平成2154日目

平成6年12月1日(木)

1994/12/01

【東京都・鈴木俊一知事】勇退表明

鈴木俊一東京都知事(84)は1日の東京都議会本会議で、来年春の統一地方選の焦点である都知事選挙に出馬せず、4期目の今期限りで勇退することを正式表明した。

勇退理由について同知事は既に、自民など与党会派の幹事長に「高齢や多選批判の中で、都民の支持や理解を得られる確信が持てない」と述べていた。鈴木知事は、九月に後継」者として、石原信雄・内閣官房副長官(68)を推す意向を明らかにしており、今後、都議会の自民党などを中心に石原氏を軸にした候補者選定作業が本格化する。

候補者選定は、保守中道が中央対地方で分裂した前回のような選挙を避けるため、都議会レベルで、自民、社会、公明、民社など各会派相乗りで擁立しようとの調整が進んでいる。

これに対し、新進党に参加する新生党などの国会議員からは新進党主導で独自候補の擁立を目指す動きも出ており、鳩山邦夫前労相らの名前が浮上。候補者が絞られるまで複雑な経過をたどりそうだ。

鈴木知事は、昭和54年4月から連続4回当選。平成3年の前回選挙は、それまでの支持母体だった自民、公明、民社の3党本部が元NHKキャスター磯村尚徳氏を擁立したが、自民、民社の都組織の支援で圧勝し、多選、高齢批判を吹き飛ばした。《共同通信》



【民社党・大内啓伍前委員長】「新進党」不参加を表明

民社党の大内前委員長が1日夕、都内で開いた講演会で「新進党」への不参加を正式に表明した。10日の新進党結成を目前に控え、自由党(柿沢弘治党首、7人)や日本新党など他の野党の中でも参加に消極姿勢を示す議員が出始め、大内氏はじめ7氏が、新党不参加を明らかにしたり、参加に迷いを示している。《共同通信》

【政界談話室】

○…ことしも残り1カ月となった1日、村山首相は記者とのやりとりで「日が過ぎるのは早いね」と感慨深げ。「国会も大詰めを迎え、残った法案も大掃除といきたいのでは」との質問に「いやいや。まだ世界貿易機関(WTO)設立協定関連法案や被爆者援護法案も残っているし、来年度予算(編成)も控えている」。さらに記者団が「師走というだけに、国会内を走り回ることになりそうか」と水を向けると「やっぱり仕事じゃからな。精いっぱいやらな」と、3日の国会会期末目前にしても延長問題や終盤の審議日程が決着していないだけに、気が抜けない様子。

○…新生党の船田常任幹事はこの日、民社党の大内前委員長が「新進党」への不参加を表明したことについて「どういう理由か、まったく聞いていない。旧連立時代から指導的立場でやってきた人だけに非常に残念だ」と驚いたふう。新党結成が10日に迫っている上、ほかにも新党不参加の動きがあるだけに「新党には個人の資格で参加することを確認しており、議員自身がそれぞれの立場で考えること。大内氏の不参加が連動するとは考えていない」と強気を崩さないものの「(新党結成まで)時間も若干あるし、翻意していただければありがたい」と未練な様子。《共同通信》

【衆院本会議】臓器移植法案で質疑

衆院本会議は1日午後、脳死者からの移植を認める臓器移植法案の趣旨説明に続いて、賛成2人、反対・慎重3人の議員による初の質疑を行った。来年の次期通常国会で、本格的に審議される。

与党と野党「改革」が党議拘束をしない方針で、会派の枠を超えて議員が自由に議論する初の法案となった。まず山口俊一議員(自民)が質問し「結論を先延ばしにすることは、人道的な見地からも許されない。遺族が本人の意思を認めている場合は、臓器提供を認めてよいと考える」と、法案への賛成意見を述べた。塚田延充議員(改革)も「いかに前向きに審議する一かに、国会の良識が問われている」と支持した。

