平成2081日目

平成6年9月19日(月)

1994/09/19

【台湾・李登輝総統】訪日断念

台北からの報道によると、台湾オリンピック委員会の張豊緒会長は19日記者会見し、李登輝総統の訪日断念を正式発表するとともに、徐立徳・行政院副院長(副首相に相当)、郭為藩・教育部長(文相に相当)は広島アジア大会に必ず出席すると明言した。総統の訪日断念に関して、スポーツに政治が干渉したとして日本、中国の両国を名指しで批判した。

張会長は、徐副院長の大会出席の目的は、2002年のアジア大会の台湾招致への理解とアジア・オリンピック評議会(OCA)加盟国との交流を深めるためだと述べ、政治的目的ではないことを強調した。台湾代表団は予定通り大会に参加する。

張会長はまた、2002年のアジア大会招致に成功した際には、必ず中国の指導者の台湾訪問を受け入れ、政治的理由でスポーツに干渉するようなことはせず、OCA憲章を守ると表明、李総統や徐副院長の訪日に反対している中国を批判した。

張会長は会見と同時に「OCAの一部加盟国は政治的目的で李総統訪日を不可能にした」との声明を一発表した。また総統府スポークスマンも声明を支持する談話を発表し、中国を「覇権主義的」として名指しで批判したが、日本については直接言及しなかった。

李総統の訪日は、OCAが12日に「日本以外の政治的人物は招請しない」との声明を発表したことで事実上不可能となっていたが、これまで台湾側は公式的には「依然としてアーマドOCA会長からの招請状は有効」との立場をとっていた。《共同通信》



【ボビー・バレンタイン氏】プロ野球・ロッテの次期監督に内定

ロッテの次期監督に米大リーグ、レンジャーズ元監督のボビー・バレンタイン氏(44)が決まった。重光昭夫オーナー代行は19日、来日中のバレンタイン氏と前日(18日)会談し、監督就任でほぼ合意に達したことを明らかにし、「内定と言っていいでしょう。今週中に仮契約する」と語った。3年契約の予定。《共同通信》

【大相撲秋場所】9日目

大相撲秋場所9日目(19日・両国国技館)若ノ花、貴ノ花、武双山はそれぞれ、持ち味を出した相撲で勝ち9戦全勝。大関若ノ花は、剣晃を突き落としで退け、貴ノ花は危なげなく魁皇を寄り切った。関脇の武双山は琴の若の変化に慌てず押しで快勝した。大関貴ノ浪は懐の深さを生かした右小手投げで実力者の琴錦を破り1敗を守って勝ち越した。2敗同士の大関武蔵丸と関脇貴闘力の一番はパワーに勝る武蔵丸に軍配が上がった。十両は浪乃花ら6人が6勝3敗で並んでいる。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は19日午後、首相官邸執務室前の花瓶にススキが飾られているのを見て「だいぶ秋らしくなったなあ。季節の変わり目は、やっぱり体で感じる」と、秋到来を象徴するススキの前でしばし足を止めた。記者団が「政局も変わり目か」と水を向けると「それも肉体で感じる」と、うなずいた。今月末の臨時国会召集を前に、税制改革の与党内調整が大詰めを迎えているだけに「難問山積だ。真正面から取り組んでいかなければいかんな」と秋台風への備えを、自らに言い聞かせるふうだった。

○…社会党の日野市朗税調会長(与党税調座長)は19日の党代議士懇談会で「税制改革は村山内閣の公約だ。自民、社会、さきがけ3党合意、首相の施政方針演説、本年度税制改正の付則にもあり、ナポリ・サミット(先進国首脳会議)では首相が国際公約した」と、何度も「公約」という言葉を口にした。同党では、先週末の中執懇談会で消費税率引き上げに反対ののろしが上がったばかりだけに、日野氏としては「理性的議論」を強調、改革への理解を求めたい腹だった。しかし、会場からは「国際公約と言っても日本が守らなかったことはある」とやじが飛ぶありさまで、日野氏は、ぶ然とした表情でひたすら「約束は守るべきだ」と繰り返すばかり。《共同通信》

