1996 平成8年5月17日(金)

平成2687日目

平成8年5月17日(金)

1996/05/17

【TBSビデオ問題】日野市朗郵政相、TBSを厳重注意

日野市朗郵政相は17日、TBSがオウム真理教幹部に坂本堤弁護士のインタビュービデオを見せた問題で、同社の砂原幸雄社長を呼び、「放送の自主性を尊重する放送法の趣旨に照らして遺憾な点があった」として厳重注意した。

明確に放送法に違反する事実はないと判断し、行政処分ではなく行政指導の「厳重注意」としたものの、番組制作や研修体制の見直しなどについて今後2年半にわたり定期的に報告するよう要請、行政指導として異例の措置となった。

これを受けてTBSは、砂原社長が「過ちは反省している。再発防止のため、早急に組織改革など抜本的な改善策をまとめる」と表明。視聴者に分かる形でおわびをするとして、20日から24日まで自社ローカル枠の深夜番組の放送自粛と、懲戒免職としたプロデューサーがかかわった昼のワイドショー「スーパーワイド」の5月末打ち切りを発表した。

郵政省は同時に、NHKを含めた他の放送事業者180社と日本民間放送連盟(会長・氏家斉一郎日本テレビ社長)に対しても放送倫理の向上や番組の適正化を求める要請を出し、業界全体で放送の信頼性を高めるよう求めた。

同省は対象となる事実として①坂本弁護士のインタビューの放送を停止した一因にオウムの圧力があった②「ビデオを見せた事実はない」という誤った社内調査の結果、誤った報道をした−など4点が放送法に違反しないか検討してきた。

その結果、明確に違反した事実はないが、「放送法が番組放送の自由を保障し、放送の健全な発達を図ろうとする趣旨に照らして、誠に遺憾」(日野郵政相)として、今回のようなことが再発しないように業務の見直しを求めた。《共同通信》



【クライスラー・ネオン】日本上陸

米クライスラーは17日、「日本車キラー」の異名もある低価格小型乗用車「ネオン」を6月15日から発売する、と発表した。日本向けに開発した右ハンドル車の投入で、輸入車市場の拡大が続く日本で販売攻勢をかける。

米ビッグスリーでは、フォードが今年2月に対日戦略車「トーラス」を発売。ゼネラル・モーターズ(GM)もトヨタ自動車の販売店網を通じて日本仕様の乗用車「キャバリエ」を既に販売し、来年前半に小型乗用車「サターン」の投入も予定するなど日本市場をめぐっての販売競争は激しさを増すばかりだ。

ネオンは1994(平成6)年1月、米国で日本車に本格対抗するため、1万ドルを切る低価格を売り物に発売され、「日本車キラー」と呼ばれて話題を呼んだ車。排気量は2000ccで、価格は5
速手動変速のSEが129万9000円、最上級の3速自動変速のLXが179万9000円。《共同通信》

【大相撲夏場所】6日目

大相撲夏場所6日目(17日・両国国技館)横綱貴乃花に土がつく波乱があった。貴乃花は左上手から引きつけて出たが、土俵際で剣晃の右下手投げに逆転され初黒星。剣晃は2個目の金星獲得。

横綱曙は関脇武双山を左四つに組み止めて寄り切り、4勝2敗とした。大関を目指す武双山は2敗目。大関貴ノ浪は小結琴の若を寄りで退け、6戦全勝。大関若乃花は淡富士を寄り倒し、武蔵丸は安芸乃島を押し出してともに1敗を守った。関脇魁皇は小結旭豊に敗れ2敗となった。この結果、幕内の全勝は貴ノ浪と平幕栃乃和歌の2人。1敗に貴乃花、若乃花、武蔵丸、敷島の4人が並ぶ展開。十両は久島海が依然勝ちっ放し。《共同通信》

【ロッテ・伊良部秀輝投手】通算1000奪三振

日本ハム0−0ロッテ◇17日◇千葉

伊良部、西崎が力投し、両軍無得点のまま延長十二回引き分け。日本ハムと近鉄が同率首位に並んだ。伊良部が十一回まで4安打、15三振と力でねじ伏せれば、西崎も切れのいい直球、スライダーで十回まで5安打、10三振と譲らなかった。

