平成2995日目
1997/03/21
この日のできごと(何の日)
【韓国・金泳三大統領】沖縄米軍基地「必要」
自民、社民、さきがけ3党の政調・政審会長らによる訪韓団(団長・山崎拓自民党政調会長)は21日午後、青瓦台で金泳三韓国大統領と約40分間会談した。
大統領は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の情勢は緊張の度合いが高まっているとの認識を示した上で、「沖縄の米軍基地は朝鮮半島の平和と安定にどうしても必要だ。日本の安全にも必要ではないか」と述べ、社民党などが求めている米海兵隊の削減に否定的な見解を表明した。
山崎氏が、北朝鮮の黄長燁書記が韓国に入国した場合の北朝鮮の出方を聞いたのに対し、大統領は「北朝鮮は激しく攻撃するだろうが、覚悟の上だ」と強調した。
大統領は米軍基地問題で、フィリピンのクラーク、スービック両基地の返還を例に挙げ「まずかった。南沙諸島などの安全保障にフィリピンでの米軍のプレゼンスは重要だった」として、北東アジアの安全保障の観点から在沖米軍の存在は重要との考えを示した。《共同通信》
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【松たか子さん】シングル「明日、春が来たら」発売
【大相撲春場所】13日目
大相撲春場所13日目(21日・大阪府立体育会館)ただ一人1敗だった大関武蔵丸が横綱曙に敗れ2敗となり、横綱貴乃花、曙、武蔵丸の三人が11勝2敗でトップに並んだ。平幕の魁皇と新入幕の出島はともに黒星で3敗となった。貴乃花は関脇武双山を寄り切って2敗を堅持。魁皇は朝乃翔に押し出され、出島は中大の先輩、玉春日に寄り切られた。この日の結果、幕内は2敗の両横綱と武蔵丸を、星一つの差で貴ノ浪、魁皇、出島が追う展開で、14日目での優勝決定はなくなった。《共同通信》
【東京地裁】前宮城県知事に実刑判決
ゼネコン汚職事件で、大成建設と大昭和製紙幹部(当時)から計1億2000万円のわいろを受け取ったとして、収賄罪に問われた前宮城県知事本間俊太郎被告(57)に対し、東京地裁は21日、争点となった現金収受の趣旨をわいろと認定し、懲役2年6月、追徴金1億2000万円(求刑懲役4年、追徴金1億2000万円)の判決を言い渡した。
若原正樹裁判長は「地方行政に対する信頼を大きく裏切った責任は重大。事件発覚後の知人との口裏合わせなども非難されるべきだ。汚職事件が後を絶たず、綱紀粛正が強く求められ、実刑もやむを得ない」と述べた。ただ、検察側主張の贈賄側への便宜供与については「証拠がない」と退けた。《共同通信》
【石破茂衆院議員】「21世紀」離脱
石破茂衆院議員(鳥取1区)は21日、衆院会派「21世紀」からの離脱届を新井将敬同会派代表に提出、無所属になった。石破氏は自民党への復党を希望している。《共同通信》
【民主党】現政権に参加せず
民主党は21日夜、東京・千駄ヶ谷の日本青年館で所属国会議員や地方組織代表者による全代議員会議を開き、政治方針を含めた1997年度活動計画案について論議した。
政治方針案は、橋本政権に対し「行政改革や経済構造改革に対する意欲を欠き、沖縄基地問題や行政監視院設置などに消極的姿勢をとりつづけていると厳しく批判し、「橋本自民党内閣と政権をともにすることはあり得ない」として、今後とも健全野党路線を堅持していくことを明示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は21日午後、母校慶大の卒業生に贈るメッセージビデオを収録。24日の卒業式の後の謝恩会で放映される。その中で「今後も慶応の和を忘れずにチームワークを大切にして、仲良くやってほしい」と、愛校心の人一倍強い首相らしく、新社会人となる卒業生にエール。自らの学生時代を振り返って、今でも続けている剣道や山登りの話を中心に思い出を語った。さらに「一番つらかったのは試験だった」と回想した。常々「慶大剣道部出身」を自称する首相、その理由は試験に悩まされたせい?
