平成2589日目

平成8年2月9日(金)

1996/02/09

【菅直人厚相】厚生省「資料隠し」認める

薬害エイズ問題で菅直人厚相は9日夜、これまで厚生省が「ない」としてきた昭和58年当時のエイズ研究班などのファイル9冊が厚生省内で発見された、と発表した。

ファイルの一部を読んだ菅厚相は、HIV(エイズウイルス)訴訟をめぐる昨年10月の東京、大阪両地裁の和解勧告の所見に言及。「当時の厚相は非加熱製剤の販売の一時停止などの措置を取ることを期待された、と指摘した所見の判断を大筋で認めることになる」と、非加熱製剤による血友病患者からのHIV感染問題に行政として責任があることを認めた。

裁判所が提出命令し、衆院議員らが提出を求めた重要資料がようやく見つかったことについて被害者らは「証拠隠しだ」と非難しており、同省の姿勢が厳しく問われる。

菅厚相は「ファイルの中に裁判所が提出命令をした資料がある可能性が高く、近く提出すべきものは提出したい」と語った。現在進められているHIV訴訟の和解協議の行方について「所見を全面的に認めた上、早期の和解をしたい」との強い意向だ。

ファイルは当時の郡司篤晃・元厚生省生物製剤課長の個人ファイル「AIDS」など9冊。厚生省薬務局審査課や同局血液事業対策室の書庫や保健医療局工イズ結核感染症課のロッカーで発見された。「AIDS」は菅厚相の指示でできた調査プロジェクトが発足してわずか3日後に見つかった。《共同通信》



【外務省】韓国に抗議

外務省の加藤良三アジア局長は9日午後、韓国の金竜圭駐日公使を外務省に呼び、韓国が竹島(韓国名・独島)に港湾施設を建設していることについて「日本の主権の侵害であり、認められない」と抗議し、工事中止と韓国警備隊の撤退、建造物の撤去を求めた。

これに対し、金公使は「独島は韓国固有の領土」との立場から「(建設は)正当な主権の行使で、韓国の内政問題に日本が言及するのは内政干渉だ」と反論した。《共同通信》

【経済企画庁】景気回復を宣言

経済企画庁の田中秀征長官は9日の月例経済報告関係閣僚会議に「景気にはゆるやかながら再び回復の動きがみられ始めている」と事実上の“景気回復宣言”を盛り込んだ2月の報告を提出した。

設備投資や住宅建設、公共投資などの回復を背景に、鉱工業生産の増加傾向が鮮明になったためで、「足踏み状態を脱する動き」とした1月報告の判断をさらに進めた。

報告は、昨年の急激な円高により一時は腰折れ懸念も出た日本経済が「浮上してきた」(経企庁調査局)ことを示すもので、今後労使交渉が本格化する春闘相場にも微妙な影響を与えそうだ。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】米・クリントン大統領との会談が決定

橋本龍太郎首相とクリントン大統領による初の日米首脳会談が23日夕、米西海岸のカリフォルニア州サンタモニカで急きょ行われることが決まった。先月11日に就任した首相にとり、外交デビューとなる。梶山静六官房長官が9日夕の記者会見で発表した。

日米両国は4月の大統領訪日の際に行われる首脳会談で、日米安保体制を再定義する共同宣言とグローバルな協力関係をうたった声明を発表する予定になっている。梶山長官は今回の会談について「両首脳が個人的な信頼関係をつくることが大統領訪日の成功を導くという観点に基づくものだ」と強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は9日の月例経済報告閣僚会議で「景気回復の動きがみられる」との報告を受けた後、国会内で記者団に感想を求められると突然、手を挙げてニコニコ。事実上の「景気回復宣言」に気を良くしたのかと思いきや、「(国会見学の)子どもが声を掛けたから答えただけだよ」と質問が耳に入らなかった様子。経済報告については「まだまだ気の抜ける状態ではない」と口元を引き締めてはみたが、その後も廊下で児童からすれ違いざまに「アッ橋龍だ」と声が上がり、首相の口元は緩みっ放し。

○・・・新進党の小沢一郎党首はこの日、議員会館で開かれた同党と公明女性局主催の「女性関連予算勉強会」で「女性議員のみなさんの活動が行政、政治の上で大事な要素を占めている」とあいさつ。しかし同党の女性議員が少ないことについては「女性の候補者をもっと擁立せいと怒られている。私も(女性候補は)大歓迎だが、最終的に決心してくれる人が見つからない」と弁明。次期衆院選での政権復帰が至上命題の小沢氏だが、300小選挙区の候補者は219人と自民党に水をあけられているだけに、いつものこわもてイメージも影を潜め、最後は「地方でも国政でも名乗りを上げてほしい」と「お願い」に終始。《共同通信》

