平成1710日目

平成5年9月13日(月)

1993/09/13

【イスラエル、PLO】暫定自治宣言に調印

憎悪と反目の歴史をつづってきたイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)は、13日午前11時40分(日本時間14日午前0時40分)すぎ、米ホワイトハウス南庭で、「パレスチナ暫定自治宣言」に調印した。イスラエルとPLOの和解、パレスチナ人の自治実現により、パレスチナ紛争は不安定要因を抱えながらも、45年の流血の歴史に終止符を打った。これでアラブ・イスラエル紛争は包括的な和平に向け動き始め、中東は共存と希望の新たな時代を迎えた。

クリントン米大統領は開会演説で「歴史と希望の偉大な瞬間を歓迎する。(イスラエルの)ラビン首相、(PLOの)アラファト議長、今日はあなた方二人の一日だ」と祝福した。署名が終わった後、アラファト議長とラビン首相は、笑顔で固い握手を交わし、世紀の和解が成立、出席者から大きな拍手の嵐が起きた。

調印式には各国政府代表、米議員ら約3000人が出席。クリントン大統領、ラビン首相、アラファト議長が見守る中、1978年のキャンプデービッド合意で使われた同じテーブルの上で、イスラエルのペレス外相、PLOのアッパス民族・国際関係局長が両当事者代表として、またクリストファー米国務長官、コズイレフ・ロシア外相が共同主催国として、それぞれ宣言文書に署名した。

調印式に先立ち、アラフアト議長はクリントン大統領、ラビン首相、ブッシュ前大統領、カーター元大統領らを交え、ホワイトハウスで最も美しい部屋とされる「青の間」で約30分にわたり懇談。懇談という変則的な形式ながら、米国、イスラエル、PLOの三者首脳が史上初めて一堂に会した。

アラファト議長の訪米は、国連総会演説の74年以来、19年ぶり。米政府の中枢、ホワイトハウスに入るのはこれが初めてで、時代の変化を示す「革命的な出来事」(米政府高官)となった。また議長にとってテロ組織の指導者から平和の使者へとイメージを変え、国際的認知を獲得する絶好の機会となった。

「暫定自治の取り決めに関する諸原則の宣言」と題された合意は①選挙によりヨルダン川西岸とガザ地区はに評議会を設置②自治開始から2年以内に恒久的地位の交渉開始③暫定自治期間は5年以内―などパレスチナ人の限定的自治を認め、来月13日に発効する。しかし、エルサレムの恒久的地位、ユダヤ人入植地の取り扱いなどは先送りされ、最終的な和平達成にはなお曲折も予想される。

今後、アラファト議長は、解放闘争における統率力に代わって、実務的な行政能力が問われる。《共同通信》



【運輸省】北陸新幹線・魚津―糸魚川間の建設を指示

運輸省は13日、鉄建公団に対し、北陸新幹線の魚津―糸魚川間の建設を指示した。これを受け、鉄建公団は近く詳細な工事実施計画をつくり、運輸省に認可を申請する。認可を経て10月中旬には着工する予定である。

同区間は、昭和63年の政府と与党(自民党)の申し合わせにより、在来線と同じ狭軌の線路幅で建設される。申し合わせに基づく整備計画の見直しは政権交代後は進んでおらず、同区間のフル規格新幹線への格上げや新規区間の着工は、見通しが立っていない。運輸省は建設指示に際し、同区間を狭軌のスーパー特急方式で建設する暫定整備計画を策定した。路盤自体は、フル規格の新幹線が走行できる構造にするが、レールの幅は在来線と同じにし、魚津市と糸魚川市で北陸線と合流する。

線路延長は48キロで、建設費用は1880億円(平成4年4月当時)。本年度予算に30億円の事業費が計上された。黒部市内に「新黒部駅」(仮称)を新設し、片貝川付近で北陸線と合流する。糸魚川では、姫川付近が合流地点になる。富山・新潟県境付近はほとんどがトンネルになり、延長7330メートルの新親不知トンネル、5160メートルの第一朝日トンネルなどを建設する。最高設計速度は時速200キロ。新潟県青海町の新親不知トンネルからエ事にかかる見通しであり、完成は着工からおおむね10年程度とみられている。

建設の指示は13日午前、戸谷鉄道局次長が運輸省で鉄建公団の塩田総裁に対して行った。運輸省は同区間を経営するJR西日本の負担増を避けるため、北陸線の並行部分の経営を第三セクターに移すことを着工の条件としており、今後、富山県と新潟県などが第三セクター設立の準備を進める。

