平成2901日目

平成8年12月17日(火)

1996/12/17

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

リマの在ペルー日本大使館(青木盛久大使)の大使公邸に17日夜、武装グループが乱入し、内部にろう城した。地元ラジオによると、乱入の際に大小4回の爆発が公邸の外であり、さらに公邸の中で銃撃戦が起きたという。負傷者の数は不明だが、3人がけがをしたとの情報もある。

この夜、公邸では青木大使主催の天皇誕生日祝賀パーティーが開かれており、在リマ邦人企業幹部のほかペルー政府からトゥデラ外相らが招かれていた。青木大使のほか来客約40人が公邸に閉じ込められているとみられる。

リマのラジオに出演したペルーの国会議員によると、公邸内の人質には、ブラジル、ボリビア、キューバの駐ペルー大使、ペルー国会議長らが含まれている。また公邸周辺で銃撃戦が起きたとの目撃情報もある。

地元民放ラジオプログラマーによると、爆発発生時にフジモリ大統領もいたが、無事脱出できたという。公邸の2階の窓に犯人2人の姿が目撃された。武装グループの数は約20人とみられる。

地元ラジオは極左ゲリーラ、センデロ・ルミノソ(輝く道)またはトゥパク・アマル革命運動(MRTA)の犯行と報道しているが、地元警察はMRTAの可能性が強いと地元テレビに話している。ペルー警察は公邸に治安部隊を急行させたが、内部に入れず外で待機、塀の外から拡声器で投降を呼び掛けている。

リマの日本大使公邸占拠事件で、現地のテレビ放送は17日、女性約40人が解放されたと伝えた。外務省によると、在リマ日本大使館公邸の2階にはペルーの外相を含む約20人が閉じ込められている。1階の約600人の状況は不明。

ペルーの地元テレビは17日、リマの日本大使公邸を占拠した武装グループの男一人が同テレビに対し、警察に逮捕されているトゥパク・アマル革命運動(MRTA)のメンバーを釈放するようフジモリ大統領に要求するため事件を起こしたと語った、と報じた。

ペルーの地元テレビは17日、武装グループに占拠されたリマの日本大使公邸にいる青木大使が同テレビに対し、公邸は左翼ゲリラ組織「トゥパク・アマル革命運動」に完全に支配されており、邸内には600−800人がいると語った、と報じた。《共同通信》

大きな爆発音の後、20人前後の武装グループが乱入した。リマの駐ペルー日本大使公邸で17日夜に起きた襲撃、占拠事件。関係各国の大使ら要人多数が集まり、一足早く天皇誕日を祝うレセプションが開かれていた公邸は、一転して恐怖のどん底に突き落とされた。

武装グループは、地元テレビに対し、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)のメンバーだと電話で語った。その際「交渉には応じるが、警察は信用しない」と伝えた。

「銃撃が続いていて頭が上げられない。私は公邸の扉わきにある警官詰め所に閉じこめられている」。木本博之公使は、携帯電話からやっとの思いで外務省へ現地の模様を伝えてきた。

同グループは、黒い服を身に着け、自動小銃や手投げ弾などで武装。地元警察との間で激しい銃撃戦を続け、銃撃音に悲鳴が交じった。女性と子供ら人質の一部は解放されたが、600人とも伝えられる人質の多くは、手を上げさせられ、拘束状態が続いた。《共同通信》

ペルーの日本大使公邸が17日夜(日本時間18日午前)、極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)の武装グループの襲撃を受け、占拠された事件で、ペルー政府は同日、ブリオネス内相らを公邸に派遣、犯人側と交渉を開始した。18日朝(日本時間18日夜)までに交渉は進展せず、青木盛久大使ら人質は野内に閉じ込められたまま、こう着状態となっている。日本政府は池田外相を19日朝に現地に派遣することを決めた。

フジモリ大統領から橋本龍太郎首相に入った電話連絡などによると、人質の人数は約200人で、女性や年配者の約80人は解放された。解放された青木大使夫人によると、天皇誕生日祝賀パーティーには約600人が出席しており、人質の数はもっと多い可能性もある。

ゲリラ側は地元のラジオ局に対し、投獄中のMRTA最高指導者らの釈放要求が受け入れられなければ「われわれはここで死ぬ」と玉砕予告声明を送り、人質の殺害も辞さない強硬姿勢をみせており、状況は緊迫している。《共同通信》



【プロ野球】4球団が新戦力を発表

巨人、中日、阪神、ロッテは17日、ことしのドラフト会議で指名した選手の入団を発表した。前日のヤクルトと合わせ5球団で29選手がプロのスタートに立った。

巨人の発表は東京都内のホテルで行われ、長嶋茂雄監督の横に真新しいユニホームを着た6選手が並び、ドラフト1位の入来祐作投手(本田技研)は「あこがれのユニホームを着た喜びと同時に身の引き締まる思い」と第一歩を踏み出した感想を口にした。

また、大阪市内のホテルでは阪神の1位、今岡誠内野手(東洋大)が「ここ一番で勝負強い打者になりたい」と抱負を話した。《共同通信》

【オウム裁判】上祐被告、争わず

オウム真理教の熊本県波野村進出に伴う国土利用計画法違反事件をめぐり、偽証罪などに問われ、起訴事実の認否を黙秘してきた幹部上祐史浩被告(34)の公判が17日、東京地裁で開かれ、弁護側は上祐被告が「尊師(松本智津夫被告=教祖名麻原彰晃)の徹底的に争えという指示に従った」と供述した自白調書など検察側証拠にすべて同意し、事実上争わない姿勢を示した。

