平成2798日目
1996/09/05
この日のできごと(何の日)
【オウム真理教・松本智津夫被告】第7回公判
オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第7回公判が5日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、初めての証人尋問が行われた。
地下鉄サリン事件の検察側証人として、事件発生当時、千代田線霞ケ関駅助役だったAさん(53)=現三越前駅務区助役=がサリンの入った袋を発見した状況について「生まれて初めて体験するにおいがした。嫌らしい感じがして、爆発するのではとの恐れもあった」などと証言した。
一緒にサリン袋を処理し、死亡した同駅助役Bさん=当時(50)=については「目を開けたまま、声をかけても反応がなかった」と述べた。
Aさんに続き、警視庁銃器対策課巡査部長(41)=事件当時丸の内署巡査部長=が霞ケ関駅でサリンの袋を引き渡された際の状況などを証言した。
第7回公判は午前10時に開廷。証人尋問に先立ち、弁護側は目の不自由な松本被告のために尋問の録音を求めたが、阿部裁判長は認めなかった。松本被告はこれまでと同様、じっとしたまま表情を変えなかった。
証言によると、Aさんは昨年3月20日午前8時すぎ、運転指令所から不審物が千代田線車内にあると連絡を受け、ホームに急行したところ、柱のわきに油がにじんだ新聞紙に包まれた四角い物と、何かをふき取った後に丸められたような新聞紙があり、Bさんが床をふいていた。霞ケ関駅では3月15日に不審なトランクを爆発物処理班が片付けたことがあり、爆発するのではとの恐れもあった。その後、Bさんらと四角い物と新聞紙をビニール袋に入れ、駅事務室に運んだという。
検察側は証人尋問で、サリンが散布された地下鉄の路線ごとに発生状況と犯行の実行経緯などを立証する方針だ。《共同通信》
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オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第7回公判は5日午後も東京地裁で続行され、阿部文洋裁判長は弁護側に「争点を明らかにして下さい」と述べ、留保したままになっている起訴事実の認否をするよう促した。弁護側は「検察側が被告本人の供述調書と関係被告の調書の一部を開示しておらず、争点が絞れない」と反論したが、阿部裁判長は19、20両日の公判で認否を明らかにするように求めた。
罪状認否についてのやりとりに先立ち、地下鉄サリン事件で千代田線の初動捜査に当たった警視庁捜査一課警部補(50)ら捜査員4人の証人尋問があり、午前の法廷で証言した当時霞ケ関駅助役のAさん(53)らがサリンの袋をホームから駅事務室に運んだ後のサリン袋の任意提出、霞ケ関駅と車両の実況見分などについて証言した。
弁護側は捜査員作成の実況見分調書に記載された現場の説明に誤りや不正確な部分があると指摘。証拠採用に異議を唱えたが、阿部裁判長は「その点は相談しましょう」とだけ述べた。《共同通信》
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【トヨタ・マークⅡ/チェイサー/クレスタ】フルモデルチェンジ
【新進党・中野寛成国対委員長】臨時国会早期召集を要求
新進党の中野寛成国対委員長は5日午前、村岡兼造自民党国対委員長ら連立与党3党の国会対策責任者と会談し、(1)自民党の加藤紘一幹事長のヤミ献金問題をめぐる衆院政治倫理審査会の早期開会(2)消費税率引き上げ問題を論議するための臨時国会の早期召集–をあらためて申し入れた。
村岡氏は政倫審開催について「ズルズルと延ばすつもりはない」としたものの、奥野誠亮政倫審会長に要請を伝えると答えるにとどまった。《共同通信》
【新党さきがけ】個人判断で新党結集へ
新党さきがけは5日夜、党本部で臨時総務会を開き、社民党、「鳩山新党」とともに行政改革を最優先とする新党結成を個人結集で目指す方針を全会一致で決定した。さきがけが「鳩山新党」を含め社民党との新党結成方針を正式に決めたことで、「第三極」をめぐる新党情勢は新たな局面を迎えた。
社さ両党首脳部は今週中にも先行して両党で新党に向けた政策協議に入る方針だったが、さきがけ内の「鳩山新党」との協議優先論に配慮し、さきがけの党内合意取り付けを重視した。しかし鳩山氏は同夜、「社民、さきがけとの話し合いではこれまでの発想と一同じで応じられない」と拒否姿勢を明確にした。
このため最終的には「社さ新党」への動きが加速するのは確実で、その場合、党再分裂という事態も予測される。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は5日、都内で開かれた「全国障害者雇用促進大会」に出席した際、会場に展示された絵画など障害者の作品を見学。最初はながめるだけだったが、帰る間際に「これ買っていいかな」と同行した秘書官に「許可」を求めて絵はがきと皮製のしおりを購入した。周囲をやきもきさせるほどの熱心さで予定の時間を大幅に延長したが、「昔に比べて(作品の)色使いが鮮やかだ。本当に明るくなっていた」と感心してみせるなど、福祉に強いところをさりげなくアピール。
○・・・新進党の小沢一郎党首はこの日、都内で開かれた自動車総連大会であいさつ。「最近だれでも口を開くと『改革』『改革』と言うが、何を改革するかわけが分からない。そこが私たちへの国民の声がいまひとつ盛り上がりに欠けるところだ」とまずは政治家として神妙に反省の弁。しかし「健全な大多数の国民のレベルアップが国を隆盛に導く基本。皆さんと共通の基盤に立てる」と新進党と労組の一体性を強調。「総選挙で国民の支持を得られなければ(改革を)実行できない」と呼び掛けるあたりが強引とも言われるゆえん。《共同通信》
【イスラエル・ネタニヤフ首相】裏切り者呼ばわりに反撃
ネタニヤフ・イスラエル首相は5日夜の国営テレビで、同首相の手法によるパレスチナ和平交渉継続を受け入れない閣僚は「必要があれば解任する」と述べた。
これは、ネタニヤフ首相が4日、かつて「テロリスト」と呼んだアラファト・パレスチナ解放機構(PLO)議長との会談に踏み切ったことで、政権内強硬派の重鎮、シャロン国家基盤相やベギン科学技術相らから強い批判を浴びたのを意識した発言。
右派政党リクードの党首でもある首相は5日夜テルアビブで、党中央委員会に出席したが、「裏切った」などのやじや口笛による非難を浴びた。
ネタニヤフ首相は同委員会での演説で「パレスチナ独立国家を認めない」ことを繰り返す一方、テロがあれば強い措置を取ると強硬姿勢に変化がないことをあらためて強調した。《共同通信》
【山村美紗さん】死去
京都を舞台にした推理小説シリーズで知られる山村美紗さんが5日午後4時15分、心不全のため滞在中の東京都千代田区の帝国ホテルで死去していたことが6日分かった。62歳。
山村さんは持病の気管支ぜんそくの治療と執筆のため、8月26日から同ホテルに滞在していた。長女で女優の紅葉さんによると、5日午後2時半ごろ執筆中に倒れ、日本医大の主治医を呼んだが、助からなかったという。
現在「中央公論」に「在原業平殺人事件」を連載中で、10月号で第9回まで書き進めていた。12回程度続きの予定だった。
昭和9年京都市伏見区生まれ。小学校時代はソウルで育った。京都府立大卒業後、中学校の国語教諭に。教諭の傍ら推理小説を書き始め、テレビの刑事ドラマ「特別機動捜査隊」の台本を担当、49年に「マラッカの海に消えた」でデビーュー。「京城の死」で江戸川乱歩賞候補。58年に「消えた相続人」で日本文芸大賞受賞。《共同通信》