平成2292日目

平成7年4月18日(火)

1995/04/18

【オウム真理教】「諜報省」が存在

オウム真理教に対する強制捜査を続けている警視庁は18日までに、公正証書原本不実記載の疑いで、脱会信者の連れ戻しなど教団内の特殊任務を担当する裏組織「行動隊」の中心人物とされる井上嘉浩容疑者(25)の逮捕状を取った。

警視庁など捜査当局は、これまでの押収資料の分析から、教団内に電話盗聴などで非公然の情報収集活動を行う「諜報省」と呼ばれる組織が存在することを確認。井上容疑者が事実上の大臣を務めていたとみて、行方追及に全力を挙げるとともに「諜報省」「行動隊」などによる“裏の活動”の実態解明を急いでいる。

調べでは、井上容疑者は平成6年5月、教団関連会社「ぶれーめん」=東京都日野市=を設立して社長に就任。この際、会社関係者の住所を偽って申請書類を作成した疑い。登記簿によると、同社はパイナップル加工やランチジャーの製造、販売を目的にしているが、経営実態がはっきりせず、警視庁は教団のダミー会社とみている。

井上容疑者の最近の動静は不明だが、東京の公証人役場事務長拉致事件で指名手配された教団幹部M容疑者(29)と石川県内で行動をともにしていたとの目撃情報があり、警視庁は関係する各県警察本部と連絡を取りながら行方を追っている。

井上容疑者は、すでに逮捕した「防衛庁長官」K(39)、「自治相」新実智光(31)両容疑者らとともに行動隊の中心メンバーとして、脱会信者の連れ戻しや強引な寄付集め、反対派に対する脅迫など非公然活動に深く関与していたとされ、宮崎県で信者の父親が拉致された営利略取事件では同県警に告訴されていた。

また、オウム真理教をめぐっては、過去に山梨県上九一色村のオウム教反対派幹部宅などに盗聴器が仕掛けられる事件があったことから、警視庁は、諜報省が工作活動に関与していた疑いもあるとみて関連を調べている。《共同通信》



【ロシア】オウム真理教に活動禁止命令

ロシアのオウム真理教の信者の家族らでつくる「青年救済委員会」が同教団のロシア国内での活動禁止などを求めていた民事訴訟で、モスクワ市のオスタンキノ地区裁判所(ボロビヨワ裁判長)は18日、原告側の主張を全面的に認め、教団の活動を禁じ、慰謝料200億ルーブル(約3億2500万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。

ロシアで宗教団体の活動を禁じる判決が出たのは初めて。教団側は判決を不服としてモスクワ市裁判所に控訴する方針を明らかにした。

この日の判決は教団の活動が「反社会的で違法」とする原告側の主張を全面的に認めた。ロシア検察庁などが進めている教団への刑事捜査にも影響が出るのは必至だ。

オウム真理教は1992年にロシアに進出して以来、テレビ・ラジオなど通じ積極的に布教活動を展開、短期間に3万5000人といわれる信者を獲得して同教団としては海外大の拠点を築き上げた。ロシア政界要人らの支援を受け、特別待遇を受けていたといわれる。ロシアでの活動禁止は、日本を含めた教団そのものに大きな打撃を与えることなろう。《共同通信》

【村山富市首相】ベトナム共産党書記長と会談

村山首相とベトナムの最高指導者ド・ムオイ共産党書記長との首脳会議が18日、東京・元赤坂の迎賓館で行われた。書記長は「両国の関係強化は両国だけではなく地域、世界の安定に寄与する」と述べ、投資の拡大をはじめ日本の協力を求めた。

これに対して首相は「未来志向で幅広い協力関係を構築したい」と述べ両国の政治、経済、文化など各方面の関係強化で一致。今後両国政府間で現在次官クラスで行われている政治対話の拡充と経済対話の開始について合意した。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は18日、新潟県の佐渡トキ保護センターで、日本産トキの雄とペアリングしていた中国産の雌が産卵したことについて「結ばれて非常に結構じゃないですか」と明るい話題に上機嫌、久しぶりに笑顔ものぞかせた。首相は来月上旬に中国を訪問する予定で、記者団が「日中関係もトキと同じようにいきたいですね」と水を向けると「そう期待したいね」とも。しかし、中国の関心が高い戦後50年の国会決議では与党3党の調整が難航中。トキにあやかりたいとの思いが首相の脳裏をよぎったのでは?

○…自民党の小渕副総裁はこの日の外交関係合同会議で、今月上旬の与党訪韓団について報告。この中で韓国の選挙制度改革の論議も紹介し、「選挙制度改革はどこの国も大変だと思った」と強調。自民党の選挙対策の責任者として小選挙区の公認調整に苦心している小渕氏にとって、韓国の論議が切実な問題と映ったようだ。さらに「韓国では比例代表の議員は、制度改革で議員の身分を失うという」と指摘し、「この点は一つの問題を韓国なりに処理していると思った」との感想も。比例代表については定年制を求める意見が自民党で出始め、執行部は今後、対応に苦慮しそうで、韓国の改革に妙に感心することしきり。《共同通信》

【河野洋平外相】次期総選挙で信問う

河野外相(自民党総裁)は18日夜(日本時間19日午前)、ニューヨーク市内のホテルで同行記者団らと懇談し、次期総選挙では国民に自社さ連立政権の信を問うことになる、との考えを表明した。

衆院選の結果、自民党単独で過半数を確保した場合、現連立の枠組みが継続されるとの見方を示しながらも「どこかに求心力が出てくる。自民党がどうするかはケース・バイ・ケースだ」と述べ、自民党が首相を出す可能性を示唆した。

外相はさらに「与党3党の当選者数が現職の数を上回れば、現連立が支持されたと考えていい」とし、総選挙の勝敗分岐点は与党3党が合計で現有議席の291議席を超えるかどうかにあるとの見解を明らかにした。

ただ同時に外相は「当面はサリン事件や円高などの問題を一つ一つ乗り越えていくことが大事だ」と早期解散には否定的な見通しを強調。内閣改造の可能性についても「村山首相は考えていないし、私も進言するつもりはない」と述べた。

また取りざたされている自民党と新進党の一部による「保・保連立」の可能性については「強権的手法で政治をやろうとしている人たちと、民主的手法を大事にするわれわれとは考え方が相当違う」と否定的な見解示した。

9月の自民党総裁選への対応については「(出馬の意思を決めるには)まだ早い」と明言を避けた。《共同通信》



4月18日/のできごと