平成2852日目
1996/10/29
この日のできごと(何の日)
【北陸新幹線】高崎ー軽井沢間で試験走行開始
日本鉄道建設公団は29日、1998年の長野冬季五輪に合わせて建設が進む北陸新幹線の高崎ー軽井沢間(41.8キロ)で、車両を使った初の走行試験を開始した。
テストには「ドクターイエロー」の愛称で知られる検査車両を使用。上越新幹線高崎駅を午前1時ごろ出発した7両編成の車両は、時速約30キロのゆっくりとしたスピードで、架線の具合や自動列車制御装置が正確に作動するかなどについて検査を繰り返した。
午前10時15分、軽井沢に向かう試験車両が通過した群馬県榛名町の跨線橋では近くの住民や報道関係者ら約30人が、時速約30キロでゆっくりと走り、時折停車する試験車両の動きをフェンス越しに見守った。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【正力松太郎賞】オリックス・仰木彬監督
プロ野球の発展に貢献した選手や監督に贈られる「正力松太郎賞」は日本一になったオリックスの仰木彬監督(61)に29日、決まった。東京都内のホテルで開かれた選考委員会で、ペナントレース、日本シリーズを通じてのさい配が「近代野球の新しいスタイル」と高く評価され、満場一致で選出された。
仰木監督は初受賞。監督の正力賞受賞は9人目、12度目。オリックスからはイチローが2年連続で受賞しており、3年連続となる。《共同通信》
【プロ野球・巨人】水野雄仁投手、岡崎郁内野手が現役引退を表明
2年ぶりのリーグ優勝を果たしたが、日本シリーズでオリックスに破れた巨人のコーチ、選手計9人が29日、退団することになった。
水野雄仁投手(31)と岡崎郁内野手(35)は引退することになり、東京都内のホテルで記者会見。水野は「肩、ひじの状態を考えるとこのままではチームに迷惑がかかると思った。今はほっとしている」と笑顔さえ見せた。岡崎は「17年間、巨人一筋でやってきたのが財産」と胸を張った。両選手とも今後は未定。
また、球団は長嶋監督の長男でもある長嶋一茂内野手(30)、伏島良平内野手(26)、羽根川竜投手(23)の3選手に戦力外通告したと発表。武上四郎打撃コーチ(55)はこの日、日本シリーズでの打撃不振の責任をとり、深谷尚徳球団代表に辞任を申し入れ、了承された。
さらに退団は二軍コーチにも及び、宮田征典(56)、高橋一三(50)両投手コーチ、佐野元国バッテリーコーチ(38)に対して、来季は契約しないことを伝えた。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】ナミビア大統領と会談
橋本龍太郎首相は29日午前、首相官邸で南部アフリカのナミビアのヌジョマ大統領と会談した。首相は食料増産支援を約束するとともに、12月にナミビアで開催される日本・米国・アフリカ三極会議に、経団連中心の政府ミッションを派遣し、経済発展に積極的に協力する考えを伝えた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・愛煙家で知られる橋本龍太郎首相は29日、日本の喫煙率が35.1%と過去最低になったことについて感想を記者団から聞かれ、「あ、そう。それは皆それぞれだから」といたってそっけない返事。さらに首相のお好みの銘柄「チェリー」について「吸う人は本当に少数となったが」と突っ込まれると「僕にとってはおいしいから」とムッ。首相のこの不機嫌さは、第二次橋本内閣のスタートに当たってなかなか衆院過半数を集めきれないいらだちが、愛煙家仲間の少数化とダブったためか。
○・・・共産党の不破哲三委員長はこの日、総選挙後初の議員団総会であいさつ。得票を大幅に伸ばし、26議席に躍進した選挙結果に触れ「無党派層との交流、接近、合流の第一歩。誤解の壁が崩れ始めたのが実感だ」と強調した。海外マスコミも共産党を大きく取り上げたことを指摘し「外国のマスコミは『あの発達した資本主義国でなぜ…』という疑問を持っているとしているが、発達した資本主義なればこそだ」と、共産党の伸張は歴史の法則にかなっていると言いたげ。《共同通信》
【尖閣問題】鎮静化へ
尖閣諸島問題などで冷え込んでいる日中関係の打開に向けた両国の外務次官級協議が29日、外務省飯倉公館で柳井俊二外務審議官、唐家璇中国外務次官らが出席して開かれた。
領有権については双方が基本的な立場を主張、平行線をたどったが、日本政府は中国の要望に沿って、政治団体が同諸島に建設した灯台を事実上認可しない方針を説明、尖閣問題は鎮静に向かう見通しが出てきた。しかし、歴史認識や日米安保再定義で中国の懸念をぬぐうには至らなかった。
協議で日本側は「日中関係を損なわないよう冷静に対処すべきだ」と、鎮静に向けた双方の努力の必要性を強調したのに対し、中国側は「中国側は一貫して冷静かつ抑制した対応をとっており、重要なのは日本政府が適切な対応をとることだ」と指摘。灯台の除去や再発防止を求めた。
一方、7月の橋本龍太郎首相の靖国神社参拝など「歴史認識問題」について、日本側は「国策を誤り、植民地支配と侵略によって、アジアの諸国民に多大の損害と苦痛を与えた」などとした昨年夏の戦後50年の「首相談話」が政府の基本認識と重ねて説明、理解を求めた。中国側はこの問題が「中日友好の原則と基礎にかかわる」と指摘した上で「首相の靖国参拝は中国人民の感情を害した。姿勢表明は大切だが、実際の行動も大切だ」と、首相の参拝を厳しく批判した。
双方は、戦時中に日本軍が遺棄した化学兵器の処理問題については、12月上旬に北京で政府間協議を行うことで合意した。《共同通信》