平成1709日目
1993/09/12
この日のできごと(何の日)
【タケオ基地】カンボジアPKO活動の拠点が閉鎖
カンボジア国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛隊の施設部隊が昨年9月から1年にわたって拠点としてきたタケオ基地が12日午前、PKO任務の終了、部隊の撤収に伴い閉鎖された。
部隊の引き揚げを受け、派遣以来使ってきた建設機材や基地資材の一部、総額約11億円相当をカンボジア暫定国民政府に無償で引き渡すことになり、閉鎖式の席上、日本側代表との交換公文の調印が行われた。
部隊の隊員600人は14日と26日の二陣に分かれて帰国する予定で第一陣450人は13日、プノンペンからタイ・ウタパオへ移動し14日、北海道・航空自衛隊千歳基地に戻る。
カンボジア側に引き渡されたのは、部隊の事務棟や厚生施設として使っていた組み立て式建物や発電設備、簡易アスファルト舗装機械などの道路建設機材、医療関連資材、給食設備など計約200品目。暫定国民政府はこれらの資材を活用し、タケオ基地の跡地を診療所など多目的の地域開発センターにする方針という。
撤収準備がすっかり終わったタケオ基地の閉鎖式にはプノンペン駐在の今川幸雄大使、暫定国民政府のソク・アン首相府相らが出席。部隊本部前にずっと掲げられてきた国連旗と日の丸に代わってカンボジア国旗が揚がり、事務棟入り口にあった「施設大隊本部」の看板が、英語とクメール語の「地域開発センター」にかけ替えられると、整列して見守っていた隊員や出席者の間から拍手が沸いた。《共同通信》
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【テニス・全米オープン】最終日
テニスの全米オープン最終日は12日、ニューヨークのナショナルテニスセンターで男子シングルス決勝が行われ、第2シードのピート・サンプラスが第15シードのセドリク・ピオリーン(フランス)を6−4、6−4、6−3のストレートで下して3年ぶり2度目の優勝を果たし、賞金53万5000ドル(約5600万円)を獲得した。《共同通信》
【大相撲秋場所】初日
大相撲秋場所初日(12日・両国国技館)皇太子ご夫妻を迎えて行われ、史上初の兄弟同時大関となった貴ノ花と若ノ花はそろって勝った。横綱曙も快勝した。
史上最年少横綱とりに挑む貴ノ花は、巨漢の水戸泉を寄り切った。若ノ花は琴富士を寄り倒し、新大関の初日を飾った。曙は新小結の琴の若を豪快に押し倒した。大関小錦は苦手の安芸ノ島の寄りに完敗。注目の新入幕、武双山は白星スタートを切った。《共同通信》
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皇太子ご夫妻は12日、東京都墨田区の国技館で大相撲秋場所の初日を観戦された。お二人は午後3時半すぎ、国技館玄関に到着、出羽海理事長や横綱曙らが出迎えた。その後、2階の貴賓席で理事長の説明を受けながら中入り後の取り組みに拍手を送られた。
ご夫妻そろっての初の大相撲観戦で、雅子さまは実際に大相撲を見るのも初めて。出羽海理事長によると、雅子さまは「(力士は)大きいですね」と感想を話し、お二人とも土俵の作り方や一番ごとの取り口などについて理事長に熱心に質問された、という。《共同通信》
【ゴルフ・原田香里選手】公式戦初優勝
日本女子プロゴルフ選手権最終日(12日・鳥取県旭国際浜村温泉GC=6428ヤード、パー72)前日首位の26歳、原田香里がボギーなしの70で回り、通算4アンダーの284で逃げ切り、公式戦初優勝を遂げた。賞金は1170万円。原田はプロ5年目で今季初勝利、通算2勝目がビッグタイトル獲得となった。
原田はショットがよく7番、15番でバーディー。同じ最終組で回った安井純子が15、16番を連続バーディーとして必死に追い上げたが、17番のボギーで後退、3打差の2位となった。さらに1打差の3位に塩谷育代が入った。
日本女子オープンに続く年間二大タイトル独占を狙った岡本綾子は通算2オーバー、290で6位だった。《共同通信》
【スペースシャトル・ディスカバリー】打ち上げ
米航空宇宙局(NASA)は米東部夏時間12日午前8時(日本時間同日午後9時)前、スペースシャトル「ディスカバリー」をフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げた。
今回の飛行の主な任務は、従来の通信衛星の20倍という超高速通信を可能にする次世代通信実験衛星ACTSの打ち上げ。ディスカバリーは打ち上げ数時間後に荷物室からACTSを放出する。
ACTSは、周波数20―30ギガヘルツのKaバンドと呼ばれる電波を使い、30冊の百科辞典に書かれている全文字情報をほぼ1秒でやり取りすることが可能。《共同通信》
