平成2642日目

平成8年4月2日(火)

1996/04/02

【TBS】「ビデオ見せる」オウム側に約束

TBSの坂本弁護士ビデオテープ問題を審議する2日の参院逓信委員会に、同社の磯崎洋三社長と調査責任者の鴨下信一、鈴木淳生両常務が参考人として出席。磯崎社長は「放送界全体の信頼を傷付けた。坂本弁護士のご遺族にお悔やみを申し上げる」と陳謝した。

質疑の中で鈴木常務はワイドショーの曜日担当プロデューサー(懲戒解雇)がオウム側を取材した際、坂本弁護士のインタビューテープを事前に見せることを了承、抗議を受けた後ビデオを見せた事実を内密にするよう教団側に依頼したことを明らかにした。

これまでTBS側は、このプロデューサーの「自分が(オウム側に)テープがあると発言した記憶がある」との証言を発表していたが、ビデオを見せるに至った詳しい経過が分かったのは初めて。また事実を隠すようにと頼んだのは、教団元幹部早川紀代秀被告(46)の供述に沿った内容となっている。

鈴木常務の説明によると、事前の“約束”があったのは平成元年10月26日、ワイドショーのスタッフが静岡県富士宮市の教団施設で水中修行を取材した際で、プロデューサーは社内調査に対し「(その後)オウム側の抗議が終わって別れる時、『内密にして』という趣旨の話をしたと思う」と、新たに答えたとしている。

しかし麻原彰晃被告(41)の単独会見が放映中止の見返りだったとの早川供述を基にした指摘や、強制捜査の情報を事前に漏らしたのではないかとの疑惑などについて、磯崎社長は「ぼぼ根拠のないうわさのたぐいで、当惑を禁じ得ない」とするなど、ビデオ問題以外の疑惑を否定した。

インタビューの放送が結果的に中止となった理由については、TBS側は「担当プロデューサーは自主的判断と供述。われわれの調査に対してもそうだった」と繰り返し、今後の調査の継続を強調。ワイドショー取材の在り方には「見直しを図っていきたい」と述べた。

この日の参考人招致には磯崎社長らTBS側から3人が出席。冒頭、同社長が「坂本弁護士のご遺族にお悔やみを申し上げる」と陳謝。「放送界全体の信頼を傷つけた」と述べたが、社内調査については「事実の隠ぺいなど不正なこと一は一切なかった」と説明した。《共同通信》

参院自民党の村上正邦幹事長は2日午後の記者会見で、参院逓信委員会で行われたTBSのビデオ問題に関する同社の磯崎洋三社長らの参考人聴取について「経営者の責任を質問されているのに磯崎社長の答弁は明確でなく、答えになっていない。そういう姿勢では問題がある」と批判した。

これに先立ち参院自民党の執行部会でTBS問題が取り上げられ「重大な問題だ。1時間でも2時間でも番組の停止など厳正な処分をやるべきだ」「放送免許を停止したらどうか」など厳しい意見が相次ぎ、参院自民党として徹底解明と対応を協議することを決めた。《共同通信》



【第68回選抜高校野球大会】第8日

第68回選抜高校野球大会第8日は2日、甲子園球場で2回戦の残り3試合を行い、ベスト8が出そろった。一昨年の選抜覇者、智弁和歌山(和歌山)は、八回に2年生エース高塚が打ち込まれたが、4−3で沖縄水産(沖縄)を振り切った。

春夏を通じ甲子園初出場の大院大高(大阪)は、13三振を奪った椎葉の力投などで、米子東(鳥取)を8−4で退けた。同じく甲子園初出場の高陽東(広島)も打線が爆発、比叡山(滋賀)投手陣に16安打を浴びせ、13−5で大勝した。第9日の3日は、準々決勝4試合を行う。《共同通信》

【菅直人厚相】エイズ関連資料「新たに27冊」

菅直人厚相は2日の閣議後の記者会見で、これまでに厚生省内で見つかった1983年当時の同省エイズ研究班の9冊のファイルとは別に、同研究班と関連性が高いファイル7冊、関連性が比較的薄いファイル20冊が新たに見つかったと発表した。同省内で発見さえたエイズ関連ファイルは計36冊となった。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】モンデール駐日米大使と会談

橋本龍太郎首相は2日、モンデール駐日米大使と首相官邸で会談し、17日のクリントン大統領との首脳会談では①沖縄米軍基地の整理・統合・縮小問題②経済摩擦問題ーを中心に広範なテーマについて意見交換することで一致した。同時に、冷戦後の日米安全保障条約について再定義し、共同宣言として発表する方針を確認した。

