平成2932日目

1997/01/17

この日のできごと(何の日)

【阪神大震災】発生から2年

6400人を超す犠牲者を出した阪神大震災(兵庫県南部地震)から丸2年を迎えた17日、被災地では地震発生時刻の午前5時46分、遺族や被災者らが一斉に黙とうをささげ、追悼行事が相次いだ。正午前、神戸市内で始まった県の式典は遺族ら約390人が出席、秋篠宮ご夫妻や橋本龍太郎首相、村山富市前首相らも参列した。

橋本首相は「被災地では復旧が順調に進み、今や本格的な復興の段階を迎えた。国としてこれまで同様、全力を挙げて取り組む」と決意表明した。貝原俊民知事は慰霊碑に向かい、「被災者のみなさんに自立した生活をしてもらえるよう懸命の努力をしていく」と語った。

遺族を代表し、13歳の長男を亡くした会社員Aさん(48)は「虚無感、脱力感は薄れてきたが、朝晩子供の遺影に手を合わす時、いまだ悲しさと悔しさで目頭が熱くなります」と思いを述べた。

午前10時半からの神戸市主催の式典には、約5400人が参列。笹山幸俊市長が「震災の教訓を決して風化させることなく、これからも全力で復興に取り組む」とあいさつ。

西宮市主催の追悼式には土井たか子・前衆院議長らが参列し、祖父母と弟を実った小学六年、Bさん(12)が「家族を亡くした人たちの心は震災前と同じには戻りません。でも、明るく前を向いて、生きていきたい」と決意を語った。

この朝、児童8人が犠牲となった芦屋市の精道小など、多くの学校で追悼行事や防災訓練が行われた。

橋本龍太郎首相 あらためて震災で亡くなられた方々と御遺族に心から哀悼の誠をささげる。阪神・淡路地域は関係者の努力により復旧は順調に進んでいる。しかし今も約4万世帯の方々が仮設住宅での生活を余儀なくされるなど一日も早く解決すべき課題が存在することも事実だ。住宅をはじめとする生活の再建、安定した雇用の場の確保と産業の復興、安全な地域づくりなど本格的復興に向けての取り組みを一層推進する。

国は一日も早い復興に向けて全力を挙げて取り組むことを養う。被災者が一日も早く生活を再建し、この地域が安全で住み良い、魅力ある街へ再生することを心から願う。震災を教訓に総合的な防災対策を積極的に推進し、国民が安心して暮らせる社会の実現に全力を挙げる。

貝原俊民知事 深い悲しみの大震災から2年の歳月が流れました。社会基盤の整備や大量の住宅建設も進み、いよいよ本格的な「生活復興本番の年」を迎えました。しかし、高齢被災者などにとって「自力復興」は極めて困難であり、公的支援の上に、互いに励まし、助け合っていく「協力復興」の精神が何より大切です。人の優しさやきずなの大切さを忘れることなく「こころ豊かな兵庫」を築くことが何よりの供養と心に刻み、県民が心を一つに、全力を傾けることを固く誓います。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【大相撲初場所】6日目

大相撲初場所6日目(17日・両国国技館)横綱貴乃花は関脇琴錦を押し出し、3日ぶりの白星で4勝2敗とした。大関貴ノ浪は肥後ノ海の押しに不覚を取り3連敗。横綱曙は剣晃を一方的に突き出し、綱とりの大関武蔵丸は栃乃和歌を破り、大関若乃花は小結武双山を寄りで下し、いずれも6連勝した。大関昇進をかける関脇魁皇は旭豊の取ったりに2敗目を喫した。この日の結果、幕内の全勝は曙、若乃花、武蔵丸の3人と変わらず。1敗は平幕の力桜1人となった。十両は出島、栃乃洋、久島海の3人が5勝1敗で並んでいる。《共同通信》

【サッカー・城彰二選手】横浜Mに移籍

横浜マリノスは17日、ジェフ市原からの移籍を希望していたFW城彰二(21)を獲得したと発表した。横浜M、市原両球団の首脳がこの日話し合い、移籍金を含めた条件面で合意に達し、正式に移籍が決まった。同選手は「違う環境でプレーしたい」とチームに申し入れ、14日には移籍リストに記載された。その後、球団を通して移籍先を探していたが、横浜Mと市原の間で交渉がまとまった。《共同通信》