【村山富市首相】自衛隊幹部に初訓示

村山首相は19日午前、防衛庁で開かれた第30回自衛隊高級幹部会合に社会党の首相として初めて出席し、「精強な自衛隊を維持するため、一層の努力を求む」と訓示した。

首相は「私は首相として、専守防衛に徹し、自衛のための必要最小限度の自衛隊は憲法の認めるものであるとの認識を明らかにした」と述べ、自衛隊の制服組を前に政権党として社会党が政策転換に踏み切ったことを強調した。

さらに専守防衛や日米安保条約の堅持などの方針に触れ「基本的な考え方は、今後とも一貫して採っていくものだ」と指摘し、政策の継続を確認した。同時に「国際協調体制の確立と軍備管理・軍縮の推進を図る」との決意を示し、社会党色を示した。

今後の安保・防衛政策の柱として、日米関係の重要性の確認、アジア諸国との信頼関係の強化、国連平和維持活動(PKO)への積極的協力、飢餓・貧困など地球規模の問題解決に役割を果たしていくことを挙げた。

続いて訓示した玉沢防衛庁長官は「国際社会で積極的な協力を行っていくことはわが国の国際的責務」と述べ、自衛隊がこの期待に、十分こたえるよう努力を求めた。また沖縄の米軍施設の整理統合は「重大な課題」と述べ、この問題に積極的に取り組んでいく姿勢を示した。《共同通信》

【村山富市首相】新生党・羽田孜党首と会談

村山首相は19日午後、新生党の羽田党首(前首相)と国連安保理常任理事国入り問題などをめぐって首相官邸で約40分間会談した。羽田氏はこの中で「常任理事国入りに際し、軍事的貢献はできないという留保条件を付けると及び腰と受け取られる」として、留保条件の撤回を求めた。これに対し、首相は「憲法の許す枠内で、貢献を表明することが必要だ」と答え、あくまで非軍事での貢献に限定する考えを繰り返し強調した。同席した河野副総理兼外相(自民党総裁)も「憲法を超えられないのは厳然たる事実だ」と述べた。 会談は、河野氏が国連総会で安保理常任理事国入りを表明するのを前に、野党が求めた。

羽田氏は、閣内に常任理事国入りに消極論があることを指摘しながら「他国は日本を逃げ腰とみる」と閣内不一致を批判。一国平和主義では孤立化を招くとして、国連総会で常任理事国入りを積極的に表明するよう求めた。

しかし、首相は「私は逃げ腰ではない。(閣僚の)多くが(常任理事国入りに)理解を深めている」と強調。さらに、首相は「国内にも(アジア近隣諸国など)他国にも懸念がある。内外に日本の立場を説明する必要がある」として、国連総会では「憲法上の制約」をあらためて説明する必要性を指摘した。

このほか、羽田氏はルワンダ難民救済のため、国連平和維持活動(PKO)に派遣される自衛隊員が軽機関銃を1丁だけ携行することになったことついて「不測の事態もある。部隊をまとめる人の判断を大事にすべきだ」と述べ、政府が設身用武器の携行を制限したことに不満を表明した。首相はこの問題については発言しなかった。

村山首相は19日夕、不破共産党委員長との党首会談で、国連安保理常任理事国入り問題について「(憲法の枠内での責献など)条件を付けると言われているが、外相は国連総会で日本の立場と解を述べるだけで、条一件ではない」との見解を示した。不破氏が「条件を付けても常任理事国は決定に対し負わされる」と指摘したのに対する反論で、首相は、ガリ国連事務総長が「理事国が決定にどう責任を負うかは別問題だ」と表明していることを挙げ、理解をめた。《共同通信》



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