平成2872日目

平成8年11月18日(月)

1996/11/18

【厚生省・岡光序治次官】利益供与が発覚

厚生省の岡光序治事務次官が埼玉県で国や県から補助を受け特別養護老人ホームを運営する複数の社会福祉法人グループの理事長側から今年3月までの約2年間乗用車の提供を受けていた上、今年10月の衆院選挙で埼玉6区から立候補し落選した元厚生省課長補佐のA氏(39)が埼玉県庁に出向中、これらの社会福祉法人の一部に約30億円の補助金交付を認可していたことが18日、明らかになった。警察当局はA元課長補佐から事情を聴いている。

岡光次官については、同理事長側がゴルフ場会員権を同次官用に購入したとも指摘されたが、同次官はこの点については「まったく知らない」と供与の事実を否定した。

この理事長は埼玉県内で特養ホームなどの建設、運営をしている「彩福祉グループ」代表のB氏(51)。

小泉純一郎厚相は同次官の問題について「事実関係を確認のうえ対処したい」とのコメントを発表した。《共同通信》

埼玉県内で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人グループの法人認可や施設建設費の補助金審査をめぐり、警視庁捜査二課は18日、収賄の疑いで元厚生省年金局課長補佐、A容疑者(39)を、贈賄の疑いで社会福祉法人理事長、B容疑者をそれぞれ逮捕した。B容疑者からA容疑者に渡った金は総額数千万円に上る疑いがあるという。

B容疑者は厚生省の岡光序治事務次官に乗用車を貸すなどの利益供与をした上、調べに対し「次官にゴルフ会員権を渡した」と供述。さらに供述などから次官に資金が渡っていた疑いがあることが分かり、捜査二課は慎重に追及する構えで、同次官の事情聴取と進退問題に発展するのは必至の情勢となった。《共同通信》

橋本龍太郎首相は18日夕、厚生省の岡光序治事務次官が社会福祉法人グループ代表から乗用車を提供されるなどしていた問題について「気分の緩みという以外の何物でもない。車を借りたとか、そういうこと自体が許されないことだ」と述べ、責任は免れないとの考えを明らかにした。

首相は、厚生省に指示した事実関係の調査結果を待ち、場合によっては更迭を含めて何らかの処分を検討する考えを示したものとみられる。首相官邸で記者団の質問に答えた。首相はこの後も公邸で記者団に「非常に腹が立っている」と強い不快感を示した。

また小泉純一郎厚相は同夜のTBSテレビで「深刻に受け止めている。厳正に対処しなければならない」と、厳しい処分を行わざるを得ないとの考えを強調した。小泉厚相は同省事務当局に対し、乗用車貸与のほか群馬県内のゴルフ場会員権同代表から提供されていたと指摘された問題も含め、事実関係の調査を命じた。

当初、厚相は処分は慎重に判断するとしていたが元課長補佐の逮捕など「急展開」を重視。深夜のテレビ番組では「早急に厚生行政が信頼されるような態勢をとっていかねばならない」と強調した。《共同通信》



【天皇、皇后両陛下】仏・シラク大統領と会見

天皇、皇后両陛下は18日午前、国賓として来日中のフランスのシラク大統領夫妻と皇居・宮殿の「竹の間」で会見された。

宮内庁によると、大統領は陛下に「日本は偉大な歴史と文化を持っており、常に敬意を払っています」と述べ、陛下も「両国の交流は19世紀半ばに日本が開国して以来の古い歴史があります」などと話した。また大統領は「来年前半に、パリに建設が進められている日本文化会館が完成するので、開館式に皇族方に出席していただきたい」と招待。陛下は「ご招待ありがとう。政府が検討することになるでしょう」と答えたという。

会見は約20分間行われ、大統領は来日43回目の知日派とあって、終始和やかな雰囲気。陛下から大統領に勲章が、大統領から陛下には1558年に出版されたフランスの魚類図鑑が贈られた。

会見に先立ち、東京・赤坂の迎賓館で、両陛下をはじめ皇族方、橋本龍太郎首相らが出席し、歓迎式典が行われた。夜には皇居・宮一殿で両陛下主催の歓迎晚さん会が開かれる。《共同通信》

国賓として来日したフランスのシラク大統領夫妻を歓迎する天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が18日夜、皇居・宮殿の「豊明殿」で開かれた。

宴の終わり近くに、天皇陛下が今年1月に死去した故ミッテラン前大統領について「ご逝去の報に接し、深い悲しみを覚えました」とあいさつ。「それぞれの国の文化を理解、尊重しつつ交流を深めていくことで、友好関係が一層増進し、そのきずなが、統合の進んでいく欧州連合との太いきずなともなることを期待しています」などと述べられた。

シラク大統領は「両国のみならず、アジアとヨーロッパの利益となる関係を打ち立てましょう。日本とフランスはその影響力を動員して、より公正で保障のある新国際秩序形成のために、共に貢献しなければなりません」とスピーチ。フランス国歌と君が代が演奏され、全員で乾杯した。

晩さん会には、フランス側から大統領夫妻のほか、ドシャレット外相ら随員、日本側から両陛下、皇太子ご夫妻ら皇族方と橋本龍太郎首相らが出席。出席者は両国合わせて158人(別席2人)で、平成4年のブッシュ大統領夫妻を迎えた晩さん会に次ぎ、3年のゴルバチョフ大統領と並ぶ規模。

