平成1723日目

平成5年9月26日(日)

1993/09/26

【カンボジアPKO】最後の150人帰国

カンボジアでの国連平和維持活動(PKO)を終えた陸上自衛隊の第二次派遣施設大隊(石下義夫大隊長)のうち、車両など引き揚げ物資積み込み作業のために最後まで残っていた第二陣の150人が26日夜、国連チャーター機で約5カ月半ぶりに北海道千歳市の航空自衛隊基地に戻った。国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)に派遣されていた日本の文民警察官や、ボランティアらは既に帰国、カンボジアでは24日に新憲法を公布、新政府が発足するなど国家再建へ動き出した。多くの論議を呼びながら、ほぼ一年間の日本初の本格的PKO参加が終了した。

千歳基地では家族のほか、選挙監視員を務めた人たちや自衛隊関係者ら約1300人が出迎えた。石下大隊長の帰国報告、入国手続きの後、隊員らは家族と久々の再会を喜び合った。

第二次大隊の第一陣449人は14日帰国しており、来月3日には北海道恵庭市の陸上自衛隊南恵庭駐屯地で大隊旗返還式を開き、正式に解散する。

昨年9月に派遣された第一次大隊の後を受け、今年3月末から4月にかけてカンボジア入りした第二次大隊は、道路や橋の補修のほか予定されていなかった総選挙の支援業務も行った。《共同通信》



【UNTAC・明石康代表】離任

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石康特別代表は26日午前、プノンペンのポチェントン空港を出発、バンコク経由でニューヨークへの帰途に就いた。明石代表の離任により、約20億ドル(約2100億円)の費用をかけ、軍事・文民両部門で約2万2000人を動員した国連史上最大規模の平和維持活動(PKO)は名実ともにその幕を閉じる。

昨年3月15日から18カ月余にわたったUNTACの活動期間中、カンボジアは国連による全面管理という前例のない和平プロセスに沿って総選挙を実施、今月24日には立憲君主制を柱とする新憲法が公布され、新生「カンボジア王国」政府が誕生した。内戦に明け暮れた国家の復興、再建は今後、カンボジア人自身の手にゆだねられることになる。《共同通信》

【大相撲秋場所千秋楽】横綱曙、全勝優勝はならず

大相撲秋場所千秋楽(26日・両国国技館)14日目に2場所連続通算5度目の優勝を決めていた横綱曙は、大関貴ノ花に敗れ痛恨の初黒星で14勝1敗。平成元年秋場所の横綱千代の富士(現九重親方)以来、4年ぶりとなる全勝優勝はならなかった。今場所での横綱昇進が果たせず、史上最年少横綱昇進の消えた貴ノ花は12勝3敗とし、来場所に横綱昇進の望みをつなぐ格好となった。

新大関若ノ花は関脇武蔵丸に敗れて9勝6敗。武蔵丸は入幕以来12場所連続の勝ち越しを決めた。新小結の琴の若も勝ち越しを決めたが、小結貴闘力が負け越した。

三賞は久島海が2度目の敢闘賞、技能賞は智ノ花が初で舞の海が3度目の受賞。十両は浜ノ島が11勝4敗で初優勝した。《共同通信》

【F1】アラン・プロスト選手、4度目の総合優勝

自動車のフォーミュラワン(F1)総合優勝の栄冠は、今季限りりF1からの引退を表明しているウィリアムズ・ルノーのアラン・プロスト(フランス)に輝いた。シリーズ第14戦、26日のポルトガル・グランプリを冷静な走りで2位フィニッシュ。4度目の総合優勝を決め、最後のシーズンに花を添えた。

頭脳的なレース運びと、卓越したドライビング技術で「プロフェッサー」と称された38歳のプロストの走りはこの日も変わらなかった。「このレースは確かに勝ちたかったが、総合優勝のため無理なことはしなかった」と目前を走るミヒャエル・シューマッハーを強引に抜こうとはせず、確実にポイントを狙った。

レース後の記者会見では「自分のやってきたことを誇りに思う。笑ってF1を去りたい」と語った。その言葉通り、偉大な「プロフェッサー」の歩みは多くの記録に彩られている。

