平成2979日目
1997/03/05
この日のできごと(何の日)
【在ペルー日本大使公邸占拠事件】9回目の予備的対話
ペルーの日本大使公邸人質事件で、ペルー政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループの9回目の予備的対話が5日、公邸前の民家で開かれ、保証人のシプリアニ大司教が対話の終了後、政府、MRTA側双方がそれぞれ提案を示したことを明らかにする声明を発表した。声明の中で同大司教は保証人委が調停案を作成することを示唆した。
政府側の提案にはキューバが受け入れを表明したMRTAメンバーの出国問題などが含まれているとみられ、双方が主張を完全に出し合い提案が出そろったことで、予備的交渉は実質的に終了し、事件は発生から79日目で本格的交渉に向けての新局面を迎えた。10回目となる次回の対話は7日に開かれる。
大司教は「保証人委員会は対話継続を容易にするため双方の提案を検討する」と述べた。双方の主張を基に調整を図る同委員会の役割が一層強まることとなった。対話には前回欠席した武装グループリーダーのセルパ容疑者が出席した。
この日は双方の提案と提案に対する同委の質問だけでMRTA側はキューバなどへの出国を含む政府側提案に即答せず、次回以降の対話で態度を表明するとみられる。フジモリ大統領は今回の対話前に政府が包括的提案を行うと述べていたが、日本政府現地対策本部筋によると、この日は双方の提案の示に終わった。
大統領府幹部は5日の対話開始前に、提案には①刑務所の改善②刑事訴追せず「政治難民」としてキューバなどへ出国させる③同国などへの移動方法と生活条件の詳細などが盛り込まれていることを明らかにした。
フジモリ大統領は3日、キューバを訪問し武装グループの受け入れを取り付けたが、セルパ容疑者は報道機関に「応じるとも拒否するとも言わない方がよい」と含みを残していた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は5日は朝から上機嫌。官邸に出てくるなり記者団に「よく働くねえ。労働基準法というのがあるのかね、この人たちは」と声を掛け、にやりと笑った。国会に向かう際も、ペルーの大使公邸人質事件でフジモリ大統領と寺田輝介現地対策本部顧問との会談結果を尋ねられると「ちょっと待って。聞くのを忘れた」と、執務室に引き返して秘書官に事実関係を確認するサービスぶり。最近は風邪が抜けきらず厳しい表情が多かった首相だが、予算案が無修正で衆院を通過とあって、安ど感が自然と表に。
○・・・中曽根康弘元首相はこの日、都内のホテルで開かれた「世界ラーメン協会設立総会」で講演、インスタントラーメンの開発者の友人というだけに「ラーメンはスパゲティに負けないくらい国際語になった」と絶賛した。続けて「5年間首相をやり、海外出張では特別機に5000食くらいのラーメンを持っていった」「東京サミットに世界中から集まった記者に一番人気があったのはラーメンだ」と、首相時代の経験を交えラーメンのPRに努めた。最後は「アフリカの難民にも喜ばれる食品になってほしいし、そういうエイド(援助)の対象に十分考えられる」と話は国際政治に発展。《共同通信》
【新進党・小沢一郎党首】党首公選制に反対
新進党の小沢一郎党首は5日午後、国会内で記者会見し、同党の党首公選制について「日本は議院内閣制であり、党首を選ぶのは首班を選ぶということだ。全国民が有権者というのは党首を選ぶのになじまない」と述べ、個人的には継続に反対する考えを示した。小沢氏は今後、月1回定例的に記者会見するとしている。
同時に「政党のルールだから、みんなで決めればいい」とも指摘、公選制の是非を議論する党基本問題調査会の結論を尊重する考えを強調した。年末の任期切れの後の続投については「今年いっぱい任期を務めることしか考えていない」と明言を避けた。《共同通信》
【民主党】2人代表制の継続を容認
民主党の党則草案が5日明らかになった。現行の党規約に替わるもので、2人代表制については「複数であることを妨げない」として現在の鳩山由紀夫、菅直人両代表による指導体制の継続を容認している。懸案となっていた幹事長職は設けないこととした。
党そのものの存在について、21世紀初頭までに基本理念を実現する中で「発展的に解散することを希求する」として「時限政党」であることを明文化するなど、既成政党との違いを前面に出した内容となっている。昨年9月の結党以来となる22日の党大会にかけ、新党則となる運び。《共同通信》
【97年度予算案】衆院通過
衆院は5日の本会議で1997年度予算案を自民、社民、さきがけの3党と「21世紀」などの賛成多数で可決、参院に送付した。これにより予算案の事実上の年度内成立が確定、国会の攻防は最初のヤマを越した。
橋本龍太郎首相は今後、沖縄問題や行財政改革、医療保険制度改革などに全力を挙げる。特に沖縄問題で、5月14日に使用期限が切れる米軍基地の使用権原の空白を生まないため、米軍用地特別措置法を改正せざるを得ないとの判断を固めつつあり、4月下旬の訪米でのクリントン米大統領との会談までの成立を目指す考えだ。
行財政改革でも特殊法人改革や財政再建問題への取り組みを本格化させるが、族議員の巻き返しも始まってきている。このため首相は、いずれの課題でも厳しい対応を迫られることは必至だ。《共同通信》
【韓国・金泳三大統領】内閣改造
韓国の大統領スポークスマンは5日、金泳三大統領が韓昇洙副首相兼財政経済院長官を更迭し、与党、新韓国党の姜慶植議員を後任に起用するなど経済閣僚を中心に8閣僚を更迭する内閣改造を実施したと発表した。
スポークスマンは「今回の内閣改造を通じ、韓宝グループ不正融資事件に対する行政的・道義的な責任を問うことで、責任ある行政を行い、国政刷新を行おうとする強い意思を示した」と改造理由を説明した。
一方、統一院長官、外相、国防相など外交・安保関連閣僚や国家安全企画部(安企部)長は、黄長燁朝鮮労働党書記の亡命問題などで不安定な朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)情勢などを考慮して留任とした。
金大統領は既に青瓦台(大統領官邸)秘書陣を刷新、新首相に高建・元ソウル市長を起用している。さらに与党の新韓国党執行部を13日ごろ改編する方針で、一連の人事で、労働関係法改正に伴う労組スト、韓宝グループ不正融資事件、二男の金賢哲氏問題などで失われた国民の支持を回復し、残る任期一年を乗り切る構えだ。《共同通信》
【静岡県伊東市】震度5弱
伊豆半島東方沖を震源とする群発地震が続く静岡県伊東市の川奈で5日午後11時43分ごろ、震度5弱の揺れを感じた。震源は伊豆半島東方沖で、震源の深さはごく浅い。地震の規模を表すマグニチュード(M)は4.6と推定される。津波の心配はないという。
伊東市では、民家の棚から物が落ちた程度で大きな被害はないという。震度5は3日午後11時9分に観測して以来で、この時のMは5.0だった。5日のこの地震により、伊豆急行が一時ストップしたほか、JR伊東線が一時徐行運転した。《共同通信》