【福岡県大牟田市】運転手がバス置き去り
12日午前7時半ごろ、福岡県大牟田市通町二丁目の県道交差点で、大牟田交通の路線バス運転手(41)が客とのさ細な口論から腹を立ててバスを降り、乗客を放置したまま行方が分からなくなった。大牟田署で行方を捜していたところ、午後9時20分ごろ、同運転手が上司と出頭してきた。取りあえず道交法違反(駐車違反)の疑いで事情を聴いた。
バスは荒尾市から大牟田市三池中町に向かう途中で、乗客は4、5人だった。進行中、乗客の一人がせきをしたことに対し、運転手が「静かにしてくれ」と注意したのがきっかけとなり口論になった。交差点で停車したところで、突然「こんなことならやっておれん」と言い残してバスを降りていったという。乗客の中には、現場からタクシーに乗り換えた人もいた。《共同通信》
【羽田孜外相】所得減税は赤字国債で
羽田副総理兼外相は12日、民放テレビに出演し、所得税減税に前向きの姿勢を示すとともに歳入欠陥について「赤字国債の発行は年数をきちんとしてやるならいい」と述べ、赤字(つなぎ)国債の発行を容認する考えを明らかにした。
赤字国債発行にあたっては「短期の国債を発行するには湾岸戦争の時のように次のこと(歳入確保策)を約束してからやるべきだ」と述べ、将来は消費税率のアップが必要との認識を示した。《共同通信》
【羽田孜外相】米国務長官と会談
羽田外相は12日午後(日本時間13日未明)、パレスチナ暫定自治宣言調印式出席のためワシントン入りし、同日夕米国務省でクリストファー国務長官と約1時間会談、パレスチナ支援問題や日米二国間関係について意見交換した。
パレスチナ支援について双方は、世界銀行を通じた教育、環境面を中心とした支援を協調して進めていくことを確認。外相は「日本が各国と協調して対応していくことが重要と考えている」と述べ、日本が積極的に貢献していく方針を強調した。また、外相は二国間経済関係に関連して、「規制緩和と円高差益還元策と併せ財政運営についても勉強している」と述べ、新たな景気刺激策策定を急ぐ考えを示した。
クリストファー長官は、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)による暫定自治合意について「この和平合意が失敗に終わってはならない」と強調、パレスチナ支援に多額の資金が必要になるとの見方を示した。外相は日本の具体的支一援額については言及しなかった。
二国間関係では、クリストファー長官が「細川内閣誕生は、日本の第三の開国といわれるが、政治、経済面でもそうなのか、米国として注目していきたい」と、日本の市場開放努力に期待を表明。外相は政治改革関連法案の年内成立が細川内閣の最重要課題であることを指摘する一方、規制緩和、円高差益還元を通じた内需拡大により、日米不均衡是正に努力する考えを示した。
このほか、クリストファー長官はアジア重視の姿勢を改めて強調し、11月にシアトルで開催されるアジア太平洋経済協力閣僚会議(APEC)を成功させたいとの考えを示した。
今回の会談は羽田外相就任後初顔合わせだが、クリーストファー長官は「二人の間に個人的信頼関係を築くことが極めて重要で、今後頻繁に会いたい」と述べ、外相も賛意を示した。《共同通信》
【PLO・アラファト議長】ワシントン入り
戦闘服を柔らかいカーキ色の軍服に着替え、パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長が12日、ワシントンに降り立った。晴天の下、顔を紅潮させて出迎えのパレスチナ代表団(ワシントン交渉チーム)らと抱擁を交わす。「平和を達成できる歴史的瞬間に来ることができて幸せだ」ー。柔和な笑みを満面にたたえ、議長は歴史的な訪米の第一声。
トレードマークとなった白いひげ。頭にはいつものクフィール(白い布)を巻いているものの、議長が常に一腰に着け、この日チュニスを出発した時も持っていたという短銃は見当たらなかった。温和な表情と併せてみると40年前に激しい対イスラエル闘争に身を投じて以来の臨戦態勢をこの日は解除したように見える。
1974年11月、国連総会でパレスチナの大義を訴えた有名な演説以来の米国訪問。ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地でパレスチナ代表団のアシュラウィ女史らの出迎えを受けた。2年前マドリードで中東和平会議が始まった時は、双方の秘密接触さえも禁じられていたのとは大きな違い。抱き合うそばから祝福の掛け声が飛び、花が贈られた。
議長にとって米国は「テロリスト」と指弾されたかつての宿敵。議長はPLOと米国の双方の警備陣の厚い護衛を受け、米政府が用意した宿泊先のホテルに入った。《共同通信》