平成2834日目
1996/10/11
この日のできごと(何の日)
【ノーベル平和賞】ベロ司教、ホルタ氏に
ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、1975年以来、インドネシアの併合下にある東ティモール紛争の平和的解決を追求してきたカルロス・フィリペ・シメネス・ベロ司教(48)と、ジョゼ・ラモス・ホルタ東ティモール民族抵抗評議会共同代表(46)の両氏に、1996年のノーベル平和賞を授与すると発表した。
同委員会は授賞理由として、2人の非暴力と対話による問題解決に向けた努力を評価する、と述べた。ベロ司教については「住民の代表として自らの命を賭けて、インドネシア政府の人権抑圧から住民を守ろうとした」と称賛。ホルタ氏については「東ティモール問題を国際社会に訴える。のに主導的な役割を果たした」とし、最近の東ティモール和平案の立案と「和解への対話」を通した貢献を評価した。
また同委員会はインドネシア政府の弾圧を厳しく批判し、その上で東ティモール問題の外交的解決に向けた努力促進への期待を表明した。2人の平和賞受賞によって、インドネシアに対する国際圧力が一層強まることは必至の情勢だ。
東ティモールは旧ポルトガル領。ポルトガルの撤退後、75年11月「東ティモール独立革命戦線」(フレティリン)は独立を宣言したが、インドネシアが武力介入、翌年7月に27番目の州として併合した。
国連総会はインドネシア軍の即時撤退を決議。国連はその後もインドネシアの併合を認めていない。しかし、インドネシアは一貫して独立運動を鎮圧。91年11月には州都ディリで政府軍が発砲し、政府調査団の発表でも死者50人、負傷者91人以上、行方不明者約90人の犠牲を出した。
授賞式は12月10日、オスロで行われ、2人に賞金計740万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)が贈られる。《共同通信》
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【中日・郭源治投手】引退会見
今季限りでユニホームを脱ぐことになった中日の郭源治投手(40)の引退会見が11日、名古屋市内で行われた。
16年間の現役生活にピリオドを打った郭は「今でもナゴヤドームで投げる夢を持っている。未練はあるけど、力がないと自分もチームも苦しい。1988年の優勝が一番思い出に残っている」と寂しさをこらえながら話した。同席した星野監督も「ありがとう、ご苦労さんと言うだけ」とかつての名ストッパーの労をねぎらった。《共同通信》
【プロ野球】FA有資格選手を公示
プロ野球のコミッショナー事務局は11日、フリーエージェント(FA)の有資格選手名簿を公示した。新たに資格を得たのは、宮本(巨人)中村(中日)和田(阪神)畠山(横浜)広瀬(日本ハム)鈴木(近鉄)ら13選手。FA制度1年目の1993年オフに権利を行使して巨人から横浜に移籍した駒田は「年間の出場選手登録150日以上を3シーズン」の条件に達し、初めての再取得選手となった。
権利行使を保留している清原(西武)ら30人と合わせて計44選手が公示されたが、引退が決まった郭(中日)木戸(阪神)平野(ロッテ)や戦力外を通告された小早川毅(広島)中西(阪神)らが含まれている。
FAの権利を行使する選手は、日本シリーズ終了の翌日から10日以内に在籍球団に文書で通知。FA宣言選手と在籍球団の占有交渉期間は日本シリーズ終了の翌日から17日間で、その後に他球団との交渉が許される。《共同通信》
【日銀・松下康雄総裁】景気「緩やかな回復」
松下康雄日銀総裁は11日、東京都内で講演し、現在の景気について「緩やかな回復を続けている」とのこれまでの認識を示した上で、「景気を下押す圧力は先行き減衰する可能性が高い」と明るさを強調した。
総裁は公共投資が本年度下半期に減少する見込みなど懸念材料を示す一方、半導体や紙・パルプといった業種で続く在庫調整や輸出の減少傾向など、現在景気回復のテンポを緩やかにしている要因が、先行き改善する可能性を指摘した。
全般では「景気の自律的な回復メカニズムは着実に働いている」と説明、金融政策については「これまで同様回復の基盤をしっかりすることに重点を置く」と超低金利政策の維持を示唆した。《共同通信》
【新進党・小沢一郎党首】福井市で街頭演説
新進党の小沢一郎党首は11日、総選挙の北信越遊説のため福井市内を訪れ、街頭演説した。小沢党首は同市新田塚の街頭で約20分間マイクを握り「自社さ連立政権がこの2年半、無策できたことで経済問題などが深刻化した。消費税率アップが連立政権の結果だ」と、経済、外交問題に絡めて批判した。行革への取り組みについては「橋本自民党総裁は、いつ実行するかはっきりしない」と非難。
新進党として掲げる減税、行革など「5つの契約」について「4年間で実行できなかったら政治家をやめて責任をとる」と、あらためて決意を述べた。総選挙の勝敗については「過半数を取らなければ世直しができない」と単独政権への意欲をみせた。《福井新聞》
【オウム真理教】上九一色村から撤退へ
オウム真理教の荒木浩広報部副部長は11日、山梨県上九一色村の「第6サティアン」に残っている信者の退去問題について、同村の教団施設を訪れた教団破産管財人(阿部三郎弁護士)に対し、「教団と住んでいる信者で合意した」として、10月31日限りで撤退することを伝えた。
1989(平成元)年に進出して以来7年ぶりで、松本、地下鉄両事件で使われたサリンの製造や、目黒公証役場事務長殺害など一連の事件の舞台となった同村から完全撤退することになる。教団は週明けにも正式に文書を渡すという。《共同通信》
【OECD】韓国の加盟を承認
経済協力開発機構(OECD)は11日、パリで大使級理事会を開き、韓国の加盟を承認した。25日にパリのOECD本部で加盟文書に署名する。韓国内の批准が順調に進めば、今年6月に加盟が決まったポーランドに続き、年内にも世界で29番目、アジアでは日本に次いで2番目の加盟国となり、念願の先進国の仲間入りを果たすことになる。
加盟により、韓国は資本移動の自由化などを義務づけられる一方、先進国として国際経済の政策調整に参加することができる。
OECDには台湾も加盟希望を表明しているが、台湾と中国の関係が障害となっているため、OECDは審査に入ることを控えている。OECD筋によると、シンガポールなど東南アジア諸国の中には、申請すれば、加盟条件を満たす国もあるが、シンガポールは申請に消極的だという。《共同通信》