平成1572日目

平成5年4月28日(水)

1993/04/28

【青森県六ケ所村】核燃料再処理工場が着工

日本原燃(本社青森市、野沢清志社長)は28日、青森県六ケ所村の核燃料サイクル基地で、世界最大級のプルトニウム生産施設となる使用済み核燃料再処理工場の建設工事を始めた。核兵器保有国以外では初の大規模再処理施設。日本の原子力政策のかなめとなる核燃料基地主要3施設の中核で、2000年に操業の予定。

ウラン濃縮工場と低レベル放射性廃棄物埋設センターが昨年、相次いで稼働。再処理工場が商業運転を始めれば、核燃料基地は全面操業し、国内の原発で燃やすウラン燃料の生産、再生、廃棄物の埋設管理を一貫して行う核燃料サイクル計画が完成する。

しかしプルトニウムの商業利用を積極的に進めるのは、世界で事実上日本だけ。あかつき丸による国際輸送以来、反核団体が「毒性が強く核兵器への転用が容易で危険」などと日本の計画に批判を強めている。

この日は日本原燃や建設業者ら約90人が出席して安全を祈願した後、午後1時から着工式を行った。

現在、国内には大規模な施設がなく、日本は再処理のほとんどを英国とフランスに委託。六ケ所村のエ場がフル操業すれば、国内の原発から出る使用済み燃料の約6割に当たる800トン(年間)を再処理、約5トン(同)の核分裂性プルトニウムを抽出できる。抽出したプルトニウムは、開発中の「高速増殖炉」の燃料などに大量利用し、ウラン資源の有効活用を図る国のリサイクル計画が動き出す。《共同通信》



【皇太子殿下、小和田雅子さん】皇太后さまに婚約あいさつ

皇太子さまは28日午後、小和田雅子さんとともに皇居内の吹上御所を訪ね、皇太后さまに、婚約のあいさつをされた。皇太子さまは1月の皇室会議や今月の「納采の儀」の当日、あいさつされているが、雅子さんが皇太后さまと会うのは初めて。《共同通信》

【代々木公園】イラン人締め出し

東京都は28日から、渋谷区にある代々木公園の一部区域を「植栽工事のため」を理由に約3カ月間立ち入り禁止にした。工事は同日午前8時半から約80人の警察官が見守る中で始まった。

JR原宿駅に近い原宿門両側に約3000本のツツジを植えるためだが、公園全体の約0.5%にすぎないこの地区は、日曜や祝日に4000から5000人のイラン人が集まり、民族料理や理髪屋の出店も出るほど。来日イラン人の情報交換の場になっていることから、イラン人側は「きつい仕事から解放さ安れる憩いの場で、同胞からの情報が貴重なのに」と事実上の締め出しに戸惑いを見せている。

この地区にイラン人が集まり出したのは約3年前。民族料理シシカバブや香辛料、イランの歌謡曲のテープ、ペルシャ語の新聞などの露店、イラン人理容師による理髪店などの商売が自然発生的に始まり、市場のようなにぎわいを見せる。

一方で、偽造テレホンカードや大麻、アヘンなどの売買も白昼公然と行われるようになり、警視庁公安部は一昨年11月からこれまで53人のイラン人を逮捕、約130人を不法残留で入国管理局に収容した。《共同通信》

【UNTAC】400投票所を削減

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)は28日までに、5月のカンボジア総選挙をボイコットするポル・ポト派の妨害工作を警戒して、全土で1843カ所設置する予定だった投票所数を、約400カ所減の計1401カ所に大幅削減する計画を策定した。

UNTAC軍事筋が明らかにした。投票所の削減で「自由、公平な選挙」を評価する目安となる投票率に大きな影響を与えそうだ。

今月8日の日本人国連ボランティア(UNV)射殺事件の影響を受けたUNVの辞任続出に対応するため、選挙監視などの任務を停戦監視要員が代行している事実も判明、UNTACは総動員態勢での選挙対策を迫られている。《共同通信》

【宮沢喜一首相】PKO参加5原則「崩れていない」

参院は28日午前、本会議を開き、カンボジアにおける国連平和維持活動(PKO)の現状、モザンビークPKOへの派遣決定について国会法76条に基づく各党の緊急代表質問を行った。

