平成2051日目
1994/08/20
この日のできごと(何の日)
【米・クリントン大統領】キューバに制裁
クリントン米大統領は20日声明を発表し、難民の急増を黙認しているキューバのカストロ政権に対する制裁措置として、在米キューバ人から本国への送金停止など3項目を実施すると表明した。
制裁措置は送金停止のほか、マイアミーハバナ間のチャーター便の制限と、米国からキューバ向けの国際宣伝放送の拡充。制裁の柱となる送金停止措置は医療など人道目的以外は全面禁止とし、送金のためには財務省の特別許可が必要となる。 今回の制裁措置に対し、キューバ放送は「キューバを一段と窮地に陥れるものだ」と米国を非難した。
現在、米国に居住するキューバ人は本国の家族、親類らに対し、3カ月に300ドルまでの送金が認められ、カストロ政権にとって有力な外貨獲得源となっている。今回の送金停止措置により、年間5億ドルの資金の流れが止まるとみられ、衰退を続けるキューバ経済には打撃となる。
送金停止に関連して、キューバに残る家族向けの贈り物も医薬品、食料など人道目的に限定する措置が取られた。チャーター便に関しては、今後、合法的に認められた移民に対してのみ使用が許可される。民間航空機乗り入れは既に禁止されている。
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米フロリダ州の沿岸警備隊当局は19日から20日夕までの1日間で、キューバ難民73グループの合計861人を海上や海岸近くで拘束したと発表した。キューバからフロリダに向けた一日の漂着者数としてはことしに入って最高で、8月だけで漂着者数は4370人に達した。
マイアミの地元テレビ局は19日にクリントン米大統領が発表したキューバ難民の無制限受け入れは拒否するという、米国の新政策が効果を挙げていないと報じた。《共同通信》
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【第76回全国高校野球選手権大会】第13日
第76回全国高校野球選手権大会第13日は20日、甲子園球場で準決勝2試合行い、樟南(鹿児島)と佐賀商(佐賀)が勝ち、ともに初優勝を懸けて決勝で対戦する。九州勢同士の決勝対決は史上初めて。両校は初の決勝進出で佐賀、鹿児島県勢としても、いずれも春夏通じて初の優勝を争うことになった。
同地区での決勝は第63回大会の報徳学園(兵庫)ー京都商(京都)の近畿勢対決以来。大会最終日の決勝は21日午後1時から同球場で行われる。《共同通信》
【自民党・森喜朗幹事長】連座制の強化必要
森自民党幹事長は20日、小松市で開いた自民党小松支部の政経文化パーティーの中で、衆院小選挙区比例代表制への移行に伴い、「小選挙区は金がかからない選挙になるということだが、現実にはかなり厳しい選挙が予想され、連座制の強化をしなければならない」と述べ、9月の臨時国会で腐敗防止法について審議する意向を示した。
森氏は腐敗防止法の必要性を強調するとともに、政党に対する公的助成に関連し、「血税が間違ったことに使われないよう、歯止めだけはきちんとしたい」との考えを示した。また、11日に勧告された小選挙区区割り案の臨時国会での審議は、「議論を長引かせるつもりはない」と、法案の早期可決、成立の見通しを示した。
森氏自身の出馬選挙区については、「私がここ(新2区)で戦うとは言えない。どこで戦うかは党が決めることだが、私の胸中は察してほしい」と述べた。森幹事長は引き続き、根上町で開いた国政報告会に出席した。《北國新聞》
【日航アルバイト問題】亀井運輸相、リストラ促す
亀井運輸相は20日、講演のため訪れた熊本市で記者会見し、日本航空のアルバイト(時給制)スチュワーデス採用中止問題に関連して「(航空各社は)この10年間で重役の数が5割以上増えている。経営陣が身を切る努力など(リストラ)を徹底してやらなければならない」と指摘、こうした観点からもアルバイトの採用は認められないとの考え方をあらためて強調した。
運輸相はさらに、自らのアルバイト採用反対表明について「当たり前の指示で、航空各社が運輸省の行政指導に従ってもらうことに期待する」と明言。
日経連の永野健会長が採用中止を批判したことに対しては「あさってのこと、全く耳を疑うようなことを言っている」と反発した。
日航は16日、人件費削減のため予定していた時給制スチュワーデスの採用試験の中止を決めた。運輸相が安全性の問題からアルバイト採用を批判したことに配慮した措置だが、航空業界などには運輸相の姿勢への疑問が出ており、永野会長もこれに同調していた。
20日の運輸相発言は監督官庁の方針に業界が従うのは当然と、今回の問題を行政指導の一環と位置付け、再反論したものだ。
日本航空によると、同社の役員数は1986年の22人から6割も増加、現在は36人に上っている。運輸相はこの点をとらえて、航空会社のリストラへの努力を促したわけで、この問題は今後も尾を引きそうだ。《共同通信》
【村山富市首相】アジア歴訪で戦後補償に言及へ
村山首相は20日までに、23日からのフィリピン、ベトナム、マレーシア、シンガポールの東南アジア4カ国歴訪の際、戦争責任問題について「アジア諸国に犠牲をもたらしたことに対し、不戦の決意とともに深く反省する」と表明。「戦後の課題への対応にも努めたい」と戦後補償問題の解決にも取り組む意向を固めた。
外務省は「4カ国の最大の関心事は経済協力」(幹部)として難色を示しているが、首相は桜井前環境庁長官が侵略戦争否定の発言で辞任したことを受け、踏み込んだ姿勢を打ち出すことで村山政権への信頼を得たい考えだ。《共同通信》
【柴田勝治さん】死去
日大前理事長で日本オリンピック委員会(JOC)名誉会長の柴田勝治氏が20日午前7時24分、肺気しゅのため、東京都千代田区の病院で死去した。83歳。岩手県出身。
柴田氏は明治44年、岩手県二戸郡一戸町で生まれ、昭和5年に日大に進学。ボクシング部に入り、明大選手と日本ボクシング界初のダブル・ノックダウンを演じた。戦時中は中国で放送記者。27年にボクシングの監督としてヘルシンキ夏季五輪に参加して以来、日本の五輪運動に深くかかわっていった。
47年の札幌冬季五輪をはじめ、59年ロサンゼルス、63年ソウルの両夏季五輪で計3度、日本選手団の団長を務めた。この間、日本体育協会理事、52年には法人化される前のJOC委員長に就任。豪放らい落な半面、ち密で洞察力に富んだ人柄でアマチュアスポーツ界のまとめ役として、手腕を発揮した。
55年のモスクワ夏季五輪のボイコット問題の際、涙を流して参加を訴える選手たちの意思に反し、JOCは自らの判断で不参加を決定。「千載一遇のチャンスを失った選手たちの心情を思うと心が痛む」と、政治に対するスポーツ界の無力さを味わった最高責任者の悲痛な思いを語っていた。《共同通信》