平成1376日目

平成4年10月14日(水)

1992/10/14

【自民党・金丸信前副総裁】議員辞職願提出

自民党の金丸信・前副総裁(竹下派会長)は14日、東京佐川急便事件での5億円違法献金問題の責任をとり、衆院議員の辞職願を桜内義雄衆院議長に提出した。21日にも衆院議院運営委員会を経て正式に受理される見通しだ。

これにより、金丸氏の進退問題に一応の決着がついたが、野党各党は、竹下内閣誕生時の暴力団との関係も含めて、臨時国会で金丸氏、竹下元首相らの証人喚問を要求、徹底追及する構えで、「金丸問題」の政治決着にはほと遠い状況だ。このため、政府・自民党は臨時国会で厳しい対応を迫られるのは避けられない。

また、金丸氏が、議員辞職に伴い、派閥会長も辞任したことで、竹下派内で、小沢一郎会長代行グループと反小沢グループの抗争が同派の分裂の危機をはらみながら激化しており、政局の動向に大きな影響を与えるのは必至だ。

金丸氏は14日正午前、二男の秘書・信吾氏を通じ、衆院事務局に桜内議長あての議員辞職願を提出した。これを受けて金丸氏は同日午後、東京・平河町の竹下派事務所で開かれた拡大常任幹事会に出席、議員辞職願を提出したことを報告。引き続き、記者団と懇談し「8月27日の副総裁辞任と同時に議員辞職の決意だったが諸般の事情もあり、本日になった。国民の皆さまには大変にご迷惑をおかけし、誠に心からおわび申しあげる」と述べた。

一方、金丸氏の議員辞職による事実上の政界引退によって、小沢グループと反小沢グループの対立は一層深刻化し、後継会長人事、会長代行である小沢氏の進退問題が当面の焦点となってきた。

後継会長人事については、14日午後の同派最高幹部会で、反小沢グループの小渕恵三副会長が、「このまま、派の責任者がいないのは派閥としてどうか」と述べ、新会長人事を急ぐよう主張しており、同グループ内では小渕氏か橋本龍太郎副会長(元蔵相)の会長就任を目指す動きが強まっている。

これに対し小沢氏は、会長空席のまま、現体制での乗り切りを主張して両グループは真っ向から対立しており、派内抗争が激化する様相を見せている。同派は15日も最高幹部会、16日には総会などを開くが、派の主導権をめぐって緊迫した局面が続きそうだ。

この竹下派の状況から、自民党内では、竹下派支配が崩れ始めたとの見方が広がっており、自民党派閥力学の変化に伴い、権力構造の流動化が来年9月末に予定される「ポスト宮沢」をめぐる総裁選など、今後の政局を不透明にするのは確実だ。《読売新聞》



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【社会党、公明党、共産党】竹下氏辞職も要求

野党各党は14日、金丸信・前自民党副総裁の議員辞職を受けて、それぞれ党首が国会内で記者会見し、金丸氏の証人喚問実現を要求していく方針を強調するとともに、暴力団が関与した「皇民党事件」の真相解明のため、竹下元首相の証人喚問が必要と主張した。このうち社会、公明、共産の各委員長は竹下氏の議員辞職も要求し、野党の対決姿勢は佐川疑惑追及の軸足を竹下氏に移す形で一段とトーンを強めている。

社会党の田辺委員長は、金丸氏の議員辞職について「一つの帰着点ではあるが、出発点ともいえる」として、疑惑が未解明であることを指摘。公明党の石田委員長も「総裁選への暴力団関与は、民主政治の根幹にかかわる問題だ」として、金丸、竹下両氏の証人喚問に全力をあげる考えを強調。さらに竹下氏の進退にも言及し、「議員辞職に値する」(石田氏)などと語った。共産党の不破委員長は、「暴力団に関与した議員は全員辞めてもらわなければならない」と述べ、竹下氏らの政治的、道義的責任を追及する構えを示した。

民社党の大内委員長は、「(竹下氏の)証人喚問の中で、責任を問う内容があれば責任を追及しなければならない」と、他の野党に同調する姿勢をにじませた。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】政治家と暴力団の関係を批判

宮沢首相は14日午後、金丸前自民党副総裁の議員辞職を受けて首相官邸で報道各社のインタビューに答え、佐川急便事件で問題となった政治家と暴力団の関係について初めて言及し「政治に関わる者がそういう集団とかかわり合いを持つのはあるべきことではない」と批判した。

金丸氏の議員辞職については「金丸氏が諸般の事情を重く受け止め、熟慮の上、決断を下されたのだと思う」と述べるとともに「こういう事態になったことは大変残念だ。自民党総裁としてだれよりも厳粛に受け止めており、国民におわび申し上げる」と党総裁の立場から国民に陳謝した。《共同通信》

