平成1601日目

平成5年5月27日(木)

1993/05/27

【伊・フィレンツェ】爆発で6人死亡

イタリア・フィレンツェの中心部にあるウフィツィ美術館わきで27日未明、乗用車に仕掛けられた爆弾が爆発、美術館に隣接するアパートの住民ら6人が死亡、50人以上が負傷した。美術館は爆風で窓ガラスなどが飛び散り、内部の絵画など展示品多数に被害が出た。

爆発原因は、ガス漏れとみられていたが、フィレンツェのマフィア捜査の治安判事が爆破による穴を確認。捜査当局の摘発に反撃しようとするマフィアの犯行とみられ、マフィアが世界的な文化資産破壊も辞さない姿勢を打ち出した可能性がある。

イタリア・ルネサンス美術の粋を集めていることで有名なウフィツィ美術館には、ボッティチェリの「ビーナスの誕生」など世界中に知られた名画も多数展示されている。それらの多くは防弾ガラスに守られているため無事だったもよう。しかし美術館当局者によると、絵画数点が完全に破壊されたほか、彫刻の一部が吹き飛ばされた。またガラスの破片で多数の絵画が損傷した。隣のベッキオ宮殿やベッキオ橋上の渡り廊下にも被害が出た。

マフィアは今月14日、ローマ北部の住宅街で反マフィアの論陣を張るテレビのキャスターを狙ったとみられる爆弾事件を起こし、23人を負傷させた。《共同通信》



【宮沢喜一首相】消費税引き上げに慎重

衆院予算委員会は27日午前、1993年度補正予算案の審議に入り、社会党の角田義一氏がカンボジアでの国連平和維持活動(PKO)や景気対策を中心に政府の見解をただした。

角田氏が「政府は所得税減税と消費税率の引き上げをセットで検討している」と追及したのに対し、首相は「所得税減税に伴って、消費税率を引き上げることはできれば避けたい」と述べ、消費税上げに慎重な考えを示した。

宮沢首相はカンボジア総選挙が80%を超える高い投票率となったことについて「カンボジア人が自分たちの国を造る最初の第一歩が踏み出せた」と述べ、選挙の実施が大きな成果を上げたとの認識を示した。

また武藤外相は総選挙後の新政権について「(選挙を拒否した)ポル・ポト派が何らかの形で参加できることが望ましい姿で、そのための外交努力をしなければならない」と述べ、安定した新政権の発足に期待感を表明した。

社会党の喜岡淳氏が、日本の文民警察官は本来の任務にない国境監視をしていると追及したのに対し、国際平和協力本部の柳井事務局長は「国境監視の実態が法律の枠を外れるものなら、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)に是正を申し入れたい」と答えた。《共同通信》

【宮沢喜一首相】「政治改革」自民党内調整を指示

宮沢首相は27日午後、首相官邸で自民党政治改革推進本部の塩川本部長代理と会い、政治改革関連法案の処理について協議した。首相は「時間がなくなったので一生懸命やってほしい」と述べ、党内の意見調整を急ぐよう指示した。

一方、自民党の梶山幹事長は27日、渡辺、小渕、羽田の3派領袖と相次いで会談するなど、党内の意見集約に慌ただしく動いた。自民党は28日夕、野党首脳の会談を受け首相と幹事長が会談、連用制修正案を軸にした野党妥協案への対応を協議する。

首相との会談で塩川氏は、26日の副本部長会の結果を報告。28日の野党党首会談に関しても、「中身がどこまで固まったか分からないが、野党は政治改革実現の意欲を持っている。自民党も対応しないといけない」と述べ、衆院政治改革調査特別委員会レベルでも野党側との妥協案をめぐる意見のすり合わせが必要との考えを伝えた。《共同通信》

【社会党】新グループが発足

既成政党の枠を超えた新政治体制づくりを掲げた「平成維新の会」(大前研一代表)との連携を目指す社会党議員の新グループ「平成フォーラムの会」(代表・伊藤忠治衆院議員)の初会合が27日午前、大前氏を招いて衆院議員会館で開かれ、田辺誠前委員長ら国会議員25人が出席した。6月1日まで入会者を募った後、正式の設立総会を開く運びだ。

社会党と平成維新の会との関係をめぐっては、4月の同会全国大会に出席した渋谷修衆院議員が離党届を提出、6月1日に除名処分となることが決まった経緯がある。

平成フォーラムの会に対しては「勉強会」という性格である上、田辺氏ら党改革議員連合の主要メンバーが参加していることから、山花執行部も「静観している」(赤松書記長)状態だ。