F1通算51勝は2位のアイルトン・セナの39勝を大きく引き離す史上最多。総合優勝4度は、ファン・マヌエル・ファンジオの5度に続く歴代2位。特にマクラーレン・ホンダに乗った88、89年には同僚のセナと激しく総合優勝を争い、プロスト、セナの対照的なキャラクターと走りは日本のF1ブームに火を付けた。

一時代を築いたネルソン・ピケ、ナイジェル・マンセルらの世代がF1から去り、今シーズンはシューマッハーやジャン・アレジ、デーモン・ヒルら若いドライバーの活躍が目立つ。プロストの引退はこうした世代交代を一層印象付けるものとなった。《共同通信》

【警視庁】不法滞在のイラン人87人を摘発

警視庁公安部と東京入国管理局などは26日、東京都渋谷区のJR原宿駅周辺で外国人不法滞在者の取り締まりを行い、入管難民法違反(不法残留)の現行犯でイラン人20人を逮捕、67人を入管に収容し、偽造テレホンカード約1000枚を押収した。《共同通信》

【竹下登元首相】第一線復帰に意欲

自民党の国会内会派から離脱中の竹下元首相が26日午後、松江市で開かれた自民党島根県連大会に県連最高顧問として出席、一線復帰への意欲を見せた。

竹下氏は河野総裁、橋本政調会長を前に「二人とも昭和12年生まれで若い指導者だ。これからの自民党は老壮青一体の国民政党となり、再び政権の座に就くまで頑張ろう」とあいさつ。この後の政経文化パーテーィーでも「自民党には河野さんとか橋本さんとか船頭はいる。われわれも老骨にむちを打って働かせていただく」と述べた。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】細川首相を批判

中曽根元首相は26日、民放テレビに出演し、細川首相について「その場その場でカメレオンのように動いている。外国からは政権が弱いとばかにされている。米国やロシアも日本に対して変わってきた」と政治姿勢のあいまいさを批判した。また最近の首相について「昼間の朝顔になってきた。朝は花が咲いたが、太陽が出てくると、だんだんしぼんでくる感じだ」と評した。

景気対策に絡む所得減税の実施については「所得減税を簡単に言うのは疑問だ。その前に政策減税をやるべきだ」と、土地税制の見直しなどを先行して実施すべきだとの考えを示した上で、所得減税の財源として取りざたされている消費税率引き上げについては「10%も消費税率を上げて所得減税をしても国民は喜ばない」と慎重にすべきだとの考えを示した。《共同通信》

【茨城県知事選】橋本昌氏が初当選

大手ゼネコン汚職事件で起訴された竹内藤男前知事の辞職に伴う茨城県知事選は26日投票、即日開票の結果、無所属新人で元自治省課長の橋本昌氏(47)=自民、新生、日本新、さきがけ推薦=が、いずれも無所属新人で前水戸市長の佐川一信氏(53)、元県議の田中克也氏(40)、労組役員の兼田昭一氏(46)=共産推薦=の3人を破り、初当選した。

橋本氏は県内ほとんどの市町村長、農協、各種業界団体など強力な支援組織に支えられて満遍なく保守層の支持を集めた。楽勝ムードによる陣営の緩みや事件の逆風、知名度不足で予想外の苦戦を強いられたが、終盤、危機感で組織を引き締め、低投票率にも助けられて佐川氏を振り切った。《共同通信》

【徳島県知事選】円藤寿穂氏が初当選

任期満了に伴う徳島県知事選は26日投票、即日開票の結果、無所属で新人の円藤寿穂氏(50)=自民、社会、公明、新生、日本新、民社、さきがけ推薦=が、共産公認の党県委員長中野昭氏(62)ら新人2人を破り、初当選した。

関西新空港などのプロジェクトを見据えた生活基盤整備対策、県内でダム、発電所計画が進む中での環境問題などが主な争点となったが三木申三現知事の政策の基本的継承を訴えた7党相乗りの円藤氏が大勝した。《共同通信》

