平成2958日目

平成9年2月12日(水)

1997/02/12

【北朝鮮・黄長燁書記】亡命を申請

韓国政府は12日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日書記の側近で最高人民会議(国会)外交委員長である朝鮮労働党の黄長燁書記(73)が日本から帰国途中の12日午前、北京の韓国大使館で随行員1人とともに韓国への亡命を申請したと発表した。北朝鮮から韓国への亡命者としては過去最高位の高官。亡命の動機は明らかになっていない。

2人は北京市内の韓国大使館とは別の三里屯地区にある同領事部の建物内に保護されている。中国当局は同日、同領事部周辺の警備を強化した。

韓国政府は亡命を受け入れるため、柳宗夏外相が張庭延駐韓中国大使に協力を要請するなど協議を開始し、代表団も北京に派遣する方針。しかし、かつてない大物亡命者だけに、中国は北朝鮮との関係を配慮して韓国への出国を認めるかどうか苦慮しており、中国の決定に時間がかかることも予想される。《共同通信》



【青森県・木村守男知事】前知事を批判

「かつて県政のトップにあった人に、県民のための県政という意識が薄かった。といわざるを得ない」。公費の不正支出が30億円を超えることが12日、明らかになった青森県。木村知事は記者会見で、厳しい口調で前知事批判を繰り広げ、2年前の知事選のしこりが、いまだに残っていることを強烈に見せつけた。

前回の選挙で自民系の北村正哉前知事を破って以来、県議会で同党との全面対決など、厳しい県政運営が続く新進系の木村知事。同日午前の職員への訓示では「県政を引き継いだものとして」「長年の慣行が」など言葉の端々にうかがわれるだけだった批判が、記者会見で一気に噴出した。

「私が知事になってから(食糧費は)減っている。どの時代でもトップが庁内を律すれば不適正支出は少なくなる」「県行政が時代遅れだった。トップの認識がいかがという思いは否定できない」などとぶちまけた。

一方の北村前知事は「前知事を悪者に見せたい気持ちは分からないでもないが、前任者へのおん念を職員を犠牲にして果たしていくようでは困る」と注文をつけている。《共同通信》

【自民党・小渕恵三前副総裁】ポスト橋本に意欲

自民党の小渕恵三前副総裁は12日夜、都内で開いた後援会のパーティーで、ポスト橋本について「橋本内閣の六大改革の後は若手とともに小渕恵三も責任を持っていきたい」と述べ、政権奪取に意欲をにじませた。

小渕氏は橋本政権に関して「加藤紘一幹事長と梶山静六官房長官の上に座り、三角形を守っていけば、(政権の)3、6、9月危機説は絶対にないと確信している」と強調した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】ウラン弾誤射問題対応手落ちを陳謝

政府は12日、劣化ウラン弾誤射問題で、環境などへの影響がないかどうか沖縄・鳥島で現地調査を行う方針を決めた。外務省を中心に防衛、科学技術両庁も加わって同日、具体的準備察業に着手、3月末までに実施する方針。

また橋本龍太郎首相は同日の衆院予算委員会で、沖縄県への通報後れなど政府の対応に手遅れがあったことを陳謝した。さらに「(調査は)日米共同で行われるべきだ。沖縄県にも信頼できる方に入ってもらう」と答え、日米両政府に加え沖縄県を加えた3者による合同調査が望ましい、との考えを示した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・ペルーの大使公邸人質事件で、橋本龍太郎首相は12日、予備的対話に同席した寺田輝介現地対策本部顧問から電話で報告を受けた。内容を取材しようとする記者団に、首相は「それは言わないって」と、そっけなく拒否。「こちらで一行にしかならない記事が向こうでは大きく取り上げられる」というのが理由。7日の与野党党首会談後に「予備的対話にロハス容疑者が出席する」と話したことが、ペルーの現地紙に大きく取り上げられたことを思い出したようで「だから発表以上のものは我慢してくれよ」。日本の首相の影響力の大きさを言いたかった?

○・・・「政治は面白くないとの声があるが」と、この日の記者会見で質問された自民党の加藤紘一幹事長は「小選挙区になって過半数の票を求める各党が総合的な政策を発表し、政策が似てきた。政治が行政から十分、分離独立していない」の二つの理由を挙げた。その上で、加藤氏は「しかし政治が面白くなる過渡期にある」と反論。「派閥や新党ができるということに国民は興味を失っている。衆院予算委の討議は具体的テーマになっている。政治の質がいい方に変わりつつある」と、政治が行政を抑えて政策論中心になってきていると解説するのだが。《共同通信》

【新型ロケットM5・1号機】打ち上げ成功

固体ロケットとしては世界最大となる新型ロケットM5の1号機が12日午後1時50分、電波望遠鏡衛星ミューゼスBを搭載して文部省宇宙科学研究所・鹿児島宇空間観測所(鹿児島県内之浦町)から打ち上げられた。M5は順調に飛行、打ち上げ約8分後に予定通り衛星を分離、一周6時間余りのだ円軌道に投入し、打ち上げは成功した。同研究所はミューゼスBを「はるか」と命名した。

宇宙のかなたから届く電波を観測する「はるか」は、地上の電波望遠鏡と同時観測することで、これまでにない高精度な観測が可能。ブラックホールなどの宇宙のなぞの解明が期待される。今後、高度を徐々に上げ、搭載機器の性能をチェック、今年9月の本格運用開始を目指す。

M5は全長30.7メートル、直径2.5メートル、重量139トンの三段式。地球を回る高度250キロの低軌道に1.8トン、月への軌道には0.54トンの衛星を乗せることができ、月や火星などの太陽系探査にも使用可能な能力を持つ。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】フジモリ大統領、英から帰国

ペルーの日本大使公邸人質事件は12日、フジモリ大統領が英国から帰国、前日の第一回予備的対話を受け、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)との本格的な交渉の準備が整った。

焦点となる次回予備的対話の日程は双方が調整中で、一部地元紙は13日にも開かれると伝えている。日本政府現地対策本部筋は「日程はまだ決まっていないが、急きょ(開催が)決まることもある」と述べた。

同筋によると、予備的対話の会場となった民家には公邸のMRTAと結ぶ直通電話が敷かれている。11日の第一回の対話は、全員の自己紹介から始まり、4時間におよぶ協議の間にはかなりの休憩時間も設けられたという。

大統領は12日午後4時40分(日本時間13日午前6時40分)、リマのホルヘ・チャベス国際空港に到着、パンドルフィ首相の出迎えを受けたが、事件についての発言はなかった。

大統領は直ちに大統領府に入り、MRTAとの交渉担当者のパレルモ教育相から11日の予備的対話の内容について報告を受けた。次回以降の交渉の方向についても打ち合わせしたとみられる。

大統領は英国訪問でメージャー首相と会談、人質事件でのペルー政府の対応に支持を取り付けた。日米両国の支持とも併せ、国際的支援を背景に事件解決に当たる方針。

公邸では12日午前11時(日本時間13日午前1時)前、人質の日本大使館員9人が約20分間にわたり裏庭に出て、昨年12月17日の事件発生当日の天皇誕生日レセプション用に設営され、そのままになっていた天幕の一部や食器を片付けた。《共同通信》



2月12日のできごと