一方、反対・慎重論は、金田誠一議員(社会)山本孝史議員(改革)岩佐恵美議員(共産)の3人。「脳死を人の死とする社会的合意はない」(岩佐議員)「脳死を死とせず、事前に臓器提供の意思が明確な場合に限り、移植できるようにすべきだ」(金田議員)などと、提案者側をただした。

これに対し、提案者側の自見庄三郎議員(自民)らは「脳死を人の死とする合意はできている。死としないと、生きている人から生命維持に欠かせない心臓や肝臓を取ることになり、殺人になる」と述べたが、もう一つの論点である臓器提供の意思確認については、さらに議論を尽くす必要性を認めた。

この日は約60人の傍聴者が法案の質疑を見守った。移植の実現を待つ患者団体の10人は最前列に座り、全国腎臓病患者連絡協議会の油井清治会長は「ようやく一歩踏み出した」と満足げ。一方、移植法案に反対する障害者グループも国会に駆け付けた。車いすで傍聴した川崎市の小山正義さんは「障害者が犠牲になる危険を感じる。抗議行動を展開していく」と話していた。《共同通信》

【サッカー・トヨタ杯】ベレス・サルスフィエルドが初優勝

サッカーのクラブチーム世界一を決める第15回トヨタカップは1日、東京・国立競技場に約4万8000人の観衆を集めて行われ、南米代表のベレス・サルスフィエルド(アルゼンチン)が欧州代表のACミラン(イタリア)を2−0で下し初優勝を飾った。通算成績は南米の10勝5敗。

前半は互いに中盤で厳しいチェックを掛け合い無得点。しかし後半5分、ベレスはPKで先制。さらに12分には、相手バックパスをカットしたアサドがGKをかわし、2点目を無人のゴールに流し込んだ。最優秀選手には、ベレスのアサドが選ばれた。

現在のチーム状態の差が出た。引き気味に構えて速攻を狙ったベレスが、後半立ち上がりにミランのミスを見逃さず連続得点。そのまま逃げ切った。

先制点は後半5分。GKチラベルトが自陣左深くから右前線へ約60メートルの超ロングパス。ミランがDFラインの上げ下げの連係を誤ったためにフリーで受けたバスアルドがゴール前へ。飛び込んだフロレスが倒されて得たPKをトロッタが決めた。12分にはアサドが相手DFの不用意なバックパスをさらって加点した。《共同通信》

【バレーボール】大林素子、吉原知子両選手の移籍可能に

日本バレーボール協会は、1日、日立を解雇された大林素子(27)、吉原知子(24)両選手の他チームへの移籍は、ルールに抵触しないとの見解を発表した。全日本の中心選手でもある2人は、引退の危機にも見舞われていたが、これで他チームとの契約、あるいは入社が決まれば、17日に開幕するVリーグ(旧日本リーグ)に出場できることになった。

大林、吉原両選手は11月30日に日立から突然、契約打ち切りを通告され、事実上、解雇された。両選手が現役続行を希望しても、新たに開幕するVリーグの「選手は11月1日からリーグ終了日まで他チームに移籍できない」との規定に抵触するとみられていたため、移籍しての同リーグ出場は絶望視されていた。

しかし日本協会は両選手がVリーグに出場できるための救済策を協議。Vリーグ規定を検討した結果①移籍制限条項は、一定期間、選手の意思による移籍を禁じたもの②両選手は、自らの意志ではなく、一方的に解雇された③日立から登録抹消届けが提出されており、両選手は完全にフリーな立場ーなどの理由から、移籍制限条項には抵触しない、との見解をまとめた。

日本協会では、この見解を直ちにVリーグ出場チーム、実業団チームに通達。規定によりVリーグ開幕10日前の7日までに移籍が決まれば、両選手は開幕戦から出場でき、7日以降の場合でもリーグ戦途中から参加できる。《共同通信》

