平成1805日目

平成5年12月17日(金)

1993/12/17

【東芝】ココム違反で輸出禁止

総合電機メーカー「東芝」が昭和61年当時、対共産圏輸出調整委員会(ココム)で規制された半導体製造技術や集積回路を旧東ドイツに密輸出していたことが分かり、通産省は17日、外為法違反で東芝に対し、1カ月間のココム対象地域への集積回路の輸出禁止処分をした。密輸された集積回路の代金回収に関与した「三井物産」に対しても厳重注意処分にした。

今回の事件で通産省は、「62年にも内部調査をしたが東芝側は当時、「違反事実はない」と疑惑を否定、再調査で事実を認めた。通産省は、計画的、組織的な犯行だったことが判明したため処分に踏み切ったとしている。

通産省によると、東芝は61年7月、旧東ドイツの「エレクトロニーク公団」との間で、256キロビットダイナミックRAM(随時読み出し書き込みメモリー)の製造技術を供与することで合意した。

同年、東芝機械の旧ソ連向け工作機械の不正輸出事件が発覚したため、この計画は中断した。しかし、この過程で、同年12月から62年2月にかけて、64キロビットダイナミックRAM製造用マスク(回路焼き付け用フィルム)70枚、シリコンウエハー(回路の基板)150枚を通産大臣の承認なしに輸出した。

ココム違反

軍事技術などが共産圏に流出するのを防ごうと、昭和24年に対共産圏輸出調整委員会(ココム)が設立され、北大西洋条約機構(NATO)の15カ国と日本、オーストラリアの計17カ国が加盟した。

ハイテク製品を中心とした品目が輸出禁止になり、これらの品目を輸出した場合はココム違反となり通常、外為法が適用される。しかし、ソ連・東欧の民主化で100以上あった規制品目は大幅に緩和され、平成3年に一部軍事技術を除き、原則自由化された。《共同通信》



【大蔵省】JT株の年度内上場を断念

大蔵省は17日、日本たばこ産業(JT)株の本年度内上場を見送ると発表した。最気や企業業績の先行きに対する不安感から11月以降、株価が急落、その後も回復の気配を見せないことから、新たに大量の株式を市場に出すことは当面無理と判断した。JR東日本株の上場が株価急落のきっかけとなったことも決断の背景にある。

同省は来年度予算に改めてJT株の売却益を計上する方針で、できるだけ早く上場したいとしているが、JTの平成6年3月期決算がまとまる5月以降に再度、上場申請をし直さなければならず、上場の実現は早くても夏以降となりそうだ。

JT株の上場が来年度以降に先送りされたことで、来年度に上場を予定していたJR東海株、JR西日本株の上場スケジュールも大幅に遅れるのは確実な情勢となった。

政府はJT株売却について、今年6月の国有財産審議会の答申を受け、5年度中に政府が保有する全発行済み株式200万株のうち、3分の1に当たる66万6000株(1株額面5万円)の売却を決定、5年度予算で2788億円の売却益を予定していた。

7月下旬には、国内の8証券取引所に上場申請も済ませていたが、JR東日本株が上場された10月26日を境に、株価が急落。それまで2万円台を維持していた平均株価は一時、1万6000円を割り込み、JR株上場は失敗に終わった。

平均株価はその後、1万8000円台を回復したものの、東京証券取引所の日の売買高は2000億—3000億円程度にとどまっており、市場関係者がJT株上場が可能となる目安としている5000億円程度に程遠い状態が続いている。《共同通信》

【日経平均終値】

17日の東京株式市場は、政府による景気対策への期待やJR東日本株の堅調な値動きを好感し、外国人投資家らが積極的な買いを入れたことなどからじりじりと値を上げた。平均株価(225種)の終値は三日続伸し、前日終値に比べ262円63銭高の1万8051円91銭と、先月18日以来、1カ月ぶりに1万8000円台を回復した。出来高は約2億7000万株だった。《共同通信》

【自民党・西岡武夫元総務会長】離党

国会の会期延長を決めた衆院本会議に、党のボイコット方針に反して出席、賛成した自民党の西岡武夫元総務会長は17日、党本部で河野総裁と会い、離党届を提出した。これで会期延長問題をめぐる自民党の離党者は4人となった。

西岡氏は記者会見で「4、5人で衆院に新たな会派届をしたい」と述べ、21日に、既に離党している石破茂、笹川堯、大石正光の3氏と新会派を結成することを明らかにした。新会派には無所属からさらに1人加わる見通しという。

西岡氏は今後の政治活動について「政治的立場を固定化させることは考えていない」と述べ、特定の政党と統一会派を組むことは否定したものの、「是々非々で対応したい」と、連立与党との連携の可能性には含みを残した。《共同通信》

