1996 平成8年3月19日(火)

平成2628日目

平成8年3月19日(火)

1996/03/19

【TBS・大川光行常務】「オウムにテープを見せていない」

坂本弁護士一家殺害事件で、一家が殺害される前、抗議のためTBSを訪問したオウム真理教幹部に坂本弁護士のインタビューテープを見せたり、発言内容を漏らしたかどうかを質疑するための衆院法務委員会が19日、TBSの調査チーム責任者の大川光行常務を参考人招致して開かれた。

大川常務は冒頭の意見聴取で「対応した2人は未放送テープは見せてはいけないことを知っている。確認したところ、テープの保管場所も知らず、他のスタッフとの連絡もなく不可能だった」などと述べ、テープを見せたことを強く否定した。

なぜ信者が押し掛けたことを捜査機関などに通報しなかったのかという太田誠一議員(自民)の質問には「現在のような史上まれな凶悪な集団だとは思わなかったため」と説明した。

東京地検が12日の中川智正被告に対する冒頭陳述で、早川紀代秀被告らがTBSに抗議のため訪れ、インタビューの中で、坂本弁一護士が教団を批判していることを知ったと指摘したことについて坂上富男議員(社民)が「(冒頭陳述で)検察の言っていることについてどう思うか」と質問。大川常務は「コメントできない」と答えるにとどまった。

日野市朗郵政相は19日、TBSが放送前の坂本弁護士インタビューをオウム真理教側に見せたとされる問題で「TBSから事実調査した上、(対応を)検討したい」と述べ、TBSから本格的に事情聴取する考えを明らかにした。 郵政相は事情聴取について「18日にTBSの常務と局長に来てもらい一部話は聞いた。今後は事実確認の結果を待ち、放送法や報道倫理に触れるかどうかを調べたい」と語った。

TBSが坂本堤弁護士への取材内容をオウム真理教幹部に知らせたとされる問題で、同局は19日「横浜法律事務所」からの公開質問状に対する回答書を送った。

TBSによると、回答書では、オウム幹部が同局に抗議に訪れた事実を捜査当局などに通報しなかったことについて「通常の取材上のトラブルの範囲を超えるとの意識はなかった」と説明。その上で「報道機関として何をなし得たのかを検証することも、今自らに課せられた責務」として、オウム報道全体を検証する特別委員会を設置したことを報告している。《共同通信》



【大相撲春場所】10日目

大相撲春場所10日目(19日・大阪府立体育会館)横綱貴乃花が今場所初めて単独トップに立った。貴乃花は小城錦を危なげなく寄り切り。平幕琴の若が敗れたため、ただ1人1敗となった。大関貴ノ浪は関脇琴錦にもろ差しを許したが、決め倒し、若乃花は舞の海を寄り切って、ともに2敗を守るとともに勝ち越しを決めた。若乃花はかど番を脱出。関脇武双山も剣晃を寄り切って2敗を堅持した。2敗は4人。大関武蔵丸は7勝3敗とした。元大関の霧島は8敗目で負け越し、十両転落が決定的になった。十両は旭鷲山が9勝1敗で依然単独トップ。《共同通信》

【フィリピン・マニラ】ディスコ爆発、250人死傷

19日未明、フィリピンのマニラ首都圏ケソン市内のディスコで爆発、火災が発生し、居合わせた客、従業員ら200人以上のうち、卒業式を間近に控えた大学生など149人が死亡、約90人が負傷した。火災事故としてはフィリピン最悪の惨事となった。

ケソン警察の調べや目撃者らの証言によると、同日午前0時ごろ、同市内ティモグ地区にあるディスコ「オゾン」の店内で2回爆発音が聞こえた。その直後に1階のディスクジョッキー席付近から火災が発生、約2時間後に鎮火したが学生や10代の若者ら149人が遺体で発見され、約90人が負傷した。死傷者はさらに増える見込み。日本人客はいなかったもよう。

「オゾン」は2階建てで、2階は中央部分が吹き抜けになっている。店内には非常口がなく、客らは逃げ場を失った。警察当局者によると、死者の大半は窒息死で、中には客が入り口に殺到した際に圧死した人もいた。

目撃者の話では、爆発音が聞こえた直後、店のガードマンが金を払わないで逃げようとする客を阻止するため入り口のドアを閉め、これが惨事につながったとみられる。

警察と消防署が出火原因を調べているが救出された客らは爆発の際、ディスクジョッキー席の上部の天井から火花が見えたと話しており、警察はLPガスが漏れ、これに漏電による火花が引火して爆発、炎上した可能性が高いとみている。

警察によると、客の大半は大学生。今月、期末試験を終え、卒業式を控えてパーティーをしていたグループも多かった。現場は住宅地区に隣接したレストランやカラオケ店がある一角。《共同通信》

【政府】50日間の暫定予算を決定

政府は19日午前の閣議で、平成8年度予算の成立が大幅に遅れる見通しとなったのを受け、50日間の香定予算を編成する方針を決めた。26日中にも暫定予算案を国会に提出する。 与党側が暫定予算案に事務的経費だけでなく景気対策に必要な諸経費を盛り込むことを要求したことから、前回6年度の暫定予算(11兆514億円)を上回る規模となるのは確実。

