平成2635日目

平成8年3月26日(火)

1996/03/26

【象のオリ】フェンス設置

米軍用地強制使用の代理署名を命じる判決を受けて、那覇防衛施設局は26日朝、3月末で一部対象地の契約期限が切れる沖縄県読谷村の米軍楚辺通信所(通称・象のオリ)について混乱が予想されるとして、施設をフェンスで囲む工事に着手した。

工事は同通信所施設の外側に強化プラスチック製のフェンスを高さ2.3メートル、周囲約1000メートルにわたって設置。さらにその外側に高さ1.5メートルのさくを巡らす。

同施設局は「31日前後に現地で混乱が予想されるとの情報がある」としており、関係者を除き施設への立ち入りを規制する方針で、沖縄県警も25日、警備本部を設置。過激派の沖縄入りを予想して最大時1500人の態勢で警戒、警備に当たる。

この日は午前9時ごろから沖縄県警の装甲車など4台が出動して同通信所わきに待機。機動隊員が交代で付近を巡回した。

期限切れを迎えるのは同通信所内の知花昌一さん(47)所有の土地約236平方メートル。同施設局は29日にも県収用委員会に緊急使用の許可を申請するが、国の「不法占拠状態」になるのは避けられない。

このため、4月1日には反戦地主の支援団体などが現地で土地の返還を求めて集会を開くほか、各種の抗議行動が予定されている。《共同通信》



【第68回選抜高校野球大会】開幕

第68回選抜高校野球大会は26日、甲子園球場で32校が参加して開幕、昨夏に続く連覇を狙った帝京(東京)が初出場の岡山城東(岡山)に敗れた。帝京は優位に試合を進めたが、岡山城東は七回に4点を奪って追いつき、九回二死三塁から岡田がサヨナラ打を放ち6−5で突き放した。

開幕試合は、明徳義塾(高知)の吉川昌が福井商(福井)を2安打に抑えて3−0で快勝。浜松工(静岡)は九回に桑原の安打で6−5とし、初出場の太田商(群馬)に逆転勝ちした。《共同通信》

【沖縄県・大田昌秀知事】代理署名「応じられない」

沖縄県の米軍用地強制使用で、大田昌秀沖縄県知事に代理署名を命じた福岡高裁那覇支部判決を受け、諸富増夫防衛施設庁長官は26日、県庁に大田知事を訪ねて、あらためて代理署名するよう要請した。

大田知事の期限内(28日まで)の署名拒否の姿勢は固いとされるが、判決とは別に、知事との関係を悪化させたくないとの国側の配慮から諸富長官が訪問した。

会談で諸富長官は「国としては条約上安定的に米軍に施設を提供しなければならず、判決に従って代理署名をお願いしたい」と求めた。これに対し、大田知事一国の立場は理解できるとしながらも「福岡高裁那覇支部判決は住民の納得を得られない。国と対立するつもりはないが知事として国の要望に応じられないこともある」と、代理署名でのこれまでの発言を繰り返した。

沖縄の米軍基地整理・縮小に関連し、諸富長官は4月のクリントン米大統領訪日前までに一定の方向付けができるよう、政府として努力していることを大田知事に伝えた。しかし、知事は「基地の整理・縮小が難しくなっており、ある種のいらだちがある」と懸念を表明した。《共同通信》

【国会】暫定予算は週内成立へ

3週間ぶりに正常化した国会は26日、衆院予算委、議運委の両理事会を相次いで開き、1996年度暫定予算案の審議日程について、委員会、本会議とも27日に審議、採決を行うことで合意した。

新進党も暫定予算に賛成することを正式に決めており、27日に衆院を通過、遅くとも29にとまでに参院本会議で成立することになった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は26日昼、サウジに勝ってアトランタ五輪出場を決めたサッカー日本代表チームの活躍の感想を求められ「あの試合は見ていたよ」と身を乗り出した。試合の行われた24日は参院岐阜補欠選挙の投票日。早々と与党推薦候補の当選が決まったおかげでテレビ観戦する余裕が生まれた、とでも言いたげ。「やっぱりスポーツはきれいに勝つということが大事だ」と、勝負へのこだわりも見せた。もっとも、正常化したとはいえ国会の与野党攻防戦は「きれいに勝つ」という「橋本美学」とは程遠い。

○・・・自民党の深谷隆司衆院予算委理事はこの日の記者会見で、新進党議員が出席して約3週間ぶりに正常化した予算委理事会の様子を紹介、「久しぶりにご一緒し、和やかだったが、何となく照れくさい感じがした」と笑い飛ばした。だが、土井たか子議長の仲介でまとまった与野党合意について「一つ間違うと誤解を招く。ピケに入る前の理事会で決まった採決日程は、新進党理事も穏やかに出てきて、そこで決めたものだ」と、「悪いのは新進党」と言わんばかり。「この3週間はいったい何だったのか、という疑問が残る」と最後までぼやき。《共同通信》

【オウム・ビデオ問題】

TBS社長ら参考人招致

衆院法務委員会は26日の理事会で、TBSの坂本弁護士一家殺害事件に絡むビデオテープ問題で、同社の大川光行前常務を28日の委員会に参考人として呼ぶことを決めた。

大川氏の出席時間は10分程度で、19日に同委員会で行った発言と、「オウム真理教幹部にビデオを見せていた」とする25日の同社調査結果との食い違いについて訂正し陳謝する方向。委員による質疑は行われない。

また衆院逓信委員会も26日の理事懇談会で、4月3日に開く委員会に同社の磯崎洋三社長、大川前常務、1日から磯崎氏の後任として日本民間放送連盟の会長に就任する氏家斉一郎日本テレビ社長の3人を参考人として招致、事情を聴くことを決めた。

大川前常務は19日の参考人招致の際は「ビデオは見せていない」と一貫して主張。またオウム真理教幹部がTBSに押し掛けたことを捜査機関などに通報しなかったことについては「当時は、現在のような史上まれな凶悪な集団とは思わなかった」などと弁明していた。

「5人で応対、見せる」

坂本堤弁護士一家殺害事件に絡むビデオテープ問題で、TBSは26日夜の「ニュースの森」で同局の外部スタッフのディレクターが、東京地検の事情聴取に対し「オウム幹部にTBS社員2人を含む5人で応対し、ビデオを見せた」と供述した調書があることが分かったと報じた。

しかしTBS広報部は「調書があるのは知っている。このディレクターから直接事情を聴いているが、見せたという言度は出てこない。地検に対しても『見せた』とは言っていないと主張している」とし、今後さらに社内調査を続けるとしている。

このディレクターは、6年前オウムとの応対に当たったTBS関連の制作会社社員(当時)。TBSのニュースによると、昨年11月、東京地検が行った事情聴取に対しこのディレクターが「オウム真理教幹部との法的トラブルを避けるために、坂本弁護士のビデオを見せた」と供述、その調書が中川智正被告の公判で証拠採用されているという。

「息子の命はあったかも」

TBSがオウム真理教元幹部らに坂本堤弁護士インタビューのビデオを見せていた問題で、坂本弁護士の母さちよさん(64)が26日、京都市内で開かれた坂本堤弁護士一家追悼・報告集会(京都弁護士会主催)で「TBSが、見せたことを言ってくれていたら、息子の命はあったかもしれない」などと心情を吐露した。

約300人の参加者を前に、さちよさんは「あの時TBSが息子に『こういうビデオを見せた』と言っていたら、もっと用心したかもしれない。命はあったかもしれない」と無念をあらわにした。《共同通信》



3月26日のできごと