1992 平成4年11月3日(火)

平成1396日目

平成4年11月3日(火)

1992/11/03

【米大統領選挙】ビル・クリントン氏が当選

米大統領選挙は3日投票、即日開票の結果、ビル・クリントン民主党候補(アーカンソー州知事)(46)が共和党の現職プッシュ大統領(68)を破り当選。冷戦終結後の超大国米国の行方を決める選挙で、民主党が変化を求める国民のムードに乗り、カーター大統領以来12年ぶりの政権奪回を果たした。 クリントン候補は共和党が伝統的に強い州や激戦地だった中西部の州、また大票田のニューヨーク、カリフォルニア両州を制し、午後11時(同4日午後1時)過ぎ現在、選挙人362人を獲得、当選に必要な270人を超し、勝利を手にした。この直後、ブッシュ大統領は敗北を認めた。 これで、クリントン氏は、来年1月20日に第42代大統領に正式に就任する。同氏は、43歳で就任したジョン・F・ケネディ大統領以来の若い大統領で初の戦後生まれ。副大統領になるアル・ゴア上院議員(44)とともに戦後で最も若い正副大統領が誕生する。

クリントン氏は、これまでの選挙戦で一貫してレーガン—ブッシュ両共和党政権の12年間の経済衰退を攻撃し、変化を訴えた。選挙結果は米有権者がブッシュ大統領の訴えた「外交実績・経験」より「経済」と「変化」を選択したことを示し、クリントン政権は、就任早々から、経済再建と財政赤字解消という米経済の課題に対処することを求められている。また大統領選と並行して行われた上下両院議員選挙でも、現在両院の主導権を握る民主党が議席を伸ばし安定多数を確保する勢いで、米国は政府、議会とも民主党主導になる。

全米各州の開票では、時差のため最初に投票を終えた東海岸で、クリントン氏がニューヨークを筆頭に総なめの勢いで票を伸ばし、ブッシュ陣営が「絶対に落とせない必勝州」にあげて懸命のテコ入れをしていたニュージャージーも大差で振り切った。さらにクリントン氏は、自動車産業など工業の中心で「レーガン・デモクラット(民主党員ながら過去の選挙で共和党に投票した白人労働者層)」の多い中西部ミシガン、イリノイ、ミズーリ各州も難無く制圧し、早々に勝利を固めた。

全米の平均的価値観を示す中西部では、ブッシュ陣営がクリントン氏の「人格問題」に絞ってキャンペーンを展開したが、伝統的産業地帯の同地域は、経済不振の影響を強く受けていることもあって、「安定」より「変化」を選択した。 クリントン氏はまた、過去の選挙で共和党の伝統地盤になっていた南部でも漫透、自身の出身地アーカンソー、ゴア氏出身地テネシーのほか、ジョージアでも勝利し、全米の政治地図を塗り替えた。西部でも圧勝が予想され、最終的には地滑り的大勝を収める勢いだ。

これに対しブッシュ氏は、東海岸では惨敗、中西部もクエール副大統領の出身地インディアナを押さえただけで、地元テキサス、共和党地盤のフロリダでさえ接戦に追い込まれ南部でも食い込みを許した。ブッシュ氏は選挙戦では「外交実績」を看板に「二期目は経済・内政に精力を注ぐ」と訴えてきたが、これが全く通じなかった格好で、経済不振への怒りや先行きに対する不安感を抱く有権者にノーを突き付けられた。選挙で当選した共和党の現職大統領が再選に失敗したのは1932年にルーズベールト氏に敗れたフーバー大統領以来で戦後では初めて。

一方、第三の候補として話題を集めたテキサス州の億万長者、ロス・ペロー氏(62)は、約16%の得票率で、第三候補としては戦後最強だったジョージ・ウォーレス氏(1968年、13.5%)をしのぐ勢いを見せている。

当選したクリントン氏は、選挙戦序盤に不倫疑惑やベトナム徴兵忌避疑惑が噴出し、2月のニューハンプシャー州予備選で負けるなど大きくつまずいた。しかし12年ぶりの政権奪回にかける南部民主党の強力なバックアップで醜聞危機を乗り越え、南部全州やニューヨーク、カリフォルニアなど大州の予備選をすべて勝ち抜いた。候補として正式指名を受けた今年7月の民主党全国大会では、民主党の伝統だった「大きな政府」でも共和党の「小さな政府」でもない「第三の道」を打ち出し、民主党の看板だった福祉政策の分野でも「福祉削減・自助努力」の方針を確立した。

ブッシュ大統領は3日午後11時(日本時間4日午後1時)すぎからテキサス州ヒューストンの選挙対策本部で演説、「我々は民主主義の偉大さを尊重する。クリントン候補は強力な選挙戦を戦った。私はクリントン候補に電話で祝辞を伝えた。同候補のホワイトハウス入りを歓迎し、スムーズな政権移行を行いたい」と語った。 また大統領は「私は今回の選挙戦でそれなりに健闘したと思う。大統領としての名誉を保持することができた。今後私は米国が抱える共通の課題のためにクリントン大統領を全面的に支援していきたい」と語った。《読売新聞》



【島原鉄道列車正面衝突事故】

3日午後7時半ごろ、長崎県南高来郡吾妻町の島原鉄道阿母崎ー吾妻駅間で、いずれも1両編成の諫早行き上り普通列車と加津佐行き下り普通列車が正面衝突した。列車は双方とも脱線、転覆は免れたが、国見署によると両列車の乗客、乗務員計65人が重軽傷を負って諫早市や同郡愛野町の病院に収容された。

島原鉄道は全線単線で、上り列車乗務員の信号確認ミスの疑いが強まっており、長崎県警は同日午後9時すぎ、吾妻町役場内に現地捜査本部を設置、本格的な事故原因の究明に乗り出した。《共同通信》

【政策研究会・シリウス】結成

江田五月社民連代表を中心に社会党、連合参院三党の若手国会議員らが加わった超党派の新政策研究会「シリウス」の結成総会が3日、都内で開かれた。メンバーは平成元年の参院選と二年の総選挙で当選した社会党、連合参院の若手議員を中心に27人で、この日は23人が出席した。結成総会では、代表幹事に江田氏を選出。江田氏は「腐敗政治に決別し、(自民党)一党支配を終わらせるために、未来志高の政治をつくる」とあいさつし、政権交代が可能な政治勢力の結集と政界再編に向けて積極的に行動する考えを表明した。

研究会は、最初のテーマに政治腐敗防止を取り上げる予定で、この日は政治資金規正法違反で有罪となった国会議員の資格はく奪などを明記した「政治腐敗防止法」の制定を訴える「緊急アピール」を発表、法案化したうえ今臨時国会にも一提出したいとしている。総会後、記者会見した江田氏は、「今後、自民党若手議員との接点も出てくる可能性がある」と語った。《読売新聞》

【渡辺美智雄外相】竹下派抗争を批判

渡辺副総理兼外相は3日午後、宇都宮市で講演し、自民党竹下派の抗争について「なるべく早く収まってもらわないと自民党全体の人気を落とすし、国会審議に影響があるのでは、なお困る。国会審議と派閥の中の争いはしゅん別してもらいたい。速やかに決着をつけてもらいたい」と述べ、泥沼化の様相を見せている小渕系と小沢系の抗争を厳しく批判した。

外相の発言は、宮沢内閣の重要閣僚としてだけでなく、渡辺派会長の立場も踏まえてなされており、こうした明確な竹下派批判は派閥の領袖では初めて。「運命共同体」で外相との連携を深めている宮沢首相の考えを代弁したものとみられる。《共同通信》



11月3日のできごと