平成1797日目

平成5年12月9日(木)

1993/12/09

【南アフリカ】選管委員長に黒人女性

南アフリカの暫定執行評議会は9日、来年4月末の全人種選挙を運営する選挙管理委員会の委員長に、黒人女性で南ア開発銀行幹部職員のレノシ・モカテさんを指名した。

男女を問わず黒人が南アの政府機関の代表となるのは史上初。7日の評議会発足で350年にわたる白人支配に終止符を打った南アの新時代を象徴し、黒人の政治参加を加速させる人選になった。

モカテさんは10日に発足する同委員会によって正式に任命されるが、委員長就任は確実。このほか、選挙実務を担当する3人の補佐官の1人にもトランスカイ・ホームランドの黒人官僚が指名された。

選挙管理委員会は全人種選挙の実施に大きな責任を負う。黒人主導政権の誕生が確実視されている同選挙では、白人、黒人右派による妨害工作が予想され、公正な選挙の実施は南アの将来のかぎを握るといわれている。

モカテさんは暫定執行評議会の前身の多党間制憲交渉会議の事務局員を務めるなど、民主化交渉に精通している。《共同通信》



【プロ野球・横浜】駒田徳広内野手の入団を発表

横浜は9日、横浜市内のホテルで、巨人からフリーエージェント(FA)宣言した駒田徳広内野手(31)と現状維持の年俸1億2000万円で契約し、入団を発表した。背番号は巨人時代と同じ10。横浜では外国人選手を除き初の1億円プレーヤーとなり、チーム最年長選手にもなった。

岡崎球団社長らと契約を交わした駒田は、全試合出場で打率3割、本塁打30本を目標に掲げるとともに「練習や試合で自分がしっかりとすることにより、優勝争いに加われるよう、チームにいい影響を与えたい」と、リーダーとしてチームを引っ張る意欲を口にした。

巨人のヘッドコーチ時代に駒田と親交のあった近藤監督は「若い選手が多いので手本になってもらいたい。優勝で私を男にしてほしい」と大きな期待を寄せた。《共同通信》

【韓国・金泳三大統領】コメ部分開放を発表

新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の妥結期限を目前に控えた9日午前、韓国の金泳三大統領はテレビ、ラジオを通じて国民に対する特別談話を発表し、韓国のコメ市場を部分開放すると述べた。大統領はコメ市場開放を完全に阻止できず、昨年の大統領選挙時の公約を守れなかった責任を認め、国民に謝罪した。

金大統領は、コメ問題で反対運動が急速に高揚したのを正面突破するため、当初12、3日ごろに予定していた発表を早めたといわれる。細川首相が7日、コメ市場の部分開放を受諾する意向を表明した後だが、日本政府の公式発表より一足早まった。《共同通信》

【政府、与党】コメ部分開放最終決定を見送り

政府、連立与党は9日夜、コメ市場開放問題をめぐる2回目の緊急首脳会議を首相官邸で開き、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)のドニ市場参入担当議長が示した調整案に対する最終態度決定に向けて協議した。

この中で、7日の首脳会議で示された調整案骨子に、6年間の関税化猶予期間後の追加的譲歩や関税率低減に関する条項が欠落していた点に与党側から「大事なことをなぜ(骨子から)漏らした」などの批判が集中。細川首相が「私が最高責任者でありおわびする」と陳謝した。

このため首脳会議は合意には至らず、政府側が目指していた10日の閣議での正式決定は見送られ、各党が最終調整案を持ち帰った。首相は11日にも最終決着を図る考えで、10日の参院予算委員会終了後に改めて首脳会議を開き、各党の了解を重ねて求める。調整に手間取ってさらにずれ込んでもウルグアイ・ラウンドの実質的交渉期限である13日までには調整案受諾を正式決定する方針だ。

首相は「日本が新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)を壊したことにならないよう、苦しい状況でご苦労と思うが、なんとかまとめてもらいたい」と述べ、調整案受け入れに向けて党内意見の集約を急ぐよう要請した。

また武村官房長官は最終態度決定の手続きについて、閣議で外相の報告を了承するだけで、閣僚の署名は求めない方針を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は9日、都内の所有マンションを貸していた人気女優の浅野ゆう子さんについて記者団に聞かれ、「(会ったことは)一回あります。熊本で映画祭か何かのときに」と、面識があることを明らかにした。しかし、トレンディードラマの主役が相手だけに、憶測を嫌がってか「(マンションの件は)私は、関係ありません」。「話題になったことは迷惑か」との質問には「僕は迷惑じゃない。向こうは迷惑かもしれないが」と、浅野さんを気遣う余裕もちらり。

○…武村官房長官は9日昼、参院予算委の合間を縫って都内で講演。政権発足からちょうど4カ月経過し「米国流に言えば蜜月の100日は終わった」と説明した武村氏は、「一つの津波が来ても厳しいのに、三つ、四つも来ている」。ままならない国会運営に「国会は古色蒼然とした慣行がいっぱいだ。時間厳守だけは励行させられる」と愚痴も。最後は「連立政権はばらばらでも多様性の魅力がある」と懸命にアピールしていたが、コメ問題で足並みがそろわない連立与党の現状は「多様性」では済まされない?《共同通信》

【EC、ロシア】協力宣言に調印

ベルギー訪問中のエリツィン・ロシア大統領は9日、ブリュッセルの欧州共同体(EC)委員会で、ドロール委員長、議長国ベルギーのデハーネ首相とともに、ロシアとECの協力と協調に関する共同政治宣言に調印した。双方は当初、友好協力協定に調印する予定だったが、ロシアのアルミニウム輸出などをめぐり貿易、経済摩擦が顕在化したため、協定の基本条項を盛りんだ宣言の調印にとどまった。

しかし宣言は、ECが12日のロシア新議会選挙を「初の自由選挙」として全面支持を表明したほか、市場経済に向けたロシアの改革への支援を鮮明にしており、選挙を目前にECがロシアの「後ろ盾」としてエリツィン大統領を側面支援する印象を強くにじませた。

調印後記者会見した大統領は「協定の準備は基本的に終わった。協定はロシアと欧州とだけでなく、日本、米国との協力も促進する。最終的には大共同欧州につながるものだ」と述べ、ロシアと欧州の一体感を強調した。

ドロール委員長は、協定の仮調印に失敗したことを率直に認め、協定内容をめぐりロシアと食い違いが残っていると指摘した。

宣言は、ロシアが国営経済と決別し、市場経済に向けた移行期にあると指摘。ECは市場経済への移行を助け、やがてロシアにEC市場を開放。①輸入規制の廃止②大部分のロシア製品の非関税化③モノ、カネ、サービスの移動の自由化ーを段階的に実現し、将来的には「拡大欧州とロシアが段階的に経済統合へ向かう」として、ロシアが欧州の一員であることを鮮明にした。

大統領はまた北大西洋条約機構(NATO)のウェルナー事務総長や欧州議会のクレプシュ議長、メージャー英国首相らと個別に会談。夜はEC加盟国首脳との夕食会に臨む。《共同通信》



12月9日のできごと