平成2835日目

平成8年10月12日(土)

1996/10/12

【 HIS】航空会社を設立へ

格安航空券販売で知られる旅行会社、エイチ・アイ・エス(HIS、本社東京)は12日、2年後の国内線乗り入れを目指し、同社を主な出資者とする航空会社を設立すると発表した。

北海道の利用者などから「値段が高い」と不満が出ている羽田ー札幌線で、現行運賃の半額の定期便を飛ばす構想。実現すれば全日本空輸など大手3社の国内線寡占状態を打ち破り、競争を促すことになる。

HISの沢田秀雄社長によると、11月中に事業免許取得に向けた企画会社を東京都内に設立する。資本金は1億−2億円。同社が株式の30−70%を持ち、社長には沢田氏とともに計画を立ち上げたベンチャーキャピタル会社社員の大河原順一氏が就任する。来春には認可申請し、認可される見通しがついた段階で数十億円の増資を行い、事業会社に移行する。

構想によると、リース会社から定員300人弱の旅客機を3機調達。乗員には賃金の安い外国人パイロットなどを採用し、飛行機の整備は国内大手航空会社に委託する。新滑走路の完成に伴い来春以降、順次増加する羽田空港の発着枠の配分を受け、羽田−札幌線を一日6往復することなどを検討している。構想については「今のところは研究段階」(沢田氏)としている。

飛行機の整備委託については、既に全日空に非公式に協力を要請、今後、日本航空、日本エアシステムにも打診する予定だが、具体的な見通しはついていない。運輸省は「整備を完全に外部委託する例はなく、安全性の検証が必要になる」(航空局)としている。

売り物となる半額運賃も、現行の制度(幅運賃制度)では、運輸省がコストから計算した上限価格の75%が下限と決められており、実現には制度自体を変更しなければならない。

日本の航空運賃は、海外に比べ割高と指摘されてきた。この構想以外にも、北海道の会社経営者らによる格安運賃航空会社の設立計画などの動きが出ており、規制緩和の流れの中で、運輸省の対応が注目される。《共同通信》



【WBCジュニアバンタム級タイトル戦】川島郭志選手、6度目の防衛

世界ボクシング評議会(WBC)ジュニアバンタム級タイトルマッチ12回戦は12日、東京・両国国技館で行われ、チャンピオンの川島郭志(ヨネクラ)が挑戦者のドミンゴ・ソーサ(ドミニカ共和国)に2回2分5秒、TKOで圧勝し6度連続の王座防衛に成功した。世界タイトルの6連続防衛は、日本ボクシング界史上3位タイの記録。川島の戦績は23戦20勝(14KO)2敗1分けとなった。

川島は1回から距離を詰めて、右ボディーフックとストレートでソーサを攻め立てた。続く2回、相手の出方をうかがっていたが、右フックをきっかけに、連打を浴びせてソーサを棒立ちにさせたところで、レフェリーが試合を止めた。《共同通信》

【ダイエー・石毛宏典内野手】引退発表

ダイエーの石毛宏典内野手(40)が12日、福岡市内のホテルで16年間の現役生活にピリオドを打つことを発表した。来年はダイエー球団から米国へ野球留学し、指導者として勉強する。

球団が選手の引退後に全面的にバックアップして留学させるのは、球界では異例といえる。留学期間、留学先などは発表されていないが、将来は「ポスト王」のダイエーの指導者の一人として期待されている。

石毛は記者会見で「8月下旬から腹の中で引退を決めていたので寂しいという思いはない。人生の第二幕がこれから始まる」と晴れ晴れとした表情で話した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】お国入り

橋本龍太郎首相が12日午前、地元岡山県入りした。アベック選挙中の岡山県知事選の応援とともに、自らの選挙区・岡山4区で2日間にわたる選挙運動を展開する。新進党の加藤六月元農相との「六龍対決」は激戦模様とされるが、総選挙の最中に殺到する応援依頼を振り切る形で首相が“お国入り”するのは極めて異例。

首相は同日午前11時すぎ、香川県から岡山市内の知事選候補事務所に到着、小雨の中集まった約500人の支持者を前に「こんなに大勢の人が集まってきてくれて、一瞬ちょっと胸が詰まりました」と地元第一声。「私、4区の橋本も忘れずによろしくお願いします」と満面に笑みを浮かべた。

午後からは地元の倉敷市で、街頭宣伝車から支持を呼び掛け、夜は個人演説会に臨む予定。2日目の13日は、倉敷市の選挙事務所からテレビ出演の後、倉敷市と岡山市で2カ所ずつ街頭演説をする。《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】行革「他党は抽象的」

新進党の小沢一郎党首は12日午前、静岡市内で記者会見し、行政改革について「具体的提案をよその党はしていない。大変、無責任だと思う。具体的な議論の場があったらいい。一般の国民も、私どもは具体的に年限を区切っているが、他党は抽象的な話だというのは分かってきたと思う」と述べ、行革をテーマに論戦を挑む姿勢を強調した。

衆院選の見通しについては「比例代表は定数(200)の3分の1以上、直接選挙(小選挙区)も300のうち半分を上回る当選を期待しており、十分、過半数の数字は出てくる」と自信を示した。《共同通信》

【民主党・菅直人代表】副大臣設置で政治指導力の確保を

民主党の菅直人代表は12日午前、茨城県日立市で記者会見し、行政に対する政治の指導力を確保するため、大臣の政務を助ける目的で置かれている中央省庁の政務次官制度を廃止し、代わりに複数の副大臣、大臣補佐官を置くことを内容とする国家行政組織法などの改正案を、次期通常国会に提出する考えを明らかにした。

構想によると、副大臣は各省庁の大臣を補佐し大臣不在時にはその職務を代行。大臣の申し出に基づき、内閣が各省庁最高3人まで任命する。さらに大臣は3人を限度に大臣補佐官を任命できる。《共同通信》

【アウン・サン・スー・チー氏】再び事実上の自宅軟禁

ミャンマー軍事政権は12日、アウン・サン・スー・チーさん宅前の道路を再び封鎖して週末の演説を3週連続で阻止した。週明けには封鎖は解除されるとみられるが、市民への呼び掛けの唯一の場だった演説集会は当分開けそうもない。自宅の電話も不通になっており、昨年7月までの自宅軟禁と大差ない状態に逆戻りしつつある。

道路封鎖は9月27−29日の予定だった野党、国民民主連盟(NLD)党大会を阻止するとして27日朝から始まり、今月8日に解除。しかし目撃者によると、自宅前の通りは12日未明から約500メートルにわたって封鎖され、ライフルで武装した警察軍らが検問している。

もともと軍事政権は、野党の集会を許していないが、スー・チーさんは独立の英雄アウン・サン将軍の長女であることなどから、特別扱いとしてきた。

演説集会は昨年7月の自宅軟禁解除の直後に始まり、翌8月から土曜、日曜の2回に定着。11月にNLDが政権主導の国民会議をボイコットして対決姿勢を鮮明にすると、数百人だった聴衆が2000人規模に膨れ上がり、今年5月の議員大量逮捕で、政権とNLDの対立が頂点に達した際には、4000人以上となった。演説の録音テープがひそかに出回り、現場に行けない市民も聞いていた。

しかし、軍事政権は6月初め、演説の中止を通告。スー・チーさんはこれを無視したが、軍事政権高官はこの間「必要になれば、しかるべき措置をとる」と繰り返していた。《共同通信》



10月12日のできごと