【ジェームス三木さん】勝訴

単行本「夫婦戦争」で女性遍歴を取り上げられ名誉を傷付けられたとして、脚本家ジェームス三木さんが、妻で著者の山下憲子さんと本の出版元の「現代書林」(東京都新宿区)に損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁の市川頼明裁判長は17日、名誉棄損を認め計200万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決理由で市川裁判長は「女性べっ視と受け取られかねないもので、三木さんの人格全般に対する社会的評価を甚だしく下げた」と指摘。問題となった記述について「山下さん側が言うように、夫婦の在り方を全国の女性に問う目的などのために必要、有益だとは全く認められない。事実の真実性を判断するまでもなく違法だ」とした。《共同通信》

【オウム真理教・松本智津夫被告】第22回公判

オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第22回公判は17日午後も東京地裁で続けられ、弁護側が地下鉄サリン事件の検察側証人の元幹部林郁夫被告(49)に3度目の反対尋問をした。松本被告は午前の元幹部井上嘉浩被告(27)に対する反対尋問と同様、証言中に「ばか野郎」「何言ってんだ」などと独り言を繰り返し、阿部文洋裁判長は再三注意した。

林被告は地下鉄事件の実行犯とされ、この日の反対尋問では、松本被告に犯行を報告した経緯について「『やってきました』と言ったら『そうか』と了承した」と証言。弁護側は「『そうか』で分かるのか」とただしたが「麻原と弟子の間では分かるものがある」と述べた。また、犯行前にサリンの入った袋11個を実行犯で分けた状況について「袋は二重になっていたが、一つだけ中袋が破れていた。林泰男(被告)が『自分が引き受ける』とその袋を取った」などと証言した。

反対尋問はこの日で終了し、昨年9月から続いた林被告の証人尋問が終わった。主尋問は約4時間、反対尋問は計約16時間半に及んだ。

【ナホトカ号重油流出事故】

定置網引き揚げ

島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカー「ナホトカ」(13,157トン)の重油流出事故で、能登半島先端の珠洲市禄剛崎沖を越えた重油の帯は17日、一部が富山湾方向に流れ、能登内浦の同市寺家海岸に漂着した。同市や内浦町の各漁協、能都町の一部の漁協は最盛期の定置網を重油汚染から守るため、陸に揚げる作業に着手した。

第九管区海上保安本部(新潟市)によると、内浦側に入り込んだ油帯は今後、さらに南下を続け、一部は能都町の海岸沿いを進む可能性も出てきた。 石川県定置網漁協や県漁連によると、17日に引き揚げられた定置網は珠洲市宝立、寺家、小泊、蛸島と内浦町松波の沖にある計8カ所。能都町宇出津沖にある定置網も18日に引き揚げる方向で検討されている。

定置網漁は冬場が最盛期で、9月ごろ水深60−70メートルの沖合に設置され、手入れをする6月まで引き揚げないことになっている。構造上、一部が海面に出るため、各漁協では漂流油が付着する恐れがあると判断された。

九管本部によると、17日午前に珠洲市飯田港の東沖に達した油帯の南端部は18日夕には七尾港の北東約40キロに達する。七尾湾に入り込めば、養殖カキなどへの影響も懸念される。佐渡島方向に流れる重油帯の先端は佐渡島の南西約45キロに迫る。17日午後4時現在、石川県沖の油帯は能登沖に集中し、計50カ所に上った。

志賀町赤住の北陸電力志賀原発では物揚げ場周辺の海面で一円玉から手のひら大の油塊数個が見つかり、職員が直ちに回収した。 今後の漂流進路に当たる新潟、山形、秋田の各県でも自治体や漁協が対策を協議、新潟県柏崎市の東京電力柏崎刈羽原発では取水口付近にオイルフェンスを設置するなど警戒を強めた。

福井県三国町沖で座礁した船首部からの重油抜き取り作業では17日、海水混じりの重油約700キロリットルの抜き取りを行ったが、午後からは低気圧の接近で取りやめられた。《北國新聞》

水族館のイルカが疎開

タンカー重油事故でイルカのプールに重油が混入してきた福井県三国町の越前松島水族館で17日朝から、イルカの“疎開”が始まった。飼育している14頭を2日間で4県の5水族館にトラック移送する。

移送作業は午前8時、静岡県の下田海中水族館に預かってもらうバンドウイルカ2頭から開始。同水族館職員や民間ボランティアら約60人が作業にあたった。《福井新聞》

【政界談話室】

○・・・自民党の村岡兼造国対委員長ら同党の国対メンバー11人は17日、国会近くの日枝神社に少し遅れた初もうで。村岡氏は参拝後、記者団に「(橋本龍太郎首相が目指す)六つの改革の達成と国会の円滑な運営をお願いした」と神妙な顔つき。今度の通常国会は、自民党だけでは過半数に届かない状況下で、村岡氏が「いろんな問題が山積みしている」と言うように重要法案がめじろ押し。橋本政権の「3月危機説」については「どこから出ているか分からない。そんなことにはならない」と否定したものの、前例がないという国対そろってのお参りは、国会運営も神頼みという危機感の表れ?

