平成1602日目

平成5年5月28日(金)

1993/05/28

【野党】連用制軸に統一案

山花社会、石田公明、大内民社、江田社民連、細川日本新党、星川民主改革連合の6野党・会派の委員長・代表は28日午後、国会内で首脳会談を開き、今国会での政治改革実現に向けて対応を協議した。

その結果、今国会中に腐敗防止策、選挙制度改革を一括して実現、新制度を次期総選挙から実施することで一致。選挙制度については、民間政治臨調の「連用制」案を軸に与野党の合意形成に向けて統一案を作る一ことで合意した。

また党首会談を自民党に呼び掛け、宮沢首相の決断を促すことも確認した。

会談では統一案作りを各党の実務者で作業を進めることで合意。これを受けて、31日に社会、公明、民社3党の国対委員長が与野党党首会談実現に向けた調整や統一案作りの具体的手順について話し合うことになった。

焦点となった「連用制」の扱いについては、民社党の大内委員長が「自民党との接点を求めるためには対立的な案では駄目だ」と述べ、「連用制を軸として与野党の合意形成を目指す」とした首脳合意案に難色を示し、「連用制などを軸に」の表現に改めるよう主張した。

しかし、山花社会、石田公明両党委員長が民社党を除く5党・会派での合意も辞さない強硬姿勢を見せたため、大内氏も野党結束を優先させ合意に応じた。

共産党を除く野党各党の首脳会談は1989年4月の社会、公明、民社、社民連の4党首会談以来で、日本新党、民主改革連合が加わった会談は初めて。《共同通信》



【宮沢喜一首相】妥協案作りを指示

宮沢首相は28日夕、野党側の首脳会談を受け、首相官邸に自民党の梶山幹事長を呼び「幹事長が指揮を執って何かいい案作ってほしい」と、週挙制度改革で妥協案をまとめ、野党側との折衝に入るよう指示した。このあと首相は、政治改革推進本部の塩川本部長代理ら幹部とも協議し「時間がないのでできるだけ与野党の接触を精力的にやってほしい」と、衆院政治改革調査特別委での非公式な理事レベル協議に入ることを了承した。

党内では推進本部の幹部を中心に「小選挙区比例代表並立制」を基本にした妥協案を提示することで野党側の「連用制」との接点を模索すべきだとの意見が有力となっている。

しかし梶山氏をはじめ「政権基盤を揺るがすような安易な妥協はできない」との慎重論も依然根強く、野党との連携の構えを見せる羽田派の動向も絡んで、党内に亀裂が入りかねない深刻な様相を見せ始めている。

梶山氏は首相との会談の中でも「自民党が割れるような制度はいかがなものか。努力してだめなら、元の単純小選挙区制に戻って早い時期に委員会で決をとることが頭をよぎっている」と述べ、妥協に慎重な姿勢を示した。

また梶山氏は、これまでの野党側との非公式な折衝結果を報告し「与野党間で合意できるものがあればと思っている。社会党に政権を取ろうという気があるのか分からないが、小選挙区制に近付くまでには至ってない」と述べ、与野党が歩み寄るのは困難な状況を説明した。

一方、羽田派代表の羽田前蔵相や後藤田副総理兼法相は、野党合意を評価し、今国会中に改革を実現すべきだとの見解を明らかにした。「政治改革を実現する若手議員の会」もこの日、河野官房長官に与野党合意を目指した折衝を早急に開始するよう申し入れた。《共同通信》

【後藤田正晴副総理】合意案を評価

後藤田副総理兼法相は28日夕、6野党・会派が小選挙区比例代表連用制を軸とした選挙制度改正など政治改革で合意したことについて「眼光紙背に徹して読めばいい。(合意案は)企業・団体の政治献金もすぐに(廃止)とは書いてないだろう」と述べ、与野党間で妥協の道を探る上で一定の評価ができる案である」との考えを示した。

一方で「(今国会で)とにかくやらなければいけない。しかしハードルは高い」と述べ、自民党内の改革慎重派の動向から、妥協案作成に向けた党内調整は厳しいとの認識を示した。《共同通信》