当初、大蔵省は大幅暫定予算を編成することは住専処理策が長引く印象を与え、景気にも悪影響を及ぼすとして消極的だった。しかし、橋本龍太郎首相は新進党の審議拒否による国会の長期空転を踏まえ、参院での十分な審議日程を確保するためには50日間が妥当と判断した。

50日以上の大幅暫定を組んだ過去10年間のケースとしては、売上税導入をめぐる昭和62年度予算(第3次中曽根内閣)、リクルート事件が争点となった平成元年度予算(竹下改造内閣)、政治改革関連法案処理や首相退陣を挟んだ6年度予算(細川、羽田内閣)など計4例がある。

橋本龍太郎首相は19日午前、閣議で暫定予算案の期間を50日と決めたことについて「長過ぎることはない。むしろ足りない心配をする」と述べた。

その理由として首相は、「参院での審議日程を十分に確保する必要があることに加え、4月のクリントン大統領来日や、首相の原子力安全サミット(モスクワ)出席といった外交日程が予定されていることを挙げた。

梶山静六官房長官は閣議後の記者会見で、暫定予算に景気対策を盛り込むことについて「今までの事業を延長線で日割り計算し(暫定予算に)乗せるのは可能だ。いろいろ組み合わせながらやれば、景気への影響は最小限で済む」と強調した。

同時に「1、2カ月の暫定予算編成で景気にすぐ影響することはないと思うが、住専処理の先送りで心理的な影響が出ないことを祈る」と述べた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】新進党・小沢一郎党首と会談

橋本龍太郎首相(自民党総裁)は19日午後、首相官邸で新進党の小沢一郎党首と会談し、暫定予算案と年度内に成立しないと国民生活に影響が出てくる「日切れ法案」について、1996年度予算案審議とは切り離して審議し、成立を図ることで合意した。

首相は新進党要求の住宅金融専門会社(住専)処理予算削除を拒否、小沢氏は処理策での合意がない限りピケは解除しないと言明、平行線に終わった。

首相と小沢氏は今後も会談することを確認したが、国会の正常化はなお時間がかかる見通し。社民、さきがけ両党は両党首を外した会談を警戒。与党内には暫定予算審議をてこにしたピケ解除の狙いが実現せず、不満が高まっており、政局の波乱要因ともなりそうだ。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は19日、記者団から20日の参院岐阜補選遊説について「もう準備は整ったか」と聞かれると「整っているわけないよ」とすげない返事。同日午後に出発し、1日で4カ所を回る強行日程に「1カ所15分は中途半端だ。街頭(演説)なら15分は結構使えるが、会場での15分は…」と首をかしげ、過密スケジュールよりも演説時間が短い方が気に入らない様子だ。日ごろ「顔が見えない」といわれている橋本首相、せっかくのアピールの好機だっただけに残念無念というところ。

○・・・新党さきがけの鳩山由紀夫代表幹事はこの日の記者会見で、新進党のピケ解除のため加藤紘一自民党幹事長の証人喚問問題などで妥協する可能性があるのかと聞かれ「悪い人にアメ玉をあげて悪さをやめさせる発想は倫理観からいっても取りえない」ときっぱり否定した。自民党旧竹下派出身の橋本首相と小沢一郎新進党党首の党首会談についても「正直言って唐突な感じ」と事前連絡のなさに不快感を表明。「旧経世会の方々の中には力を持っている方が多いことは理解するが、密室性の復活という気持ちがないではない」と述べ、社民、さきがけ両党抜きの動きに疑心暗鬼。《共同通信》

【サラエボ】完全統合が完了

ボスニア・ヘルツェゴビナ和平協定に定めた首都サラエボのイスラム教徒側への統合は19日早朝(日本時間同日午後)、ボスニア連邦警察がセルビア人勢力最後の支配地域だったグルバビツァに配備され、予定通り協定発効から3カ月で完了した。

グルバビツァは市中心部に隣接した最前線。立ち並ぶ高層ビルからの執ような狙撃が行われ、市街を流れるミリャツカ川を挟んだ大通りは「スナイパー(狙撃手)通り」と呼ばれ、1万人以上の死者(イスラム教徒側発表)を出した。サラエボの悲劇の象徴的な場所だった。

連邦警察は午前6時(日本時間午後2時)すぎ、「友愛と団結の橋」からグルバビツァに入った。周辺の空き地や脱出したセルビア人住民の集団住宅などを点検し、地雷、爆発物などを探索した。同10時にはイスラム教徒らグルバビツァを追われた市民数千人が約4年ぶりに立ち入りを許され、わが家に戻った。

団地ビルの窓からは、行き場がなく残留した老人たちの顔が次々にのぞいた。国際警察隊によると、サラエボに残留したセルビア人は約3000人。

「第二次大戦のパルチザン闘争にも参加したが、何でこの紛争が起きたのか今でも分かりません」。独り暮らしで紛争中ずっとこの地域に残ってきたイスラム教徒女性のビーバ・ハムジーッチさん(70)は、訪れたいとこのメノさんと抱き合い、感激の涙をにじませた。

セルビア人勢力筋によると、これまで平和履行部隊(IFOR)などに狙撃を続けてきた市民武装グループなどは先週末までに、サラエボ近郊のセルビア人勢力支配地域ルカビツァに新聞編集局、ラジオ局などとともに撤収している。《共同通信》



3月19日のできごと