平成2609日目

平成8年2月29日(木)

1996/02/29

【電通審議会】NTT3分割を答申

電気通信審議会(郵政相の諮問機関、会長・那須翔東京電力会長)は29日、現在のNTTを1998年をめどに、長距離会社と地域会社に分離した上、地域会社を東西2社に分離し、3社体制とすべきだとする答申を日野市朗郵政相に提出した。82年の第2次臨時行政調査会以来、3度目の分離・分割答申。

これを受けて議論は政府・与党間の調整に移るが、分割にはNTTが労使とも強く反対していることに加え、連立与党内では、総選挙をにらんで社民党が猛反対、自民党内にも慎重論が目立っている。3月末に政府が決めることになっている最終決着は、結論をまたも1年程度先送りする案が有力になっている。《共同通信》



【ミドリ十字】遺憾表明

薬害エイズ問題で、東京、大阪両HIV訴訟の原告や弁護団は29日、早期和解を求める緊急要請書などを手渡すためミドリ十字(大阪市)など被告の製薬会社を訪問。ミドリ十字代表は初めて原告側と直接会い、薬害について遺憾の意を表明、和解に向け努力することを約束した。

原告側は「これまで一切会おうとしなかった被告企業最大手のミドリ十字が、扉を開けた意義は大きい。3月中の成立を目標に交渉が進められている和解にとって大きな前進だ」と評価している。

原告団によると、大阪、東京両訴訟の原告ら8人に対しミドリ十字は常務らが一応対。「心から遺憾の意を表し、患者の皆さまにお見舞い申し上げます。要請書などを重く受け止め全面的和解に努力します」との声明を読み上げた。《共同通信》

【長尾立子法相】不良債権に厳正対処を

長尾立子法相は29日午前、法務省で開かれた検察長官会同で訓示、住宅金融専門会社(住専)など金融機関の不良債権問題に言及し「刑事責任を追及すべきであると認められるような事実が明らかになった場合には、迅速かつ厳正に対処する必要がある」と述べ、積極的に解明に当たる姿勢」を強調した。

さらに「不良債権問題の経過、関係者の法律的責任の所在を明らかにすることが政府に強く求められている」との厳しい認識を示した。今年1月に就任した土肥孝治検事総長も住専問題など最近の金融機関の破たんを具体的に挙げ、「その摘発を求める国民の要望は一段と強まっており、検察としては従前にも増して摘発に積極的に取り組まなければならない」と、異例の強い調子で捜査関係者の努力を促した。

検察庁は今年1月、最高検、東京高検、東京地検が合同で「3庁住専問題協議会」を設置、地検特捜部も検事数人の「住専問題専従班」を編成、既に情報収集に入っている。検察3庁が具体的事件で協議会を設置したのは異例で、法相らの発言はこうした検察の積極的な対応を受けたものだ。

法務省刑事局も検察庁、警察庁・警視庁と連絡を最りながら、大蔵省と資料提供などの折衝や情報交換に当たっている。与党内には、金融犯罪防止に向けて銀行法、商法などの罰則を強化しようという動きもあり、法務省は捜査、法的措置の両面での対応を迫られている。

検察長官会同は、全国の検事正や検事長、検事総長・次長検事ら検察の幹部・首脳部が一堂に会し、年1回開かれる検察最大の会議。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は29日朝、アジア欧州首脳会議に出発する直前の慌ただしい中、経済審議会の豊田章一郎会長ら4審議会の会長と首相官邸で約1時間懇談した。「審議会がばらばらなので、有機的な連携がとれないか」との首相の強い意向で実現した。4会長の一人の宇野収国会等移転調査会長は、首相のサラリーマン時代の上司とあって、「直属の課長がいると怖いよ」と冗談が出る余裕も。最近は住専問題で防戦一方の首相だけに、反転攻勢に向け何かいい知恵を授かるのが狙いだった?