【プロ野球・近鉄】新監督に鈴木啓示氏

近鉄球団は14日、大阪市内のホテルで、西武と優勝争いを演じてパ・リーグを盛り上げた仰木彬監督(57)の勇退と、1967年の小玉明利監督以来の待望久しい生え抜き監督となる鈴木啓示氏(45)=野球解説者=の新監督就任を発表した。

鈴木新監督は1985年までの20年間、近鉄のエースとして歴代4位の通算317勝をマークした左腕投手。黒のスーツ姿で記者会見に臨んだ新監督は「近鉄がかなえられていないのは日本一だけ。私のためにやり残していただいた仕事だと思っている」と抱負を語った。契約期間は5年間で背番号は70。

【プロ野球・横浜ベイスターズ】初代監督に近藤昭仁氏

大洋OBで野球解説者の近藤昭仁氏(54)の大洋監督就任が14日、横浜市内のホテルで発表された。契約期間は3年、背番号は「60」。大洋は11月11日からチーム名を「横浜ベイスターズ」と変更、近藤氏は新生チームの“初代”監督となる。

近藤監督は今季途中から指揮を執った江尻監督を除いては1981年の土井淳氏以来のOB監督。「OBの一員だし快く(監督を)引き受けた。やりがいがある」と就任の気持ちを語った。《共同通信》

【WBAストロー級タイトル戦】大橋秀行選手、2年ぶりに王座奪回

世界ボクシング協会(WBA)ストロー級タイトルマッチ12回戦(14日・両国国技館)元世界ボクシング評議会(WBC)同級王者で、WBA3位の大橋秀行(27)(ヨネクラ)が、チャンピオンの崔煕庸(27)(韓国)を判定で破り、2年ぶりの王座返り咲きに成功した。日本選手の世界王座返り咲きは、8人目。 日本ジム所属の世界王者は、ジュニアフライ級の井岡弘樹(グリーンツダ)、フライ級のユーリ海老原(協栄)、ジュニアバンタム級の鬼塚勝也(協栄)と合わせて4人となった。崔は5度目の防衛に失敗。

試合は積極的に前に出る崔に対し、大橋がカウンターを狙うという展開。判定では大橋の有効打が高く評価され、3-0での王座返り咲きとなった。大橋は、WBA同級1位のチャナ・ポー・パオイン(タイ)と初防衛戦を行う予定。

採点表を見て、点差の大きさに、やや意外な気がした。ひたすら前進して、接近戦から細かいパンチを繰り出す崔に、大橋はカウンターで迎え撃った。この展開が最後まで変わらず、接戦に見えたからだ。結局、3人の副審は、崔の手数より、大橋の有効打を取ったわけだ。

確かに、終盤のチャンピオンは、パンチのダメージで動きが鈍っていた。 大橋はロープを背にすることが多く、印象は決して良くなかったが、相手のペースにはまらず、よく見てアッパー、フックを的確に決めた。「大橋が冷静に戦った」と、米倉健司会長。それは、「声が小さくて聞こえない。もっと大きく」と、終盤は大橋の方から、セコンドに指示していたことでもよくわかる。

試合終了後、両手をあげて歓声にこたえた大橋に対し、崔はやや体をふらつかせてコーナーに戻った。「倒せなかったのが残念」と新王者は振り返ったが、ここは崔の打たれ強さをたたえたい。

タイトルを奪われて2年。再挑戦のチャンスがなかなか来ず、つらく長い日を送った。それに耐えられたのは、「(負けた)ロペスと、もう一度やりたいという気持ちがあったから」という。WBC同級王者ロペスとの統一戦は、負けた崔陣営に2試合の興行権を握られているため、すぐには無理。しかし、こうなったらぜひ実現させてほしいカードである。《読売新聞》

【玉川良一さん】死去

浪曲で鍛えた独特の声と軽妙な演技で知られるコメディアンの玉川良一さんが14日午後9時35分、急性心不全のため東京都新宿区の東京女子医大病院で亡くなった。67歳だった。

浪曲の先代玉川勝太郎に師事、昭和23年に楽団を結成して地方巡業後、東京・浅草の軽演劇界に進出した。映画「続二等兵物語」「続兵隊やくざ」などで個性的なわき役を演じ、テレビでもショー番組、ドラマ、CM、司会と幅広く活躍して、作詞や喜劇台本も手掛けるなど多才だった。

先月19日、東京女子医大に検査のために入院。大腸ガンが見つかり今月1日手術を受け、一時は小康状態を保っていた。《読売新聞》



10月14日のできごと