○・・・自民党の加藤紘一幹事長はこの日、都内で記者団と懇談し、解消されたはずの派閥が息を吹き返していることについて「党が野党になって過半数がないという時は、派閥活動も自然となくなってくる。去年の総選挙後からは、派閥がみんなに意識され始めてきた」と懸念を示した。ただ一方では「衆参で350人国会議員がいるから、何らかの勉強会、グループができないということはない。むしろ総裁、幹事長の指示の下、一糸乱れずやるのはかえって危ない」と、派閥復活を事実上容認し、自民党らしい融通むげぶり。《共同通信》
【横田めぐみさん失踪事件】北朝鮮の元工作員から聴取
日本と韓国の公安当局は21日までに、1977年に新潟市の海岸近くで同市の中学一年生、横田めぐみさん=当時(13)=が行方不明になった事件で、警察庁が係員2人を韓国へ派遣し、韓国に亡命した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の元工作員からソウル市内で事情聴取したことを明らかにした。
この元工作員は行方不明になった横田さんと似た女性を平壌市内で目撃したことがあると供述したとされており、これを基に2月3日、新進党の西村真悟衆院議員が拉致事件ではないか、と国会質問で取り上げた。警察庁による聴取もこの前後に行われた。《共同通信》
【イスラエル・テルアビブ】自爆テロ
イスラエルの地中海沿岸の中心都市テルアビブ繁華街の喫茶店で21日午後、自爆テロによる大きな爆発があった。警察によると、犯人1人を含む3人が死亡、乳児や子供を含む47人が負傷した。
爆発直後、イスラム原理主義組織ハマスを名乗る男が、イスラエル・テレビなどに犯行声明を出した。ネタニヤフ・イスラエル首相は、自爆テロの責任はアラファト・パレスチナ解放機構(PLO)議長の自治政府にある、と非難。議長はワイツマン・イスラエル大統領に電話しテロを非難した。東エルサレムのユダヤ人住宅着工で緊張が高まっていた中東和平プロセスの危機はさらに深まるのは確実となった。
ネタニヤフ首相は「テロ組織は最近の自治政府首脳との会議で、テロ実行の青信号が出たと理解した。自治政府に釈明を求めたが、返答はなかった」と述べた。イスラエル軍は爆発直後にヨルダン川西岸とガザ地区封鎖、パレスチナ人の入国を禁止した。犯人は身分証明書から、西岸ヘブロン北方の村スリフ出身の28歳の男と判明した。《共同通信》
【在ペルー日本大使公邸占拠事件】高村次官、ドミニカ大統領と会談
ドミニカ共和国のフェルナンデス大統領は21日午前(日本時間22日未明)、サントドミンゴ市の大統領府で、首相特使の高村正彦外務政務次官と会談、ペルーの日本大使公邸を占拠しているトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループの出国に関し「人道的見地から当事者間で合意が得られた場合は受け入れる用意がある」と初めて公式に表明した。
キューバに続いてドミニカ共和国も武装グループを受け入れる考えを明らかにしたことから、高村氏は記者会見で武装グループの出国問題の「大枠は固まった」との認識を示し「解決に向けた環境が整った」と強調した。
会談で高村氏が武装グループの受け入れを要請する橋本龍太郎首相の親書を手渡したのに対し、大統領は「日本の協力に対する評価の念、そこから生じる友誼の印」との理由を挙げ、協力の考えを示した。
大統領は今月2日、フジモリ・ペルー大統領と会談したが、この席では公式には武装グループの出国問題は話し合われなかったとされている。高村氏は感謝の意を伝えた上で「両国の関係は伝統的に友好的で、今後ともその方向で関係強化を進めたい」と述べ、大統領の訪日を要請、大統領は受諾した。
これに先立って行われた会談でラトレ外相は高村氏に対し同国への日本側の投資を強く求めた。会談後の記者会見で、高村氏は今後の見通しについて明言を避けたが「やるべきことはやった。このことが最終的にいい結果に結びつくことを心から期待する」と述べた。
高村氏のペルー、キュ一バ、ドミニカ共和国の3カ国訪問はこの日の日程ですべて終了、23日夕に帰国の予定。《共同通信》
【南海電鉄】大阪球場跡に高層ビル
南海電気鉄道の川勝泰司社長は21日、大阪市の難波駅南側にある」大阪球場跡地(約3万8000平方メートル)を再開発する基本構想を発表した。高層オフィスビルを2棟と、劇場や商業施設が入る10階建てのビルを建てる。総事業費は土地代を除き約1000億円。平成17年度の開業予定。
オフィスビルは30階と50階建てで、国内や海外の企業に賃貸しする。10階建てビルの屋上は公園にし、約1000席の劇場や多目的ホールを造る。劇場では劇団四季がミュージカルを公演するほか、吉本興業のイベントが楽しめるという。
今秋にも同跡地の一部を所有する高島屋や、南海電鉄のグループ会社で不動産会社の大阪スタヂアム興業と事業会社を設立し、計画をまとめる。商業施設の一部は平成14年度に開業するが、高島屋が出店する可能性もあるという。川勝社長は「9年度中には球場の撤去を始め、テナントの具体名を明らかにしたい」と話した。
難波駅の南側では同跡地のほか、4つの地区で再開発の計画があり、将来はすべての地区を地下のショッピングモールでつなぐ。米国の開発会社がJR難波駅近くで商業施設を造る計画もある。《共同通信》
【米ロ首脳会談】早期に憲章締結で一致
ヘルシンキで開かれていたクリントン米大統領とエリツィン・ロシア大統領との首脳会談は21日、北大西洋条約機構(NATO)拡大問題に絡みNATOとロシアの間で締結する憲章の基本的性格で合意したのをはじめ、新戦略核削減交渉の枠組みや、ロシアの先進国首脳会議への事実上の正式参加についても合意して終了した。
これにより、ロシアはNATO拡大を事実上容認、第一次新規加盟国を決定する7月のマドリードでのNATO首脳会議に向け、拡大問題は大きなヤマを越えた。
会談を終えた両首脳は欧州安保問題や核軍縮問題などに関する5つの共同声明を発表した。NATO拡大問題でロシアは反対姿勢を維持したものの、米側が新規加盟国に核兵器を配備しないと約束したことなどから、NATOとロシアの関係緊密化を規定する憲章の「法的拘束カ」を求める従来の主張を取り下げ、早期の憲章締結を目指すことで一致した。
核軍縮では、ロシア側が第二次戦略兵器削減条約(START2)の批准、発効に向けての努力を確約したことを受け、核弾頭保有上限を2000−2500個とするSTART3の交渉枠組みで事前合意した。《共同通信》