平成2655日目
1996/04/15
この日のできごと(何の日)
【日米安全保障協議委員会】
日米両国政府は15日昼、都内のホテルで、外交、防衛閣僚らによる日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小に関する日米特別行動委員会(SACO)の中間報告を正式決定した。普天間飛行場の全面返還を含む沖縄の基地11カ所が対象となり、返還面積は沖縄米軍基地の約2割に相当する約4700ヘクタールとなる。
これに先立ち、ペリー米国防長官は14日夜、橋本龍太郎首相と会談し、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)見直しとともに、極東有事に備えた防衛協力の協議を進めることで合意した。
中間報告によると、全面返還されるのは普天間飛行場、安波訓練場、ギンバル訓練場、楚辺通信所、読谷補助飛行場、瀬名波通信施設、那覇軍港の7カ所。部分返還されるのは北部訓練場の半分、キャンプ桑江、牧港補給地区、キャンプ瑞慶覧の各一部の4カ所。
これにより昨年秋の沖縄の米兵による女子小学生暴行事件に端を発した基地縮小問題は一定の成果を挙げ、17日の日米首脳会談で引き続き取り組むことを確認する。
普天間飛行場は5年から7年以内の全面返還で、空中給油機部隊の山口県・岩国飛行場への移転、沖縄米軍施設内でのヘリポートの新設などが明記された。一部用地が「不法占拠」状態になっている楚辺通信所は5年以内にキャンプ・ハンセンに新通信所を建設した後、全面返還する。
読谷補助飛行場は昨年5月の日米合同委員会合意を見直し、落下傘降下訓練の移転先を伊江島補助飛行場に変更、返還する。瀬名波通信施設はトリイ通信所内に移設する。那覇軍港は昨年5月の日米合同委員会合意に基づき、浦添市へ移設を条件に返還。県道104号越え実弾射撃訓練は本土移転を条件に取りやめる。
橋本首相とペリー長官との会談では、日米安保体制がアジア太平洋の安定に貢献しているとの認識でも一致した。《共同通信》
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【フジ系連続ドラマ・ロングバケーション】放送開始
【WBAライト級タイトル戦】
世界ボクシング協会(WBA)ライト級タイトルマッチ12回戦は15日、東京・後楽園ホールで行われ、チャンピオンのオルズベック・ナザロフ(協栄)が挑戦者の同級1位アドリアヌス・タロレ(インドネシア)を4回3分9秒KOで下し、5度目のタイトル防衛に成功した。戦績はナザロフが23戦全勝(7KO)、タロレは13戦12勝(3KO)1敗となった。
ナザロフは立ち上がり、踏み込んで大きな左右のパンチを振るうタロレにややてこずった。だが、2回から動きを見定め左ボディーを中心に攻め立てた。3回にはカウンターのワンツーで最初のダウンを奪い、4回はボディーの連打から強烈な左フックを顔面に浴びせ、KO勝ちを収めた。《共同通信》
【石井浩郎さん、岡村孝子さん】婚約発表
近鉄の主砲、石井浩郎内野手(31)は15日、シンガーソングライターの岡村孝子さん(34)との婚約を発表した。挙式は年末の予定で、媒酌人など詳細は未定。
4日に左手首の手術を受け、リハビリに励んでいる石井は、藤井寺球場で会見し、顔を赤らめながら、なれ初めなどを語った。石井が1994年11月、大阪のコンサートで楽屋に出向いたのが出会い。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】「基地移転に協力を」
参院予算委員会は15日、住宅金融専門会社(住専)処理策を含む1996年度予算案や日米安保問題について審議した。
橋本龍太郎首相は住専に対する紹介融資について「金融機関として違法な紹介融資で住専に損害を与えていれば、住専処理機構が損害賠償請求権を行使して責任を追及することになる」と述べ、違法性が明らかになれば母体行に新たな負担増を求め得るとの見解を示した。
また首相は、沖縄の米軍普天間飛行場返還の条件である基地機能の移転先の負担に触れて「基地所在地の住民には国全体の選択の中で負担してもらっているのを忘れるものではないが、できるだけの協力を得たい。自治体の協力がないと全面返還という米国の意思をかなえられない」と述べ、移転先の住民、自治体の理解を強く訴えた。《共同通信》
【沖縄県・大田昌秀知事】条件付き返還納得できず
大田昌秀沖縄県知事は15日午後、沖縄米軍基地に関する日米特別行動委員会(SACO)の中間報告が正式決定したのを受けて記者会見、普天間飛行場の全面返還合意などを積極評価する一方、ほとんどの施設返還が県内外への移設条件付きなのは「県民が十分納得できる内容ではない」との認識を示し、今後は跡地利用に向けた特別立法措置などを政府に働き掛けていく考えを明らかにした。
大田知事は①普天間飛行場全面返還など基地の整理縮小②県道104号越え実弾砲撃演習の廃止③嘉手納基地内の海軍駐機場移設による騒音軽減―の3点について「今の厳しい状況下で、相当に県の要望を入れてもらった。率直に感謝申し上げたい」と日米両政府の取り組みを評価。
その上で「合意の実現に向けては(地主対策など)課題が山積しており、もう少し時間がたたないと『目に見える形の解決』がなされたかは断言できない」と慎重な姿勢を見せた。
普天間飛行場の一部機能が山口県岩国市に移転される点については「沖縄県民は自らの苦しみをよそに移したくはない。負担をお願いするのは沖縄の行政の責任者として心苦しい」と述べた。
部隊移駐の必要性などについて質問が及ぶと、大田知事は「それは僕らに聞く問題じゃない。全国の国民に言うべきことだ」と声を荒らげ、全国民参加で安保体制の見直しを論議するよう訴えた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は15日、今月下旬に発売される新型の小型カメラを記者団に見せられるや、すぐに手に取り興味津々。ファインダー越しに官邸の外を眺めながら「解像力はどれくらいだ」と、政界きってのカメラマニアらしい質問。「山に行く時はポケットに入れてパッパッと取り出せる。記録するにはいいな」と評価した。住専、沖縄問題などの対応に追われ「ここ数カ月はカメラ(のファインダー)に目をやる暇がない」とぼやく首相だが、クリントン米大統領の来日を目前に控え、将来の日米関係のピントはいかに?
○・・・佐藤観樹社民党幹事長はこの日午後の記者会見で、与党が住専処理法案や金融3法案を通常国会で成立させることを確認したことに関連して、記者団から「会期延長してでも成立させるのか」と突っ込まれると、途端に姿勢を正して「今日は4月15日。会期は6月19日まで。今の時点で延長問題を口にすべきではない」ときっぱり。新党さきがけとの合流が困難になり、次期総選挙に向けた態勢づくりも一向に進まない社民党。会期延長で解散風が吹くのを恐れてか、延長問題には触れたくもないとの気持ちがありありだった。《共同通信》