1996 平成8年4月11日(木)

平成2651日目

平成8年4月11日(木)

1996/04/11

【TBS】オウムを偽装取材

オウム真理教の資産処分を追っていたTBSの記者らが昨年10月、教団側と業者の取引の模様を取材する際、業者の一人と身分を偽って教団施設に潜入、撮影をしていたことが11日、関係者の話で分かった。TBSは、この模様を10月11日夜のニュース情報番組「スペースJ」で「業者が撮影したビデオ」として放映した、と偽装取材を全面的に認めた。

関係者によると、10月8日、山梨県上九一色村の教団施設で、横浜市緑区の医瘴機器仲介販売業者がオウム側から注射針やガーゼなど2000点を買う取引が行われた。

TBS側は昨年9月、この取引が行われることを知り、報道局特別報道センターの記者2人が業者に「うちのものをお宅の社員として、現場に紛れ込ませてほしい」と依頼した。業者はこの直前、知人のTBSの別の社員の紹介で2人と知り合ったという。

取引当日は実際に下請け制作会社のディレクターが業者側の車で教団施設に行き身分を隠して潜入。8ミリカメラで医療物品がトラックに積み込まれる様子などを撮影した。

現場にいた関係者によると不審に思ったオウムの信者らが身元を尋ねると、ディレクターは「搬出が契約通りに行われるか、チェックするため撮っている」などどうそをついていたという。《共同通信》



【1996年度予算案】衆院通過

国会は11日夕の衆院本会議で、住宅金融専門会社(住専)処理予算を含む1996年度予算案を一部修正の上、与党3党の賛成多数で可決、参院に送付した。予算は憲法の規定で5月10日までに成立することから国会は最大のヤマを越した。

しかし、引き続き住専処理策の是非と関連法案の扱い、住専予算の執行時期などを焦点に、12日からの参院予算委と、衆院に新設される金融問題特別委員会を舞台に、先送りされた加藤紘一自民党幹事長の証人喚問をめぐる駆け引きも絡んで、与野党の攻防が続きそうだ。《共同通信》

【自民党・加藤紘一幹事長】参考人出席「応じる」

自民党の加藤紘一幹事長は11日午前の総務会で自らのヤミ献金疑惑について「自分自身の政治資金の取り扱いの問題なので、今後いずれの時か、いずれかの場所でこの点を自ら明確にしていかなければならないとの心づもりだ」と述べ、国会で説明する意向を表明した。

加藤氏は説明の時期や場所は明確にしなかったが、衆院予算委員会や新たに設置される金融問題特別委員会(仮称)に参考人として出席し、説明することが予想される。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は11日、政権発足から3カ月を経た感想を記者団に尋ねられ、「あ、そうか。忘れてた。日々一つひとつ、その日その日で継続して処理するものもあるし」と述べ、住専処理などに追われて、感慨に浸る余裕もないと言わんばかり。それでも新年度予算案の採決が予定されている衆院予算委員会の部屋に入る前には「いろいろな思いがあるよ。長かったといえば長かったし」と本音をうかがわせたが、最後は「そういちいち感想を持つものではない」と強調。「仕事師」を目負する首相としては、住専攻防に振り回された過去は忘れたいよう。

○・・・新進党の渡部恒三総務会長はこの日の記者会見で、予算案採決を受け入れた与野党合意について「全員了解してくれた。役員会でも特別の反対意見はなかった」と結束をアピールした。「橋本首相と小沢一郎新進党首の会談(から与野党合意まで)が第2ラウンドだった。税金を使わせないための第3ラウンドは今日から始まった」と述べ、住専予算削除の決意を表明した。「第4ラウンドになるかもしれない。削除まで戦いは続ける。いや第5ラウンドも」とぶち上げた。玉虫色の住専合意をめぐる党内の亀裂拡大を気にしての怪気炎?《共同通信》

【西武百貨店】小松西武撤退を表明

セゾングループの西武百貨店(東京)は11日午前、JR小松駅前で直営する「小松西武」の撤退を小松市と小松商工会議所、ビル所有者の尚成ビルに対し正式に伝えた。市側は小松西武撤退後のビル空きスペースの活用法を探るため、同会議所や尚成ビル、同百貨店などと跡地利用計画対策準備委員会を7月中に設置する考えである。同日は従業員に対しても、本社幹部から撤退の説明があり、百貨店内は重苦しい空気に包まれた。