○・・・太陽党の岩国哲人政調会長代理はこの日、都内のホテルで記者団に「太陽党は総選挙後に結成された新党であるがゆえに、民意に最も近い政党だ。国民の期待にこたえたい」とぶちあげた。さらに「太陽党以外は新党ではなくなった」と、新党では先輩格の民主党や離党した新進党をばっさり。ところが民主党、衆院会派「21世紀」との政策協議に話が移ると「兄弟党の新進党に野党第一党として加わってほしい。税制、景気対策、土地問題では共通するものがある」と一転して低姿勢で参加を呼び掛け。「兄」を導く「賢弟」とでも言いたげな口ぶりだった。《共同通信》

【イスラエル軍】ヘブロン部分撤退が完了

ヨルダン川西岸の主要都市で唯一イスラエル軍の占領が続いていたヘブロンの軍政本部で17日午前6時(日本時間同日午後1時)すぎ、同軍からパレスチナ警察への治安権限移譲が行われ、本部に残留していた最後のイスラエル軍将兵が撤退を完了した。

代わってパレスチナ警察官400人が、ユダヤ人入植地キリヤトアルバなどを除く区域の約80%に展開し、同本部は、パレスチナ警察をはじめとする自治政府本部となった。

ネタニヤフ・イスラエル首相とアラファト・パレスチナ解放機構(PLO)議長が15日に合意したヘブロン撤退協定に基づく措置。首相府筋によると、イスラエルとパレスチナ自治政府の交渉代表は17日午後、エルサレムのホテルでヘブロン撤退協定に調印した。

イスラエル軍は入植地、聖地「マクペラの洞くつ」、主要道路付近などを除く地域から、1967年の第三次中東戦争で占領して以来、30年ぶりに撤退。この地域は、ガザ地区の大半や他の西岸7都市と同様、パレスチナ自治区となった。

アラファト議長は、撤退について「われわれが人々の前でかつてした約束がようやく実現した。今後も和平を追求していくことに変わりはない」と述べ、近く、ヘブロンを訪問することを明らかにした。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

発生から1カ月

リマの日本大使公邸人質事件は17日、ペルー政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループの直接交渉の場となる保証委員会の構成で双方が合意に至らず、解決への動きが停滞したまま発生から1ヶ月を迎えた。

交渉の遅れに伴い、人質74人の健康状態への心配が一層強まっている。《共同通信》

フジモリ大統領、最大限の譲歩

日本大使公邸人質事件でペルー政府は17日午後(日本時間18日午前)、公邸を占拠する極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループに人質全員の解放と引き換えに「合法的退去」を認めるとの提案を行い、強権的な政治手法をとってきたフジモリ大統領としては最大限の譲歩を示した。

ペルー政府が提案した「退去」とはこれまでの交渉の流れから、刑事責任を問わずに武装グループを第三国に出国させることを意味している。フジモリ大統領はこれまで「テロリストと交渉しない」と繰り返してきたが、今回の提案でMRTAに対し「(事件を起こしたことは)許すから、厄介者は出ていけ」と早期解決を求めたと言える。

政府は、MRTAの仲間一の服役者の釈放には一切応じない姿勢を通した。また、合法的政治勢力への変身を狙ってMRTAが要求したグアテマラ政府代表の保証委員会参加も拒絶した。

合法政党化に向けた交渉は長引くことが必至とみられる。また合法化を認めないとしても、交渉するだけで左派政治勢力を活性化させ、軍部の反発を招く恐れがあることから、絶対に譲れない一線だった。

それに比べれば、武装グループを国外に逃し、表面的には「(政府側が)折れた」と受け止められても、早期解決によって政権への打撃は最小限に抑えられると計算した上での譲歩と言える。《共同通信》



1月17日 その日のできごと(何の日)