平成2082日目

平成6年9月20日(火)

1994/09/20

【オリックス・イチロー外野手】シーズン200安打到達

オリックスのイチロー外野手(20)は20日のロッテ3回戦(神戸)で、日本球界初のシーズン200安打を達成、球史に残る金字塔を打ち立てた。 今季122試合目のイチローは、園川から一、三回に中前安打して王手をかけ、六回の右越え二塁打で夢に到達。九回の左前打で201安打に伸ばすとともに、打率を3割9分3厘に上げ、4割への可能性も残した。

同選手は9日の近鉄戦で130試合制最多の185安打をマーク。14日の日本ハム戦で、シーズン191安打のプロ野球記録を塗り替え、前人未到の道を歩んでいた。 プロ3年目の同選手は今季、登録名を「イチロー」とし、柔らかなフォームからの一本足打法でシーズン当初から安打を量産した。大リーグ記録はジョージ・シスラー(ブラウンズ)が1920年に作った154試合での257安打。

日本球界ではだれも知らない夢の世界。ついに、その夢が実現した。先頭打者で迎えた六回、午後7時44分40秒である。 園川がカウント1−1から投じた129キロの変化球を捕らえた。光線のようなライナーが飛んでゆく。白球がカクテル光線に映える右翼後方の芝で弾んだとき、200回目の“H”が電光掲示板に点灯した。

「フォークです。強い打球を打つ。それだけです。会心(の当たり)だった」。予想通り、淡々としていた。わずかに表情を崩したのは、サヨナラ勝ちにつながる九回の左前打が新井打撃コーチの持つシーズン最多単打記録に並んだと知ったときだった。 それでもすぐに冷静になった。

「毎日毎日、これだけ言われ続けるとやっぱり意識はする。でもこっち(200安打)のほうが体は楽でしたよ」。バットを振り、グラウンドを駆けることに喜びがある。9日の近鉄戦で130試合制の最多安打記録を更新して以来、硬い気持ちは消えていたという。打席に立てば相手投手との対戦にだけ気持ちが集中していた。

次は4割、それともバース(阪神)の残した3割8分9厘のシーズン最高打率? 色めき立つ報道陣にき然と答えた。「210本が目標です。打率はどうでもいい。安打数を求めるのは精神的に苦しむのが嫌だから」。自らの意志を絶対に貫き通す、信念の男を象徴する言葉だった。《共同通信》



【大相撲秋場所】10日目

大相撲秋場所10日目(20日・両国国技館)若ノ花、貴ノ花の両大関と関脇武双山は、白星を重ねて10連勝。若ノ花は鋭い上手出し投げで魁皇を下し、貴ノ花は琴錦の動きを封じて上手投げで快勝した。武双山は新小結の舞の海を一方的に押し出した。舞の海は負け越し。大関貴ノ浪は琴の若を上手投げで破り9勝1敗。大関武蔵丸は剣晃を寄り切って2敗をキープし、勝ち越した。この日の結果、全勝の若ノ花、貴ノ花、武双山を1敗で貴ノ浪、2敗で武蔵丸が追う展開はそのまま。十両は若翔洋が7勝3敗で単独トップに立った。《共同通信》

【連立与党3党首】消費税率引き上げは1997年春

所得減税と消費税率引き上げを柱とする抜本税制改革の取りまとめを急ぐ連立与党は20日夜、首相官邸で村山首相、河野外相、武村蔵相の与党3投手に各党の政策責任者を加えた党首会談を開き、(1)所得減税の先行期間を3年とし消費税を1997年4月から引き上げる (2)95年以降の所得減税は、制度改正による恒久減税3兆5,000億円と、定額減税2兆円の「2階建て方式」の総額5兆5000億円とする(3)地方税を創設することで合意した。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は20日朝、首相公邸から官邸に通じる廊下で、同居中の孫(6つ)から「いってらっしやい」と、見送りを受けた。この光景を記者団に目撃された首相は照れながらも「よし、今日も頑張るぞという気持ちになるよ」と切り出し、会話は弾む一方。「(見送られると)スキッとする」「ある意味で元気の源じゃ」などと口走っては目じりを下げた。たまたまこの日は早朝出勤で、幼稚園に行く前の孫に見送られる幸運に恵まれたようで、周辺からは「首相の激務には孫の励ましがなにより」との声。

○…自民党の森幹事長はこの日の記者会見で「重役的ないすをやめ、背筋を伸ばして座れるようにした」と党本部総裁応接室のいすの取り換えを説明。従来のいすは、昭和62年に当時の中曽根首相が後継に竹下氏を指名するなど、同党の権力闘争の歴史が刻み込まれていた代物。森氏はこんな歴史には全く触れず、「重要な問題が山積しており、背中をぴんと伸ばして各分野での活躍を期待したい」と、続投の決まった役員の奮起を促すことしきりだった。《共同通信》