竹崎博允裁判長は上祐被告の供述調書計14通などを証拠採用。今回公判で検察側立証が終了し、次回から弁護側立証となるが、早期に結審する可能性が強まった。

この日証拠採用され、明らかにされた上祐被告の供述調書はいずれも昨年11月作成で、起訴事実を大筋で認めている。

供述調書によると、教団の波野村進出をめぐり、熊本県警が強制捜査に着手した後の平成2年10月ごろ、松本被告と元教団顧問弁護士青山吉伸被告(36)が実際は売買で土地を取得したのに、国土法の届け出が不要な「贈与」に見せかける計画を立てた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は17日、衆院決算委員会で民主党の生方幸夫氏から「首相の答弁は面白味に欠ける」と質問されると「面白くと言われても抵抗がある」と反論。古き国会論戦を回顧し「故木村禮八郎先生の質問などは党派を超えて傍聴に来たものだ」と、面白い答弁にはそれなりの質問が前提だと言いたげ。官邸に戻ると首相は記者団に「さっき例に上げた木村さんと池田(勇人元首相)さんの論戦は、政治部記者が聞きほれて書き起こせなかった」と昔話を披露した後、「本国会で言えば、(新進党の)鈴木淑夫氏との質疑かな」とPRも忘れなかった。

○・・・この日午後、都内のホテルに衆院選で落選した新進党の前議員約20人が集まった。発起人の田名部匡省元農相は「党の現状を見てもそれに参加できない残念な気持ちでいっぱい」と羽田孜氏離党に揺れる党への焦りをあらわにした。過去にアイスホッケー全日本チームの監督も務めた田名部氏は「勝った時の監督は何もしなくていい。負けた時の監督は、いかに選手を立ち直らせるかで一番難しい」と党執行部に同情。しかし「あいさつに行っても『新進党はなくなるんじゃないですか』と言われる」と再起を期す自分たちの立場を考えない党のごたごたにうんざり気味。《共同通信》

【羽田孜元首相】新党は国民政党に

新進党離党と年内の新党結成を表明した羽田孜元首相は17日昼前、都内の議員宿舎で記者団の質問に答え「議員政党というより国民とともに歩む政党にしたい。日本の現状の厳しさを訴え、どうやって乗り越えるかを一緒に考える国民政党にしたい」と決意を表明した。

新党の理念として「自由」「自己責任」「共生」を掲げるとともに「小さい人数でスタートし、議員だけじゃなくボランティアを募ったり、全国組織の党にじわじわと広げたい」と抱負を述べた。

同氏は支持グループの畑英次郎氏らと同日昼前、26日の正式旗揚げに向けて都内のホテルで新党準備会の会合を開き、理念や政策の策定など結党準備作業を本格化させた。

羽田氏らは24日ごろの正式離党に向けて多数派工作にも力を入れる構えで、今のところ13人程度が加わる見通しだが、羽田氏支持グループのベテラン議員らが同調する動きを見せれば、党執行部の切り崩しも活発になり、党内対立が激化する事態も予想される。

細川護煕元首相は17日午前、「羽田新党」との連携は当面は考えない姿勢をあらためて記者団に示した。一方小沢一郎党首は同日午前から「明日の内閣」、役員会、総務会、緊急両院議員総会に相次いで出席し、「方法論の違いとはいえ、こういうことになったのは残念だ。私の不徳の致すところで力及ばず、みなさんにおわびしたい」と羽田氏の慰留失敗を陳謝、理解を求めた。

役員会は「分党」を認めないとの16日の党五役会議の決定を了承。両院議員総会は執行部の対応を了承した。《共同通信》

【コフィ・アナン氏】国連新事務総長に決定

国連総会は17日、本会議を開き、国連安全保障理事会が13日に推薦を決めたガーナ出身のコフィ・アナン国連事務次長(58)を満場一致で次期事務総長に任命した。アナン氏は年末で任期切れとなるガリ事務総長の後を継ぎ、1997年1月1日、第7代国連事務総長に就任する。任期は5年。

アナン氏は事務総長への就任を宣誓した後、任命を受諾する演説を行い「冷戦終結後の国連の在り方については、青写真や討議が不足しているわけではない。必要なのは(加盟国の)コンセンサスと関与だ」と述べ、21世紀に向かう国連の将来像について、加盟国の合意を第一に考える姿勢を示した。《共同通信》

「国連の財政危機の原因は、(国連側の)失政ではない(加盟国の)義務の不履行こそが原因だ。新しい事務総長が決まったのだがら、約束通りさっさと払ってもらおうではないか」。

国連のガリ事務総長は17日の国連総会で行った「お別れ演説」で、総額24億ドルに上る財政赤字の6割を占める米国の分担金未払いに、痛烈な批判を浴びせた。

米国は、ガリ事務総長が国連の行財政改革に熱心ではないとして再選を拒否。米当局者は、米議会の信任のないガリ事務総長がいる限り、国連分担金の未払い分の支払いは困難だと説明していた。

このような論理で再選の望みを断たれたガリ事務総長は、この演説が事務総長として国連総会議場の演壇に立つ最後の機会。抑制の効いた声で5年間の成果を振り返ったが、演説の終わり近くなって「反骨精神」を発揮。

分担金未払いの問題は「ガリ下ろし」の先頭に立ったオルブライト米国連大使にとっては、あまり触れられたくない弱み。テレビが映し出したオルブライト大使は、総会議場のいすに身を沈めるように座り、険しい目付きでガリ事務総長を見つめていた。

ガリ事務総長は最後に「5年間毎日、朝起きてまず思うのは、国連憲章の理念と国連の独立性、信頼性を保つという国連事務総長としての責任感だった」と述べたが、これは「事務総長は毎朝、改革、改革、改革と唱えるような人でなければ」と言ったオルブライト大使へのあてつけだった。《共同通信》



12月17日のできごと