平成2760日目

平成8年7月29日(月)

1996/07/29

【中国】核実験

中国政府は29日、国営通信の新華社を通じて、同日地下核実験を実施したと発表した。中国の核実験は通算で45回目、今年に入ってからは6月8日に次いで2度目。中国政府はまた30日から核実験を凍結(モラトリアム)するとの声明を発表、今回の実験を最後にする姿勢を示した。

29日からジュネーブで包括的核実験禁止条約(CTBT)交渉が再開、最終的合意が図られることになっており、それを前に駆け込みで実験を強行したとみられる。

今年1月のフランスの終了宣言に続く中国の核実験凍結で、核兵器保有の五大国の実験はすべて凍結されCTBTの調印に向けて弾みがついた。とは言え、中国が国際社会の強い反核世論を無視して再び駆け込み実験を強行したことには各国から強い反発が起きよう。

実験の場所や規模は明らかにされていないが、これまで通り、新疆ウイグル自治区のロプノル実験場で行われたとみられる。

中国政府は29日の声明で核実験凍結について「凍結の決定は多くの非核保有国の訴えに対する対応であるばかりでなく、核軍縮を推進するための断固たる措置である」と強調した。

中国はこれまで、核兵器の全廃とCTBTの年内調印を主張しながらも、核戦争の脅威が残っている現状では、必要最低限の核実験は行わざるを得ないとの立場を崩さなかった。今回の実験強行の背景にも、一時的な非難に配慮するよりも、核弾頭の小型化や多核弾頭化など核先進国の米国やロシアとの技術格差を縮小した方が国益にかなうとの判断があったとみられる。《共同通信》

政府は29日午後、中国の核実験に対し、池田行彦外相が外務省に徐敦信駐日大使を呼び「極めて遺憾」と抗議、30日以降は実験を凍結するとの中国政府声明について「凍結を続けることを期待する」と、永続的に中止するよう要請した。

梶山静六官房長官も談話を発表し、強い遺憾の意を表明、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期妥結に向け中国の努力を求めた。

徐大使は外相に対し、「完全に自衛のための実験」と重ねて強調し「年内にCTBTを締結できるよう努力する」と言明。「双方が冷静に対応し、日中関係に影響しないよう望む」と述べた。《共同通信》



【三菱電機】インターネットテレビ発表

三菱電機は29日、インターネット閲覧機能を内蔵した業界初のインターネットテレビを10月21日に発売すると発表した。シャープや松下電器産業なども同種の家電を発売する予定で、年末商戦ではインターネットブームがパソコンから家電の世界に広がりそうだ。

ただ「ビデオ内蔵テレビが普及まで時間を要した例もあり何が主流になるか見極めたい」(ソニー)と慎重姿勢のメーカーもある。

三菱が第一弾として発売するのは、ワイドテレビにインターネットのWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)閲覧機能を搭載した。28インチ型のテレビ。パソコンの普及や放送のデジタル化などマルチメディア化が進む中で「新しいテレビの方向性」を提案する機種と位置付けている。

インターネットの機能の中で利用できるのはWWW閲覧のほか、電子メールの送受信。同社がインターネットテレビ用に独自に開発したプラウザ(閲覧ソフト)を搭載し、閲覧や文字入力などの操作はすべてリモコンでできる。マルチ画面機能を併用すると、インターネットとテレビ番組の同時表示もできる。

電話回線接続用のモデムは外付けタイプで、通信速度が1秒当たり1万4400ビット。希望小売価格は同型の同社のテレビより7万円高い27万円で、接続業者は限定しない方針。

【ドジャース・ラソーダ監督】勇退表明

1976年のシーズン終盤から米大リーグの名門、ロサンゼルス・ドジャースの指揮を執ってきたトム・ラソーダ監督(68)の勇退が29日発表された。

6月末に心臓の手術を受け、チームを離れている同監督はドジャースタジアムで記者会見に臨み「もう今までのように選手を奮起させることができない。自分と球団にとって最善の道を選んだ」と引退を表明した。《共同通信》

【アトランタ五輪】第11日

アトランタ五輪第11日は29日、16競技を行い、陸上男子走り幅跳びはカール・ルイス(米国)が3回目に8メートル50を跳び、2位のジェームズ・ベックフォード(ジャマイカ)に21センチの差をつけて大会4連覇の偉業を達成した。五輪史上5人目の最多記録となる通算9個目の金メダルを手にした。

男子400メートルは200メートルとの2種目制覇を目指すマイケル・ジョンソン(米国)が43秒49の五輪新記録で優勝した。女子400メートルはマリー・ジョゼ・ペレク(フランス)が48秒25でバルセロナ五輪に続く金メダルに輝いた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】靖国神社を参拝

橋本龍太郎首相は29日午前、首相就任後初めて東京・九段北の靖国神社を参拝した。歴代首相としては1985年8月15日に中曽根康弘首相(当時)が公式参拝して以来。

参拝後、記者団が参拝の資格を尋ねたのに対し「もう、どうでもいいだろう。そういうことで(中国や韓国との)国際関係をおかしくするのは、そろそろやめにしよう」とだけ説明。記帳については「今まで、その時の身分を書いてきた。内閣総理大臣の時は『内閣総理大臣』とする」と述べた。玉串料は全く出していないと明言した。

首相は参拝の理由を明らかにしていないが、自民党の一部や首相が会長を務めていた日本遺族会から8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝するよう求める声が根強いため、これに間接的にこたえたものとみられる。梶山静六官房長官は29日午前の記者会見で、首相の靖国参拝について「格別のことはない」と述べた。

首相は5月下旬、記者団の質問に対し、終戦記念日の靖国参拝について「人に迷惑を掛けるから遠慮する」と否定しながらも「プライベートで行く限りは止められない」とし、私的参拝の可能性に含みを残していた。29日の首相日程には靖国参拝はなく、東京・北の丸の科学技術館で開かれた「水の週間」記念式典出席後の帰路、同神社に立ち寄った。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は59歳の誕生日の29日、普段は首相を質問攻めにする首相番の記者団から花束とネクタイプレゼントされて大喜び。「この人たちに囲まれると怖いんだよ」と言いながらも笑顔で記念撮影、「これが最後の誕生日でもいいよ」と上機嫌で軽口も。一方、この朝、公邸を訪れた梶山静六官房長官の誕生祝いの言葉は「59歳まで元気に政治活動が続けられたことに感謝して、さらに前進するようお願いしたい」。秋以降は難しい政局運営となるのは確実で、首相として来年の誕生日まで「前進」できるのか、それとも「最後の誕生日」になるのか。

○・・・自民党の加藤紘一幹事長は、年内の衆院解散・総選挙の可能性に触れた先のニューヨークでの発言に橋本首相が不快感を示したと伝えられていることを気にして、「首相の言う通り解散権は私でなく首相にある。解散権は首相の胸三寸。それに踏み込んで発言したつもりはない」としきりに記者団に釈明。「テレビでも言ったし、従来の言い方と変わったことは言ってないんですけどね」と首相の反応に戸惑いを隠せない様子。首相への直接の釈明についても「(話せば)お互い(解散は)いつごろがいいと考えているか分かってしまうし…」と思案に暮れていた。《共同通信》



7月29日のできごと