【アウン・サン・スー・チー女史】軍事政権幹部と会談

20日夜のミャンマー国営テレビによると、自宅軟禁中の民主活動家、アウン・サン・スー・チー女史が同日朝、ヤンゴン市内の国防省迎賓館で軍事政権のタン・シュエ国家法秩序回復評議会(SLORC)議長、キン・ニュン第一書記と会談した。スー・チー女史が1989年7月20日に軟禁されて以来、軍事政権の幹部と会談するのは初めて。また自宅から外に出たのも約5年2カ月ぶり。

会談の模様はテレビで放映されたが、内容は一切明らかにされていない。軍事政権はスー・チー女史との対話を継続する意向を表明しており、会談は今後も不定期に数回にわたって行われるとみられる。

テレビ画面に映った女史はピンクのシャツと同色の民族衣装(ロンジー)を着用。以前より幾分やせたが、健康状態は良さそう。タン・シュエ議長らに笑顔を見せるなど余裕も感じられた。

今年8月初め、英国在住のミャンマー僧エワタ師が一時帰国して面会した際、女史は軍事政権との対話を希望。同師が女史の意向を軍事政権側に伝え、政権側は年内に対話すると発表していた。

自宅軟禁の法的期限は来年1月に満期を迎えるため、軍事政権は期限までに女史との対話を重ねて何らかの合意を見いだすとともに、国際的なイメージアップを図ることを狙っているとみられる。

消息筋によると、女史は解放後は政党活動をしないと述べ、SLORCの政策をある程度評価するなど、以前より柔軟な姿を示しているが、海外居住だけはかたくなに拒否しているという。《共同通信》

【中国・北京市】外国人居住区で銃乱射

中国北京市の外国人居住区付近で20日朝、武装した男が通行中のバスなどに銃を乱射、イラン大使館員親子2人が死亡したほか、中国外務省から日本大使館に入った未確認情報によると、中国人3人が死亡した。

目撃者によると、負傷者は20人近くに上るとみられる。日本人に被害はなかった。犯人は警官隊と銃撃戦となり、射殺された。北京市公安当局は事件について一切発表していないため、犯人像や動機は不明だが、人民解放軍兵士との情報もある。

目撃者の話によると、事件が起きたのは午前7時20分(日本時間同7時20分)ごろ。犯人は迷彩服を着た30代から40代の男1人で、朝陽区建国門外の長安街と二環路の交差する建国門陸橋付近で持っていた散弾銃のような銃を乱射した。男は通りがかったタクシーを止めようとし、逃げ出したタクシーの運転手らが至近距離から撃たれ死亡した。

犯人はさらに、弾を充てんしながら、付近を通りかかったバスや乗用車などにも乱射。バスには出勤途中の乗客が多数乗っており、十数人が負傷した。事件発生直後、警察当局は武装した警官数百人を現場一帯に出動させ、犯人と銃撃戦になった。

犯人が警官隊に追われながら逃げる途中、イラン大使館員の親子が巻き添えで撃たれた。《共同通信》

【ハイチ】市民、警官隊と衝突

米軍のハイチ進駐2日目の20日、これまでハイチ軍事政権に抑圧されてきた市民の反軍感情が一気に表面化し、首都ポルトープランスの港では警官隊と市民数百人が衝突、少なくとも1人が死亡した。米軍の上陸後、死者が出たのはこれが初めて。米軍は衝突に介入しなかった。

米大使館などの情報を総合すると、上陸した米軍を見に集まった群衆を規制しようとした警官隊に、周辺にいた市民約6000人のうち数百人が抵抗、警官隊は短銃や催涙弾などで応戦しこの騒ぎでココナツ売りの中年男性が警官に殴打され死亡したのが目撃されているが、死者は2人との情報もある。

警官隊と衝突したのは、米国に亡命中のアリスティド大統領を支持する貧困層で「アリスティド、アリスティド」と名前を叫んだ。

米軍筋は「これまでの暴力に対し報復する市民と、報復を恐れる兵士や極右側の過剰な反応が心配」と警戒している。米軍は通常の治安維持はハイチ治安当局に任せるとの立場を取っている。

米軍のキャンプとなっている空港周辺では同日、警察官に市民が投石する場面が見られた。米軍上陸以来、ポルトープランス市民は空港や港湾施設のフェンスに鈴なりになって、警備する重武装の米兵を一日中眺めている。《共同通信》



9月20日のできごと