平成2636日目

平成8年3月27日(水)

1996/03/27

【オウム・松本智津夫被告】警視庁から拘置所へ

地下鉄サリン、坂本弁護士一家殺害など15の事件で逮捕、起訴されたオウム真理教教祖麻原彰晃被告(41)が27日午前、拘置されていた警視庁本庁舎(東京都千代田区霞が関)の留置場から東京拘置所(葛飾区小菅)に護送車で移監された。

。警視庁は同日、庁内に「総合警備本部」を設置。現在も特別手配信者が逃走を続けていることから、約1000人の警察官を動員して厳戒態勢を敷いた。

麻原被告の移監は昨年5月16日、山梨県上九一色村の教団施設で、地下鉄サリン事件の殺人容疑などで逮捕されて以来、約10カ月ぶり。警視庁の留置場での拘置は26日で316日に及んだ。4月24日から始まる後半にも同拘置所から出廷する。

麻原被告を乗せた護送車は午前7時に警視庁を出発。前後をパトカーなど警察車両6台が並走。首都高速を通り約22分で拘置所に入った。早朝から機動隊員らが警視庁本庁舎や東京拘置所周辺での警備を強化。高速道路沿いでは警視庁のヘリコプターが空から警戒。高速道路の高架下では前日夜から不審物の発見作業も行われた。一方、拘置所側もイラン人の脱獄事件があったばかりで、夜勤刑務官を増員するなど万全の警備態勢を取った。

麻原被告の取り調べが、5日の滝本弁護士サリン襲撃事件の追起訴でほぼ終わったため、東京地検の移監請求に東京地裁が同意、決定した。

警視庁の留置場での拘置が同被告の国選弁護団から「代用監獄での拘置は、自白の強要や弁護人との接見制限につながる」と批判され、東京地検が公判の進行に影響しかねないことなどに配慮したとみられる。関係者によると、同地裁も公判への影響を考慮し、非公式に東京地検に対し、移監を要請していたという。

警視庁は護送の際の警備などを理由に移監に反対する意向を示したが、同地検が意見調整し、この日の移監となった。《共同通信》



【第68回選抜高校野球大会】第2日

第68回選抜高校野球大会第2日は27日、甲子園球場で1回戦3試合を行い、東邦(愛知)宇都宮エ(栃木)などが勝ち進んた。

東邦は2点を追う四回、波木が満塁の走者を一掃する三塁打を放ち逆転。その後も加点し9−5と優位に立った。拓大紅陵(千葉)は九回に猛反撃。5長短打で3点を奪い、なおも一死二、三塁と詰め寄ったが、及ばなかった。東邦は春夏合わせて甲子園通算60勝目。

宇都宮工は松山商(愛媛)の先発渡部の制球難をつき一回に3点を先取した。一時は1点差まで迫られたが、先発全員の14安打で小刻みに加点。エース向田も立ち直って7−3で逃げ切った。浦和学院は攻守にそつのなさを発揮して9−0で初出場の東海大仰星を下した。《共同通信》

【沖縄県・大田昌秀知事】署名拒否を決定

米軍用地強制使用をめぐる職務執行命令訴訟で、代理署名を命じる福岡高裁那覇支部判決を受けた大田昌秀沖縄県知事は27日、県幹部らと協議し、判決には従わず署名を拒否することを正式に決定、午前11時すぎからの記者会見で明らかにした。また高裁判決を不服として最高裁に上告する意向も示した。

会見で大田知事は「判決は県にとって極めて厳しい内容で、基地問題の根本的な解決の方向性は示されていない。問題解決を願う多くの県民の意向を考えると署名は極めて懇談」と拒否を貫く理由を説明。「(県側申請の)証人が一人も採用されないまま実質的な審理を尽くさず判決に至ったのは公平、公正さを欠くのではないかと感じており、判決内容に失望している」などと述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は27日、70歳の誕生日を迎えた梶山静六官房長官に小物入れをテレゼント。梶山氏は「私が還暦(60歳)だと首相も知っていた」と10歳もサバを読んだ冗談を飛ばすなど上機嫌。小物入れを選んだ理由について首相は「まくら元に置いて眼鏡や時計を入れておくと、朝ばたばたしたときに便利なんだ」と記者団に説明、細やかな心遣いを披露した。首相は「僕も同じものを使っているけど、とても使いやすいんだ」と付け加え、梶山氏との“一心同体ぶり”をアピールしたが、大物長官に小物入れとは意味深長との声も。

○・・・社民党の池端清一院内総務会長はこの日の記者会見で、自民党の加藤紘一幹事長の証人喚問問題への対応を聞かれ「それぞれの役どころ、任務がある。引き続き(衆院)予算委で議論すべきだ」と逃げ腰の姿勢。記者団に詰め寄られると「現時点で喚問しようとは考えていない」と加藤氏を擁護。さらには、「池田大作創価学会名誉会長の喚問を自民党が求めたとき、社民、さきがけ両党も同調した。それが与党共通の喚問要求だ」などと追及をかわしたが、このところ自民党主導の国会対策が目立つだけに「社民党には何の方針もないのか」と批判の声も。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】TBSを批判

衆院予算委員会(上原康助委員長)は27日午前、総額11兆6200億円の平成8年度暫定予算案について審議した。昼すぎに可決後、同日夕の本会議で採決さええて衆院を通過、参院に送付される。暫定予算は29日の参院本会議で成立する見通し。

審理で、橋本龍太郎首相は坂本堤弁護士一家殺害事件に絡むTBSのビデオテープ問題について「TBSの社内調査は国民の納得のいく結果だったとは言い難い。放送事業者としての自覚や責任を認識した納得が得られる対応をしてほしい」と対応を批判。「郵政省も調査を指示したが、結果は放送行政上の判断対象となる」との認識を示した。