押し気味に進めたのはロッテだが、七回無死二塁でバントを失敗。十回二死一、二塁のサヨナラ機も中堅井出の好返球で二塁走者が本塁で憤死した。

2年連続でパ・リーグ最多の三振を奪っているロッテの伊良部秀輝投手(27)は17日、日本ハム7回戦(千葉)で史上3人目の通算1000投球回以内での1000奪三振をマークした。野茂(近鉄=871回)と江夏(当時阪神=940回)に次ぐ快記録で、通算998イニング目となる六回一死、ブリトーからこの日9個目の三振を奪って達成した。通算1000奪三振は96人目。

またこの後も続投した伊良部は267人目の通算1000投球回も達成した。初登板は1988年5月7日の西武戦で、初三振はこの時に秋山から奪っている。《共同通信》

【比・ラモス大統領】アジアに核協議体を

来日中のラモス・フィリピン大統領は17日午後、都内のホテルで記者会見し、核拡散を防止するためのアジア諸国間の協議機関として「アジア原子力共同体(ASIATOM)」(仮称)の創設を提唱、11月にフィリピンで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)で各国に参加を呼び掛ける意向を表明した。 大統領は「核問題を話し合う東アジア独自の核会議を開く必要がある」と指摘し、国際原子力機関(IAEA)の枠組みに沿って、域内全体による話し合いの必要性を強調した。その上で、関係国は「国際的な核燃料濃縮工場や再処理工場、さらに国際的なプルトニウムの保管の可能性について考慮すべき」とした。

フィリピンのラモス大統領は17日午後、首相官邸で橋本龍太郎首相と会談し、日本の安保理常任理事国入りを支持する考えを表明した。大統領は「日本はアジア太平洋地域の政治や安全保障の分野で大きな役割を果たすべきだ。改革された国連において、日本が常任理事国になることで達成できる」と述べた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】介護保険制度に慎重姿勢

橋本龍太郎首相は17日の衆院厚生委員会で公的介護保健制度について「できるだけ幅広い国民の支持がいただける仕組みにしてほしい」と慎重な姿勢を表明。厚生省は22日に目指していた老人保健福祉審議会への法案諮問を断念するなど、今国会への法案提出は厳しい情勢となってきた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は17日朝、菅直人厚相や記者団に「朝から働かせるんだもの…」「労働基準法違反だよ」とぼやきを連発した。首相の起床はこの日午前5時半。橋本行革ビジョン策定のための勉強会や外国要人との会談がびっしり組み込まれ、早起きがいかにもつらそうな様子。閣議の後、8時半からの衆院厚生委員会に備えて厚生省から事前説明を受けたが「(寝起きの頭に内容が)入るわけないじゃない」と八つ当たり気味で、「新しい制度は分からなくなっている」と「厚生族返上」宣言まで飛び出した。

○・・・新進党の中井洽衆院議運委筆頭理事はこの日の衆院議員総会で、住専処理法案などを21日の衆院本会議で趣旨説明することを決めた前日の議院運営委員会の模様について「与党が爆発寸前だった。社民党が固い状況だったので(従来の新進党方針を)踏み越えて交渉した」と報告。議運で採決の形になったことについても「野党を押し切る形でないとだめだと与党側が泣きついてきた」と暴露。予想外に早い決着に新進党が腰砕けしたとの印象も残しただけに、与党内の事情であることを盛んに弁明していた。《共同通信》

【京大病院】生体間で小腸移植

京都大医学部移植免疫医学講座(田中紘一教授)は17日午前、京都市左京区の京大病院で、島根県に住む2歳6カ月の男児(長男)に母親(31)の小腸の一部を移植する手術を始めた。小腸移植は国内初で、生体間の移植は海外でも約10例しかない。臓器移植法案の審議が進まない中での新たな生体間移植は、脳死論議にも影響を与えそうだ。