ただ、26日の党総務会では会の旗揚げを問題視する発言も出ており、執行部が一定の見解を示すことを求める圧力が強まりそうだ。

山花委員長は渋谷氏らに平成維新の会全国大会への出席自粛を要請した際、同会が政党になることを目指している可能性がある点を指摘した。この点について大前氏は平成フォーラムの会会合で「応援団であり、政党にすることはない」と明言した。《共同通信》

【社会党】社民連をけん制

社会党の赤松書記長は26日、社民連の阿部書記長に両党の衆院での統一会派解消を検討していると伝えた。27日朝のシリウス総会で、社民連代表の江田氏らが明らかにした。

赤松氏は党議拘束の在り方などに反発して、同党に離党届を出した渋谷修衆院議員が6月1日に予定している「板橋民主党」の旗揚げ集会に、シリウスメンバーの菅直人社民連代表政審会長と、先に社会党を除名された小林正参院議員が参加を予定している点に不満を表明。また、最近発足したシリウスの支持団体「シリウス市民クラプ」の動向も社会党を刺激していると指摘したという。社民連側は「シリウスはあくまで政策集団。市民クラブも社会党に敵対するものではない」としている。菅氏の旗揚げ集会参加取りやめを含めて対応を協議している。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は27日、大詰めを迎えた政治改革をめぐり記者団の質問攻めにあったが、はぐらかすばかり。「自民党内で並立制を軸にした妥協案が浮上しているが」と聞かれると「さあ、どうなるかまだ分からないなあ」。昼に同党の改革推進若手グループから「妥協を排して単純小選挙区制を押し通し、決着がつかなければ解散、総選挙をと申し入れられたことへの感想を求めても「まあ、まとまりますから心配しなさんな」とニヤニヤ。それでも「最後は(総理総裁である)私が決めます」と、存在誇示を忘れなかった。

○…「改革派の顔」である自民党羽田派の羽田代表は、この日昼の派閥総会で、「守旧派代表」とされる梶山幹事長と午前中に会談したことを披露。「互いの政治改革に対する認識を確認したが、今までと違って幹事長も『制度を変えなければ』との思いは同じようだった」と、梶山氏を持ち上げた。しかし、野党と妥協してでも政治改革法案の早期処理を求めた羽田氏に対し、梶山氏は妥協を拒否したのが真相のよう。同じ派閥で党執行部批判を強める「剛」の小沢元幹事長と、「柔」の羽田代表との「役割分担」が、ここでも生きている?《共同通信》

【韓国・金泳三大統領】中国・銭其琛外相と会談

韓国訪問中の銭其琛・中国外相は27日午前、青瓦台(大統領官邸)に金泳三大統領を表敬訪問し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核問題や両国関係の発展などについて意見を交換、昼食を共にした。

韓国側によると、金泳三大統領は、北朝鮮の核開発は朝鮮半島を不安定化し、北東アジアの平和に極めて悪い影響を及ぼすとして、問題解決に向け中国の協力を要請。「韓国は北韓(北朝鮮)を吸収統一する考えはない。核疑惑が解消されれば、北朝鮮を北東アジア地域の繁栄のための同伴者と見なし、経済協力を拡大していく」と述べた。

中国側によると、これに対して銭外相は、中国は朝鮮半島の緊張緩和と安定を希望し、核の存在に一貫して反対してきたとし、「北朝鮮の核問題は関係当事国が対話を通じて解決することを希望する」と述べた。また銭外相は、中韓関係の発展は両国民だけでなく、朝鮮半島や北東アジアの平和と安定に寄与すると表明。さらに外相は、金大統領が最近発表したアジア太平洋地域内の多国間安保協議の推進を柱とする新外交政策に「敬意を表する」と評価した。

金大統領と銭外相は、昨年の中韓国交樹立後、両国関係が発展していることに満足の意を表明。特に金大統領は、両国が経済で相互補完的な関係にあることから、経済パートナー関係を築いていくことに期待するとし、航空協定と二重課税防止協定の早期締結を呼び掛けた。

銭外相は金大統領が希望した江沢民・国家主席の早期訪韓を伝えると述べた。《共同通信》

【ドイツ】元東独首相ら有罪

旧東ドイツ時代の地方選挙で選挙結果の不正操作を働き掛けた罪に問われたハンス・モドロウ元東ドイツ首相(65)ら4人に対する判決公判が27日、ドレスデン地方裁判所で開かれ、リプス裁判長は有罪の判断を示し、モドロウ被告に戒告と2万マルク(約134万円)の戒告金を言い渡した。他の3被告にも戒告と3500マルクから1500マルクの戒告金が言い渡された。

戒告はドイツ刑法典の中では最も軽い「制裁」に当たる。だが4被告には1年間の刑罰留保期間が付けられており、この間に何らかの罪を犯した場合には罰金が科せられる。《共同通信》



5月27日のできごと