平成1833日目
1994/01/14
この日のできごと(何の日)
【ウクライナ】非核化に合意
モスクワを訪れたクリントン米、クラフチュク・ウクライナ両大統領は14日、クレムリンでエリツィン・ロシア大統領と首脳会談を行い、ウクライナ配備の戦略核を全廃する合意文書に調印した。米口両大統領は続いて二日目の会談を行い、新しい欧州安保構想へのロシアの参加などを盛り込んだモスクワ宣言や大量破壊兵器の拡散防止に関する声などに調印した。共同記者会見した米ロ両首脳は、米ロ協調関係が新しい段階に入ったと今回の首脳会談を評価した。クリントン大統領は公式日程をほぼ終え、15日次の訪問地べラルーシに向かう。
モスクワ訪問中のクリントン米大統領、クラフチュク・ウクライナ大統領は14日、エリツィン・ロシア大統領と首脳会談を行い、ウクライナに配備された旧ソ連の戦略核兵器のロシアへの移管と全面廃棄を今後7年以内に完了することを盛り込んだ三カ国声明と付属文書に調印した。ウクライナは核拡散防止条約(NPT)への早期加盟も約束した。
旧ソ連の崩壊で英国、フランス、中国を抜いて米ロに次ぐ世界第三位の核保有国となったウクライナの最近の非核化拒否の動きは、ずさんな核管理も含め世界的な懸念を呼んでいたが、今回の非核化合意で、主要な核拡散問題が解決に向かうことになった。
また、核を含む大量破壊兵器の拡散防止を外交上の柱としていたクリントン政権はロシアとの協調の枠組みの中で、大きな成果を上げた。調印後エリツィン大統領はクリントン大統領に「私たちの勝利だ」と語り掛け、握手した。
調印後に記者会見したクラフチュク大統領は「核軍縮の歴史の新しいページを開いた」と満足の意を表明。今回の合意が条約ではなく政治的声明の形をとっていることから、核保有論の根強い議会の承認は必要ないとの見方を示した。《共同通信》
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【大相撲初場所】6日目
大相撲初場所6日目(14日・両国国技館)かど番大関貴ノ花は琴別府に右の突き落としで逆転勝ち、関脇琴錦は関脇小錦を取り直しの末、右下手投げに下しともに6連勝。小錦は6敗となり、今場所での大関復帰が消えた。横綱曙は琴の若を落ち着いて寄り切り1敗を堅持。大関若ノ花は大善を力強い押しで退け4勝2敗。大関昇進を目指す関脇武蔵丸は新小結智ノ花を押し倒し、貴ノ浪は武双山を上手投げで破り5勝目を挙げた。幕内は貴ノ花と錦の2人が全勝で十両は朝乃若1人が勝ちっ放し。《共同通信》
【久保田経済企画庁長官】景気「総じて低迷」
久保田経済企画庁長官は14日の月例経済報告閣僚会議に、日本経済は「総じて低迷が続いている」とする1月の月例経済報告を提出した。昨年12月の「円高などの影響もあって」とのただし書きを削り、円高や冷夏の影響が薄らいでも厳しい状況が続いていると指摘。設備投資の動向を前月より厳しい見方に変えたほか、企業の業況判断は「このところ悪化が見られる」とした前月の表現から「このところ」を削除、低迷状態が長期化しているとの認識を示している。
これを受け、報告は「第三次補正予算による追加的措置を含め、幅広い観点から景気浮揚に役立つ施策を検討、総合的な経済対策を策定する」と、経済対策に全力を挙げる政府の決意を強調している。
経企庁は「景気は底ばい状態にあるとの判断は変えていないが、悪い状況が長期化している意味では、景気の厳しさが増している」(調査局)と説明した。
設備投資は、日銀の「企業短期経済観測調査」(昨年11月調査)で93年度の設備投資計画が製造業、非製造業とも前回調査より下方修正されたため、10月の製造業を中心に減少との判断を「全産業で減少が続いている」と厳しい方向に変えた。
また、10月に減少した製品在庫が11月には再び増加に転じたため、在庫調整は足踏み状態が長期化していると、前月より厳しい判断を示した。しかし個人消費は「総じて低迷」、雇用情勢も「製造業を中心に厳しさが見られる」など前月と同じ見方をしている。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は14日、56回目の誕生日を迎え、記者団と懇談した際、「河野自民党総裁から赤いバラの花束が届きました」エピソードを披露した。政治改革法案の参院審議をめぐり、国会が緊迫している時だけに、記者団が「何かメッセージは」と尋ねると、「いえ、ありませんでした」と答えた後、「バラの花だから、トゲがある。何かあるのかなあ」。警戒感をちらリとのぞかせながらも早速、お礼の電話。おまけに15日は河野氏の誕生日とあって「赤ワインを贈ります。何かメッセージも」と誕生日にかこつけ懸命の意思疎通?