魚津―糸魚川間の着工により、整備新幹線5線のうち、政府と自民党が着工を申し合わせた3線5区間はすべて建設が行われること一になった。北陸新幹線沿線自治体は政府に対して整備計画の見直しを行い、建設を促進するように求めているが、伊藤運輸相が整備新幹線の建設には積極的でない上、大蔵省が財源難を理由に抵抗している。政府内からは、「これ以上の建設は無理だ」(大蔵省関係者)との声も漏れており、北陸新幹線沿線にとっては同区間の建設で一息ついていられない情勢である。《北國新聞》

【カンボジアPKO】第一陣が帰国の途

カンボジアの国連平和維持活動(PKO)に参加していた自衛隊施設部隊の撤収第一陣が13日、任務を終えてプノンペン・ポチェントン空港からタイ経由、帰国の途に就いた。

第一陣は、昨年9月に派遣された第一次部隊と交代し、今年4月以来活動してきた第二次部隊隊員600人のうちの450人。3グループに分かれタイ・ウタパオ海軍基地に移動し一泊。14日午後、国連チャーター機で北海道の航空自衛隊千歳基地に帰る。第二陣150人は26日に帰国予定で、1年間にわたり、停戦監視要員を含め延べ1216人の隊員が加わった自衛隊初のPKOによる「国際貢献」は完了する。

一行は、12日閉鎖した活動拠点タケオ基地からプノンペンにある国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の一時宿泊施設に移動、待機していた。

第一グループの150人は午前7時半すぎ、UNTAC差し回しの民間機でポチェントン空港を出発、カンボジアを離れた。残る300人も同日午後にかけ相次ぎウタパオへ。隊員たちは空港でプノンペン駐在の今川幸雄大使らの見送りを受けた後、関係者と握手を交わしたり、笑顔で労をねぎらい合いながら機内に乗り込んだ。《共同通信》

【大相撲秋場所】2日目

大相撲秋場所2日目(13日・両国国技館)史上最年少横綱昇進を目指す大関貴ノ花に早くも土。貴ノ花はぎこちない動きで、平幕の剣晃の左上手投げからの寄り倒しに屈した。横綱曙は左四つで若翔洋を危なげなく寄り切り、新大関の若ノ花は新小結の琴の若を切り返しで下してともに2連勝。武蔵丸、貴ノ浪の両関脇と小結貴闘力も白星を重ねた。再関脇の琴錦が敗れ、大関小錦はこの日から休場した。新入幕の武双山は連勝。《共同通信》

【MLB・マリナーズ】鈴木誠投手とマイナー契約

米大リーグのマリナーズは13日、滝川二高を中退し米プロ野球1Aのサンバナディーノで活躍した鈴木誠投手(18)とマイナーリーグ契約をしたことを発表した。契約の条件は明らかになっていない。サンバナディーノが加盟するカリフォルニア・リーグは1日、公式戦を終了。鈴木投手はフリーエージェントになっていた。同投手は今季、48試合に登板し、4勝4敗12セーブ。防御率3.68。80回2/3を投げ、87三振を奪っている。《共同通信》

昨年の渡米後、1Aのサリナス、サンバナディーノで2シーズンを過ごした鈴木の苦労が報われた。大きな夢に一歩近付いた若者の胸の内を開いた。

—誘いのあった複数の球団の中からマリナーズを選んだ理由は。

「メジャーでやれるチャンスがありそうなので。それにシアトルは治安もいいと聞いている」

―大リーグ入りする自信は。

「あるから契約したし、今後2A、3Aでやっていくことにも不安はない。来年中にも上がりたいと思っている」

―どこを評価されたのか。

「たまたま球速(150キロ台)があったからでしょう」

―なぜ日本の高校野球をやめて、いきなり米国へ。

「練習することより試合をする方が好きだし、楽しいから。アメリカでは練習であまり細かいことを言われない。日本ではよく楽しんでいるうちは駄目だ、と言われるが…。とにかく楽しんで野球をやるのは自分に合っている」

―将来はどんな投手に。

「速球を生かして先発、ストッパー、どちらでもできるように。ただ、最初は連投して名前を覚えてもらえるから、ストッパーかな」

―将来、日本のプロ野球でやろうという気は。

「将来のことは分からい。今はとにかくメジャーやりたいだけ」《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】ドイツ入り

欧州歴訪中の天皇、皇后両陛下は13日正午(日本時間同日午後7時すぎ)、ベルギーでの日程を終え、最後の訪問国ドイツに到着された。

天皇陛下は昭和28年、非公式に西ドイツ(当時)に立ち寄っているが、ドイツへの両陛下の公式訪問は初めて。18日まで6日間の滞在中、天皇として初めてベルリン市庁舎など旧東側施設を訪ねられる。