出席者はブラックタイ、ロングドレスの正装で、宮内庁楽部が演奏する、シャンソンのメドレーなどが流れる中、フランス料理をとりながら歓談した。《共同通信》

【仏・シラク大統領】慶大で講演

日本を公式訪問中のシラク・フランス大統領は18日午後、東京・三田の慶応大学(鳥居泰彦塾長)で名誉法学博士号の授与を受けた後、約800人の招待客や学生を前に記念講演し、世界のさまざまな分野でのフランスと日本の協力の必要性を強調した。

今回が43回目の訪日となる親日家の大統領は日本文化への深い造けいを披露。両国とも古い独自の文化を守りながら、技術、経済大国として発展したことなどに触れ、「日本の将来を担う若い人々に、フランスは欠くことのできないパートナーであることを認識してもらいたい」と、両国の協力の必要性を強調した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】仏・シラク大統領と会談

橋本龍太郎首相は18日午前、東京・元赤坂の迎賓館でフランスのシラク大統領と会談した。会談後、両首脳は政治、安保、経済、文化の各分野にわたる両国の行動計画「21世紀に向けての日仏協力20の措置」に署名、発表した。

日仏行動計画は両国の関係緊密化のため(1)原則年1回以上の首脳会談、年2回の外相会談の開催(2)外交・安保などで事務レベルの政府対話推進(3)アジア・アフリカなど第三国市場での日仏企業間の協力、科学技術、青少年交流の活発化(4)国連改革、核不拡散・軍縮、地域安全保障での協力–を盛り込んでいる。また日本の国連安保理常任理事国入りへのフランスの支持を確認した。

会談後、両首脳は共同で記者会見し、橋本首相は「両国関係を一番大事な関係とするためのスタートが切れた」と会談を評価。シラク大統領は「日本は改革を進めようとしており、フランスも国内の改革に努力している。双方の努力が日仏の貿易、投資問題を改善することになろう」と述べた。《共同通信》

【大相撲九州場所】9日目

大相撲九州場所9日目(18日・福岡国際センター)横綱曙、大関武蔵丸、関脇魁皇の3人が1敗を守り、そろって勝ち越しを決めた。曙は右四つから土佐ノ海を寄り倒し、武蔵丸は関脇貴闘力を決め出した。武蔵丸の勝ち越しは通算37場所(幕内では31場所)連続。魁皇は左四つから小結武双山を寄り切った。貴闘力、武双山はともに4勝5敗。

大関若乃花は琴の若を右上手投げで下し7勝2敗。平幕の玉春日、栃東も勝って2敗をキープ。大関貴ノ浪は寺尾を決め出し5勝4敗とした。この日の結果、幕内は1敗に曙、武蔵丸、魁皇が並び、2敗で若乃花ら3人が追う展開。十両は出島に勝って勝ち越しを決めた新十両、栃乃洋が単独トップに立った。《共同通信》

【マルス96】ロシアの火星探査機が南太平洋に落下

プルトニウムを燃料とする原子力電池搭載のロシアの火星無人探査機「マルス96」が18日午後0時34分(日本時間同日午前10時34分)ごろ、チリ沖の南太平洋上に落下した。オーストラリア国防省が確認した。米政府は、放射能汚染の恐れは極めて少ないとしている。

同日早朝、米政府からオーストラリア中東部に落下する可能性が強いとの連絡を受けたハワード・オーストラリア首相は、国民に「重大警戒」を呼び掛けるとともに、緊急の国家安全保障会議を開き非常事態に備えるよう関係機関に指示した。

オーストラリア軍は、放射性物質処理チームを含む、緊急対応部隊が警戒態勢についたが、大気圏再突入時刻が予想より遅くなったため、地上への落下は避けられた。しかしハワード首相は、「直接の事前通報がなかった」とロシアを非難した。《共同通信》

【スカイマークエアラインズ】設立

旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)は18日、国内定期航空事業参入に向けた準備会社「スカイマークエアラインズ」(本社東京、資本金1億5000万円、大河原順一社長)を設立した、と正式に発表した。

新会社の大河原社長は記者会見で、消費者利益を優先する経営方針を示したが、焦点の運賃については「(現行運賃の)半分にするとは言っていない。結果として6、7割になるかもしれない」と述べた。

計画では、来春以降に運輸省から定期航空運送事業の認可を受けた後、従業員150−200人の事業会社に改組、資本金も30億−60億円に増資する。2年以内に中型旅客機3機を使い羽田−札幌線など一日十数便を飛ばす。売上高は百数十億円を見込む。さらに羽田、伊丹を基点に、福岡や沖縄など基幹路線で事業を展開していく考え。

新会社は大河原社長のほか、沢田秀雄会長(HIS社長)ら役員3人、従業員約10人でスタート。HISが8800万円(出資比率五58.7%)、大河原氏が2000万円(13.3%)のほか、オリックス、野村証券、小倉昌男・前ヤマト運輸会長らが出資する。

リース機の使用、機体整備の外部委託、人件費や間接費の削減などでコストを削減し、低運賃化を目指す。しかし、整備や乗員の配備など安全性の確保に必要な経費が「最重点課題なので、既存3社より安くならない」(大河原社長)など実際にはコストを削れない要素もあるという。

また航空機の故障や定期整備時に必要な予備機は持たないで事業を開始する方針。自社機が飛べない場合は「他社に代替輸送を依頼したい」としている。代替輸送だと「受託会社に普通運賃を払い、通常、割引運賃との差額を自ら負担する」ため、収益を圧迫する懸念もある。《共同通信》



11月18日のできごと