○…自民党の森幹事長は14日の記者会見で、参院での政治改革法案の日程が連立与党ペースで進められていることについて「異常事態。議会制民主主義の危機だ」と連立側の国会運営を表しく批判。自民党の衆院予算委開会要求に応じる姿勢を示していないことにも「法案の妨げになるわけでもないのに、何をおびえているのか」と怒りをぶちまけた。だが焦点となっている法案の修正協議については「マナーから言えば連立から求めてくるのが筋。こちらからの要請は現時点では慎むべき」と一転、歯切れの悪い口調に。第二の「万年野党」の恐れも。《共同通信》
【法務省】命名基準を見送り
東京都昭島市で長男を「悪魔」と名付けた出生届が出された問題で、法務省は14日、「具体的な事案について親権の乱用かどうかを判断すべきで、一般的にこれが乱用に当たると定めることは難しい」との判断を示し、人名についての基準などの通達を見送る方針を固めた。
「悪魔」の命名問題は同日午前の閣僚懇談会で取り上げられ、佐藤自治相が「行政指導する自治体の立場に配慮しなくてはならない」とし「人名について何らかの法的根拠のある基準、規範をつくることを検討すべきだ」などと指摘した。
これに対し、三ヶ月法相は「子供の将来に適当ではないと考えるが、親の命名権もあり、法的根拠がないと具合が悪い。価値評価基準が必要ではないか」と答え、同省民事局長通達などを検討するとしていた。
しかし、民事局では親権の一部として①命名権への行政の介入は極力避けるべきだ②命名権の乱用かどうかは個別の事案について判断する③通達を出す法的根拠がないーなどの理由から「一般的に国が親に子供の名前はこうあるべきだなと教えることはすべきでない」(同幹部)との見解を示している。《共同通信》
【川崎磯信さん】新社名は「食糧庁殿 私はヤミ米屋です」
食糧管理法違反(無許可販売)の罪で公判中の13日に富山県警から2回目の摘発を受けた富山県婦中町、米販売会社「コメックス」(元の川崎商店は清算中)の川崎磯信社長(57)は14日、コメックスを休業し、4月をめどに新たに株式会社「食糧庁殿 私はヤミ米屋です」を設立する準備を進めていることを明らかにした。川崎社長は「この社名で食糧庁との闘争を続けたい」と話しているが、一風変わった社名は関係方面で波紋を呼ぶものとみられる。
川崎社長は昭和50年6月に農機具、家具販売や種苗、飼料販売を業とする株式会社「川崎商店」を設立。以後、米穀販売も手掛けたが、平成四4年10月、食糧管理法違反で富山県警の家宅捜索を受け、「一時的に資金繰りが悪くなった」(川崎社長)として同年12月、同社を解散登記した。これより先の平成4年9月には、「川崎商店」の米穀販売部門の店名と同じ株式会社「コメックス」を長女を社長にして設立、同5年4月には川崎さん本人が名実」ともに同社の社長となり、富山市内に5店舗、婦中町内に2店舗を構えてヤミ米を公然と販売している。
川崎社長は「毎週、土、日曜日に食糧庁のおひざ元である東京都の光が丘団地でトラックの荷台を利用してヤミ米を売る際、トラックに張ってある『食糧庁殿私はヤミ米屋です』の文句が消費者に受けているので、いっそ社名にしたほうが商売になると考えた」と新たな社名での会社設立の理由を話している。
川崎社長は14日午後、東京都練馬区の光が丘団地でのヤミ米販売のため、東京へ向かった。その際、富山食糧事務所に寄り、東京へ運ぶヤミ米の明細書を手渡した。《北國新聞》