平成1603日目
1993/05/29
この日のできごと(何の日)
【UNTAC・明石代表】勝利宣言
約90%という高い投票率を示したカンボジア総選挙を受け、カンボジア最高国民評議会(SNC)の本会合が29日、プノンペンの旧王宮内で開かれた。UNTACの明石代表は席上「自由・公正な選挙が実施されたことを、ここにちゅうちょなく宣言する」と“勝利宣言”した。さらに投票率が「89.04%に達した」ことを明らかにする一方、投票がさしたる妨害もなく整然と行われた」と述べ、間接的ながらポル・ポト派の選挙阻止が失敗したことを指摘した。
また、シアヌークSNC議長は「選挙の成功は、カンボジア国民の平和と民主主義を望む深い熱意の表れ。この国民の歴史的な決定は、覆せない」とあいさつ。6月第2週に制憲議会を招集することを明らかにした。
SNC本会合は先月10日以来で、選挙ボイコットのポル・ポト派代表が欠席する中、プノンペン政権(人民党)のフン・セン首相、民族統一戦線のシリブット殿下(ラナリット党首の代理)、仏教自由民主党のソン・サン党首ら当事者3派の代表が出席した。
明石代表の“宣言”は、国民和解のシンボルであるシアヌーク殿下の同意の下に、3派だけでなく、ポト派に対しても、選挙結果を受け入れるよう求めるものだ
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【大病人】伊丹十三監督作品公開
【Jリーグ・第5節】浦和が今季初勝利
サッカーのJリーグ第5節は29日、横浜市三ツ沢球技場などで5試合を行い、ジェフ市原は5−0で横浜マリノスを破り、4勝1敗で首位を守った。横浜Mは3連敗で、2勝3敗となった。
今季4連敗と不振だった浦和レッズは1−1からのPK戦で、ヴェルディ川崎を4−2で下し初白星を挙げた。《共同通信》
【自民党・佐藤総務会長】妥協案作りに反対
自民党の佐藤総務会長は、29日、札幌市で開かれた党北海道連定期大会で、選挙制度改革について「将来の批判に耐えられないことは職責をかけてもやるつもりはない。それが政治家の良心だ。宮澤内閣の問題ではなく日本の政党政治の根本にかかわることで対処したい」と述べ、新たな妥協案作りに反対の考えを表明した。
また加藤幹事長代理も「今後10年、15年の将来にわたる政党間関係を考えていく基本問題であり、単純に国対的手法である種の妥協案を作れるものではない」と述べ、野党との妥協に慎重な考えを示した。《共同通信》
【後藤田正晴副総理】早期の妥協案作り期待
後藤田副総理兼法相は29日、徳島市内の自民党徳島県連で記者会見し、選挙制度改革での6野党・会派の合意を受けた対応について「梶山幹事長が一生懸命調整していると思う。難しい仕事だが、結果として何とかまとめていただければありがたいという気持ちだ」と述べ、早期の妥協案取りまとめに期待感を示した。
後藤田氏は国会の会期末を6月20日に控えて「(時間が)迫っており、詰めの段階だ」として党内調整を急ぐ必要があるとの認識を示唆した。《共同通信》
【自民党羽田派・羽田孜代表】首相の安協案作りの指示を評価
自民党羽田派の羽田代表は29日、遊説先の大分市で記者会見し、28日の野党党首会談を受け、宮澤首相が梶山幹事長らに選挙制度改革で妥協案作りを指示したことについて「総理は本気でやろという気持ちを表した」として高く評価、改革に向けて大きな一歩が踏み出されたとの認識を示した。
羽田氏は、梶山氏の「単純小選挙区制で強行採決」とも取れる発言について、梶山氏から直接聞いたわけではないとしながらも「野党が踏み込んできている時に自民党が歩み寄らないのは認められない。国民も『自民党はやる気あるのか』ということになり、政局混乱の可能性もある」と批判した。《共同通信》
【宮澤喜一首相】待望のゴルフ
宮澤首相は29日、カンボジアでの日本人文民警察官殺傷事件が起きた4日以来自粛していたゴルフを再開、久しぶりに横浜市の程ケ谷カントリー倶楽部で友人とプレーを楽しんだ。
カンボジア総選挙は大きなトラブルがなかった上、高い投票率となり「成功と言っていい」と判断する首相としてはひと息ついたところ。首相周辺の「健康と気分転換を図ってもらおう」との気遣いもあり、ようやく解禁となった。
首相は待ち遠しかったのか予定時間より7分早く私邸を出発し、顔をほころばせながらゴルフ場入り。好天の下で久々のショットを満喫した。
プレー後、記者団に感想を聞かれると「まあ…」と口ごもったが、このあたりは選挙監視要員や文民警祭官の無事の帰国を待たずにゴルフ場に駆け付けた“負い目”か。週明けは政治改革をめぐる大詰めの攻防が待ったなし。久々に養った英気を政治改革での決断に生かせるかどうか。《共同通信》
【政府】イランに386億円の借款
政府はイスラム革命やイラン・イラク戦争の余波を受け、1976年3月を最後に中断していたイランへの円借款供与を17年ぶりに再開することを決め29日、テヘランで水力発電所建設プロジェクトを対象にした総額386億円の借款供与に関する文書に調印した。79年のイスラム革命以降、西側先進国によるイランへの政府レベルの低利融資は初めて。
日本の最大の原油輸入先である中東の地域政治、経済的安定を図るには、中東の大国イランの安定を後押しする必要があると判断、先進国の先陣を切って本格的な経済協力の再開に踏み切った。しかし軍備拡張を続けるイランは、革命後冷却化した欧米諸国との関係を完全に修復しておらず、今回の円借款供与に対して米国などの積極的支持は必ずしも得られなかった。《共同通信》