首相は「大統領訪日成功させなければならない」と決意を表明し、大使も「今回の訪日は重要だ。成功させたい」と応じた。

首相と大使の会談では沖縄県の普天間飛行場返還問題、一部用地が不法占拠状態となっている読谷村の楚辺通信所問題など具体的案件については話題にならなかったとされる。しかし、大統領訪日前までに、沖縄県収用委員会が楚辺通信所をめぐる政府の緊急使用申し立てを許可するのは時間的に困難とみられるため、首相は首脳会談で苦しい対応を迫られそうだ。《共同通信》

【梶山静六官房長官】不法占拠「法的空白は政府に問題」

梶山静六官房長官は2日午後の衆院予算委員会で、沖縄県の米軍楚辺通信所(読谷村)の民有地の一部が「不法占拠」状態となっていることについて「結果として権原のない状態が続いている。その状態をつくらない努力をするべきだったという意味で瑕疵があったと反省しなくてはいけない」と述べ、法的空白を生じさせたことに政府としての反省を表明した。

さらに梶山氏は、昨年秋、大田昌秀沖縄県知事が代理署名拒否を表明した際の村山富市前首相らの対応に触れ「その時は最善の道を選んだと思うが、結果として予測が甘かった。問題意識が強くなかったのではないかと反省しなければならない」と述べ、前首相ら当時の内閣に見通しの甘さがあったと指摘した。

この問題を追及した石井一氏(新進)は、村山前首相の予算委での意見聴取を要求した。

また橋本竜太郎首相は沖縄基地問題が日米首脳会談に与える影響について「取り巻く環境は厳しさを増している」との認識を示した。沖縄県収用委員会の開催日程などからクリントン大統領来日までの「不法占拠」の解消は難しいとみられていることに関連、「米大統領訪日までの間、時間を有効に使って解決に向け努力したい」と述べ、大統領が来日する16日までに、なお解決への努力を続けたいとの意向を示した。

住宅金融専門会社(住専)処理問題で、久保亘蔵相は母体行の追加負担について「母体行に命令、法的な請求はできない。協議に応じて合意するしかなく、引き続き話し合いをしたい」と、今後も負担増の可能性をめぐって母体行側との協議を継続していく考えを強調した。松本善明氏(共産)の質問に答えた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は2日朝、首相公邸から官邸に移る際に「雨が上がってくれないかなあ」と独り言。記者団が理由を聞く前に「いま(公邸に)お袋を呼んでいるんだ」と先回り。首相はこれまで週末のほとんどは母親が入院する都内の病院に見舞いに出掛けるほどの母親思い。その母親が久しぶりに病院を出たとあって「雨が上がったらきれいな公邸の庭園をぜひ見せてやりたいからね」と、細やかな気遣いをのぞかせた。政局は予算成立のめどもたたず、“雨模様”が続いているが、公私ともに「晴れ間」をとの首相の願いは天に通じるか。

○・・・この日昼の衆院本会議前に開かれた新進党の議員総会で、西岡武夫国対委員長は「昨日から予算委員会が再開された。この場に出席している皆さんに言うのも何だが、気持ちを引き締めていかなければならない」と、出席者が100人に満たない同総会の低調ぶりに不満をにじませた。次いで、議運委理事の木幡弘道氏が「本会議場に入ったらすぐに着席するように。また、わが党の質問者への支援が少ないので声援を」と初歩的な注意。さらに森本晃司国対委員長代理が予算委に注目するよう呼び掛けるなど、ピケ疲れが残る党内の引き締めに懸命だった。《共同通信》

【ポーランド・ワレサ前大統領】電気工に復帰

ポーランドのワレサ前大統領が2日、約5年ぶりに古巣のグダニスク造船所(旧レーニン造船所)に月給約250ドルの電気工として復帰する。

ポーランド各紙によると、ワレサ氏は以前と同じ輸送部門に配属予定で、「(収入がなくなるため)生活のために造船所に戻る」と語っているが、今回の墓場復帰は、政府、議会に対して大統領経験者に特引な手当の支給を要求している同氏の「パフォーマンス」との声も聞かれる。

同国では大統領経験者には専用車と身辺護衛がつくが、在任中と同額の手当の支給は退任後3カ月で打ち切られる。このため大統領選挙で敗北後、昨年末に大統領職を退いたワレサ氏は3月末から失業状態となっていた。

4月2日に復職したことについてワレサ氏は「1日だとエイプリルフールと勘違いされては困るから」と相変わらずの冗談を飛ばしている。

グダニスク造船所はワレサ氏がかつて議長を務め一自主管理労組「連帯」発祥の場所として知られる。しかし、最近になって為替差損などによる経営危機が表面化。現在、外国資本への政府保有株式売却などの救済策が検討されている。

ワレサ氏は今月9日から休暇を取って訪米する予定だが、周囲には「造船所を再建してくれる投資家を見つけたい」と漏らしているという。《共同通信》



4月2日のできごと