平成1311日目

平成4年8月10日(月)

1992/08/10

【天皇、皇后両陛下】中国訪問が決定

天皇、皇后両陛下が日中国交正常化20周年に合わせて、10月下旬、歴史上初めて中国を訪問されることが10日、事実上決定した。宮沢首相は同日夕、首相官邸に自民党の綿貫幹事長らを呼び、「国民が喜んでお送りできる雰囲気の中で、年内に訪中をお願いする準備を進めたい」と、天皇訪中実現に向けて最終決断したことを伝え、党側も政府・党一体で取り組むことを了承した。

日中両国政府は具体的な日程調整に入ったが、訪中時期は、10月22日から27日までの間の5、6日間程度となる予定で、北京のほか西安、上海が訪問先として計画されている。25日にも閣議決定する。

政府としては、天皇訪中実現により、日中戦争以来の両国の「過去」にピリオドを打ち、アジア外交の基軸である日中関係を強化し、21世紀に向けての基礎固めとしたい方針だ。

首相は綿貨幹事長らに対し、世論の動向などを慎重に見極め熟慮した結果であることを強調。その上で、「さらに検討すべき問題、対応を考える」と、加藤紘一官房長官に対して①訪中反対派の説得②友好親善を主眼とした訪中の趣旨を再度中国側に伝達③米韓など諸外国への理解要請—の三点を指示したことを明らかにした。これに対し、党側は「首相の決断を尊重したい」と協力を約束した。

これを受け、政府は近く先遣隊を派遣する一方、韓国政府に天皇の中国訪問一伝え、理解を求める。天皇陛下の外遊は、昨年秋、即位後初めてタイ、マレーシア、インドネシアの三か国を公式訪問されて以来。《読売新聞》



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【川鉄公害訴訟】和解

千葉市の川崎製鉄千葉製鉄所の周辺に住む公害病認定患者らが、同社に損害賠僕を求めた「千葉川鉄公害訴訟」は、10日、東京高裁民事9部(岡田潤裁判長)で和解が成立した。和解条項は、川鉄側が患者原告58人(うち19人死亡)に解決金として2億6500万円を支払う、との内容。製鉄所の排出した大気汚染物質と健康被害の因果関係については必ずしも明らかでないとされた。

17年に及んだ同訴訟が、話し合いによる決着をみたことは、大阪市、川崎市など全国で争われている大気汚染公害訴訟の行方にも影響を与えそうだ。

この日の法廷ではまず、原告、被告双方が和解による解決を望むとする意見を陳述。続いて岡田裁判長は、和解文の中で、慢性気管支炎などの公害病について、工場だけではなく、自動車からの汚染物質による「複合汚染」とした。そのうえ、で、千葉市の大気汚染について「他の工業地帯と比較し相対的に低位であり、原因は京葉臨海工業地帯の各企業による重合汚染であることも無視できない」とし、千葉製鉄所の排出物質と原告患者らの健康被害の直接の因果関係を明確にしなかった。

一方、製鉄所周辺では過去、居住環境が良好とはいえず、提訴以来17年を経て高齢化が進む患者原告に多数の死者が出ていることを指摘。また川鉄側が公害防止対策に努力を継続し、周辺環境に一定の改善があることも挙げ、和解が最も妥当な解決だとした。

和解勧告に先立ち、川鉄の門田研造副社長が意見陳述で「周辺住民へのばい煙などによる迷惑について深く反省しております」と陳謝し、原告患者のこれまでの苦労に対しても遺憾の意を表明した。

解決金は、一審判決後に原告側が差し押さえた約7800万円を含めて2億6500万円とされた。原告、川鉄側ともこれらの条項などを全面的に受け入れた。

「四日市ゼンソク訴訟」(一審の住民側勝訴判決が確定)に続いて、本格的な大気汚染訴訟として提訴された千葉川鉄公害訴訟の和解は、長期裁判となることが多い公害訴訟の解決に一つの道を開いたといえる。

