平成2713日目
1996/06/12
この日のできごと(何の日)
【オウム裁判】林郁夫被告、第4回公判
オウム真理教元幹部林郁夫被告(49)の第4回公判が12日、東京地裁(三上英昭裁判長)で開かれ、逮捕監禁致死の罪に問われた目黒公証役場事務長Kさん=当時(68)=監禁致死事件が審理された。起訴事実の認否で、林被告は「事実はその通りです」と全面的に認めた上で、Kさんと遺族に謝罪した。
さらに「麻原はまやかしであり、そう考えた気持ちにいささかの迷いもない」とあらためて教団代表松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=を批判。「ざんきの念に堪えない」「罪重い」と事件を反省している姿勢を強調した。
林被告は計6事件で起訴され、既に地下鉄サリン(殺人、殺人未遂罪)など5事件の起訴事実を認めている。
検察側は冒頭陳述で、元幹部中川智正被告らの公判と同様、松本被告が元幹部井上嘉浩被告(26)らに、Kさん拉致を指示したことを指摘するとともに、林被告がKさんの監禁と死亡に関与した経緯を詳述した。
この日の公判で検察側の立証が終了。9月11日の次回公判から弁護側の立証に入り、殺人罪などに問われた元幹部、幹部クラスでは最も早いペースで公判が進行することになりそうだ。《共同通信》
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【Jリーグカップ】第4日
Jリーグカップ第4日(12日・三ツ沢球技場ほか=8試合)B組はヴェルディ川崎が名古屋グランパスに3−0で快勝し、開幕からただ1チームの4連勝(勝ち点6)をマークして首位キープ。同勝ち点のジェフ市原、清水エスパルスが得失点差で2、3位に続いた。 混戦のA組では勝ち点6がなく、ガンバ大阪に5−0で大勝したジュビロ磐田が勝ち点4で首位。サンフレッチェ広島が得失点差で2位につけた。
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ホームスタジアムでのデビュー戦となった鹿島の大物ルーキー柳沢は、後半から出場し、左中間でレオナルドにボールが渡ったことを見届けて、逆サイドから猛然と斜めに切れ込んだ。 「レオナルドだったら絶対にパスを出してくれると信じてプレーができる」。左後方から足元に落ちた難しいボールを思い切りキック。見事なループシュートとなってゴールに吸い込まれた。《共同通信》
【コカイン密輸事件】角川書店元社長に懲役4年
米国からコカインを密輸入したとして麻薬取締法違反、業務上横領などの罪に問われた角川書店元社長、角川春樹被告(54)の判決公判が12日千葉地裁で開かれ、吉本徹也裁判長は「薬物犯罪の取り締まりが社会の強い要請になっている中、被告の密輸入行為は常習的で極めて悪質。かつての部下に責任を転嫁しようとするなど反省の様子がみられない」として、懲役4年(求刑6年)を言い渡した。
角川被告は保釈中だったが実刑判決が下ったため、いったん千葉刑務所内の拘置施設に収監された。弁護側は閉廷後すぐに保釈申請した。弁護側は控訴する方針。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】再販制度に一定の理解
橋本龍太郎首相は12日午後、都内で開かれた日本新聞協会定例会員総会で講演し、新聞や書籍など著作物の再販売価格維持(再販)制度について「個人的には日本全国どこでも同一料金で情報を入手できるのは一つの重要な視点と思っている。国民各層の多様な意見を反映して議論が深められることを期待する」と述べ、再販制度に一定の理解を示した。
著作物の再販制度について首相が見解を示したのは初めて。村山内閣当時の昨年12月には、閣僚懇談会で島村宜伸文相ら再販制度を指示する意見が続出。通産相だった橋本首相も「情報は国内どこでも同じ価格で入手できることが大事だ」と発言していた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・住専母体行の追加負担で橋本俊作全銀協会長を批判し続けてきた梶山静六官房長官は12日夕の記者会見で、参院金融問題特別委員会で追及されたことを紹介。「私は耳が遠いせいか声が大きい。誤解を招いたとすればおわびすると答弁した。これからは自重自戒して発言したい」。記者団から西村吉正大蔵省銀行局長を官邸に呼んだことを聞かれても「今日は金融特で質問され、夕刊紙には『どう喝して金をとった』などと出ている。この問題には発言を慎みます」。目的達成とみたのか、今更のような神妙さ。
○・・・中曽根康弘元首相に新党構想を『ソフトクリーム』と、やゆされた鳩山由紀夫さきがけ代表幹事はこの日の講演で大反撃。初当選後、当時首相だった中曽根氏が会合で「一年生の最大の目的は二年生になること」と述べたことへの反発が、さきがけ結成の遠因になった、と指摘。「この顔がうそをつく顔かと言って、売上税を導入しようとした方もいた。言行不一致が政治に不信感を与えた」と批判のトーンを上げた。もっとも相方の新進党・船田元氏はこの日「今なら綿菓子」と新党に疑問を呈し、まるでお菓子屋の店先。《共同通信》
【参院自民党】「参院無用論」に待った
参院自民党の村上正邦幹事長らは12日午後、ビートたけしさんらがテレビ朝日の番組で参院無用論を主張したことに関し、一杉丈夫・製作センター長ら同社幹部と会い「大人げないかもしれないが笑い飛ばすわけにはいかない」として社としての見解を求めた。
問題にされているのはテレビ朝日が10日夜放映した「たけしのTVタックル」。国会が話題となり、たけしさんら出演者が「参院は要らないのでは」「解散がないから6年間何もしなくても給料がもらえる」「国会議員でありながらソープ嬢というのもいいんじゃないか」などと発言したという。
村上氏らは「議員の実態を調査し、資料に基づいて言うならまだしも、全然懸け離れたことを言われたら、ものを言わざるを得ない」と抗議。テレビ朝日側は「いろんな人を呼んで語ってもらっている。辛口ではあるが」と述べ、14日に見解を示す、と答えた。《共同通信》
【新進党・小沢一郎党首】英・メージャー首相と会談
小沢一郎新進党党首は12日午後(日本時間同日深夜)、英首相官邸でメージャー首相と会談し、安全保障問題や中国、ロシア情勢などについて意見交換した。
首相がアジア大平洋地域における日本の安全保障上の役割をただしたのに対し、小沢氏は「日本が主導的役割を果たす発想は必ずしもよくない。国連を中心とした安全保障を考えるべきで、それを通して役割を果たすのが日本の務めだ」と述べ、国連中心主義を重視する立場を強調した。
小沢氏は「わが国は右するか左するかの大きな転換期にある。冷戦構造が崩壊した今、日本は自立した国として多くの国際的責任を果たさなければならない」と述べ、一層の国際貢献を進めるべきだとの考えを示した。
来年に迫った香港返還問題に関し、小沢氏は5月の訪中を踏まえ「中国首脳は返還問題が国際的イメージにかかわる重要な問題だと認識している」と指摘。首相は「英国は貿易、商業だけでなく血のつながりもある。返還後も重大な関心を持ち続けたい」と述べた。
ロシア大統領選挙に関連して小沢氏は「世界で非常に大きな国であり関心を持っている。ロシアがうまくいくように英国はじめ欧州社会が大きな役割を果たしてほしい」と要請した。小沢氏はこの会談で英国での主要日程を終え、15日帰国の予定。《共同通信》