ケルン・ボン空港に到着した両陛下は直ちに歓迎式典が行われるボン市内の大統領官邸へ向かい、正面玄関で出迎えたワイツゼッカー大統領とあいさつ。式典は雨をついて行われ、天皇陛下は大統領と並んでドイツ軍儀じょう隊の栄誉礼を受けられた。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は13日、首相官邸でブラジルのアントニオ・ウエノ下院議員(日系)の表敬訪問を受けた。ウエノ議員は首相の熊本県知事時代、姉妹都市関係を結ぶため、熊本を訪れるなど2回、首相と会っているとあって「姉妹都市締結の時、会いましたね」と懐かしがった。ところが首相は、どうしても思い出せないらしく「ハア、ハア、ハア」と答えにならない返事、多彩な人脈を誇る首相だが、一度でも会った人間を忘れない気配りの方はまだまだのよう。

○…自民党の森幹事長はこの日、党本部で開かれた塩谷立衆院議員の後援会会合であいさつ。「細川人気」について「特別国会の代表質問に対する細川首相の答弁は内容がなく、答弁になっていなかったが、新聞では“新味が出ている”とか、何でもいいように言われる」とぼやいてみせた。さらに「首相は軽井沢の別荘に行った時、(女優の)吉永小百合さんと会ったり、(東京に)帰ったら檀ふみさんと映画に行ったりしている。宮沢さんや中曽根さんが首相なら、ボロクソに書かれていただろう」と何もかもがやっかみの対象に。《共同通信》

【新党さきがけ】長良川河口堰に疑問

新党さきがけ(武村正義代表)は13日、長良川河口堰建設問題について「治水、利水、自然環境保全のいずれの点でも建設省の説明には問題点が多く、地域住民が確実に参加できる正直な議論の場を早急に設けるべきだ」とする見解をまとめた。細川新政権与党の一部から河口堰の目的に疑問の声が出てきたことは、今後波紋を広げそうだ。日本新党も、科学的に判断すべきだとの立場から近く、さきがけと共同で現地に調査団を送る。

建設省は「治水のために長良川のしゅんせつが必要。その結果、塩水がそ上して塩害が起きるため堰がいる」という論理で堰を建設中。

見解では「治水」について、1959年の伊勢湾台風などによる地元の過去の水害は「堤防が弱かったり、高潮が橋げたで跳ね返り、沿岸を襲ったことが原因、という住民の声もある」と堤防強化の必要性を指摘。さらに、河口の三重県・長島町では伊勢湾台風以後、1.58メートルも地盤が沈下、堤防の高さが不十分になっており「周辺住民が堰の完成で治水上、かえって危険にさらされる可能性が残っている」と厳しい見方も示した。堰建設の直接根拠である「塩害」については「河口の長島町でも塩害の被害は耕地の0.3%。川をせき止めて塩水を防ぐ必要性があるとは考えにくい」と退けている。《共同通信》

【東京六大学野球】東大、法大から40年ぶり勝ち点

東京六大学野球リーグ第一週第3日は13日、神宮球場で東大—法大3回戦を行い、東大が3−2で法大を下して勝ち点を挙げた。東大は1985年秋に立大から奪って以来、16シーズンぶりの勝ち点。法大からは53年春に奪取して以来、40年ぶりの勝ち点だった。 東大は1点を追う二回、肥田の本塁打で追い付き、四回は無死一塁から片山が2点本塁打を放って逆転した。二番手の高橋は七回に1点を失ったものの、後続を断って逃げきった。

大喜びするナイン、熱烈な拍手で迎える応援団。久しぶりに神宮の森が沸いた。興奮を隠し、東大の平野監督は「厳しい試合だった」と冷静な口調で振り返った。法大から40年ぶりの勝ち点にも「(1953年は)ぼくの生まれた年ですね」とにやり。

いきなり先頭打者に本塁打を打たれ「きょうの法政は気合が入っている」の心配もすぐに吹き飛んだ。二回に肥田が右に同点ホーマー。主将の一発にベンチは一気に盛り上がった。 四回には四番の片山が勝ち越しの2ラン。長打力を買われ、昨春から四番に抜てききれながら答えを出せなかった男が、大事な試合で神宮第1号を放った。1試合チーム2ホーマーは1987年春の慶大2回戦以来のこと。

同監督が初めて監督に就任した81年春、開幕戦で法大を破り、その後、早慶から勝ち点を挙げる“赤門旋風”を巻き起こした。その時と同じく法大戦のスタート。 再就任から3年目、基本を大事に、強気でプレーの平野イズムがようやく浸透してきた。四年生で初の勝ち点というのに、肥田は「目標は優勝。これからですね」と言った。《共同通信》



9月13日のできごと