【細川護熙首相】予算越年編成を決断

細川首相は17日深夜、連立与党内の調整が行き詰まっていた1994年度予算案の編成時期について「越年編成」とすることを決断、武村官房長官が記者会見して発表した。武村長官は同時に「15カ月予算」の考えから景気対策のため第三次補正予算を編成する方針を明らかにした。

来年度予算案の編成時期について長官は「政治改革法案を仕上げてから」と述べ、場合によっては来年度予算案の国会提出は来年2月までずれ込む可能性を示唆。同時に、年末から年始にかけて追加的景気対策を総動員し、1月中の第3次補正予算に盛り込む方針を示した。《共同通信》

羽田外相がダメ押し

年内編成か、越年かー。細川首相が来年度予算編成の日程を決断すると断言した17日午後から深夜にかけ、首相官邸を舞台に、「年内派」と「越年派」が土壇場の攻防を繰り広げた。

公明党の市川書記長が国会内での代表者会議で、16日に社会の村山委員長が「年内編成」の「陳情」に官邸に出掛けたことを取り上げ、社会党に痛烈な攻撃を浴びせていた少し前の午後1時半、羽田外相が官邸に駆け込んだ。

首相がこの日昼の経団連の会合で、「(年内編成の要望の)期待にこたえたい」と発言したのを聞き、慌ててただしに来たのだった。その直後には同じ「越年派」の藤井蔵相も加わった。

羽田氏は副総理だが、新生党の党首。市川氏の発言とは裏腹に、官邸関係者は「首相の心が微妙に揺れていると思い、新生党が巻き返しに来た」と見た。

夕方になって、「一本化は困難」との結論で代表者会議は散会、再び、ボールが官邸に返ってくると、首相執務室には武村官房長官、園田さきがけ日本新党代表幹事、田中首相特別補ら「さきがけグループ」が相次いで出入りした。

武村民もいったんは断念したとはいえ、もともとほ「年内派」。同じころ、社会党幹部は「首相が年内編成を決断する可能性はまだある」と漏らした。連立与党の幹部も「首相の心は一時は揺れた」と証言する。

こうした騒ぎが一段落した午後8時前。今度は斎藤大蔵事務次官が厳しい表情で官邸へ。武村、鳩山、石原の正副官房長官の官邸首脳も加わり、最終決断の会議。約40分の会談を終えた斎藤次官は「越年編成のケースなどを説明した。あとは政治決断」。大蔵省サイドは「年内は困難」と「最後通ちょう」を突きつけた形となり、鳩山氏は各党幹部へ電話連絡に走った。

午後9時すぎ、羽田外相が再び乗り込み、首相と二人きりで45分間の会談。羽田氏は「本予算の中で景気対策をやろうとしてもどうしても限界がある」とダメを押した。《共同通信》

【政界談話室】

○…来年度予算編成をめぐって連立与党代表者会議が17日午後開かれたが、公明党の市川書記長がこの日午前に、与党内調整を飛び越え、いきなり政府与党首脳会議が開かれたのが腹に据えかねた様子で、「話がこんがらがる。何でも官邸に来いというのでは、後で駄目なものは駄目と与党が言っていいのか」。さきがけ日本新党の園田代表幹事が「その話は後に」となだめたが、今度は前日に単独で官邸を尋ねた社会党に矛先を向け、「個別にやっていいのか」と憤まんやるかたない風。

○…横路北海道知事がこの日、自民党本部を訪れて森幹事長に北海道新幹線の予算陳情。森氏が「問題は来年度予算の年内編成だ。年明けの編成なんて政府の予算編成権を放棄するものだ」と細川政権を批判すると、横路氏は「私もぜひ早くやってもらいたいと思っている」と同調。さらに森氏が「あなたは有力な(社会党の)党首予定可能者だ。連立政権の中で社会党は振り回されているから、しっかりしろと言ってくれ」と逆陳情に及んだ。予算編成問題では自民、社会両党の「55年体制」共闘が成立?《共同通信》

【新潟県議会】細川内閣は退陣を

新潟県議会は17日、政府が新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の農業交渉調整案を受け入れたことに関連して、細川内閣の退陣を求める決議を自民、共産両党の賛成多数で可決した。社会党などは「過去の歴代自民党内閣の農政の責任に触れていない」などとして反対した。

決議は、調整案受け入れについて「再三にわたる国会決議ならびに各党の公約に反するのみならず、わが国農業を崩壊させ、国土や自然環境の維持をも危うくするもの」とした上で「細川内閣の責任を強く糾弾し、退陣を求める」としている。都道府県議会が内閣退陣にまで踏み込んだ決議をするのは極めて異例。《共同通信》



12月17日のできごと