○・・・社民党の村山富市党首はこの日、地元・大分市内で開かれた同党大分県連合の臨時大会であいさつ。住専問題について「敵前逃亡と言われるが、党首としての役割があり、責任を持って取り組んでいる。そんなことは全くない」と反論。返す刀で、新進党の対案に対し「内容の全くないもので、かえって混乱を大きくして負担を増やすだけだ」と激しく批判した。衆院での「住専」予算案採決に向け、与野党の攻防が大詰めを迎えている中でのお国入りを疑問視する声も党内から出ているだけに「弁明」に必死。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】タイ・バンハーン首相と会談

橋本龍太郎首相は29日夕、バンコク市内のホテルで、タイのバンハーン首相と会談し、タイ側はインドシナ地域の技術移転や環境保護のため日本の支援と協力を求めた。

橋本首相は「1970年代に経済優先のあまり環境を破壊する過ちを犯した(日本の)経験を踏まえて協力する」と述べ、積極的な支援を約束した。バンハーン首相は橋本首相の訪日招請を受諾した。《共同通信》

【第1回アジア欧州首脳会議】夕食会

アジアと欧州の25カ国による第1回アジア欧州首脳会議(ASEM)は29日夜、バンコク市内のホテルで夕食会を開き、事実上開幕した。貿易・投資の自由化や政治・安全保障対話の強化を主要テーマに、かつての植民地と宗主国の関係だったアジアと欧州が新関係の構築を目指し、一歩を踏み出した。

この日バンコク入りしたシンガポールのゴー・チョクトン首相は記者団に「両地域の関係を築く会議だ。われわれは競争者であり、パートナーでもある」と表明。メージャー英首相は、バンコク入り後間もなく開かれた私的な会合で「西欧と東南アジアと米国が一緒になれば世界経済の巨大なエンジンになる」と米国にも言及して意義を強調した。

夕食会には、アジアから日本の橋本龍太郎首相、韓国の金泳三大統領、中国の李鵬首相と東南アジア諸国連合(ASEAN)の各首脳、欧州からはフランスのシラク大統領、ドイツのコール首相らが顔をそろえた。首脳らは夕食会後も夜遅くまで非公式な会合を続けた。

公式会議は1、2日の2日間。議長国のタイのバーンハーン首相が2日午後、「巨大な市場として台頭したアジア」と「統合後一層市場を大きくした欧州」の「新パートナーシップ」をうたった議長声明を発表して閉幕する予定。

夕食会の直前には、日中韓とASEANの首脳によるアジア10カ国の打ち合わせ会合が開かれた。夕食会に先立って行われた参加国の高級事務レベル会合では、首脳たちが親密な雰囲気で意見交換できるように、首脳会議中は会場に同時通訳と伝令役しか残さないことを決めた。各国は人権、労働問題など対立を招きやすい問題には深入りしない意向だ。《共同通信》

【北陸新幹線・明神トンネル】貫通式

石川県津幡町と金沢市を結ぶ北陸新幹線・金沢−石動間の明神トンネルの東、西両工区2465メートルが29日貫通し、同町と同市の境界付近に当たるトンネル坑内で貫通式が行われた。出席した関係者約150人は完成を祝うとともに、同新幹線の早期開通を願った。

式には西工区側から谷本正憲知事ら、東工区側から小森博日本鉄道建設公団理事らが出席し、貫通点を挟んでくす玉を割った。引き続き通り初めの儀が行われ、谷本知事と小森理事が貫通点で握手を交わした。

2人を先頭に関係者がそれぞれ反対側の工区を歩いて通り抜け、貫通を祝った。同知事は「ようやく北陸新幹線が目に見える形となって表れた。夏には全体のスケジュールがはっきりすると思う」と述べた。貫通式の後、金沢市のホテル日航金沢で貫通祝賀会が開かれた。

明神トンネルは全長2880メートルで、今回は北陸新幹線西石動(仮称)信号場起点部分を除く掘削が完了した。津幡町側から本坑1780メートルを掘削する東工区の工事は平成5年8月、金沢市側の西入り口から685メートルを掘る西工区の工事は6年5月に着工した。《北國新聞》



2月29日のできごと