男児は腸捻転で小腸を大幅に切除し、必要な栄養を吸収できない「短小腸症候群」の患者。母親の小腸を約1メートル切除して移植する。両親のうち母親が血液型が同じで、拒絶反応が弱いと判断された。

午前9時27分、母親の小腸の切除を開始し、午後0時半、摘出手術を終えた。移植チームによると、母親の状態は安定しており、続いて男児への移植を始める。手術は同日夕までかかる見通しだ。

田中教授ら移植チームによると、男児は3月半ば京大病院に入院した。静脈に栄養分を注入する中心静脈栄養法(TPN)を続けてきたが、静脈閉塞が起き、TPNが困難になっていた。

移植以外に救命の方法がないため、移植チームは会社員の父親と母親に手術を打診。手術の内容や提供者(ドナー)の危険性などを3回にわたり十分に説明した上で、書面で両親の同意を得るインフォームドコンセントの手続きをとったという。

男児は手術に備え、移植される母親の小腸を受け入」れるために腹部を膨らませる処置を取っているが、容体は良好で安定しているという。手術後、数日間は集中治療室に入り、経過が順調であれば一般病室に移る予定-だ。

小腸移植はほかの臓器より拒絶反応が激しく、感染症対策などの術後管理も難しい。海外での脳死者からの小腸移植も過去10年で百数十例しかない。

田中教授らは「最新の免疫抑制剤など、最近の移植医療の進歩で成功率は高まった」として、4月に医学部倫理委員会に手術を申請し、5月7日に承認された。《共同通信》

京都大医学部移植免疫医学講座(田中紘一教授)が17日朝から、京都市左京区の京大病院で実施した国内初の生体小腸移植は、約11時間後の午後8時20分、終了した。小腸約1メートルを提供した島根県の母親(31)と移植された2歳6カ月の長男とも、状態は安定しているという。

医師7人の移植チームを率いた田中教授は手術後、会見し、手術は順調で移植した腸に問題はなく、男児の容体は安定していると説明、「両親が子どもに命の贈り物をするというのでわれわれも全力でやった」と述べた。

小腸移植を必要としている患者は全国で150人と推定されており、京大の手術が成功すれば希望になる一方、肝臓移植に続き、日本だけ生体移植が先行する事態は、移植医療の在り方に論議を呼びそうだ。

手術は約3時間かけて母親の小腸約1メートルを周囲の血管ごと摘出し、まず血管を男児の大動脈と大静脈につないだ。わずかに残る小腸に母親の小腸の一端をつなぎ、もう一方の端は腹部から体外に出して、大腸は移植小腸の側壁に付けた。小腸特有の激しい拒絶反応を体外の小腸組織でとらえ、免疫抑制剤の効果的な投与など、術後管理に細心の注意を払い、治療を続ける。

田中教授は予定より時間がかかった理由について「麻酔で男児にぜんそくの発作が起き、安定するまで1時間半近く待った」と明らかにした。手術後、男児は数日間は集中治療室に入る。経過が順調であれば一般病室に移る予定だ。

切除部分が再生する肝臓の部分移植と異なり、母親の小腸は再生しないが、移植チームは1メートルの切除なら生活に支障ないと説明している。手術費と今後の治療費約1000万円は家族が負担するという。《共同通信》

【ドジャース・野茂英雄投手】6勝目

米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手は17日(日本時間18日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムでのフィリーズ戦で6勝目を挙げた。8安打、3失点で七回を投げ終えたところで降板、打線の援護もあって白星をつかんだ。

野茂は昨年を含め、これでナ・リーグの対戦相手の全3球団から勝利を挙げ、昨年からの本拠地での連勝を6に伸ばした。

一回に三者三振の好スタートを切った野茂は二回、インカビリア、ジールの連打などで2点を先制され、ドジャースが3−2と逆転した直後の五回にも2安打で1点を失い同点とされた。

だがドジャースは五回に2点を勝ち越し、八回からは3投手の継投で逃げ切った。6ー3で勝ったドジャースはこれで4連勝、貯金を1とした。《共同通信》



5月17日のできごと