平成1616日目

平成5年6月11日(金)

1993/06/11

【政治改革法案】今国会での成立が困難に

選挙制度改革をめぐる自民党の調整は11日、総務会の大勢が単純小選挙区制の党議変更反対に傾き、政治改革法案の今国会成立は極めて困難な情勢になった。ただ、宮沢首相はなお、今国会中の法案成立に強い意欲を見せており、同日夕には梶山幹事長と電話で会談し、再度の党内調整を指示した。

梶山氏ら党執行部側は今国会見送り方針を固めていることから、今後両者の間で激しい綱引きが展開されることも予想される。改革推進派も必死の巻き返しを図っており、両院議員総会の開催を求める署名運動の結果、11日夕までに党所属国会議員380人の過半数に迫る署名を集めた。

自民党の佐藤総務会長は同日開いた総務懇談会の後、記者会見し「自民党案がベストであり、これを変更することは党の混乱を招き、採るべき道ではないという声が総務会の大多数を占めた」と事実上の論議終結を宣言した。これを受け自民党執行部は、①法案を継続審議とし臨時国会に先送りする②原案を衆院政治改革調査特別委員会で採決する③廃案—などの案を念頭に法案処理を検討しているが、今のところ「継続審議」が有力だ。

一方、宮沢首相は11日昼、羽田派代表の羽田前蔵相や側近の加藤紘一幹事長代理、粕谷茂氏らとの一連の会談で「党内状況はよく分かっているが、最後まで一生懸命頑張ってみたい」と語り、さらに自民党側に妥協案取りまとめを求める考えを表明した。宮沢派内からも「首相は二枚腰、三枚腰だ。このまま何もしないのでは天下に申し開きができない。首相はやる気だ」(幹部)との見方が出ており、なお首相の裁断による事態転換の余地が残っている。

宮沢首相は11日午後、今国会での政治改革の見通しについて「もちろんやります。まだまだ時間はある」と、記者団に実現への意欲を改めて示した。記者団が「自ら動かないのか」とただしたのに対し、首相は「いや、いや。(自民党)四役に私からいろいろ話している」と述べ、引き続き党内調整を見守る考えを明らかにした。しかし「最終的な責任は私にある」とも言明、いずれ最終決断を自ら下す意向を示唆した。《共同通信》



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【 JBCコミッショナー】「鬼塚選手は負けていた」

日本ボクシングコミッション(JBC)の保坂誠コーミッショナー(株式会社東京ドーム社長)は11日、5月21日に東京・日本武道館で行われた世界ボクシング協会(WBA)ジュニアバンタム級タイトルマッチ、鬼塚勝也(協栄)—林在新(洛翠=韓国)で、鬼塚が2-1の判定で勝った試合について「(チャンピオンの)鬼塚は負けていた」との私見を明らかにした。

問題の試合は、両者決め手のないまま林がやや有利とも思われる展開で12回を終了。勝負は判定に持ち込まれ、三人のジャッジのうち、二人の日本人が鬼塚、残る一人のパナマ人ジャッジは林の勝ちとした。この判定は、国内でも反響を呼び、マスコミに抗議の電話が殺到。4ポイント差で鬼塚の優勢とみた日本人ジャッジは、自主的に謹慎を申し出、以後国内の試合には立ち合っていない。

この発言は、報道陣との懇談の席上、あくまで個人的な意見として述べられたものだが、「今後、不当と思える判定があった場合、コミッショナーとして指導していくことになる」と、いわゆる“ホームタウン・デシジョン”を排除するために、積極的な姿勢で臨むことを示唆した。《共同通信》

【米・クリントン大統領】日米関係は最重要

クリントン米大統領は11日午前、ホワイトハウスでウォルター・モンデール元副大統領(66)の次期駐日大使指名を発表した。大統領はモンデール氏とともに記者会見し「モンデール氏ほどの人物を指名したのは、日米関係ほど重要な二国間関係は世界にないからだ」と述べ、日米関係重視の観点から同氏を指名したことを強調した。

民主党長老の大物政治家であるモンデール氏の起用は、貿易不均衡問題をめぐってきしみが目立つ日米関係の「鎮静剤」になるとの期待が高まっており、同氏は「日米両国の運命は不可分だ」と述べ、両国関係発展に取り組む決意を表明した。