小松市役所には11日午前10時すぎ、西武百貨店の大槻一郎総務部長らが訪れた。同部長は「昭和50年に西友小松店がオープンして以来、二十年余、営業を続けてきた。地域の皆さま方には大変申し訳ないが、閉鎖させていただくことにした」と今年いっぱいで撤退する意向を表明した。

これに対し、村上和仁市経済部長は「大変驚いている。債貸契約切れということもあり、趣旨は十分理解できる。われわれも混乱のないよう対処するが、絶大なる協力をお願いしたい」と述べた。

現在進行中の小松駅周辺整備事業に、商業の核である小松西武の撤退が大きな影響を与えることは必至で、小松市側は駅前の空洞化を食い止めるため、委員会を設けて活用法を協議していく。

西武百貨店によると、小松西武は平成5年2月期の72億円をピークに売上高は減り続け、8年2月期は44億円まで落ち込んだ。オープン以来の累積赤字は100億円を超え、「車社会に駅前立地は条件が悪く、周囲の大型店の進出も大きな打撃だった」(大槻総務部長)とみられる。

今回の撤退は、西武百貨店が進める不採算店整理の一環であるが、同社は再雇用問題について富山西武(富山市)、だるまや西武(福井市)を中心に従業員の配置転換を図っていく考えである。《北國新聞》

【イスラエル】ヒズボラの作戦本部攻撃

イスラエル軍報道官によると、イスラエル空軍の攻撃ヘリコプターが11日午前、ベイルート南部のイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラ(神の党)の作戦本部があるビルなどをミサイルで攻撃した。イスラエル北部へのヒズボラの最近のロケット攻撃に対する報復で、イスラエル放送によると、同軍がベイルートを本格的に空爆したのは1982年のレバノン侵攻作戦以来13年ぶり。

イスラエル北部の住民はヒズボラの報復ロケット攻撃に備え防空ごうに避難。子供たちをロケット弾の射程距離外に集団疎開させ始めた。

軍報道官は「攻撃対象は、レバノン政府の支配が及ばず、警察も入れない治外法権地域で、イスラエルはこうした事態を容認できない」と空爆の理由を釈明。オル国防次官も「レバノン政府への強いメッセージだ。同政府はヒズボラの活動を厳しく取り締まらなければならない」と述べた。

イスラエル軍はこの攻撃に先立ち、11日未明から朝にかけ、レバノン東部ベカー平原のヒズボラ補給基治部か地や南部イスラエル占領地一の北方にある同組織拠点なども空爆した。

ペレス・イスラエル首相は、イスラエル北部キリアトシェモナがヒズボラのロケット攻撃を受け住民32人以上が負傷した今月9日、ヒズボラへの対応は「冷静に検討する」述べた。《共同通信》

【経団連・豊田章一郎会長】中国・江沢民国家主席と会談

北京を訪れている経団連の訪中代表団(団長・豊田章一郎会長)は11日午後(日本時間同)、人民大会堂で江沢民主席と約40分会談した。

豊田会長は「農業を含む環境・エネルギー分野や長江(揚子江)の総合開発計画、北京−上海の高速鉄道(新幹線)計画で協力したい」と述べ、21世紀の日中友好の記念碑となる大型プロジェクトを積極支援する意向を表明した。

これに対し、江主席は、「外資は自分たちの力に合わせて利用したい」との基本方針を表明。新幹線計画を例に挙げて「技術は日本にも欧州にもある。問題は600億―700億元(7800億—9100億円)の資金。私は良い話と思う。多くのことをやりたいと思うが、少しずつやらねばならないこともある」と語り、同計画を慎重に進めていく考えを示した。

また、江主席は最近、西側から浮上している、中国の経済発展が脅威になるとのいわゆる“中国脅威論”について、「中国は周りに緊張を与えることはしないし、善隣友好を望んでいる」と前置きした上で、「その考え方は、間違っている。(中国の経済が発展せず)12億人の食糧がなくなったら(中国は)世界の脅威になる」と反発した。

最後に豊田会長は、自身が続けている2002年のワールドカップ・サッカーの日本誘致と2005年の万国博覧会の愛知県への誘致に協力を要請。主席は「はっきりと聞き取りました」と語り、協力を約束した。《共同通信》



4月11日のできごと