宮沢首相は緊迫化する力ンボジア情勢に関し、全面的な戦闘が再開されていないことなどを理由に、パリ和平協定の枠組み、PKO協力法の参加5原則は崩れていないとの見解を重ねて表明。さらに、ポル・ポト派が不参加を表明した五月下旬の総選挙について「ポト派が自らの選択として不参加を表明したことをもって、選挙の中立性が損われたと思わない」と述べるとともに、「これ以上和平プロセスを遅延させることなく、選挙の予定通りの実施が永続的な和平実現に向け重要だ」と強測した。

モザンビークPKOの軍事司令部への自衛官派遣は「業務を円滑に行うため至極当然」と指摘、凍結している平和維持軍(PKF)本体薬務に当たらないとの認識を示した。

岡野裕(自民)、喜岡淳一(社会)、荒木清寛(公明)、吉田之久(民社)、林紀子(共座)、磯村修(民主改革連合)の6氏が質問に立った。

喜岡、林両氏は「カンボジアは日増しに内戦の一途をたどっている」などとして、参加5原則の停戦合意は崩れていると追及した。宮沢首相は5原則の判断は「具体的な状況に照らし「総合的に判断する。全面的な戦闘が再開されれば重要な判断基準となる」と述べ、現段階で日本のPKO部隊の業務中止、撤退を考えていないことを強調した。《共同通信》

衆院は28日午後の本会議で、政府が新たに要員派遣を決めたカンボジアとモザンビークでの国連平和維持活動(PKO)に関する緊急代表質問を行った。

宮沢首相はカンボジアの和平協定の枠組みは崩れていないとの判断を重ねて表明、「現時点において業務の中断、要員の撤収は考えていない」と言明した。中断、撤収の判断基準については「わが国と国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の判断が食い違うことは想像し難い」と述べ、基本的にUNTACの判断を尊重する考え詳した。

また首相は施設部隊が選品挙支援の一環として投票箱輸送を担当することを初めて公式に認め、「その場合はフランスの歩兵部隊に適切な協力(護衛)をしてもらうことが大切」と述べた。

佐藤敬夫(自民)、嶋崎譲(社会)、東祥三(公明)、古堅実吉(共産)、塚本三郎(民社)の各氏が質問に立った。

嶋崎氏が自衛隊とは別組織による協力を考えるべきだとただしたのに対し、首相は「カンボジアでの活動では自衛隊の技能、経験、組織的機能がよく生きていた」と評価、今後も自衛隊を中心にしたPKO協力を続ける考えを強調した。

自民党内の一部から出ているPKO協力法見直し時期の前倒し論については「カンボジアでの活動が始まってまだ一年にも満たない。この法の下での実績を積み重ねていくことが重要だ」と述べ、慎重な姿勢を見せた。《共同通信》

28日午後の衆院本会議で、瞬間的に定足数を割りそうになる“珍事”が起こった。国会法76条に基づいて、モザンビークやカンボジアでの国連平和維持活動(PKO)に関する政府報告に対する緊急質問が行われたが、議論が進むにつれて議場を後にする議員が続出。とりわけ自民党と自ら緊急質問を要求したはずの社会党席がガラガラの状態となり、議場からは「定足数を確認しろ」との野次が飛んで、議場は一時騒然。

衆院事務局が急きょ、出席議員の数を確認したところ、定足数の171人をわずかに上回る182人の出席が確認されたため、本会議が不成立になることは辛うじて避けられた。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は28日、外国為替市場で米国が介入、ドル高に振れたことについて記者団から感想を求められ、ぶっきらぼうに「まあ、当然だろうなあ」と一言。ベンツェン米財務長官の先進7カ国による協調介入示唆発言も「当然」なら、米連銀の独自介入も「当然のこと」と、この日は「当然」を機関銃のように連発した。日米首脳会談後の急激な円高の動きをめぐっては、経済界や政界から首相の責任を問う不満や文句が出始めていただけに、余程米側の動きがうれしかったか。「市場が思い違えてるんじゃないか、とずっと言ってたんだ」と説明する声も弾む。

○…首相のニュージーランド訪問を前に野党各党の農林関係議員がこの日、国会内で河野官房長官に同国産リンゴ輸入反対を申し入れた。当初、長官は「(会う)時間がない」と面会を渋っていたが、社会党が衆院本会議の開始ベルを遅らせるという“非常手段”を行使して無理やり実現させた。社会党代議士会で新盛辰雄衆院議運委理事は「もはや、実力行使しかないと考えて代議士会が遅れるということで(開始の)ベルを延ばしてもらった」と得意顔に内幕を紹介したが、余りの強引さに同僚議員もあきれ顔。《共同通信》



4月28日のできごと