大統領は記者会見で「日米同盟関係は50年にわたりアジア・太平洋地域の平和と安定を支えてきており、この地域の将来の進路は日米同盟が機能するかどうかにかかっている」と強調。日米間の包括的経済協議の次官級準備会合が同日から始まったことについて、7月の先進国首脳会議(東京サミット)までに新協議の枠組み設定で合意に達する必要性を指摘した。

モンデール氏も「日米両国は経済的競争関係と同時に、相互依存関係にあり、お互いの経済に重大な利害を有している」と述べ、両国間の経済問題に優先的に取り組む必要性を強調した。

モンデール氏はミネソタ州選出の上院議員からカーター政権の副大統領となり、84年には民主党大統領候補として共和党のレーガン大統領に挑んで敗れた。今後上院の指名承認手続きを経て、東京サミット後の7月後半か8月初めにアマコスト現駐日大使と交代する見通し。《共同通信》

【天皇家、小和田家】夕食会

皇太子さまと雅子さまの結婚を祝う天皇家と小和田家の内輪の夕食会が11日夜、皇居・宮殿の小食堂・連翠で開かれた。天皇、皇后両陛下主催で、皇太子ご夫妻のほか天皇家側からは秋篠宮、常陸宮各ご夫妻ら皇族方や元皇族ら、小和田家側からは両親の恒(60)、優美子(55)夫妻と妹二人のほかに親族ら計約80人が出席した。

同席した侍従によると、夕食会に先立って両陛下と皇太子ご夫妻は、宮殿・竹の間で出席者から次々と祝賀を受けられた。午後7時すぎからの宴では、最初に天皇陛下があいさつ。両陛下の円卓に雅子さまの両親、ご夫妻の円卓には祖父母の江頭豊さん(85)、寿々子さん(76)ご夫妻が同席した。雅子さまも和やかに歓談された。

出席者を代表して三笠宮さまがお祝いの言葉を述べ、全員が乾杯してお二人を祝福した。宮内庁によると、皇太子ご夫妻の元には各国王室、各自治体から祝電や電報が5、6000通も届いているという。《共同通信》

【政界談話室】

○…「党四役がやることですから」。宮沢首相は11日、政治改革で妥協回避の方向が強まった自民党内論議について、ぶ然とした表情で繰り返すばかり。「私はやります。うそはつかない」と豪語したころの歯切れ良さはどこへやら、記者団から「総理決断がなければ流れは変わらないのでは?」と突っ込まれても「私から聞いたり言ったりはしません。四役が中心です」とあくまで党側にげたを預ける姿勢。首相の指導力を促す党内外の声に背を向けるように、またもや「顔の見えない総理」に逆戻り。

○…社会党の赤松書記長は記者会見で、今国会中に政治改革が実現しなかった場合の宮沢首相の責任問題について尋ねられ「早くボールを投げ返してほしい。必ずや投げ返してくれるでしょう」と慎重な発言に終始。内閣不信任案の提出についても「山花委員長もフリーハンドと言っている。午前中にごたごたがあったが、委員長は一貫してそう思っている」と、自分の見解は示さずじまい。「ごたごた」とは、山花氏が朝「今国会成立は厳しい」と発言した真意をめぐる党内のさざ波のこと。舌禍事が気になる赤松氏だけに、余計に口が固くなった?《共同通信》

【北朝鮮】NPT脱退棚上げ

米国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は11日夕(日本時間12日早朝)、核問題をめぐり4回目の高官協議をした後、共同声明を発表し、北朝鮮の核拡散防止条約(NPT)からの脱退の棚上げと朝鮮半島の非核化、米朝対話を続行することなどで合意したことを明らかにした。

北朝鮮はNPTからの脱退声明の全面的撤回はせず、また国際原子力機関(IAEA)の査察問題は解決していないが、正式発効日の12日を直前に、脱退の危機はいったん回避された。

両国は脱退問題を当面棚上げし、残った問題についても話し合いで解決することを重視したと強調した。米朝両国は、実務レベルで今後の協議の日時、場所などを詰めることになる。《共同通信》



6月11日のできごと