日野市朗郵政相も「モラルだけにとどまるのか、(放送法などの)法律違反となるのかは今後調査して事実を認定していきたい」と述べ、事実関係の調査に全力を挙げる考えを示した。坂上富男氏(社民)への答弁。《共同通信》

【TBS・磯崎洋三社長】ビデオ問題「真実の解明が急務」

TBSの磯崎洋三社長は27日、東京都港区の同社本社内でラジオ・テレビ記者会の定例会見に出席した。同社長は「責任の重大さを深刻に受け止めている」と述べたが、進退については「自ら決断すべき」とした上で、「さまざまな疑惑の真実を明らかにすることが責務」と、当面社長にとどまる考えを示した。ビデオテープ問題の社内調査チームに、元最高裁判事の佐藤庄市郎氏を加えることを明らかにした。

磯崎社長は25日の緊急会見で、坂本堤弁護士=当時(33)=らが映ったビデオテープをオウム真理教元幹部の早川紀代秀被告(46)に見せたとされる問題について「見せていないと確信している」とする従来の主張を撤回。早川被告のメモ」などを基に社内で再調査した結果として「当時のプロデューサーの一人が『見せた』ことに関与したのは間違いない」と当初の調査の誤りを認めていた。

同社長はまた「責任の取り方は自ら決断する」と辞任を示唆。関係者の処分については、このプロデューサー(52)を25日付で懲戒解雇するとともに、調査担当の大川光行常務を取締役社長室長に降格、同社長本人も減給処分とした。《共同通信》

【オウム裁判】早川紀代秀被告、第4回公判

オウム真理教元幹部早川紀代秀被告(46)の第4回公判が27日、東京地裁(竹崎博允裁判長)で開かれ殺人罪に問われた坂本堤弁護士=当時(33)=一家殺害と信者Tさん=当時(21)=リンチ殺害の2事件が審理された。

証拠調べで検察側は、TBSの坂本弁護士取材テープ問題をめぐり、元教団顧問弁護士青山吉伸被告(36)が「放映前のビデオを見た」と供述していることを明らかにした。

罪状認否で早川被告は「(坂本事件は)実行犯の一人として犯行に及んだ」などと2件とも起訴事実を認め「誠に申し訳ありません」と謝罪、「人間をやめたいような心境」と述べた。

また「当時は麻原(彰晃)被告の教えを信じ教団やご本人のためと思い込み、良心に従えるような状態ではなかった。今後は正直に事実を明らかにし裁きを受けたい」と陳述した。

検察側は冒頭陳述で、教祖麻原被告(41)が「血を見るのが嫌だから、ロープで一気に絞めろ」などとTさんの殺害を命令したと指摘した。公判は午前で休廷、午後にはTBS関係者の調書が朗読される。

両事件は教団の凶悪事件の原点とされ、Tさん事件が審理されるのは初めて。《共同通信》

オウム真理教元幹部早川紀代秀被告(46)の第4回公判は27日午後も東京地裁(竹崎博允裁判長)で行われ、検察側が弁護側の要請に応じ、TBSの坂本堤弁護士インタビュービデオ問題の関係調書を初めて全文朗読した。

その中でTBS系列会社の元ディレクターが「事前にオウム側にインタビュービデオを見せた。TBSが訴えられるからだ」「上祐史浩被告にチェックしてもらい、放送はだめだといわれ、取りやめた」などと供述していたことが分かった。

これに対しTBSのプロデューサー2人は「オウム側はインタビューの内容を知っていた」「なぜ知っていたのか分からない」などと供述、元ディレクターと食い違っている。

「見せた事実は確認できない」としてきたTBSは25日の記者会見でこれまでの主張を覆したが、今回「ビデオを見せた」との関係者の調書の存在が明らかになったことで、あらためて調査の甘さが問題になりそうだ。

この日の公判では、元教団顧問弁護士青山吉伸被告(36)が「放映前にビデオを見た」と供述していることも明らかになっている。

朗読されたTBS関連の調書は計4通。TBS系列会社の元ディレクターの調書が2通、当時TBSのワイドショー「3時にあいましょう」の総合プロデューサーと曜日担当プロデューサー(懲戒解雇)がそれぞれ1通。

TBSビジョン元ディレクターの調書によると、平成元年10月26日夜、都内の分室に上祐被告、青山被告ともう一人(早川被告)が訪ねてきた。TBSのプロデューサー2人に系列会社のスタッフ3人も同席して対応した。

翌27日の番組でオウムや坂本弁護士とのインタビューを放映する予定だったが、オウムを痛烈に批判する内容で、訴えられる可能性があったため、事前に見せてチェックしてもらった。上祐被告らは内容にクレームをつけ放送はだめだと言ったので取りやめた、としている。

プロデューサーの2通の調書では、26日夜に上祐被告ら3人が訪ねてきた際に会ったのは2人。既に上祐被告らは坂本インタビューの内容を知っていた。総合プロデューサーの調書によると「オウムがなぜ知っていたのか分からない。水中クンバカの取材中に(だれかが)告げたのかもしれない」としている。

2人は「坂本弁護士が言っているのはうそだから放送するな」「放送したら告訴する」と言われた。「ビデオを見せるからその反論のインタビューに応じてほしい」と言うと、上祐被告はこれを拒否したという。

翌27日午前3時ごろ、オウムの補充取材をすることにして放送の延期を2人で決めた、と供述している。《共同通信》



3月27日のできごと