同訴訟は、患者と周辺住民ら174人(和解時)が損害賠償と溶鉱炉の操業、汚染物質排出の差し止めを求めた。一審の千葉地裁は63年11月、川鉄側に総額約7700万円の損害賠償を命じた。控訴審結審後に裁判所も交えて行われた和解協議は決裂、10日に判決が予定されていたが、直前の5日になって双方が電撃的な歩み寄りを見せた。《読売新聞》

【登校拒否】急増

「学校嫌い」を理由に年間50日以上欠席する、いわゆる「登校拒否」の小中学生が、平成3年度に初めて5万人を突破し、5万3356人にのぼったことが、10日、文部省がまとめた学校基本調査で明らかになった「30日以上」の長期欠席者に範囲を広げると、登校拒否の小中学生は6万6749人に達し、中学生では100人に2人が「学校嫌い」に陥っている。一方、高校卒業者の大学・短大への進学率は38.9%と過去最高になり、女子は初めて4割を超え、高学歴志向を裏付けた。

「30日以上」の長欠児童・生徒の調査は、同省の専門家会議が今春、「早期発見・即時対応」を提唱したのを受け、初めて実施した。病欠などを含めた総数は、小学校では5万5230人、中学校では10万3081人となっている。このうち「学校嫌い」を理由とする登校拒否児童・生徒は、小学校1万2637人(全児童数の1.04%)、中学校5万4112人(全生徒数の1.04%)。中学校では、100人に1人が「学校嫌い」であることがわかった。

また、従来行っている50日以上」の長欠者の調査では、総数が小学校で2万9832二人、中学校で7万1844。うち「学校嫌い」の子供は、小学校が9645人、中学校が4万3711人で、いずれも過去最高となった。両者の合計5万3356人は、調査が始まった昭和41年度の1万6718人の3.2倍にも達し、前年度比でも10.6%増の高い伸び率を示している。

一方、今年3月の新卒者の動向をみると、中卒者の高校進学率は95.9%で過去最高、高卒者の大学・短大などへの進学率も32.7%で、過去10年で最高となった。「現役」の高卒者のうち、大学・短大を志願した者は92万1000人で、全体に占める割合(志願率)は51.0%。

浪人生を含めた大学・短大への進学率は38.9%で過去最高。男女別では、平成元年に女子が男子を上回って以来、差が広がっており、男子37.0%、女子40.8%と、女子は初めて40%台に乗った。《読売新聞》

【第74回全国高校野球】開幕

(10日・甲子園)開会式に続いて一回戦3試合が行われ、開幕戦としては7年ぶり9度目の延長戦となった沖縄尚学(沖縄)—桐蔭学園(神奈川)は、全員安打を記録した沖縄尚学が十二回、敵失でサヨナラ勝ちし、30年ぶりの出場を白星で飾った。

一関商工(岩手)は、七回の集中打など効率のよい攻撃と、山井投手の粘り強いピッチングで山口鴻城(山口)に逆転勝ち。途中からナイターとなった西条(愛媛)—三重(三重)は、三重のエース杉山が力投、打線も13安打と爆発して圧勝した。《読売新聞》

【阪神高速・梅田出口】供用開始

大阪・梅田のオフィスビルを貫通する阪神高速道路池田線の「梅田出口」が完成、10日午後3時から通行がスタートした。

梅田出口は長さ198メートル、幅6.25メートルの一車線で、円筒形16階建てのオフィスビル(高さ約72メートル)の5−7階部分を貫くトンネルは高さ10メートル、幅20メートル、長さ37メートル。

都市空間を有効利用するため、平成元年に設けられた「立体道路制度」の初のケース。阪神高速道路公団の用地費は区分地上権だけで済むため、買収する場合の三割ほど。経費節約プラス渋滞緩和の一石二鳥の効果が期待されている。《読売新聞》



8月10日のできごと