平成2959日目
1997/02/13
この日のできごと(何の日)
【オウム裁判】岡崎被告「坂本事件は麻原の指示」
オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第25回公判が13日、東京地裁で開かれ、坂本堤弁護士一家殺害事件の実行犯とされる元幹部岡崎一明被告(36)が「麻原の指示で実行犯のメンバーに加わった。坂本弁護士の家に押し入り、殺害した」と証言した。 その上で、松本被告の「ポア(殺害)するんだ」との命令で、坂本弁護士一家三人を次々に殺害した経緯を詳細に述べた。
松本被告は自分の犯行指示の証言に割り込み「全部うそだ」「ポアとは言ってない」と発言。さらに「なぜ認否させないんだ」などと阿部文洋裁判長の制止を無視して独り言を繰り返し、開廷後約15分で退廷させられた。松本被告への退廷命令は四度目となる。
地下鉄サリン事件の証人尋問が続いた松本被告の公判は、この日から坂本弁護士事件の事実審理に入った。岡崎被告は最初の検察側証人。
岡崎被告は松本被告の犯行指示は平成元年11月1日か2日の未明とし、松本被告が右手の親指と人さし指で丸を作り、人さし指をはじいたしぐさを詳述。松本被告が幹部会議で「坂本弁護士が『被害者の会』を組織し、教団を批判している」と説明したことや「被害者の会」にスパイを送り込んでいたことなども明らかにした。
同年11月4日未明の一家殺害については「坂本弁護士の首に右手を巻き付けた」「奥さんの『子供だけはお願い』という声を聞いた」などと当時の様子を証言した。
犯行の経緯に先立ち、岡崎被告は、松本被告に次ぐ「大師」の地位にいたことや2年2月に教団から脱走したことなども述べた。
坂本弁護士事件では、松本被告のほか、実行犯とされる6人のうち刺殺された村井秀夫元幹部=当時(36)=以外の5人の計6人が起訴された。公判で岡崎被告ら4人は起訴事実を認め、松本被告は認否を留保。幹部新実智光被告(32)は黙秘している。 松本被告はこの事件についてだけ捜査段階で犯行の指示などを自白し、供述調書が作成されている。
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「起き上がろうとする坂本弁護士の首に私が右手を巻き付けて押さえた。こんしんの力を込めていたと思います」。
岡崎被告は公判で、坂本弁護士一家を殺害する場面を生々しく証言した。 公判の冒頭から松本被告は「全部うそ、岡崎証人、うそをついてはいけないんだよ」と大声で証言を妨害。「阿部(文洋)裁判長はどこにいる。あなたはだれ。なぜ阿部さんを出さない」などと不規則発言を繰り返した。松本被告は阿部裁判長からこれまで最短の15分で退廷を命じられ、刑務官に腕を引っ張られるように退廷した。
グレーのブレザー姿で証言台のいすに座った岡崎被告は、松本被告を見ることなく、正面に向かって証言。松本被告を「麻原」と呼び捨てにし、はっきりしたロ調で話していた岡崎被告の声が一段低くなったのは、検察官から「当初は坂本一護士だけを殺害する予定ではなかったか」と尋ねられた時だった。
室内での殺害については「自分が坂本弁護士を押さえている間、奥さんが『子供だけはお願い』という声が聞こえた。大きくはないが、部屋の中では聞こえる声だった」などと振り返った。《共同通信》
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【スバル・フォレスター】発売
富士重工業は13日、新型車スバル「フォレスター」を発売した。乗用車とSUVの機-能を進化させ、使いやすさとそう快な走りを追求した。スバル4WDシステムの低重心レイアウトで優れた操縦性と安定性を実現した。ニューコンセプトターボエンジンと軽量高剛性ボディでゆとりの加速性とラフロードでの十分な走走性を高めた。価格はS/tb型の5MTで221万2000円。《共同通信》
【ナホトカ号重油流出事故】
自衛隊の作業が完了
重油汚染事故で、栗田知事の要請を受けて福井県内各地の海岸で油の回収作業にあたっていた陸上自衛隊の主要作業が13日までに終了した。派遣人員は支援も含めて延べ約1万2000人で、回収した油は約800キロリットル。作業終了に伴い同日、指揮した第十師団の師団長が知事を表敬訪問し、作業内容を報告した。《福井新聞》
社民党・土井たか子党首、災害認定を要望
社民党の土井たか子党首は13日、梶山静六官房長官に対し、輪島、珠洲両市で11日に行った重油流出事故の現地調査の結果に基づき、災害対策基本法に基づく災害認定などを早期に行うよう申し入れた。
土井党首は、自治体への対応窓口の一本化、生態系の影響調査なども要望した。梶山長官は与党とともに対策を検討することを約束した。
梶山長官は13日午後の記者会見で、重油流出事故の補償問題に関し、「災害対策基本法だけでは対応は不完全という懸念を(社民党は)持っている。私たちも(補償問題の検討を)やっていかなければならない」と述べ、法改正も含め検討する意向を示した。《北國新聞》
【韓国政府】北朝鮮・黄長燁書記の自筆書面を公表
韓国政府は13日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の黄長燁書記が12日の亡命申請直後に「悩みに悩んだ末、民族を不幸から救うため、南の人々と協議しようと決心した」などと亡命動機を記した自筆書面の全文を公開した。
黄書記はまた「労働者、農民たちが飢えているのに、労働者と農民のための理想社会を建設したと騒ぎ立てる人々を、まともな精神の人間と言えようか」と北朝鮮の金正日体制と指導層を厳しく批判した。
韓国の柳宗夏外相は13日、韓国記者団に対し、黄書記が亡命を求めた際に何の条件も示さなかったと明かし、亡命は権力内部の闘争によるものではなく北朝鮮社会に衝撃を与えるためだとの見方を示した。
トップクラスの高官である自身の亡命を起爆剤に、北朝鮮に体制と社会の変革を促そうという動機が明確になった。《共同通信》
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橋本龍太郎首相は13日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の黄長燁・朝鮮労働党書記が韓国への亡命を申請したことに関連し、金正日体制に与える影響について「当然、それもあり得るが、ちょっと検討がつかない」と述べ、北朝鮮国内の混乱につながることに懸念を表明した。《共同通信》
【中曽根康弘元首相】議員在職50年で表彰
自民党の中曽根康弘元首相(比例・北関東)が、13日の衆院本会議で議員在職50年の特別表彰を受け「身に余る光栄」と感謝の意を表すとともに、「一筋に政治に生き抜くことが、わが生涯であると願ってきた」と政治生活を振り返り、今後も政治の信頼回復に努力したいと衰えぬ意欲を見せた。
あいさつで中曽根氏は「思慮を欠いた言動により、ご迷惑をお掛けしたことや礼を失したことも多く」と「米国の知的水準は日本より低い」との放言を意識した反省の弁や、ロッキード、リクルート両事件」での証人喚問を念頭に「三度の証人喚問に応ずるなど、果たしてこの栄誉に値するや否や、慚愧の念に堪えない」と神妙な姿勢も示した。《共同通信》