め、友人に電話で「前に学校の正門に猫の死がいを何匹か置いたけど、うわさになっているか」と尋ねてきた。友人が「なっていない」と答えると、「(学校側が猫を片付けて)自分がしたことを学校に無視された」と怒り出した。さらに「自分がやったと分かるように猫に目印をつけた。一人で夜中、追い回して猫を捕まえたのに」と話していた。《共同通信》

写真週刊誌「フォーカス」(新潮社)が神戸の小6男児殺害事件で逮捕された中学3年生少年(14)の顔写真を掲載した問題で、販売に踏み切った金沢市及び同市近郊の複数の書店や店関係者の自宅に3日、脅迫まがいの電話や、少年が犯行の際に使った「酒鬼薔被」と同じ発音の名前での抗議の電話が相次いだ。

石川県内の書店では3日は「フォーカス」が首都圏などより一日遅れて一斉に発売される予定だったが、通常通り販売した店と販売を見合わせたり、仕入れ自体を中止した店に対応が分かれた。

このうち通常通り販売した書店本社の担当者の自宅に3日午前、匿名の男性の声で「子供の行き帰りに気をつけろ」と脅迫とも受け取れる内容の電話が一方的に掛かった。

さらにこの本社には、匿名の男性から「売れればそれでいいのか。不買運動をする」という電話をはじめ、「わたしはサカキバラ」と名乗り男性の声で、少年が犯人と確定しない段階で顔写真入りの出版物を販売するのはおかしいと抗議する電話も入った。同社は前日に予約が相次いだため店頭での販売はなかったという。このほか、実際に店頭販売した書店の本店にも「なぜ売ったのか」と問い詰めるような一方的な電話が掛かった。

「フォーカス」を販売した書店の間では「出版社に仮処分などの法的措置が講じられた場合や、出版社が自主回収すればそれに従うが、書店が独自に特定の出版物の内容を判断すべきではない」との見方が広がっている。同時に、これらの書店では脅迫まがいの電話が今後もあった場合は直ちに警察に通報する方針。《北國新聞》



7月3日のできごと