【自民党羽田派・羽田孜代表】真正面から受け止めるべき

自民党羽田派の羽田代表は28日、6野党・会派首脳会談で連用性を軸とした選挙制度改革案の作成に合意したことについて「自民党は、野党側が一歩前進して連用制を提案したことを真正面から受け止め、議論に入るべきだ」と述べた。

羽田氏は、野党側が要求している与野党党首会談に宮沢首相が応じるよう強調し、妥協案作成は「政治改革調査特別委員会の現場で議論すべきだ」と指摘した。《共同通信》

【宮沢喜一首相】政治改革は党首会談で決着も

宮沢首相は28日の参院予算委員会で、政治改革に関連して野党側が求めている与野党党首会談について「(選挙制度の)具体的内容の詰めを前提にしなければ意味がない」と述べ、自民党案と社公案の隔たりが大きい現段階では党首会談に応じにくいものの、最終的には党首会談で決着を図る事態もあり得ることを示唆した。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は28日の参院予算委で、「前向きに検討」という言葉の解釈をめぐりミニ論戦。公明党の山下栄一氏が、所得税減税を検討するとした梶山自民党幹事長の発言に触れ「前向きに検討というのは、やらないことか」と追及。首相は「(山下氏の)郷里でもこちらでも(意味は)同じ。やらないということではない」と切り返した。首相はこの後、記者団に「山下氏が、前向きというのはやる気がないと選挙区の大阪では解釈してると言うから」と説明したが、「前向きというのは先々考えなくてはならないということ」との答弁もあっただけに、本当に「前向き」かは最後まで不明。

○…社会党の赤松書記長はこの日の記者会見で、党の実施した世論調査の結果を紹介。「望む選挙制度」の項目では小選挙区比例代表併用制15.7%に対し連用制13.4%、単純小選挙区制10.9%名、並立制6.1%となり誇らしげ。「新聞などの調査では2、3カ月前は単純小選挙区制の支持が多かったと思う。それが様変わりしたのは、衆院の特別委員会でのディベミート(討論)型の議論が茶の間に入っていったから」と力説し、与党と正面から討論すれば野党が勝つと言いたげ。《共同通信》

【カンボジア総選挙】最終投票率は約90%

カンボジア総選挙は28日午後4時(日本時間同6時)、6日間にわたった投票を終了した。最終日は全国約300カ所の移動投票所などで投票が行われ、最終的な投票率はほぼ90%に達した。大きな混乱もなく予想以上の高投票率を達成したことで、国連主導の選挙は一応の成功を収めたといえる。

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石代表は29日開かれるカンボジア最高国民評議会(SNC)の本会合で「自由で公正な選挙が実施できた」と宣言、各派に選挙結果の受け入れを要請するとみられる。

選挙戦では当初、プノンペン政権の人民党が優勢とされたが、ラナリット派の民族統一戦線が都市部を中心に追い上げ互角の戦いを演じた。 開票作業は、29日午前8時(日本時間同10時)から全国21カ所の集計センターで一斉に始まり、大勢判明は6月1日ごろの見通し。3日ごろには全議席が確定する予定で、これを受けて制憲議会の運営方法などを話し合うSNC会合が5日に開かれる。

投票期間中はポル・ポト派の妨害に備えて厳戒態勢が敷かれたが、各地で散発的な砲撃にとどまった。一部の地域ではポト派兵士や支配地域の住民が投票した所もあった。 西部バタンバン州ソクサン地区では28日、ポト派約500人が選挙に抗議する「平和的な」(UNTAC報道官)デモ行進を行ったが、混乱はなかった。国連のガリ事務総長は同日、明石代表に対し選挙の成功を祝うメッセージを送った。

宮沢首相は28日夕、カンボジアでの総選挙が順調に終わったことを受け、首相官邸で報道各社のインタビューに答え「平和なうちに選挙が行われ、90%近い投票率があったことでカンボジア人の国づくりの熱意が実った」と評価した。 また「わが国として平和憲法の精神に基づいて貢献することができ、誇りに思っていい」と日本の国連平和維持活動(PKO)が成功したとの認識を示した。《共同通信》



5月28日のできごと