【NHK・紅白歌合戦】出場歌手発表

NHKは1日、大みそかに開催する恒例の第45回「紅白歌合戦」の出場歌手を発表した。出場歌手は紅白それぞれ25組の計50組。今年は第45回という節目に当たり、「男女の歌の対抗戦」という紅白の基本に戻るとともに、紅組・上沼恵美子と白組・古舘伊知郎の両司会者による舌戦で盛り上げる。

また来年が戦後50年であることから、戦後歌謡界を振り返るという視点で構成、島倉千代子、西城秀樹、沢田研二らが再出場する。最多出場は、32回の島倉千代子、次いで32回の北島三郎、27回の森進一。

初出場は紅組が5組、白組が6組の計11組。紅組は篠原涼子、藤谷美和子(大内義昭とのデュエット)、田川寿美ら。白組は吉田拓郎、香田晋、TOKIOら。放送は昨年より30
分短縮され、午後8時から11時45分までニュースを挟んで3時間45分となっている。《共同通信》

【東京都世田谷区】女子大生、おもちゃの銃で脅迫

全国の警察がけん銃摘発に必死の取り組みを続けるさなか、東京都内で1日午後、トラックの運転手と口論となった女子大生がおもちゃのけん銃をちらつかせたことから、パトカーに追われ、取り押さえられる騒ぎがあった。

北沢署の調べによると、同日午後2時ごろ、世田谷区赤堤4丁目の路上で、高級外車に乗った都内に住む女子大生(20)が、トラックを駐車していた運送会社の運転手(26)と駐車場所をめぐって口論になった。その際、女子大生はハンドバッグからけん銃のような物を抜き出し、座席越しに運転手に見せ「バカヤロー」と怒鳴った。

驚いた運転手が近くの交番に駆け込み、通報を受けた北沢署は管内全域のパトカーを緊急配備して外車を追跡。数分後に約100メートル先の路上で女子大生を取り押さえた。けん銃はアルミ製のおもちゃとかった。

調べに対し、女子大生は「米国に2年間の留学経験があり、(おもちゃの銃は)護身用に持っていた。もう二度としません」と泣きながら反省していた。《共同通信》

【愛知県西尾市中学生いじめ自殺事件】発覚

愛知県西尾市、会社員Bさん(48)の二男で、同市立東部中学校(間宮衛校長)二年のA君(13)が、同級生によるいじめを苦に自殺していたことが1日、分かった。自室から「金をたかられたりしたので死にたい」などと書かれた遺書が見つかった。中学校が事実関係を調べているほか、西尾署は恐喝などの疑いで捜査を始めた。同署によるとA君は、計110万円以上を脅し取られたというメモを残していた。

家族の話では先月27日深夜、自宅の庭の木に掛けたロープでA君が首をつって死んでいるのを母親(45)が見つけた。さらに死後4日たった今月1日、自室の机の引き出しの中から遺書が見つかった。遺書には小学6年からいじめが始まり、一年、二年に進むにつれ同級生4人にたびたび金を脅し取られるなどひどくなった。金を払わないと近くの川に連れて行かれ、顔を水中に突っ込まれるなどの暴行を受けていたことなどが書かれていた。

学校側が遺書で名指しされた4人の生徒に聞いたところ、生徒と親はいずれもいじめの事実を認め、A君の葬儀が終わった1日夜、校長とともに自宅を訪れ遺族に謝罪した。また学校側が他の生徒らに話を聞くなど調べたところ、計約10人がいじめにかかわっていたことも分かった。

間宮校長の話では、今年10月、A君の自転車の泥よけが壊されていたことがあり、担任と生徒指導主事の教師らが「いじめられているのではないか」と尋ねた。また、それ以前にもA君の顔に殴られたようなあざがあるのに教師が気付いたが、いずれの場合もA君は「いじめではない」と否定したという。

父親のBさんは「息子は3月ごろから死を意識していたようだ。こんなひどいいじめは犯罪と同じで、警察は事実関係を徹底して調べてほしい」と話している。《共同通信》



12月1日のできごと