【政府】住専対策本部が初会合

政府は9日夜、住専処理対策強化のため、梶山静六官房長官を本部長とする「住専問題処理対策本部」の初会合を首相官邸で開き、①住専処理機構が設立と同時に活動を開始できるよう準備する②原因究明、強力な債権回収、借り手・貸し手の責任追及に各省庁が連携して取り組む−ことを決めた。

梶山長官は「住専問題の解決には何としても国民の理解を得ることが必要。内閣が一丸となって全力で取り組むべきだ」として、各省庁が連携して対策を講じるよう、久保亘蔵相ら関係閣僚に指示した。

初会合には、ほかに大原一三農相、倉田寛之国家公安委員長(自治相)、長尾立子法相と大森政輔内閣法制局長官らが出席。今後、古川貞二郎官房副長官と関係省庁の局長級による幹事会で、住専処理機構をめぐる制度の運用や債権回収の具体的方法などを検討。関係者の刑事責任追及も含め対応を強化する構えだ。《共同通信》

【長野五輪】国内TV放映権料は39億3000万円

1998年長野冬季五輪の日本向けテレビ放映権料について、NHKと民放各社で構成する放送機構「ジャパンコンソーシアム」(JC)は9日、総額3750万ドル(約39億3750万円)で国際オリンピック委員会(IOC)・長野冬季五輪組織委員会(NAOC)と合意に達した、と発表した。

前回94年のリレハンメル五輪(NHKが単独放映)に比べ約3倍の額で、日本向けテレビ放映権料としては冬季五輪史上最高額となった。

総額の内訳は、放映権料名目が2350万ドル、特別協力金が1200万ドル、技術協力金が200万ドル。

このうち、放映権料分をNHKが75%、民放側が25%の割合で負担する。この負担比率は、96年アトランタ夏季五輪分まではNHK80%、民放20%に決められているが、民放側は「冬季五輪をJC形式でするのは初めてであり、国内開催にメリットがあるので当方の負担を増やした」と説明している。

特別協力金は「国内開催という意義を踏まえ、財政的に厳しいNAOCに協力する」趣旨で、JCとしては今回限りの判断という。技術協力金は、ハイビジョン収録に伴うものでNHKだけが負担する。《共同通信》

【IRA】停戦破棄声明

北アイルランドのカトリック過激派組織アイルランド共和軍(IRA)は9日、同日午後6時(日本時間10日午前3時)をもって無条件停戦を終結する、との声明をアイルランドの放送局に送った。

一方、英ロンドン東部では、声明が放送されたのとほぼ同時刻の午後7時ごろ、ビルの地下駐車場で大規模な爆発が起こり、通行人など100人以上が負傷、うち7、8人は重傷を負った。英政府は爆弾による爆発と断定した。

JRAの政治組織、シン・フェイン党のジェリー・アダムズ党首は、アイルラ一ンドの国営テレビに対し「(爆破事件は)IRAの犯行であると思う」と述べ、IRAの直接加担を認めた。しかし党首は、「シン・フェイン党は和平戦略を支持している」と述べただけで、停戦破棄については言及しなかった。

今回の爆弾テロで1994年7月からの停戦は約17カ月で事実上終結、北アイルランド問題をめぐる流血の事態が再び生じる可能性が強まった。

IRA声明は「停戦は民主的和平プロセスを進展させるためだったが、英政府は背信行為に走った」と和平交渉での英政府とメージャー首相の対応を強く批判した。

北アイルランド紛争をめぐっては、IRAの停戦宣言で、約25年にわたったカトリック、プロテスタント両過激派によるテロの応酬に終止符を打ち、停戦が実現した。その後、和平予備交渉が進められてきたが、全当事者による交渉を求めるIRAに対して、英政府側はIRAの武装解除が交渉の前提条件との姿勢を崩さず、和平交渉は暗礁に乗り上げていた。《共同通信》

【フランス国際柔道】日本、3階級V

柔道のフランス国際第1日は9日、パリのクーベルタン体育館で男子2階級女子3階級を行い、日本勢は男女計3階級で優勝した。

女子は、56キロ級で溝口紀子(埼玉大大学院)が決勝で同級世界チャンピオンのドリューリス・ゴンサレス(キューバ)を判定で下して優勝。72キロ級では田辺陽子(ミキハウス)が決勝でカリン・キエヌイ(オランダ)を送り襟絞めで退けた。男子65キロ級は中村行成(旭化成)が制した。

女子72キロ超級の外岡裕子(帝京大)は5位。男子60キロ級の徳野和彦(東海大)は3位となった。

この大会は世界の強豪が集まり、アトランタ五輪日本代表選考の重要資料となる。《共同通信》



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