【米・アリゾナ州】ドーム実験の8人、外界へ

米アリゾナ州の砂漠地帯に建てられた巨大ドーム「バイオスフィア(生命圏)Ⅱ」で、外界と遮断された自給自足の共同生活を送っていた米国、英国、ドイツ、ベルギーの科学者計8人(男女4人ずつ)が2年間にわたる長期実験を終え、26日朝(日本時間27日未明)、ドーム外に姿を現した。関係者によると、密閉空間での人類の滞在期間としては、史上最長という。

「現代版ノアの方舟」あるいは「ミニ地球」とも呼ばれたこの実験には、地球の生態系をまねた人工の環境の中で、人間がどのようにすれば資源を有効利用し、自然と共存できるかを探る目的で行われた。実験は、約1万3000平方メートルの敷地に、ガラスで覆われたドームを設け、内部に居住区のほか砂漠、サバンナ(草原)、熱帯雨林、入り江など地球上の様々な「自然」を再現。約4000種の動植物や昆虫も生息する中で、8人は有機農業による収穫で食糧の約8割(残りはあらかじめ貯蔵)を賄ってきた。前例のない大掛かりな実験のデータは、環境保護や宇宙基地建設などに活用される見込みという。

しかし、実験期間中にドーム内の酸素濃度が大幅に低下したため、大量の酸素を注入したことなどから、厳密な意味での密閉空間とは言えないとの批判も出ている。また1億5000万ドル(約158億円)に上る費用の一部を回収するため、一人当たり13ドルの入場料を取って観光客を集めたため、商業主義に偏っているとの声も根強く、スタッフが辞任する騒ぎも起きた。《共同通信》

【藤井裕久蔵相】所得減税に前向き

藤井蔵相は26日夕(日本時間27日午前)、国際通貨基金(IMF)暫定委員会後の記者会見で日本の税制改革について「国民の期待と逆になるような事態にはならない。皆が考えている線で着実に進んでいる」と述べ、所得税減税の先行実施に蔵相として初めて前向きな姿勢を示した。

前日の先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)では、所得税減税を念頭に置いた税制改革が景気対策の上でも日本に必要との期待が米国などから表明されている。蔵相の発言は、これを踏まえたものとみられ、所得税減税の実施問題は11月の政府税制調査会の答申を受け、政府は年内にも政治決断する可能性が大きくなった。《共同通信》

【羽田孜外相】イスラエル・ペレス外相と会談

羽田外相は26日午後(日本時間27日午前)、ニューヨーク市内のホテルでイスラエルのペレス外相と約45分間会談した。ペレス外相は「パレスチナ暫定自治合意の実施を政治的にも経済的にも成功に導くことが重要だ」と指摘、日本に対し、パレスチナ財政支援と「新しい中東建設」への積極的関与を要請した。これに対して羽田外相は、パレスチナ支援のため10月1日にワシントンで開催される「中東和平支援国会議」に言及し「世界が支援への意志と関心を示すことが重要」と述べ、前向きに対応する考えを表明した。

ペレス外相は「新しい中東建設」の一環として、専門家を集めた「賢人会議構想」を提案したが、具体案は示さなかった。両外相は、農業、医療分野でのイスラエルの高い技術水準を両国が協力してアラブ地域に広げる方策を検討することで一致した。羽田外相はペレス外相の招請に応じて、イスラエルを早い機会に訪問する意向を示した。《共同通信》

【細川護熙首相】常任理入り「推されればなる」

細川首相は26日(日本時間27日)、米ABCテレビ番組のインタビュー録画撮りで、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りについて「推されればなるという自然体でいくのが私の考えだ」と述べ、日本が自ら積極的に常任理事国入りを目指すのではなく、多くの国から求められる形で実現するのが望ましいとの考えを改めて表明した。

またコメ自由化について、首相は「わが国では文化の根幹にかかわる難しい問題だ。新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の成功に向けて、いろいろな問題に取り組み、農業についてもお互いが抱える困難を乗り越えていかねばならない」と述べ、新ラウンド成功に努力する姿勢を示した。さらに、日本の黒字削減に絡む数値目標の設定問題については「自由な経済活動の結果生じるものだから、コントロールすることは困難だ」と、重ねて否定的な考えを示した。《共同通信》



9月26日のできごと