1996 平成8年3月25日(月)

平成2634日目

平成8年3月25日(月)

1996/03/25

【オウム・ビデオ問題】TBS社長「ビデオ見せた」

坂本弁護士一家殺害事件に絡むビデオテープ問題で、TBSの磯崎洋三社長は25日、緊急会見し、坂本弁護士のインタビューテープをオウム真理教幹部に見せていたことを初めて認めた。

同社長は「今回の事態を極めて重く受け止めており、責任の取り方は自ら決断する」と辞任を示唆。25日付けで当時応対したプロデューサー(52)を懲戒解雇し、社内調査を担当した大川光行常務を取締役社長室長に降格、自らと杉本明専務を減給10%5カ月分、ほかの常勤取締役9人も同3カ月分とする処分を明らかにした。

磯崎社長によると、TBSは今月23日夕、平成元年10月26日夜にオウム幹部3人が東京都千代田区のTBS施設に来た際、未放映の坂本弁護士のビデオを見たという早川被告の供述メモの全文を入手。インタビュービデオのコピーと照合。その結果を基に、当時居合わせたワイドショーのスタッフ計14人を再聴取した。

早川被告らと面会したのは、曜日担当プロデューサー(懲戒解雇処分)と番組全体の総合プロデューサーの2人。曜日担当プロデューサーが「当時の記憶は依然として思い浮かばないが、克明なメモを見るとオウム3人と自分1人で見たのではないか」と話し、内部調査での「見せてはいない」という発言を覆した。

総合プロデューサーは現在も関与を否定しているが、同社は引き続き事実関係を調査することとし、このプロデューサーも部長から副部長に降格した。《共同通信》

坂本弁護士一家殺害事件に絡むビデオテープ問題で、磯崎洋三TBS社長がオウム真理教幹部にビデオを見せたことを認めたことで、郵政省は25日、中沢忠正取締役(経理局長)ら2人から事情聴取した。聴取結果を基に放送法に照らした措置を検討する。

また磯崎社長は社内放送で「責任の取り方はしかるべき時に決断する」と伝え、辞任の意向を社員にも示唆した。近く同社長が国会に出向き、法務委員会でのTBS側発言を訂正するという。

同日夕の同局の「ニュースの森」では「TBSの社員がビデオを見せることに関与した」と冒頭約10分間にわたって放送。キャスターが、昨年10月19日にこの問題を他の民放局が報じた際、同番組で「事実ではない」と否定したのを視聴者にわびた上で「報道のあるべき姿を足元から見詰め直したい」と述べた。

郵政省の事情聴取は午後5時すぎから1時間余りにわたり、中沢取締役は磯崎社長の会見とほぼ同様の説明をした。またオウム幹部にビデオを見せたことを認めたワイドショーの担当プロデューサー(懲戒解雇処分)以外のスタッフ十数人についても引き続き調査を行う方針を明らかにした。

一方、新たに発足した社内のオウム報道特別委員会は、同プロデューサーの行動を裏付けるため、一緒に応対した番組の総合プロデューサー(降格処分)から引き続き事情を聴取。応対した小部屋にビデオが持ち込まれた経緯や、ビデオが放送中止に至った理由の解明を急いでいる。《共同通信》



【第68回アカデミー賞】「ブレイブハート」5冠

第68回アカデミー賞の発表・授賞式が25日夜、ロサンゼルスのドロシー・チャンドラー・パビリオンで開かれ、メル・ギブソン監督・主演の「ブレイブハート」が、作品、監督など最多の5部門で賞を獲得した。

主演男優賞は「リービング・ラスベガス」のニコラス・ケイジ。主演女優賞は「デッドマン・ウォーキング」のスーザン・サランドン。サランドンは5回目のノミネートでついんい栄冠を手にした。《共同通信》

【国会】3週間ぶりに正常化

住宅金融専門会社(住専)処理問題で与野党対立が続く国会は25日夜、与党3党と新進党の国会対策委員長が会談し、正常化に向けて大詰めの協議を行い(1)予算案は十分審議し、強引な採決はしない(2)証人喚問などは予算委員会で真摯に協議していくーことで合意した。

同日中の正常化を強く要請していた土井たか子衆院議長はこれを了承した。同夜、議長の下で与野党国対委員長会談を開いて内容を確認。さらに橋本龍太郎首相と小沢一郎党首、続いて5党党首がやはり議長立ち会いで会談して最終決着した。

これを受けて新進党は予算委員会前の座り込みを解除、国会は3週間ぶりに正常化した。《共同通信》

「これをもってピケを解かせていただきたいと思い「ます」。住宅金融専門会社(住専)処理策の税金投入などを含む予算案強行採決実力阻止で始まった新進党議員の座り込みが25日深夜、3週間ぶりに解除された。土井たか子衆院議長の下で開かれた与野党党首会談での合意。しかし、政府与党は住専処理策の税金投入方針を崩さないまま。「この3週間はなんだったんだ」との“恨み節”も聞かれた。

党首会談終了後の同日午後10時半すぎ、新進党の議員総会。小沢一郎党首は「皆さんの連日のしんどい努力によって今日の合意があった」と経過を説明。続いて司会が承認を求めると「おー」という歓声が上がったが、拍手はいまひとつ迫力がなかった。

