平成2942日目

1997/01/27

この日のできごと(何の日)

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

橋本首相、警備強化に懸念

橋本龍太郎首相は27日午前、ペルーの大使公邸人質事件で公邸周辺の警備が強化されていることについて「中の人質の人たちにどういう影響を与えるか気になる。あまりやりすぎないでくれよ、と一般的な形でペルー政府に伝達できるか。中にいる人たちの心理を考えないと、裏目に出てしまう」と述べ、警備強化が不測の事態を招かないか懸念を示すとともに、外交ルートを通じてペル一政府に伝える考えを示した。首相官邸で記者団に答えた。《共同通信》

ペルー警察が威圧行動

ペルーの日本大使公邸人質事件で27日、ペルー国家警察が大型スピーカーから軍歌を流し、装甲兵員輸送車と特殊部隊員約50人が軍歌に合わせて公邸正門前を行進、約2時間にわたり威圧行動を展開した。公邸内に立てこもる極左」ゲリラのトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループはこれに反発し発砲。銃弾が装甲車に命中し、現場付近は一時、これまでになく緊迫した。しかし負「傷者はなかった。

日本政府の現地対策本部は、ペルー政府に「威圧行動は不測の事態を招き、平和解決を阻害しかねない」ことの懸念を伝えた。

一方、フジモリ大統領は、同日午後、パンドルフィ首相ら関係閣僚と事件への対応を協議。終了後、交渉役のパレルモ教育相が、人質の健康管理強化のため日本、ペルー両国政府と赤十字の3人の医師で構成する医療団設置を提案するとの声明を発表した。

公邸前では同日午後3時すぎ、3カ所にコンサート用の大型スピーカーが設置され、大音響で流されるペルー軍歌に合わせ、装甲兵員輸送車など6両が規制線を越えて進入、周回し公邸正門前を5度通過した。

装甲車には約50人の隊員が徒歩で従い、ヘリが低空飛行を繰り返した。MRTAに心理的な圧力をかける作戦とみられるが、装甲車が通過中、公邸敷地内から4発の発砲があり、特殊部隊員が公邸の外壁に慌てて身を隠した。

日本政府は、武装グループを刺激し人質に危害が及ぶのを懸念し、これまでもペルー政府に威圧行動の中止を要請していた。《共同通信》

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【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は27日朝、首相官邸の執務室で梶山静六官房長官と会談。記者団が梶山氏の元従軍慰安婦発言で相談したのかと質問すると、首相は「その質問自体が不正確じゃないのかな」と反論。続けて「当時の社会情勢の中で公娼制度というものがあった。(梶山氏は)その時代背景を説明したんだ」と解説した。それでも記者団が梶山氏との会談内容を探ると、首相は「金泳三韓国大統領にも(首脳会談で)そういう話をしたよと(言った)」とぽつり。梶山氏と金大統領の板挟みになってつらい心境を察してほしいようだった。

○・・・新進党の中野寛成国対委員長はこの日、記者会見で「橋本龍太郎政権は龍頭蛇尾に終わる」と得意のキャッチフレーズで政権を批判した。野党の対応として「連合が特別減税の継続を野党3党と社民、さきがけ両党に要請している。5党協議の場をつくりたい」と秘策を披露。さらに太陽党との連携では「両党の幹事長、国対委員長が定期協議する」「18兆円減税を含む税制、財政政策の基本的スタンスは一致している」と蜜月ぶりを誇示した。しかし、民主党とは「必ずしも一致しない」となかなか足並みがそろわぬ実情を嘆くなど、中野節も龍頭蛇尾。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】危機管理体制を強化

1996年度補正予算案を審議する衆院予算委員会が27日始まり、今国会の本格論戦に入った。橋本龍太郎首相は金融システム改革について「外国為替管理制度に引き続いて次々に対応策を講じていく。2001年までにと言ったが、全体のスピードは加速したい」と述べ、当初目標を前倒しして実現したいとの考えを示した。

首相はペルーの日本大使公邸人質事件やタンカー重油流出事故に関連し「過去のマニュアルは不十分だったと反省せざるを得ない。危機管理の在り方について不断の努力をしていかないといけない」と述べ、危機管理体制の強化に取り組む決意を表明した。《共同通信》



1月27日 その日のできごと(何の日)