午後10時45分、議員総会を受け、森本晃司氏が衆院第一委員室に座り込み解除の連絡に走り「大変ご苦労さんでした。党首会談で合意を得てピケ解除といたします」と入り口に座り込んでいた約20人の議員に説明した。

足を投げ出して疲れ切った様子の議員はパラパラと拍手。「よし、じゃあ(場所を)空けるか」とゆっくり立ち上がって荷物整理。座り込みを終えた木幡弘道氏は「複雑な心境だ。ピケしかなかった」と歯切れが悪い。「長かったねー」とぼやく議員も。

石井一氏は「合意の内容は1週間ほど前に議長の提案から進展していない。無駄があったかな」と厳しい表情。続いて「しかし議会というのは無駄が積み重なってコンセンサスができるものだ」と語った。

一方、自民党の深谷隆司氏は「この3週間は一体なんだったんだ。最初から言っていたことではないか」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は25日、参院岐阜補選で与党候補が勝ったためか、上機嫌。午前に北方領土高校生弁論大会受賞者の女子生徒2人が官邸を表敬訪問した際は、テレホンカードをプレゼント。正午の政府与党首脳連絡会議前の写真撮影でも、岐阜が地元の渡辺嘉蔵官房副長官に「長官代理」と声を掛け、欠席した梶山静六官房長官の席まで手を引っ張って連れて行き周囲を笑わせた。20日の岐阜の遊説では「渡辺さんは僕の精神安定剤」と持ち上げた首相。先週は国会空転でイライラが続いていただけに選挙の勝利は何よりの良薬?

○・・・自民党中堅、若手議員らの「自民党の真の再生を実現する会」はこの日、衆院議長に国会正常化を求める緊急決議をまとめた。記者会見した事務局長の白川勝彦党総務局長は新進党のピケ戦術に対し「譲歩は絶対に認められない」と主張。記者団が「譲歩とは何を指すのか」と尋ねると、すかさず「加藤紘一幹事長の証人喚問」と回答。「議長の対応のまずさのみを責められない。変な動きもある」と、暗に橋本龍太郎首相と小沢一郎新進党党首のトップ会談を批判した。会談の演出者・梶山静六官房長官らベテラン世代に対する世代交代派の反撃か。《共同通信》

【福岡高裁】沖縄県・大田知事に代理署名命令

米軍用地強制使用に必要な代理署名手続きを拒否した大田昌秀沖縄県知事に対し、国(首相)が署名を求めて起こした職務執行命令訴訟の判決が25日、福岡高裁那覇支部であった。

大塚一郎裁判長は「署名拒否は法令違反または国の執行を怠ったもの。放置することで公益を害することは明らか」として知事に契約拒否地主35人分の土地・物件調書に28日までに代理署名するよう命じた。

一方。署名を拒否した知事の立場にも一定の理解を示し「米軍基地問題は段階的な整理・縮小の推進によって解決されるべきで、国の責任は重い」と指摘、国の一層の努力を促した。

国側勝訴だが、知事は判決後の会見で、あくまで署名拒否を貫く考えを示唆した。

橋本龍太郎首相は29日にも署名を代行し、県収用委員会に3月末で賃貸借契約が切れる米軍楚辺通信所(読谷村)の一部土地について6カ月間の緊急使用の許可を申請する。だが、期限までに許可を得るのは困難とみられ、国の「不法占拠」状態が生じるのは確実となった。《共同通信》

【中国】合同軍事演習終了を発表

中国は25日、国営新華社通信を通じ、人民解放軍が18日から台湾海峡で実施していた陸海空軍合同演習が既に終了した、と発表した。次回の演習については一切予告しておらず、台湾総統選挙に焦点を合わせ今月8日のミサイル演習から始まった計3波の台湾周辺海域での軍事演習はひとまず終了したとみられる。

台湾周辺での今後の演習予告がなかったのは、軍事的威嚇にもかかわらず、李登輝総統が圧勝したことなどから、台湾側の出方を慎重に見守るためとみられる。

演習は張万年・中央軍事委副主席が観閲したが、中央軍事委主席の江沢民国家主席は観閲せず、張副主席を通じて演習参加部隊にねぎらいの言葉を伝えただけだった。

昨年行った台湾周辺海域の軍事演習では最終段階で江主席が観閲しており、今回の演習で江主席が現地入りしなかった理由が注目される。

三軍合同演習は「南京戦区」が福建省平潭島を中心とした海域・地域で実施し、上陸作戦と山地進攻作戦の演習が中心となった。上陸作戦演習では護衛艦、掃海艇、上陸用舟艇などで編成された上陸部隊が、空軍、海軍の支援を受けながら敵軍の阻止を突破する想定で行われた。山地進攻作戦では上陸後に歩兵、砲兵、戦車、ヘリコプターなどからなる攻撃部隊が敵陣に猛攻を加え占拠する想定で行われた。

台湾独立などのケースに備え、台湾側が実効支配している地域の占拠を想定した作戦能力の強化が狙いとみられる。演習には約15万人の兵員が参加した、といわれる。《共同通信》



3月25日のできごと